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大正冒険奇譚 臨時避難所

65鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2013/10/16(水) 23:49:57
最後の部屋には少年がいた。
少年は希望や夢を抱いたまま皆を不死にして
丸ごと凍結させるのだと言う。
それを聞いた鳥居はその行為が間違っていると思う。

「凍結された心も体も、たぶん偽物みたいなものになります。
成長しなくって変われないことって駄目なことなんです。
変わりゆくものの中で変わらない気持ち。
それが本物になってゆくものだと僕は思います」

ふとマリーたちのことを思い、鳥居は涙が溢れそうになる。
彼女たちは親友でも何でもない、ただの同行者。
でもこの世に生まれて何かを感じ心を育てて生きてきた。
彼女たちはすでに本物を手に入れているのだ。

鳥居はふと倉橋を見る。
しかしすぐに視線を外し

「……誰か、彼の言う通りになりたい人っていますか?
なりたくない人は僕の近くに来て下さい!」
神気の炎を両手に展開。
冷気が強すぎるために、神気を最大にし続ける。
ここで力を抜いたら一気に氷ってしまいそうだった。
それに吸血鬼の力は同時には使えない。

「……くっ、情けないです。
これだから、いつも子供扱いされちゃうんですね」
苦笑するしかない鳥居だった。


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