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【大正冒険奇譚TRPGその6】

11◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 21:51:20
>「てめぇっ!」

そうして訝しんでいると――ブルーが叫び、地を蹴った。
隙を突くつもりだろうか。
だが、ツァイは動作一つ意志一つで結界を追加展開出来る。
そこに足運びを加えれば、彼に接近する事など――

>「歯をくいしばれ!」

――そう叫びながら、ブルーは頼光を殴りつけた。
予想外の出来事にツァイは僅かに目を剥き――しかし、これは好機だ。
問いに答えるとは確かに言ったが、仲間割れを始め、隙だらけの所を見過ごすまでの義理はない。
彼は剣印を二人へと突きつけて――

>「聞きたいことはないか――冥土の土産をくれるってのかい?

ふと、視界の外から声が聞こえた。倉橋冬宇子の声だ。
絶妙な間だった。この問いに答えを返すまでは、ブルー達を殺す訳にはいかない。
それは自分が立てた誓い――贖罪に反する事だ。

>冥土の土産ってなァ、殺される者に真実を伝えてやろうってぇ、せめてもの慈悲だろう?
>この期に及んで言えない事があるなんて、あんまりじゃないのかい?」

彼女の言う事は、至極もっともだ。

>「その男も言っていたように、何故私らが殺されなきゃならないのか?
  それくらいは教えとくれよ!
  訳も判らずに死んだんじゃあ、成仏なんかできゃしない。」

――前触れもなく、風が吹いた。
結界に包まれた詰所の敷地内に、風が。

>「ツァイ・ジン――!あんたは一流の術士だ。
  生憎と私は、補助符が無けりゃ五行の術も満足に使えない三流以下でね。
  敵いっこないってこたァ分かってる。
  あんたが、どうあっても私を殺すってなら、きっと死ぬことになるんだろうさ。
  それでも、私は知りたいんだよ!この国に何が起こっているのか。真実を。」

ツァイの口元が微かに動く。
風は、まだ止まない。

>「私らに呪災の淵源を探られちゃ、都合の悪いことでもあるってのかい?
  ええ?亡国士団の旦那?
  捨て駒だったあんたらが、何故中央に戻れたのかねえ?!それも呪災の直前に!」

>「ねえ!答えとくれよ!
 あんたは『私らが誰なのか。何のためのここに呼ばれたのか』知っているのかい?」

「……いいや、知らないな。私には答えられんよ」

拒絶的な回答――だが、まるきり無意味でもない。
私には答えられない――それはつまり彼以外に、冬宇子の問いの答えを知る者がいる。
彼よりも立場が上の者が。そういう事だ。
無意識に零れた失言といった風でもない――彼なりの、せめてもの答えなのだろう。


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