したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

大正冒険奇譚 臨時避難所

64鳥居 呪音 ◆h3gKOJ1Y72:2013/10/16(水) 23:48:27
馬車の中で倉橋に質問されたことに
鳥居は答えることにした。
本当に数百年も生きてきたのかい?
そんな不思議な質問は生まれて初めてされたような気がする。

「はい。生きてきました。
今までに知り合いの人間が、年老いて何人も
死んでるところを見てきましたから」

そう言って無言。
倉橋がその前に言った「それでよく団長が務まるねぇ」
みたいなことはしばらく意味を考えてみる。
もしかして倉橋は鳥居のことを子供と思っているのだろうか。
じゃあ大人ってなんなんだろう。
もちろんここにいる皆は大人だ。
合間を見計らって、倉橋の振り袖を引っ張る。

「えっと、じまわりなんて僕の姿を見たら震えあがって
お酒を飲ませる代わりに警備をさせて欲しいって哀願してくるんですよ。
それに基本的には、みんな貧しいからお金をあげたら大人しくなります。
それでも言うことを聞かない人はちょっと小突いたら大人しくなります」
鳥居は目をぱちぱちさせながら倉橋に言う。
さも大人の対応をしている感じで。

※ ※ ※

しばらくして、一同は遺跡の奥へと入ってゆく。
鳥居は不老となった少年と王様が
どうやって寂しさを紛らわせているか
それが知りたかった。
でも、最初に見つけたのは変になった王様だった。

(これが不老の成れの果て?)
ゾッとする鳥居。
やるせない気持ちが溢れてくる。

そして対峙する伊佐谷とマリー。
いずれここにも訪れるであろう蠢く動死体を想定し、
ブルーも覚悟を決めている。
彼等の行動に何故と問いかけたら
それは彼等が彼等であるということなのかも知れない。
以前マリーは、弱いものが犠牲になるのは許せないとか言っていた。
それが強い気持ちを生み出すのだろう。
死ぬかも知れないのに、死んでも譲れない気持ち。

あと鳥居は、ブルーのことはよく知らないが
飛行機の中でお茶らけていた彼とは別人に見えた。
ブルーは倉橋たちとの行動の中で心境が大きく変化していったのかも知れない。
よくわからないが、これはきっと格好いいことなのだ。
そしてこれが、生きるということなのかも知れない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板