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【大正冒険奇譚TRPGその6】

13◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 21:51:58
「確か……私の歳だったか。それなら今年で五十四になる。
 家族は国と共に死んだよ。友と呼べる者は……思えば一人もいなかったな。
 ……それについて、未練は無いがね。女性の好みは……」

一瞬の沈黙。

「……そうだな、強い女性がいい。私はどうも、意を決するという事が苦手でね。
 お陰で君達にも負けてしまうし……女性と交わる機会も、逃し続けてしまったんだ。
 だから……この手を掴んで、引いてくれるような人が、好きだったよ」

遠い過去を懐かしむように視線を細めながら、くつくつと、ツァイが笑った。

「……慈悲は、少し掛け過ぎてしまったようだ。
 私も、君達を殺すのが、間違った事だとは分かっていたからね……。
 後は、なんだったかな……あぁ、私の『目的』か。それなら――」

再び、風が吹いた。
これまでとは違う、激しく鋭い風――それがツァイを戒める蔓を千々切り裂いた。
ツァイの全身が自由を取り戻す。

右拳に二本の鉄杭を。左手は剣印を。
鉄杭の間に線が走る。そして彼は、その線から面を生み出せる。
長短自在の、裁断結界を。

「――これから果たされる」

ツァイが右手を突き出す。
その先にはブルー・マーリン。
――君へと目掛けて、剣状と化した結界が猛然と迫る。

もし君がそれを避ければ、結界はそのまま伸び続け――君の後方に居る冬宇子と頼光を貫くだろう。
もし避けなかったのなら――結界は君を貫いてから、そのまま君の仲間達を貫く事になる。

要するに君は――『やるしかない』。
付け焼刃だろうが、ろくに使いこなせない力だろうが、それでもだ。
やらなければ、死ぬ。少なくとも君の仲間達は、確実に。



また、これは君達が気付くかどうか分からない事だが。
先程のツァイの戒めを解いた風には、呪力――氣が含まれていた。
ツァイのものとは違う。だが君達にも覚えのあるだろう氣が。


【なんか風が吹いたらツァイを縛ってた蔓が切れちゃいました。
 伸縮自在の結界を横に伸ばす事で、剣のようにして冒険者を貫くつもりです】


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