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なんでも投下スレin避難所2
88
:
名無しさん@避難中
:2012/06/05(火) 04:14:56 ID:hPv4AKmU0
とりあえず保存した。
89
:
名無しさん@避難中
:2012/06/07(木) 22:14:18 ID:W4PEerPY0
「……夜はきれいね」
「そうっスか」
「どこ行くの?」
「……さあっス」
女の問いかけに男の味気ない返事はまるで笹の葉を噛むよう。だが、それを好む者も居る事実。
助手席に座る若い女。いくら隣の男が草食だとしても、やはり気にするだろう。ましてや丈の短いスカートの娘ならば。
夜中の高速道路はどんな遊園地よりも夢中にさせる。流れるテールライト、遠くに浮かぶ夜景。そして車はトンネルに差し掛かると
オレンジ色の照明で車内を斑模様を描いて横切るように照らす。飛行機の空洞実験を目の当たりにするかのような轟音。
これがタイムトンネルだとすれば、どこに行きたいだろうか。フリーダムな学生時代?それとも、甘酸っぱい未来?
通り過ぎないと分からない。この目で確かめないと分からない。だから、聞く。
「ねえ。どこ行くの?」
女は髪の毛を指先で摘んで運転手の男に気がある振りをしてみた。長いトンネルを抜けるまで男は何も答えなかった。
気があるんじゃない。興味があるだけだ。抑え切れない探究心が運転手の男をハイウェイの夜間飛行へと駆り立てただけだ。
何故がひとつ解き明かされたとき、生物教師・白倉寛司の欲望はまたひとつ増える。学問に携わる者ならば、尽きることのない欲求。
トンネルを抜けたフィアット・パンダは再び夜の底に沈んだ。
#
「あの……。パンツ見えそうなんスけど」
「見せてんのよ」
学校備品の椅子に座る女子生徒。いくら隣の男が教師だとしても、やはり気にするだろう。ましてや丈の短いスカートの娘ならば。
短いスカートから伸びるむちむちの太もも、ほんのちょっと風に煽られれば純白に輝く『まほうの布』がサブリミナルに焼き付くピンチ。
生物教師の白倉はそんなことお構いなしに自分の興味にだけ没頭していた。表情を露にしない白倉はぐりぐりとスマホをいじりながら
『レミングの集団行動における誤った説を踏まえた新たなる考察』のページを読み耽ていた。
90
:
名無しさん@避難中
:2012/06/07(木) 22:14:52 ID:W4PEerPY0
(「見せてんのよ」っつてるのになぁ)
放課後の生徒指導室。芹沢モエは教師を指導すべく、白倉をこの部屋に連れ込んだ。
目的はただひとつ。
『白倉先生に彼女がいるのか、いないのか』
いい年こいた大人の男だ。だが彼には浮いた噂などひとつも匂わすものもなく、パンダだからか『草食男子』を地で行く男だ。
黒い目の回りは彼の表情を隠すには最適で、よい表現で言うならばポーカーフェースがよく似合う。悪く言うならばプライベートな
ところが見えず、パンダだけに白黒はっきりさせたかったと、モエは陰から白倉を見ていた。
彼女が居るなら、居るで男らしく彼女を守る素振りを見せて欲しくね?とモエは目を光らせる。
彼女が居ないなら、居ないで男らしくさらって欲しくね?とモエは歯を光らせる。
「どうして?」とモエに尋ねることは愚問だ。
きっとその返答の変わりに頭突きが飛んでくるだろう。乙女心を察して欲しい。
機、熟せり。
ある日、モエがいつもよりスカート丈を短くはしょっていたことに風紀委員長に咎められた。
膝上ンー十センチの放課後コーディネート、街へ繰り出すには早過ぎたのか、木造の廊下も目のやり場に困っていた。
そこに相変わらずポーカーフェイスの白倉がカバンを携えて通りがかった。帰宅の途中らしい。
「あーっ!白倉センセ!わたし、白倉センセに指導されてきまっする!」
モエは白倉の腕を掴んで生徒指導室へとなだれ込んだ。風紀委員長も「モエのことだから、止められないし」と諦め顔で
ぴしゃりと扉が閉まる光景を見守っていた。
喜び勇んでモエは白倉と生徒指導室で二人だけの空間を作った。ここならあけすけに語ってくれるだろうという思惑。
恋人が居るのなら自分の誘惑をつっぱねるんじゃね?居ないのならば「てんてんてん」。裏づけの無い非論理的な実証だった。
しかし、モエの揺さぶりにも動じない白倉はカバンを机に置いて、すっとポケットからスマホを出すだけだった。
「センセ!鍛えてるでしょ?」
「ん」
「わかるんだよ。触っていい?」
「今、いい所だから後っス」
91
:
名無しさん@避難中
:2012/06/07(木) 22:15:24 ID:W4PEerPY0
(普通、なびくんじゃね?)
白倉の反応の薄さにモエは椅子から立ち上がると白倉のカバンが机から落ちた。そこから現れたのはカエルのおもちゃ……。
いや。精巧に作られたカエルの解剖セットだった。ゴム製の内臓や皮膚の感触が妙にリアルであり、生き物の匂いがしないのは
妙に非現実的であった。埃塗れの床に作り物であるがカエルの五臓六腑が撒き散らされる。
「バ、バビったー!何これ!」
「カエルっス」
尻餅付いたモエは意外な白倉の言葉に肩透かしを食らった。
白倉が散らばったカエルのおもちゃの内臓を拾い集めていると、モエのスカートが捲れているのに気付いた。
むちむちの脚!
匂い立つソックス!
そしてさんかく!
「あの……。パンツ見えそうなんスけど」
「見せてんのよ」
「あ、っそ」
何?女の子の秘密より、カエルの神秘?探究心って何?
興味の方向、間違ってね?もっと、肉食え、肉。
白倉が手にした天秤は女子高生よりもカエルが重いらしい。
天に向けた裁きの剣はカエルの解剖ごっこに使うらしい。
なんか、間違ってね?もっと、肉食え、肉。
(むきーーっ!)
「ん?」
「センセ!ばいばい!カラオケ行ってきまっする!」
だんだん白倉の彼女は居るか、居ないか疑惑なんかどうでも良くなってきた。時間の無駄だとモエが生徒指導室から飛び出す際、
周りが見えていなかったからか、カエルの心臓の模型を踏みつけしまった。白倉はモエの靴跡の付いた心臓にふっと息を吹きかけた。
廊下ではモエを心配していた風紀委員長が携帯片手に廊下でたたずんでいた。
委員長の姿を見るや否や、モエは彼女の携帯を奪ってカーディガンのポケットに押し込んだ。
92
:
名無しさん@避難中
:2012/06/07(木) 22:15:50 ID:W4PEerPY0
「リオ!カラオケ行くよ!」
「え?別にいいけど。急に?」
「なんかね……振られてないけど、振られた気分じゃん!弾けるよ!ハルカも呼ぶよ!」
風紀委員長はポケットから再び携帯を取り出して、カラオケのお誘いメールを打ち始めた。
振られてないけど、振られた気分とは何だろうと考えているものの、結論まで至る思案はやめにしておこう。
「それより、白倉からスカートのこと……」
「見せてんのよ!」
放課後は夜まで長い。
#
夜は朝まで長い。
それならば、いっそ二人っきりで楽しもうじゃないか。どこか遠くで。
「寛っち。だめだよ。学校の生徒たぶらかせちゃ」
「ぼくが生物以外に興味を持つとでもっスか」
「だって。寛っち、油断できないもん」
機械に感情があるのならば、エンジンの音で掻き消してくれ。そんなわけにはいかないので、白倉はぐいとアクセルを踏み込んで、
出口まで1キロの距離を縮めた。こんな会話をフィアットの中でするのは何人目だろうかとハンドルを左に切る。
おしまい。
93
:
名無しさん@避難中
:2012/06/08(金) 19:39:56 ID:QpqDaoS.0
ユスヘム ラビト ケゼー
グラゥグクィム ユトホート
センシルマクー ヴライカー
アンドォト ケセル
フヴリゥ マォト ブデゥフクエム
スカッアッガー レォフェオト マクナルゥチユムナ
スェバペゼイ ヤカルカ ナ
トトヨ トヨ トポ ウ
94
:
名無しさん@避難中
:2012/06/09(土) 23:54:48 ID:e.8CH4BU0
ヤラナイカ
95
:
名無しさん@避難中
:2012/06/11(月) 18:08:23 ID:0LoOBgSQO
アッー!
http://imefix.info/20120611/101246/
96
:
名無しさん@避難中
:2012/06/11(月) 18:10:00 ID:lusdIP.k0
ちょwwwwwwwwww
97
:
名無しさん@避難中
:2012/06/11(月) 19:09:33 ID:mJ9M/jyM0
/''i_/''i
[ニ/ ヽ
ノl l ノ'''ヽ !
