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大正冒険奇譚 臨時避難所
95
:
鳥居 呪音
◆h3gKOJ1Y72
:2013/11/13(水) 01:29:47
嫌な予感がした。緊迫した空気。
鳥居は一つ唾を飲み込む。
眉根を寄せて祈るようにたたずむ。
続いて生還屋の怒声。あかねの反論。
そして、咲く血の花。
微かに震えるあかねの手が鳥居に向かって差しのべられた。
「……あかねさん!」
掴み返して体を支える。
支えようとした。でも…力が抜けてゆく。
それはまるで嫌な夢のようだった。
空気の槍を少年に放つあかね。
少年は吹き飛び磔にされたが、ぽたりと抜け落ちるように虚空に停止する。
>「まぁ……絶望が深くなればなるほど、その裏にある希望もまた大きくなる。
だから……足掻きたければ、足掻けばいいよ。
不死である僕には決して、勝つ事なんて出来ないけどね」
「さっき君は本当の不老不死は
心も変わらないことって言ったよね。
……でも、僕は変わりたいよ。
僕が寂しかったり苦しいのは何もない空っぽな人形みたいなものだからだよ。
だから変わりたい。
今のあかねさんにだって、事実を受け入れる時間が必要なんだ。
君だって不死の国の王様になることを夢見てるんだよね?
ならなんでさ?
君のやってることは人の未来を勝手に奪ってることなんだよっ」
そう言って、鳥居は頭上の異音に気づいた。
張りつめた空気に響く硬質な音。
それは氷が固まって軋む音だった。
少年があれを使うとしたら理由はたった一つ。
生きてる者を殺す。
それだけは許せない。
脳裏に走る殺戮の予感に、鳥居は無意識で飛翔。
そして、その背には燃える朱雀の翼。
鳥居は倉橋たちの真上で氷槍を受け続けた。
その体に、その翼に。
翼の出力を失い落下するその時まで。
「……うくく。みなさん大丈夫ですか?ここで誰かに動死体になられちゃったら困りますからね。
僕が嘆願をこなして無事に日本に帰るためにはみなさんの力(知恵)が必要なのです」
ころりと仰向けになる鳥居。
「それと倉橋さんは僕を尊敬しました?
僕はあなたの大切な命を守りました。
文字通りの金の亡者になるのを防いであげたのです。
それって、お金よりも大切なことですよねぇ?
それじゃいつもカフェーで男の人にやってるみたいに僕をなでなでしてくれませんか?」
むっくりと起き上がると、頭を差し出す鳥居だった。
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