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天地戦争計画(801戦争)本部
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以下、新新VIPにかわりましてラトビア超速報がお送りします。
:2010/08/04(水) 00:30:48 ID:vxh8SsWY0
私は確かに見たのだろう。人が恋に落ちる瞬間を。
その人は図書室の隅で、窓から外を眺めていた。
私はそこが、ずいぶん前からその人の指定席であることを知っていた。
だからその日も、期待を胸に図書室に向かったのだ。
そうして、やはりその人はいた。
差し込む日に、薄茶色の髪は銀のように輝いて、
その、切り揃えられていないショートボブが、端整な顔を縁取っていた。
人によっては冷たいと言う、青みがかった瞳は、何かを追うようにゆらめいていた。
すべてはいつも通りだった。
かすかに香る、古びた本の匂いまでも一緒だった。
けれど、やがていつもと違ったことが起こった。
ゆらめく瞳が、一点を見つめて静止したのだ。
そして、軽く目が見開かれ、唇がわずかに開き、透き通る頬にうっすらと朱がさす。
その瞬間、私は知った。
彼女は恋に落ちたのだ、と。
根拠などない。ただ私には判った。
私もまた、彼女にずっと恋していたのだから。
私は確かに見た。けれど見たくはなかった。
ずっと見つめ続けてきた人が、他人を恋する瞬間など。
その人の想い人が誰なのかは、意識して探すまでもなかった。
その人の視線の追う先を見れば、すぐにその子は見つけられた。
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