`! l|,,゚ヮ゚ノ| 何してくれとんねんwwwwwwwwww
jムっ旦c>
⊂三)))))
98
:
名無しさん@避難中
:2012/06/11(月) 19:31:27 ID:0LoOBgSQO
青森「なにって…チキンウィングフェイスロックだよ。彼とは身長差が有りすぎて少し手間取った。…え?彼かい?今彼はコンクリートの柱になっているよ」
99
:
名無しさん@避難中
:2012/07/02(月) 10:23:21 ID:bFPay1eA0
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3155014.jpg
100
:
名無しさん@避難中
:2012/07/02(月) 15:34:00 ID:E8NxyrFw0
前の奴誰www
101
:
名無しさん@避難中
:2012/07/02(月) 16:02:36 ID:oGhkV1LI0
ライダーw
102
:
仁科に投げたくなってくる今日この頃
:2012/07/03(火) 00:32:48 ID:EY3R88Eo0
某スレ安価「空が暗くなり始める頃」消化。
不必要に時間をかけてしまいまんた。
下校時間を知らせるチャイムが響く、放課後の誰もいない図書室。
霧崎さんから貸してもらってある合鍵で資料室から出る。
「はぁ……大人になりたい」
大人になりたい。切実な願いだ。
目についた新書を端から読んでいて常々思う。今すぐ大人になりたい。
中学生なんて脱ぎ捨ててしまいたい。
けど、そういう理由で文芸部に入ろうとした僕に、霧崎さんは
「もっと世間を覚えてからにしなさいガキンチョ」
と言って取り合ってくれなかった。
魚の頭のマッチョの人形のキーホルダーがついた鍵。
やっぱりこのキーホルダーはキモい。妙に筋肉がリアルだし。
図書館棟を出てゆっくりと講堂の方へ歩く。今日は講堂での練習だから。
本当は部活に入って「騎士」としての務めを果たしたかったのだけれど、そうは出来なかった。
何で邪魔をしたんだろうか。確かに僕は細っちょろいけど、身長なら十分ある。
「騎士」として生きるんだ。
あんなに簡単に血が出て、あんなに簡単に死んでしまいそうなことになってしまう彼女を護るんだ。
だって、彼女は僕なんかより百倍カッコいいから。
ずっと生きていて欲しい。僕なんかよりもイケメンでダンディな彼氏を作ってほしい。
僕は「騎士」で良いから。
姫を守る、「騎士」で良いから。
103
:
名無しさん@避難中
:2012/07/03(火) 03:40:51 ID:jSKn2nLQ0
乙。ていうか仁科じゃないかw
104
:
名無しさん@避難中
:2012/07/03(火) 19:53:14 ID:1ny.im6E0
創作板落ちたの?
105
:
◆91wbDksrrE
:2012/07/04(水) 04:58:37 ID:YFrbni5o0
自分の信じるものを否定されるというのは、それはそれは辛い事であるという。
だが、その感覚が僕にはわからない。
何かを信じるという事がわからない。
誰かを信じるという事がわからない。
何かを信じた事はない。誰かを信じた事も無い。
信じる。それは一体何なのだろう。
誰かは言う。それは頼るという事だと。誰かに何かを任せ、期待する事だと。
誰かに何かを任せた事はない。
誰かに何かを期待した事は無い。
誰かは言う。それは共にある事だと。誰かと何かを想い合い、一緒にする事だと。
誰かと何かを想った事はない。
誰かと何かを一緒にした事は無い。
僕には何も無い。誰かも、何かも、何も無い。だけど、それを辛いとは思わない。
誰かは言う。もっと人を信じてみたら、と。
だが、その感覚が僕にはわからない。信じるという事、それ自体がわからない。
誰かは言う。貴方はかわいそうな人だ、と。
だが、その感覚が僕にはわからない。僕が可哀想だという事、それ自体がわからない。
だって、僕は可哀想じゃないと、そう僕は考えている。
そして、それは僕の中では紛れも無い真実だ。事実だ。唯一だ。
僕はわからない。
どうして僕が、自分が泣いているのか。
どうして瞳から止めどなく涙が溢れ出るのか。
わからない。
自分の信じるものを否定されるというのは、それはそれは辛い事であるという。
だが、その感覚が僕にはわからない。
わからない。
わからない。
わからない。
fin
106
:
◆91wbDksrrE
:2012/07/04(水) 05:43:54 ID:YFrbni5o0
騎士「で、何なのですか↑のポエムは?」
魔王「ロカビリーって奴ですね!」
騎士「……リハビリ、ですか?」
魔王「そうそれ!」
騎士「いきなりどっかで見たようなやり取りから入るとか、相当通常営業な気もするんですが……」
魔王「そうは言っても、これ書くのあまりに久しぶり過ぎて、全然キャラとか忘れてるみたいですしー」
騎士「魔王さんのキャラはそうそう忘れようにも忘れられない気がしますが……」
魔王「すっかりイメージCVが阿澄佳奈で固定されてしまう程度には忘れられてますよ?」
騎士「メタメタですねホントに……でも、ホント今考えてみると驚くほどイメージが合致しますね」
魔王「書いてる人は今この瞬間に気づいたそうですけどね」
騎士「むしろなぜ気づかなかったかと問いたいのですが……」
魔王「あんまり這い寄ってないからじゃないですか?」
騎士「むしろ体型が全然全く異なるのが大きいと思いますが」
魔王「酷いです! これからの成長に期待できるじゃないですか!」
騎士「むしろ身体よりも、身体に乗っかってる物の方に成長を期待したいところです」
魔王「そっちは最早完成されています! 見ますか、このピンク色の脳細胞?」
騎士「あ、やっぱり桃色なんですね」
魔王「なんで納得してるんですかー!?」
騎士「日頃の行いを胸に手をあてて思い起こしてみるといいと思いますよ」
魔王「……あてる胸が無い。ぐすん」
騎士「はい、うそなきはやめましょうねー」
魔王「なぜバレたし……って、何か前より冷たくなってませんか騎士さん!?」
騎士「魔王さんが前よりテンション上がってる分、反比例しているようですね」
魔王「じゃあ、控えめでいきましょう。やっほー、全国三人の読者の皆さーん! 魔王ちゃんですよー!
