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大正冒険奇譚 臨時避難所

86鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2013/11/12(火) 02:09:22
そんななか、あかねが氷壁を作る。
鳥居は倉橋に促され脱兎の如く避難。
凍てつく空間に作られた、その小さな場所で暫しの安堵を覚えた。
ふう、と小さなため息が震える喉から溢れ出す。

そしてぶるぶると身を縮めながら、倉橋とフーの会話を聞く。
だがその心は、まだ倉橋の言葉に揺さぶられていた。

――肝を据える。
それは覚悟を決めるということなのだろうか。
マリーやブルーのように…。
鳥居は彼等のことを思うと、悲しくなる反面、羨ましくも思えた。
それは自身の命をかけられるほどの主義があるからだ。
だがしかし、不老不死の鳥居には命懸けという言葉はない。
そのかわりにあるものと言えば空漠とした寂しさ、孤独。
思い返せば嘆願の途中に聞いた少年の噂。
彼なら孤独を克服する何かを知っていると鳥居は思っていた。
しかし彼のそれは、受け入れるにはあまりにも常軌を逸していたのだ。

>「――ねえ、どうして分かってくれないのさ」

>「君達も、僕と同じ不死の存在でしょ?だったら、僕の言ってる事が分かる筈だよ。
君達は悲しくないのかい?変わってしまう事が。
大事なものも。大好きだった人も……皆僕らを置いていってしまうんだよ?」

>「君達と一緒にいる、その人達だってそうだよ。 ここで凍っておかなくちゃ、いつかは君達を置いて変わってしまう……死んでしまうんだ。
君達は、それが嫌じゃないのかい?」

(きみたち?)


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