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【大正冒険奇譚TRPGその6】

100◇u0B9N1GAnE:2013/09/02(月) 22:55:02
>「話は変わるがね、あんたも承知の通り、冒険者ってなァ官人じゃないんだ。
  仕事を請けるかどうかは、本人の意思次第。
  請けた仕事を途中で放り出したとて、報酬がフイになるだけで罰則なんかありゃしない。
  要するに、仕事をほっ放って、逃げちまってもいいってことさ。
  もし、私らが、この仕事を断ったら―――国王陛下…あんた…どうするつもりだい?」

「……君達冒険者は、とても優れた機構だ」

「と言うのも、君達は国使同然の存在として派遣されておきながら、同時に個人としての性質も失っていない。
 だから大使のように丁重に扱えと言いながら、仕事を受けるかどうかは個人の自由と主張出来る。
 だけど……君達が国使であるか個人であるかを選べるのは、何も君達だけじゃない」

「君達のお上……国だって同じ事を考えるし、同じ事が出来る。
 成功すればこちらの国使のお陰だから一つ貸し。
 でも、もし何か面倒な事になった時は……それは君達の個人的な失敗だ」

「君達が仕事を蹴れば、ボクは呪いを暫く放置して、もう一度使いを出して別の人材を派遣してもらうか。
 あるいは自前の戦力で遺跡を攻略しなくちゃならない。いずれにせよ損害が出る。
 その責任は本来なら、責任感のない国使を送ってきた日本に負わせたい所なんだけど……」

「……君達は多分、トカゲの尻尾になるよ」

「……けど、そんな事は今は関係ないよね。もし仕事を蹴られたらかぁ……そうだなぁ。
 仕方ないから、こちらからも追加の報酬を出すよ。
 それくらいしか出来ないけど……君達ならきっと引き受けてくれると、ボクは信じてるよ。ね?」

>「さてと、その、『仕事』とやらについて聞こうか。
  そりゃ、無論、不死王の遺跡の攻略ってんだろうが、
  あんたが呪災の原因を知っているかどうかで、仕事の危険と難易度は大きく変わる。
  ……陛下、呪災の発生を画策していたのは、あんただが、
  具体的に、誰が、どうやって、この呪災を発生させたのか――どこまで正確に把握しているのさ?
  話してもらおうか。仕事を請けるかどうかは、それからだ。」

「……簡単だよ。不死王の遺跡に封じられているのは、不死王だけじゃない。
 伝承では確か……彼を不死にした少年も、そこに幽閉されたと言われている」

「……今回の呪災なんだけどさ。もし不死という現象を、伝染する呪いのように
 組み直して振り撒けるとしたら……それは王様じゃなくて、その少年の方だと思わないかい?」

「そうさ。不死の法を編み出し、そして地の底へと囚われた少年は、きっとまだ生きていたんだ」

「つまり相手は、ただの兵士に捕らえられて、そのまま生き埋めにされちゃうような子供だ。
 術才は凄いんだろうけど、対策さえしてしまえば何も怖くないさ。
 呪災を起こしてくれたお陰で……対策の仕方は、もう分かってるしね」

「正直言って……後はその子を連れてくるだけでいい。
 人助けみたいなものさ。どうだい?まさか難しいとは言わないよね?」



会話を終えれば、王は君達に歓迎の宴を手配するだろう。
振舞われるのは補陽の効果が強い食事や酒――きりきりと働いてもらう為の準備を、宴という言葉で飾っただけだ。
またその途中で『王都の地図を持ち出した件』『不死の研究を宮仕えの道士から聞き出した事』についても触れられる事になるだろう。
本来なら外患罪に相当するが、それが必要な事だったとは十分理解出来る。
『だから土行の術を用いて、その情報を君達の心中に『埋伏』させてくれるだけでいい』と。
つまり記憶は確かにあるが、表層化させられない――口外出来ない状態にすると言う事だ。
もっとも――口外出来なくなるのが本当に地理情報のみなのか、施術を受けるまで君達には確かめようがない。

術を施された後で、何故か些細な手違いで、つい先ほど交わした会話の内容まで
口に出来なくなっている可能性も――なきにしもあらずだ。


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