久しぶりですよー! 春ですよー!」
騎士「控える気、ありますか? そして読者が三人って、またリアルな。……ちなみにもう夏ですよ。
ホントに真夏のイヴになるとは……」
魔王「真夏で済みますかね?」
騎士「不穏当な事を言わないでください! ……あながち冗談にもならなそうなのが怖いのですが……」
魔王「あながちって言葉はエッチだと思いません?」
騎士「どこかの後輩のような事を言いはじめないでください」
魔王「そうですね、やめましょう。場が荒廃してしまいます。後輩だけに……だけにっ!」
騎士「……ドヤ顔が地味にカワイイのが逆に腹立つんですが……」
魔王「え!? カワイイですか? わたしカワイイですか!? もっと言ってくださいもっともっともっと!」
107
:
◆91wbDksrrE
:2012/07/04(水) 05:44:07 ID:YFrbni5o0
騎士「……………………。
さ、さて、本編の方、お待ちの方もおられると思いますが、ご覧のように適当な会話やり取りは
書けますが、伏線踏まえたストーリー構築の方は行き詰まってるというのが正直な所」
魔王「ああん、久しぶりのス・ル・ウ♥ やっぱり癖になっちゃいますねー……ハァハァ」
騎士「興奮しないでください! しばらく出番が無い間に、何か色々おかしさが増し増しになってませんか……?」
魔王「そんな、ひどい」
騎士「ループしないでくださいよ? ……とにかく、本編の方の再開は未だに未定です。だがまあ、いつか書く
気はあるという事で、なぜか突然興が乗ったので、ある種の生存報告も兼ねて書いてみた次第との事です」
魔王「そんな、ひどい」
騎士「やっぱりループしてますね……でまあ、期待せずに待っていてもらえれば、という事で、ごめんなさい&
ありがとうを書いている人の代わりに待ってくれている人にお伝えしておきます」
魔王「書いてる人がヘタレで本当にごめんなさいです。でも、このままじゃ終わらないので、
わたしの活躍に乞うご期待くださいねっ!」
騎士「まあ、私もそれなりに頑張ろうとは思いますので、またお会いする時はよろしくおねがいします」
魔王「そして本編後に控えるキャッキャウフフスレでの私と騎士さんの活躍にも乞うご期待!」
騎士「それはないです」
魔王「えー!?大団円の後は主人公とヒロインがくんずほぐれつのファイナルバトルかっこ性的な意味で
かっことじるを繰り広げるのがお約束じゃないですかー! ドラクエ1からある伝統ですよー!?」
騎士「……あれはファイナルバトルの後じゃないでしょう」
魔王「もう竜王倒さなくていいんじゃないかな」
騎士「姫だけじゃなくて世界も救ってください! とにかく、それは無いんですが……」
魔王「えー、なんでですかー。ご褒美くださいよご褒美ー」
騎士(……既に忘れ去られてそうですが、私も女なのでそれはありえないんですよね……)
騎士「ご褒美は違う形で差し上げますから、それで我慢してください」
魔王「ヒャッハー! ご褒美だぜー! お前の持ってる種籾をよこせー!かっこ性的な意味でかっことじる」
騎士「結局それですか! ……とにかくまあ、こんな調子ですから、いつになるかはわかりませんが、
待ってくださってる方がいる以上、続きはいつか書きますので、よろしくおねがいします」
魔王「そうでも言っておかないと、今回の鯖落ちでログ消失とかになったら、そのまま有耶無耶に
しかねないですもんねー」
騎士「……ホントにヘタレですよね、書き手さん」
魔王「お陰で騎士さんもこんな超絶美少女の据え膳を回避するヘタレに……」
騎士「それとこれとは関係ありません。とにかく、そろそろ〆にしますよ。お別れの挨拶をしましょう」
魔王「はーい。 ではでは、何かいい事あるに決まってる! 魔王ちゃんとー」
騎士「騎士でお送りしましたー」
魔王「どっかで聞いた終わり方でバイバーイ♪」
騎士「……基本、ネタ会話の時ってこんなのばっかりですよね……」
おわり
108
:
◆91wbDksrrE
:2012/07/04(水) 05:53:30 ID:YFrbni5o0
投下し終わった直後に鯖落ちが直ったようなので、創発該当スレに転載しときましたw
ちなみに、投下までの流れ
RADWIMPSの曲聞きながら
>>105
のポエム書く
↓
投下する
↓
その後他のポエムを三十分くらい書いたり消したり
↓
なぜかティンと来る
↓
二十分くらいですらすらと書き上がる
↓
投下
↓
鯖直る
↓
円川さんの豆腐メンタルを矯正したという事で魔王ちゃんが一躍有名人に
↓
アイドルデビュー
↓
ロリコンチャート一位に
↓
十年来の付き合いだった騎士との入籍を発表。電撃引退。
↓
「普通の魔王に戻ります」はその年の流行語大賞に
↓
桶屋が儲かる
109
:
名無しさん@避難中
:2012/07/04(水) 22:56:08 ID:95uH0LOM0
僕は祈る
君の未来を
ただ、覚えておいて欲しいんだ
それは、その路は、君だけのものなんだってことを
同じものなど何一つとしてない
それらは全て――平凡なようで、平凡ではない
だから、怯むことなく、怖れることなく
誰の所為にすることもなく
ただ、真っ直ぐに
己が決めた路を歩めば良いんだ
それに、時だけは元に戻せないから
だから、君が
君自身が、後悔する事のないように
君が目指すその場所へ
たとえ、一歩ずつでも、廻り路でも
進んでい行けば良いんだ
そして僕は
何時の日か、あの場所で
君の笑顔に逢える事を
心から
祈っている
ただ、純粋に祈っている
110
:
名無しさん@避難中
:2012/07/17(火) 00:35:00 ID:wOOKN7ZE0
Q:カツカレーのカツといえば?
A「ロースカツに決まってんじゃん。愚問すぎる」
B「ヒレカツこそ至高。Aは浅い、浅すぎる」
C「チキンカツだろJKww 安いしww」
D「ハンバーグカレーかカツカレーかで迷った奴、いるよな? オレ分かっちゃった、メンチカツ最強じゃね?」
A「ていうか、ヒレってカレーよりむしろカツサンド向きな気がするが」
B「んなこと言ったら、チキンカツなんかカツ丼用じゃん」
C、A「「いやそれはない」」
C「ロースとかヒレなら、単品で食うわww もったいないし」
D「あの、メンチは?」
A「そもそもヒレカツカレーもチキンカツカレーも食ったことなかったわ」
B「貧乏人め。一回食ってみ、ヒレこそ正道だから」
C「カツカレーって時点で邪道なのはスルーかよww」
D「……」 ←蚊帳の外
111
:
名無しさん@避難中
:2012/07/19(木) 01:41:59 ID:oDzwLC3A0
ザァアアアア……
ゴロゴロゴロ……
「……やっと振り切ったかな?」
「しかしすごい土砂降りだな、雷も近いし……ん?」
「スパイダーセンスが反応してる……一体何が……って!!!」
ピシャアアアアアアン!!!!!
ドオオオオオオオオン!!!!!
「――フゥ、危ない危ない こんな目の前に落ちてくるなんて……アレ?」
(落ちた所に人影が……女の子?)
『あいてて…シリ打っちまった……ん〜ココでよかったのかな……?』 キョロキョロ
(なんだあの子…スンゴイ髪型してるなあ)
(まるでエレクトロ……のイトコか何か? でもヴィランって訳でもなさそうだし……よし)
「やあ、新顔かな? お嬢さん」 スィー
「うひゃあ!? だだだ、誰!?」
「そんなに驚かなくても……」
「いきなり全身タイツ男が逆さまでぶら下がってきたら驚くよ!」
「……ごもっとも」
112
:
名無しさん@避難中
:2012/07/19(木) 01:42:37 ID:oDzwLC3A0
「…あれ? その赤と青のクモの巣模様…アンタ、スパイダーマンか!?」
スパイディ 「ん? ああ、よく知ってるね」
「アンタの名前は空の上でもよく聞くからな」
スパイディ 「(空の上?) …ねえ君ひょっとして、ソーの親戚か何かだったりする?」
「え? いや全然知らないけど」
スパイディ (あれ、違ったか…)
「あんたがいるって事はやっぱりココでよかったんだな。……なあ、アンタって確か他のヒーローとも仲良かったよな?」
スパイディ 「え? うん、まあ顔は広いほうかな?」
「な、ちょっと頼みがあるんだ その中の一人に会えないかな?」
スパイディ 「うーんボクが知ってる範囲でなら。名前はなんていうんだい?」
「フラッシュってヤツなんだけど」
スパイディ 「フラッシュ…… え? フラッシュ!?」
「知ってるのか? じゃあ早速…」
スパイディ 「ちょちょちょ、待ってくれ、ホントにフラッシュ?」
「そうだけど……なんだ、仲悪いとか?」
スパイディ 「いや、そういう訳じゃないんだけど う〜ん、何というか…彼はココにはいないんだ」
「ふむ、アメリカは広いしな。もっと遠くの町にいるとか?」
スパイディ 「あ、いや、そうじゃなくって……『この世界』にはいない、かな」
「……へ?」
スパイディ 「話せば長くなるんだけど……」
113
:
名無しさん@避難中
:2012/07/19(木) 01:43:29 ID:oDzwLC3A0
※ ※ ※
「はあ、別の宇宙……」
スパイディ 「そ、彼らと僕たちは別々の宇宙に暮らしてるって訳」
「……なんで他の宇宙なのに向こうを知ってるんだ?」
スパイディ 「前に双方の宇宙の存亡をかけた大きな戦いがあってね…
その時にお互いの宇宙の存在を知ったのさ」
スパイディ 「それはそうと…向こうのヒーローに会うにはアクセスの力が必要だね」
「あくせす?」
スパイディ 「うん、ココと向こうを行き来できる能力者なんだ」
「そいつってデッカイ狐の姿だったりする?」
スパイディ 「へ? いや、違うけど……」
(あれ、違ったか……)
※ ※ ※
スパイディ 「ま、とりあえず彼を探し出さない事には……」
『見つけたぞ、ここにいたかッ!!!』
スパイディ 「…うあ、マズイな」
「なッ、アレって……ヴェノム!?」
ヴェノム 『トンズラしたと思ったらこんな所でナンパか!?』 ヒュッ!
