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【R-18】なろンズの地下物語【雑談・投下】

5775なろンズ ◆S4aNEeMpos:2021/04/22(木) 17:40:05 ID:t7yYRb/o

即ち、この看板を作った人は怪獣と怪人の違いがわからない程度の知識しかないのです。
その上で、怪人にも人権を、などという主張を声高に叫んでいるのです。

これに気づいたとき、私は二度目の戦慄を覚えました。
彼らがやっていることは、現実にも見ることができるからです。

例えば、熊を撃ち殺した猟師に対し「殺す必要があったのか」と糾弾する人間。
或いは、暴漢を射殺した警官に対し「足を撃てばいいのでは」と糾弾する人間、など。

Twitterなどでよく見られるこれら、
「大した知識もないのに正義を訴える無関係な外部の人間」。

春場先生がここで描こうとしたのは、まさにそうした人間の無責任さなのでしょう。
カルト集団にそれをさせるコトで、そうした連中はカルト同然だ、と、
作者である春場先生はそう訴えたいに違いない。私は、そこに気づいてしまったのです。

素晴らしい筆力です。脱帽せざるを得ません。
一見するとただの少数カルトが頭おかしいこと言ってるだけに見えるこの場面は、
実は現代社会の歪みを鋭く風刺する、春場先生の思想の表出であったのです。

桜間君にものすごい目つきで同調圧力をかけるママを見ればわかります。
これは、右に倣え主義の日本人の愚かさと、それに屈する人間の弱さを描いているのでしょう。

さて、ここでそろそろ、私は皆さんに言っておかなければなりません。
私、自分が何を書いているのか、若干わからなくなってきています。

いやー、しかしアレですね。
この少数カルトの皆さん、随分とドラゴンキーパーを敵視していますが、
ドラゴンキーパー、怪人が現れる前は一体どんな活動をしていたんでしょうね。

それが一切描かれていない辺り、
読者の想像に全てを委ねることで作品をより深く印象付けるという戦略が垣間見えます。

恐ろしい。
何という恐ろしい戦略なのでしょう。さすがは講談社ですね。

しかし、どれだけ声高に訴えたところで、所詮社会は強い者の味方です。
どれだけ被害を出した怪人でも平等に扱い、彼らの基本的人権を尊重しようとする。
そんな素晴らしい思想も、衆愚による数の暴力の前には無力なのです。

ここでの注目ポイントは、怪人の人権を訴える、という部分です。
一見すると頭おかしい戯言のようにも見えます。
しかし現実ではコロナウィルスの人権尊重を訴えた学者がいたほどです。

春場先生も無論それを知っていて、怪人の人権尊重を訴えるという流れにしたのでしょう。
人の愚かさのトレンドをきちんと踏襲する、
春場先生の創作者としてのアンテナの広さが作品への応用力の高さが窺えます。

そして、パパが気づいてしまいました。
命の価値を勝手に決める人間はやはり間違っていたのです。

今話の冒頭で全ての命は等しく尊いという言い方で、
自分以外の命の価値を自分基準で決めていたパパですが、己の非を認めたようです。

ママはママで、怪人こそが神様だという結論に達しました。
神には人権も何もあったものではないので、
つまり、神である怪人にもやはり人権は存在しないということになります。

どうやら、ママも己の過ちに気づいたようですね。よかったよかった。
しかしやつれましたね、パパとママ。
やはり、今までの自分が間違っていたという事実を認めるのが辛かったようですね。

ですが桜間君だけが、未だに両親の正しさを信じています。
両親はすでに己の過ちを認めたというのに、彼だけはそれができていない。

なかなか迂遠な表現ですが、
桜間君の、子供ゆえの愚かさをきちんと描き出せていますね。
春場先生の筆力の高さには感嘆するばかりです。

そして、次のページではそんな桜間君の、
「間違っているのは僕なんだ」というモノローグが入ります。

両親が間違っているはずがないと信じる自分が間違っている。
これは、桜間君が理性では自分の過ちを理解しながらも、しかし止まれなくなっていることを示しています。


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