ドオンッ!!!
スパイディ 「おっとっと。ちょっと道を聞かれてね、今から案内しようと思った所なのさ」
ヴェノム 『なら俺達がお前を地獄に案内してやるぜッ!!!』 グワッ!!!
スパイディ (やれやれ……)
ドゴオオオオオオンン!!!!!
114
:
名無しさん@避難中
:2012/07/19(木) 01:44:06 ID:oDzwLC3A0
「うおお、壁ブチ抜いていきやがった…なんてパワーだッ」
「って、アイツ一人で大丈夫かな? 助けにいかないと……」
ドオンッ!!! ズドォン!!! ガシャアン!!!
スパイディ 「んもう……ボクは……こんな事してる……ヒマないってば!」
ヴェノム 『ハッ!もう泣き言か!』 ドロッ…シュパッ!!!
スパイディ (うッ! 足に絡まって……)
ヴェノム 『ああああああッ!!!』 ビュン!!!
ドゴオオオオオオンッ!!!!!
スパイディ 「……う……かはッ!」
ヴェノム 『ハッハァ! 今引導を……むうッ!?』
ドゴオオォンッ!!!
ヴェノム 『なッ…剣!?』
「……ちッ! 勘がいいな……だけど」
ヴェノム 『なんだ嬢ちゃん 邪魔をするんじゃないッ!』 ドロッ…ビュン!!!
「……遅いッ!!!」 ―ギュン!!!
ヴェノム 『うッ! な、なんだこの速さ―――ッ!?』
カッ!!!
115
:
名無しさん@避難中
:2012/07/19(木) 01:44:52 ID:oDzwLC3A0
※ ※ ※
ゴロゴロゴロ……
スパイディ 「ヒュウ……やるね、君」
「手加減はしておいたけど……しばらくは気を失ってると思うぞ」
スパイディ 「それに助かった お礼といっちゃなんだけど君の人探し、協力するよ」
「いいのかい?」
スパイディ 「次元を越えるアクセスを探し出すのは骨が折れそうだし、それに……」
スパイディ (彼が現れる事でまた何か大きな事件が起こるかもしれないからね……)
スパイディ 「あ、そういえば君の名前を聞いてなかったね」
いかづち 「あれ、そうだったっけ? オレはいかづち。よろしく」 スッ
スパイディ 「イカヅチか、こちらこそヨロシク」 グッ
※ ※ ※
スパイディ 「ところで、イカヅチはどうしてフラッシュに会いに来たんだい?」
いかづち 「ああ、修行の為に」
スパイディ 「修行?」
いかづち 「もっともっとオレよりも速いヤツと戦いたくてな 『地上最速の男』――相手にとって不足なしだぜ!」
スパイディ (クイックシルバーが聞いたら怒りそうだなぁ……)
おわり
116
:
名無しさん@避難中
:2012/07/19(木) 01:46:35 ID:oDzwLC3A0
どこに投下するか迷って結局こっちに。
アメコミは断片的にしか知らないので
キャラ設定とか間違ってるかもしれない
117
:
名無しさん@避難中
:2012/07/20(金) 13:39:10 ID:Fv7eGq1w0
アメコミの設定とか、あって無きが如しだから気にするな!(暴言)
でも、いかづちがアメコミ顔になったら何か嫌だなぁw
118
:
名無しさん@避難中
:2012/07/28(土) 19:42:41 ID:sF61WT/w0
電車の中で暇なので、作品書く。
テレビが梅雨明け宣言した事に気づいたのは、3日間部屋の中で過ごした後、『会いたい』とメールしてきた彼女に聞いてからだった。
だらしなく伸びた髭を剃り、乾燥機にいれっぱなしだったシャツとジーンズをドライヤーで髪と共に乾かしていく。
適当に歯磨きを済まし、鏡で自分の姿を一瞥したのち、財布と携帯を持って出かける。
日の光が妙にまぶしかった。
大学の生協。二階の食堂を探すと彼女はいた。
前会った時より髪が伸びている気がする。
こんなに暑いのに、長髪なのはやはり俺のあの宣言のせいだろうか。
「よお」
「おそーい」
彼女の話では、夏休みを利用してどこか行きたいと言う話だった。
「それは……どこに?」
「海」
彼女は決断が早く、これと決めたら頑固だった。
「よし。で、いつ行くんだ」
「今から」
そんなこんなで、大学の駐車場にとめてある車に向かう。
車のキーを開けて、蒸せかえる車内の熱気をエアコン全開で出す。
乗り込んで、いつもの癖で煙草を吸おうとして、やめる。
彼女が非難がましい視線で見つめてきたからだ。
「これなに?」
「ん」
視線を彼女の手元に向けると、数珠が握られていた。
「何でもねーよ」
窓を開けて、車外へと捨てる。
彼女の疑問と共に、車を発進させ、数珠を置き去りにした。
電車到着。
119
:
名無しさん@避難中
:2012/07/30(月) 21:45:17 ID:CJTPkuOY0
熱くなったステアリングを摘むように握りながら、横目で彼女を伺う。
向こうは窓の外に目をやるでもなく、ただ真っ直ぐフロントガラスを見つめている。
エアコンの効きが悪く車内がちっとも冷えないことや、ラジオからつまらないトークが延々と続いていることにも、
一言も文句を言わない。
それが、彼女の「海に行きたい」という強い意志を感じさせ、任務を遂行するスパイのごとく、黙々と車を走らせる。
「……さっきの」
沈黙を破ったのは、彼女のほうからだった。
「なに?」
「なにって……なに?」
ひどく間抜けなやり取りだ、そう思いながら聞き返す。
「だから、……さっきのあれ」
数珠のことだとはすぐに合点がいった。
合点がいかないのは、なぜ時間を於いてから尋ねてきたのか、ということだった。
「……ああ」
曖昧に答えながら、煙草が吸いたいと思った。
ガードレールの切れ間から、青い海が見え始めた。
ふいんきが気に入ったので、勝手に続きらしき駄文。
正規の続きがあったら、破棄で構わないっすよー
120
:
名無しさん@避難中
:2012/08/02(木) 07:31:55 ID:k60RRxsM0
ちょっとグロ。
一人が、その男の襟首を掴んでずりずりと引きずって来た。既に虫の息だ。顔面や頭部からぽたぽたと血を零している。引きずられていたので、それらが地面に赤い軌跡を描いていた。無造作に引きずられた線の集まりだ。
ほとんど動かなかったが、まだ指先だけは僅かに動いているのを認め、うーうーと唸り声を上げている。頭部の傷も大した事はなく、出血は多いが致命傷となり得る程では無いのが見て取れた。脳へのダメージはあるかもしれないが、それは今は問題ではない。彼の意識があるかどうかが重要だ。
「この男?」
彼女は小さく頷いた。
「この人。あの時に居た人の一人で間違いない」
「他の奴らはどうした?」
男を引きずって来た方に聞く。どうやら逃げられたらしい。
「じゃ、とりあえず一人は捕まえられただけ、って事か」
私の目の前に投げ捨てられた男を蹴っ飛ばして仰向けにさせた。どこにでも居る中年の男だ。
「おいお前、俺が見えるか?」
男はまだ、うーうー唸るだけだ。目は動いていたから、私の呼びかけは聞こえているはず。見ていると、口をもごもごと動かして、喋りたそうにしている。
「俺が見えるか? じゃあ、彼女は見えるか? 見覚えはあるだろう? 無くても彼女はお前の事を覚えているぞ」
目が動く。
彼女を見ると、口をぱくぱくさせた。動揺している。覚えているようだ。
「覚えているな? じゃ、お前たちが彼女たちに何をしたのかも覚えているな? で、今ぶん殴られて彼女の前に連れてこられたんだ、自分が何をされるかも分かるよな?」
うーうーと唸る。声にならないようで、何を言っているかは聞き取れないが、口の動きからは助けて、とか許して、とか言おうとしているのは解った。
小便を漏らして、辺りに臭いが立ち込めた。
「怖いか? でもお前は今怖いだけで終るんだ。彼女たちみたいにずっと怖いわけじゃないんだ」
男は手足を必死に動かそうとしている。今気づいたが、右手の肘がおかしな方向を向いている。途中で折られたらしい。
足も変だ。見ると、足首が切断されていた。逃げないようにする為なのはすぐに分かった。
「自分でやる?」
彼女に聞く。答えない。もう男を見ていない。
「出来ないなら、俺がやるよ」
視線を外したまま、頷いた。
「分かった」
私は腰から鉈を取り出して、男の顔面に数回振り下ろした。すぐに、男の顏は無くなって、代わりにぐちゃぐちゃになった。
121
:
名無しさん@避難中
:2012/08/08(水) 21:48:28 ID:yR19WU4I0
神様
天を仰ぎながら、貴方の名前を呼ぶ
其処におわすのだろうか
ならば、何故
私を此処に遣わしたのか
ならば、何故
今、此処で私を一人にするのか
言っても仕方のない言葉だけが
今、この空間に木霊する
そう、これさえも
貴方の意思なのだろうから
それが解っているから
僕はこの場で泣き崩れることしか
できないのだ
122
:
名無しさん@避難中
:2012/08/09(木) 20:08:00 ID:uM/PgKeU0
神様のいる国へ
其処は、感じる事が出来ても
辿り着く事が出来ないところ
今はね
でも、きっといつか還るところ
きっとね
いつかね
多分ね
いつか還ると
約束したところ
多分ね
君と約束したところ
きっとね
還るよ、あの場所に
123
:
ヘ ノ
: ヘ ノ
ヘ ノ
124
:
ヘ ノ
: ヘ ノ
ヘ ノ
125
:
名無しさん@避難中
:2012/08/17(金) 22:00:39 ID:E4E2wmFI0
どんどん増え続けるVIPスレ。もう7,000近い
エヴァンゲリオンの第11使徒イロウル思い出した
126
:
名無しさん@避難中
:2012/08/24(金) 23:57:23 ID:dbLJVVJc0
ここではない何処かに
ちがう、僕はだた
貴方の声が聞きたい
ただ、それだけなんだ
貴方が好きだよ
ただ、それだけなんだ
貴方が好き
ただ、それだけなんだ
127
:
名無しさん@避難中
:2012/08/25(土) 21:13:38 ID:Ag6XvSWA0
どうか泣かないで
きみが僕の為に泣く必要なんかない
どうか泣かないで
たとえ僕がいなくても
君だけは笑顔で
どうか泣かないで
128
:
名無しさん@避難中
:2012/08/26(日) 20:15:31 ID:js5K.DAo0
僕に貴方の心の内側を見せて
僕はただ、貴方の為だけにあるから
僕が貴方の苦しみも痛みも
全て引き受けるよ
そうだね
それは叶わぬ願いだと
知っているよ
でもね、それでも
そんな君の痛みを少しでも
軽減できれば
それでいいと思っているんだ
そして、それだけが
僕が、今、君に差し出せる真実
129
:
1/4
:2012/09/01(土) 21:20:51 ID:DoIrMb.M0
自ら進んで講習に出るなんて、と周りの同級生は喋っていた。
夏休み。夏期講習は、強制参加のグループと自由参加のグループがあった。
ヒカルは自由参加のグループに三日だけ加わり、紙に芯を滑らす音の中にいた。
ちょっとわからないところがあったからと、そんな軽い気持で参加した。
強制参加は、まあ、要するに成績が悪かった奴らだ。受ける内容は同じなので、
教室も同じである。
同級生やら他の組の生徒やらも集まり、教師の話に耳を向ける。
「犬上ぃ、わっかんねーからちょっとノート見せて」
「あ」
返事を言い終わる前に、横から伸びてきた大きな手によってヒカルのノートは
消える。塚本がノートと教科書を交互に睨み「やっぱりわかんねーからいいわ」と
押し返してくる。
ヒカルが再び、黒板の字を書き写す。隣の塚本は、ため息やら唸り声やら上げつつ
だらだらと書いていた。
「お前いちいちうるせえんだよ、黙って書けよ」
「うるせーのはてめえだろうが。細けえこと気にしてんなよ、カルカン野郎がよ」
「ああ?」
塚本の後ろに座っていたルイカが塚本の椅子を蹴り飛ばし、塚本がそれにキレて、
ルイカのおでこを小突く。ルイカもルイカで、今度は肩を殴り、塚本が…で、
教室全体がざわつく。
帆崎がにこりと静かに微笑み、二人を廊下に放り出した。
「それ以上続けるなら帰れ。迷惑だ」
――軽い気持で参加したつもりだったのだが。
席順までは自由ともいかない。運が悪く、ヒカルの周りには、いわゆるガラの悪い
同級生が固まって座っていた。
斜め前に座っていたモエがヒカルに「ばっかねー、あいつら」と飴玉を渡してきた。
…とんがらし味。
♪
講習が終わり、教室のドアが開け放たれる。蒸し暑いこもった空気が、生徒の声と
外の空気で行き交う。
三日だけしか受けないつもりだったのだが、今日の内容ではいまいち汲み取れ
きれなかった。あと二日。帰り際、職員室で習った部分を聞こうと、鞄を手に
した時だった。
モエがジュースを奢れと腕を組んできた。
130
:
2/4
:2012/09/01(土) 21:21:13 ID:DoIrMb.M0
「犬上!私ってばお財布忘れちゃったね……だから!お願い!」
「ええ…」
「何よ嫌なわけ?この乙女のお願いが聞けないっての!?」
どこが乙女か!ヒカルがたじろいでいると、モエがほとんど強引にヒカルの手を
つかみ校内の自販機まで案内をしてくれた。
有無を言わず、冷たいジュースが乙女の命令に従い、手におさめられる。
その場でいっきに飲み干し、勢いよくゴミ箱に紙コップを放り投げモエは
颯爽とその場を去った。まるで嵐だ。お返しは明日と笑顔で言われたが、先程の
飴玉のせいか期待どころか嫌な予感しかしなかった。
近くのベンチでジュースを飲み、ノートを開く。職員室にはまだ教師が居る
だろうか?
♪
階段の手すりに白い色を滑らす。
職員室の手前で、塚本とルイカが帆崎と何やら話し込んでいる場面に遭遇して
しまった。
わからない部分を帆崎に聞こうとしたのだが、タイミングは最悪だったようだ。
どうしようか迷っていると、ふいに左肩に柔らかいものが触れる。
「やあね、野蛮な奴らは。君も仲間入りするクチ?なんてね」
「小野…」
「さっきモエとおでーとしてたでしょ」
「いや違うけど…」
悠里がヒカルの肩に手をおきながら、くるくると話を取り替える。
そういえば彼女も一緒に講習を受けていたくちだ。
「帆崎先生に提出するプリントあったんだけどな。なーんだか取り込んでるし。
い・ぬ・が・み。お願いね」
「え、あ、ちょ」
首筋に生温い空気をくらっている内に、たわわな尻尾を空になぞりながら
悠里は去ってしまった。片手には、プリント。
どうしてこう次から次へと。
こうなっては帰宅もできない。そうしている間に塚本とルイカが、立ち話という
名の説教呪縛から解き放たれ、こちらに向かって歩いていた。
盗み聞きだとか悪趣味、とルイカに肩を強引にぶつけられよろける。拍子に塚本が
ヒカルの肩を掴み支えてくれたが、言葉も無く目すら合わせようとしなかった。
背中に礼を述べてみるが、ぼさぼさのたてがみは前を向いたままだった。
「…失礼します。あの、帆崎先生」
「はいよ」
「ちょっとわからないところがあって、聞きに来たんです」
「飯を食いたいので!手短にな」
笑いながら、ノートと教科書が広げられていく。
♪
131
:
3/4
:2012/09/01(土) 21:21:32 ID:DoIrMb.M0
学校からの坂道は、幾分か軽かった。帆崎の時間をちょっとだけ拝借し、
わからなかった部分もすっきりと解けた。残りの講習は出なくても大丈夫だぞと
言われたが、図書室に寄るついでにと、続行を決めた。
「おい」
「はい」
「はいじゃねーよ。遅えんだよテメーはよ。学校に何時間居るつもりだよアホか」
何時間も居たわけではないのだが。待ち人からしてみれば浦島の如く長時間に
感じられるのだろう。
坂の下のコンビニを通り過ぎようとした時、ルイカに声をかけられた。片手には
コンビニの袋。鞄も背負っている。もしかして自分が来るまでずっと居たの
だろうか。
彼が袋からお菓子の包みを取り出し、ヒカルの胸に押し付けてくる。
…とんがらし味。
「肩ぶつけたしよ。やる」
「え…いや、いいよ。別に」
「だって俺その味くわねーし」
なんてやつだ!モエもルイカも、確信犯というやつではなかろうか!
「安心しろよ。あの馬面で毒見させといたから。食ったって死なねーよ」
「……からい。すごく」
「あっそ。食わなくて良かったー」
半分呆れ顔で、ルイカは停めていたBMXに跨りさっさと走り去ってしまった。
別に、謝罪の言葉などなかった。
謝ってほしかったわけではないし、その場でやり返す筋もない。
ヒカルの足取りは軽いままだった。
♪
翌日。
ヒカルは図書室で本を返却し、そのまま講習に参加した。そのまま帰宅しても
良かったのだが、何故だか教室が気になる。正確には、ガラの悪い野蛮な奴らが。
「おっ。犬上ー、昨日のジュースのお礼、机ん中にいれといたからね」
モエが椅子にだらしなく座りながら笑いかけてくる。机の中に手をつっこむと、
変な感触…ギャッと、普段発しないような声を小さく漏らし手を離す。
途端、モエとルイカが爆発したように笑い出し、一人ぽかんとしているヒカルを
見ながらひーひーと説明しだした。
「おめーはよー。昨日の今日で気づねえんかよ。腹いてーよ」
「ごめんっごめんね犬が……ひーひーひー」
「……何、これ」
「スライム!スライムだって!黒ちゃんから教わって作ったの!ちょーウケるし!」
「とんがらしエキス入ってっから暫くホットだとよ。このクッソ暑いのに。
ばかじゃね」
遅れてやってきた塚本に、後ろからいきなり頭を鷲掴みされる。事の顛末を
説明させると、面白がってヒカルから赤みがかったスライムを取り上げた。
チャイムが鳴り、各々が席についても塚本はまだ遊んでいた。まるで小さな子供が
新しい玩具を手に入れたように。
132
:
4/4
:2012/09/01(土) 21:21:47 ID:DoIrMb.M0
「犬上、これ暫く貸せ」
「うん」
「つーかこんなん久々に触ったわ。これって跳ねんの?」
そんな弾力は皆無に等しいだろう。説明するまでもないと思ったいたヒカルだが、
さすが馬鹿だった。塚本は教室のドアに思いっきりスライムを投げ飛ばした。
なんて最高、最低なタイミングだろう。瞬間、跳月がドアを開け、塚本が
飛ばした球はクリーンヒット。凍りつく室内。どこがホットだ。
間を置き、粘着質な音をたててスライムが床に落ちる。
「えーと……だな、はづきち。これには子供の探究心があって……ええと…」
「わかった。今から暫く自習。塚本君は僕と一緒にちょっと立ち話をしようか。
罪悪感のある子も、立ち話に参加してくれるといいな」
跳月が淡々と、冷たい表情のまま再度ドアを閉める。
「俺関係ねーし」
「あんただって一緒にやってたでしょ!!」
…軽い気持で参加したつもりだったのだが。
結局、四人仲良く、半場強制的に立ち話に参加させられてしまった。
講習は、強制参加ではなかったはずなのに。
133
:
名無しさん@避難中
:2012/09/02(日) 21:44:05 ID:b8oUxXb20
君の声が僕を呼んでいる
君は何がしたいの
どんな未来を描いているの
お願いだよ
君の未来を
君の願いを
僕に見せて
僕はそれを具現化して
形にする
ただ、それだけの為に
僕は此処にいるのだから
どうか
君の未来を
僕に見せて
134
:
名無しさん@避難中
:2012/09/03(月) 02:07:46 ID:LUFYBUUA0
http://www.pic-loader.net/picfile/esi_5043924826b8e.jpg
135
:
名無しさん@避難中
:2012/09/03(月) 02:10:37 ID:mdzRj1Zw0
ほう…
136
:
名無しさん@避難中
:2012/09/03(月) 02:27:30 ID:HbAIVar60
ふむ……。
137
:
名無しさん@避難中
:2012/09/03(月) 12:10:42 ID:2r4pMnisO
……ふう…
138
:
名無しさん@避難中
:2012/09/05(水) 19:09:12 ID:8wOWKV/w0
自分が何を成すべきなのか
自分の存在意義が
解らなくなる
此処にいる事の意義が
解らなくなる
いや、たとえ
存在意義が無くとも
それでも
僕は此処で
この場所で
生きていくしかないんだ
この場所で生まれたのだから
神様は何処にもいない
それでも僕は
此処で
この場所で
生き続ける
生きていくんだ
139
:
名無しさん@避難中
:2012/09/06(木) 04:32:20 ID:1SxhD5P6O
『頭痛薬』
頭が割れそうな痛みを覚え、俺は頭痛薬を買いにいった。
薬局にいって薬剤師カウンターで気軽に聞く。
「すいません、頭痛薬ってどれが効くんすかね。一番効くやつください」
「はい、ではコレをどうぞ」
ごとり。
俺はカウンターに置かれたスミスアンドウェッソンスペシャル式回転拳銃に良く似た黒光りする艶消しの塊を手に取る。
スミスアンドウェッソンスペシャル式回転拳銃だった。
「あの…こんな最終手段じゃなくて、もうちょっと段階を踏んで治療の可能性を探ってみたいんですけど」
「でも一番良く効くんですよ?」
「いや、まぁそうなんでしょうけど…」
「なんなんですか。一番効くやつをだせなんていうからですよ?効くどころか聞く耳も無いんだったらバッサミンでも飲んどきゃいいでしょう」
放り渡されるようにバッサミンを受け取り、変わりにスミスアンドウェッソ(ryを奪い取られる。
薬をレジに持っていく途中、背後から炸裂音が轟いた。
聴覚が一瞬にして甲高い耳なりに満たされる。
振り向けば、こめかみから薔薇を乱れ咲きさせている薬剤師が居た。
「あ、ああー、効くーぅぅ。これが、これが店内イチオシ賞品のジツリキぃぃぃーー!あひぃぃぃ!」
140
:
名無しさん@避難中
:2012/09/07(金) 18:37:02 ID:ajNJqsvU0
現実に引き戻される
この不安を振り払うにはどうしたら良いの
ただ、勇気をもって
現実と向き合う
ただ、ひたすら真摯に
現実と向き合う
それがただひとつの方法だと
解ってはいるのだけど
それでも立ちすくむときがある
解っているよ
それでも、これを解決できるのは
僕自身だ
さあ、前を向いて
僕はそれに立ち向かう
141
:
名無しさん@避難中
:2012/09/20(木) 02:01:52 ID:4VCIPx7s0
彼女とその船が長い探索を経て、帰還するという報せは、日の出前に町内を席巻した。平均
年齢81.5歳、平成生まれの朝は早い。
「悪い、遅れた。どうなってる?」
「祭りの予定が5つ、パレードが3回、記念花火が7万発だって」
「マジかよ。ってか、ここに来るんか?」
「いや、判らん。町長はすっかりその気なんだけど」
「あの馬鹿。いい歳こいて浮かれやがって」
2012年末、ヘリオポーズを越えたボイジャー1号は地球外生命体に暖かく迎えられ、人類は
宇宙連邦への参加資格を得た。友好の証としてもたらされた幾つかの知識は、地球に恒久的な
エネルギー資源を約束し、数学的難問は立て続けに解決され、宗教はその全てを肯定された。
「とにかく、記念式典は政府がやるって言うから、俺らはその後にだな」
「そこに話を通せる奴がいるってか?」
「いやそこは、同級の誼ってのが」
「ねえよ。あっちは時の人、こっちはただの爺と婆の寄り合いだ」
現在の地球が養える人口は500億とも言われ、〝彼ら〟が外宇宙への進出を推進する現状、
誰かが人知れずに飢えることなど、可能性としてもありえない。
「でもまあ、あいつもすっかりやる気になってるし」
「惚れた弱みってか? 振られ続けて50年だ、諦めろ」
「うるせえ。この世界には無限の可能性が――」
「またそのお題目か。連中に毒されんのも大概にな」
「お、お前だって、ずっと待ってたくせに」
「――やかましいわ」
地球人類の究極到達点として、それを知っていた彼らはアルファ・ケンタウリを宇宙的保護
区として遺し、宇宙への一歩として踏み出すことを願った。嘘のように欲のない、嘘みたいに
好意的な宇宙人の贈り物。
「光速、超えてるんだよな……」
「ああ」
「ウラシマ効果ってやつ?」
「ああ」
「まだ若いんだろうなあ」
「ああ」
「で、今度こそ告白すんの?」
「いや。もう物理的に無理だろ」
「そんなぁ、時間のせいにしちゃって」
「ブッ殺すぞこの野郎」
そしてその日は来る。町長が奮戦するまでもなく、彼女が故郷での凱旋を望んだのだ。
「マジかよ……」
「……の、ようだな」
「逆に若返ってないか?」
「そうとも、見える」
「ここは行かないとだろ!」
「あの群衆を越えてか? 無理させんな。骨が折れるわ」
「全身リゼンブルなのに?」
「中身は爺だ」
「いや、ほら。そうまでして待った理由とか」
「黙れ」
「彼女のタイムカプセルは? 預かってんだろ?」
「郵送する」
「そこで負けるなよっ。いいか、俺らは待ちに待っちまった爺だけどな、やる時には……!」
祝典の町長に、彼の同級生が突進する。通り道、用意した花束を引っ掴んで80越えの老爺が
走る。走るというより奔る。うおおおおと叫び、半世紀越しの恋を成就させるべく。
「やりやがった……」
『空が、あんなに高く……』
「あの野郎」
『こんな近くに、あるじゃない?』
「格好つけやがって」
『ほら、手が届く』
「遅いんだよ」
『星をいっこ、お土産にするよ』
「どんだけ……待ったと思ってるんだ」
『だから』
ああ待ったよ。クソみたいな時間を超える全部使ったよ。往還に50年とかふざけんな。
「ただいま」
「遅いわ」
「楽しかったよ」
「だよな」
「寂しかった」
「そうか」
「見てよ。あの日と同じ」
「星が煩い」
「誕生日だもの、いいじゃない」
「体育の日か。お似合いだ」
「ふふ」
「ああ、これ」
朽ちかけた筆箱を掌に載せて、きまり悪く笑う。
「忘れ物だ。30年持ってた」
この日のためのジャコビニ流星群が、二人の背景を務める。
三題スレに投下できないからここに。
142
:
スクール水着、快晴、益荒男4
:2012/09/20(木) 04:21:20 ID:LFLZkd4o0
>>141
乙
宇宙進出で長期間会えない話はロマンよなぁ
143
:
名無しさん@避難中
:2012/09/20(木) 04:23:47 ID:LFLZkd4o0
しまった
前投下した時の名前欄残ってた
144
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/09/28(金) 23:03:24 ID:Xx36bAN.0
こんなサイト見つけまして、こんなもの作ってしまいました。
お口に合いますでしょうか。
「さよなら、魔法少女」
http://www.kimip.net/play/pb5V2
145
:
名無しさん@避難中
:2012/10/10(水) 21:09:06 ID:Y8sne.vo0
順番逆になったけど、和風ポトフのほうを作ってみた
http://i.imgur.com/LgWhK.jpg
http://i.imgur.com/cTAHD.jpg
(見栄えしないのはカンベンねw 下手なもので)
うん、美味しい!
コンソメで作るのに比べると、ちょいうす味だけどw
使ったダシはもちろんこれ
http://i.imgur.com/f7hoY.jpg
次はおでん作るぜ〜
146
:
名無しさん@避難中
:2012/10/11(木) 04:28:55 ID:EVgXJKQs0
超うまそう。食べたい。
147
:
名無しさん@避難中
:2012/10/17(水) 21:37:16 ID:hpZ3FjTc0
今日はホイル焼き作ったよん♫
きのこ盛り過ぎたせいで、中の魚が埋もれてたw
どっちがどっちだかわからんw
こっちタラ
http://i.imgur.com/VqZ32.jpg
こっちサケ
http://i.imgur.com/yMXpQ.jpg
エリンギの香りがすごく良い! シメジも美味い!
魚よりきのこが主役な感じだったわw
148
:
名無しさん@避難中
:2012/10/23(火) 22:41:22 ID:3/.el5PM0
神様があまねく人々に寛大だって、わかってるけど
あんな奴らにも寛大だっていうのはどうなの
あんな奴らにもいつか巡り巡ってくる何かがあるというのだろうか
あまりにも幼稚で、稚拙で
ただ己の理のみを絶対とする醜悪なあいつらをも
あなたは許すというのですね
其処に何かの学びがあるのだと
貴方は示唆しておられるのだろうけど
そのほか大勢の誠実なる者が引き受けた
痛みと、悲しみとともに流した涙はどうなるというのですか
それさえも、何時か巡り巡るものだと、因果なのだと
貴方は仰せなのだろうか
幼稚なる者の心に、成長という名の息吹を
稚拙なる者の心に、成熟という名の果実を
醜悪なる者の心に、浄化という名の美しさを
今、私に出来る事は、ただ、祈る事だけ、
ただ、それだけだ
けれども
今、この瞬間も祈らずにはいられない
貴方の安寧と幸せを
この世界の安定と幸せを
私は、貴方の子だから
ただ、貴方の為に在る存在だから
どうか少しでも
私の祈りが、貴方へと届きますように
私に出来ることは、ただ
それだけだから
どうか貴方へと
この祈りが届きますように
貴方を愛するこの気持ちが
貴方を通して
世界のあまねく人々へと
伝わりますように
祈りが
届きますように
貴方へと
届きますように
149
:
◆akuta/cdbA
:2012/10/26(金) 15:06:13 ID:DViuMc7c0
旅行先で人が食べてるのが美味しそうに見えてあれもこれもって買って食って
腹ん中がパンパンだぜっていうアレ
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3556493.jpg
150
:
名無しさん@避難中
:2012/10/26(金) 16:51:19 ID:AcT3YSaw0
あるあるw
151
:
名無しさん@避難中
:2012/11/02(金) 22:18:33 ID:0P0XguoE0
虹さん
http://imefix.info/20121102/581246/rare
152
:
名無しさん@避難中
:2012/11/02(金) 22:58:09 ID:/1uix82UO
ゴイスー!!!
153
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:08:56 ID:v7hhMO860
>>149
の続き、書いた。
154
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:09:34 ID:v7hhMO860
黒猫さま。
黒猫さま。
どうかこの子を許してあげて下さい。
咎の償いとして奪われたこの子の尻尾、あまりにも哀れなので尻尾探しの旅に出ます。
わたしがきちんと叱っておきます。
#
「チケット、無くしちゃったんだよ」
旅の途中のネコ耳少女に少年は照れ笑いを含んで話しかけてきた。ネコ耳少女の菖蒲(あやめ)も釣られて白い歯をにっと見せる。
知らない星にやって来た。土地の名ももくに分からず当ての無い旅を続けていると、あり得ない事だってあり得てしまうんじゃないか。
菖蒲はこの街にやって来て初めて口にしたクレープで腹を満たしながら、見知らぬ土で出会った少年の苦悩を受け止めてあることにした。
「君、大変だね。それにしてもこの星ってすんごく栄えてるよね」
「ええ。荒れた星を一代……いや三年で輝く星に塗り替えた閣下の力のお陰ですからね」
「誰それ」
「……旅人ならではの発言、ありがとう」
菖蒲は幾多の星を訪れていたからこそ、肌でこの星の繁栄を感じていた。
朽ちる星あり、栄える星あり。
人が星を育て、母なる大地へと育てる。
少年は気まずそうに菖蒲に話しかけた。
「あのさ……チケット代、貸してくれないかな?2ゴールドあれば何とかなるんだよね」
「2ねえ。しがない旅人なんだけど?」
「1で!1ゴールドさえあれば!」
寸借詐欺。
返す気も無いのに、風吹けば舞い散るぐらいの金額なら軽い気持ちで貸してくれるだろうと、他人の善意に便乗した曲者だ。
菖蒲は旅人。相棒であるキャリーバッグのステッカーは訪れた星の数。星から星へと渡り歩く根無し草。
だから、同じ旅人の気持ちが痛いほど突き刺さる。例え、それがウソっぱちの旅人であっても。
「旅立ちたくなったら、そこはもう出発のとき!だから、君にそのチャンスを逃して欲しくないな」
「チャンス。あなたは……」
「菖蒲でいいよ!」
「菖蒲さん。あなたの場合は」
立ち止まったネコ耳菖蒲は人差し指を天高く指しながら、にっと白い歯を見せた。
「わたしね、美味しいもの追いかけながら旅してるんだ。その星、その星そこでしか味わえないものを星の人だけで独り占めって
なんだかくやしいよね。くやしいならば、立ち上がれ。そんで、この星に降り立ったわけ!」
そして、菖蒲はゆっくりと中指を人差し指と同じように天を指した。
155
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:10:06 ID:v7hhMO860
「そして、二つ目。尻尾を探すため!」
「尻尾?って、菖蒲さんには既にあるじゃないですか」
「違うの」
目を閉じてゆっくり首を横に振る姿に見とれて、少年は自分のやろうとしていることをふと忘れそうになった。
なにしてるんだろうと、少年の感傷に耽る隙を突こうとしたのか、はたまた異星にいることで気分が開放されたのか。
「さて。もし、君にお金を貸すのならば、わたしに教えて欲しい事があるんだよね」
顔に明るさを取り戻し、再び歩き出した菖蒲は少年を惑わせた。
異性だからか?いやいや、そんな甘酸っぱいお年頃はとうの昔に卒業した。
男子たるもの、幾ら歳を重ねても少年だ。胸を高鳴らして少年は菖蒲の声を聞く。
「このクレープ美味しいよね。空港からここまでの途中、ついついお腹減っちゃったから買ったんだよ」
「でしょうね。すきっ腹はなんとやらって言いますからね」
「でも、飛び込みで買った表通りの店だからさ。もっと、隠れた名店みたいな、この星の人しか知らないような店とか……ないかな?」
星のことは星の者に聞け。
口元をクリームで白く染めた菖蒲は頭上に音符を描いていた。美しい五線譜が青空にお誂えじゃないか。
少年が振りかざす指揮棒をぴたっと止めて菖蒲の為に出した答え。
「『さくら堂』でしょう」
聞き慣れぬ店の名がキャリーバッグの車輪の音を黙らせた。
「その店が一番でしょう。この星の名を轟かす絶品と聞きます。ただ、名ばかり聞いて当の店は多くの者が知らない幻の店です」
「気になる!そのお店に行きたい!」
「しかし、場所が」
『さくら堂』の名を残して少年は菖蒲の元を逃げるように去った。足音が響く。
寸借詐欺なぞ、おしまいだと言わんが如く。
#
「ここから出る気も無いくせに」
ひっそりとした人気の無い石段に腰掛けて、角を生やした少女が暖かそうな豚まんを抱えていた。
呆れることに慣れてしまっては相手の思う壺、そうはいかないと一口かじる。
角少女を見下ろすように寸借詐欺の少年が息を切らしていた。
156
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:10:51 ID:v7hhMO860
「おれ。いつかこの星から出るから」
「はいはい。口だけ達者な若造はこの星には要りません」
少女は軽蔑の眼差しで豚まんを頬張る。
「美味しい」
「だろうな。ここに訪れる旅人は皆、それを口にしているからな。大通りを見れば分かるだろ。なんで、こんな物を有難るんだ?」
「荒野星の自慢なんて、都会星のおもちゃだしね。でもさ。こそこそ食べると何故か美味しいよね?桜堂くん!」
「その名で呼ぶな。橘野」
「名立たる腕を持った菓子職人も今や堕ちたものよね」
湯気立つ豚まんからは肉汁溢れ、少年・桜堂の空腹中枢を刺激していた。
くんくんと鼻を鳴らした桜堂は角少女・橘野(きつの)の幸せそうな横顔で夜の底のような心が少し救われていた。
「閣下の逆鱗に触れた者はこの星で表舞台に立つことは出来ないからな」
荒れ果てた星を誰もが羨む星へと塗り替えた男、人々は尊敬の意を込めて彼を『閣下』と呼ぶ。
「たった三年でいい!この星を豊かにしてみせるので、わたしに全てを委ねてくれ」との宣言通り、たった三年で星を開拓した事は
この星で暮らす者は誰も皆周知の通りであり、そして閣下に足を向けて寝ることを憚れる存在に成り得る所以である。
かつて、あるとき閣下は桜堂ら若き菓子職人たちに新たなる洋菓子を作るように依頼した。期限はわずか一ヶ月。
「星の繁栄は星を興した人々の力にある。昼に力を尽くした人々は夜に菓子で英気を養い、そして街を興す」と閣下は語った。
この星の興隆は菓子が築き上げたと言っても過言ではない事実だった。職人たちは閣下の命を胸に刻んだ。
「閣下の舌を必ずや唸らせます!一ヵ月後お会いしましょう!」と、桜堂は見得を切った。
閣下が提示した期間に同意した桜堂は必死に試作に試作を重ね、雨の日も晴れの日も、昼も夜も問わず新たなる菓子を開発した。
しかし、残酷にも時間は過ぎ行き約束の日まで刻々と迫る。満足の行く品が出来上がらない苛立ちは桜堂を苦しめた。
それは共に依頼された職人たち共々同じ苦しみだったのは言うまでも無い。
そして、桜堂が満足する品『さくら』が完成したのは…… 一ヶ月を過ぎた40日目のことだった。
謁見を申し出た桜堂に「時間を守れぬ者を信じる事が出来ぬ」と閣下は怒髪で天を突いた。
閣下の逆鱗に触れた者はこの星で表舞台に立つことは誰も許してくれない。例え、閣下が許そうが、星の者が許さない。
賛辞の光りを浴びていたのは一足早く完成させていた好敵手たちだった。
「時間さえ、間に合えば……」
腕前なら誰にも負けぬ。しかし、約束を守れなかったために逃した栄誉。
メロスが這い蹲ってセリヌンティウスの元へと駆け寄ろうが、陽が沈んでいれば友人は磔の露と消えていたのではないか。
桜堂は全てを捨てた。
『さくら』も陽を見ることなく消えた。
閣下の築いた街に花びらさえも散らすことは許されなかったのだった。
「美味しかったのになぁ。桜堂くんのクレープ」
「……」
「二度と食べられないなんてね」
角少女の口元は普段よりも美しかった。
157
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:11:24 ID:v7hhMO860
#
「美味しいね。これ」
揚げたての温度が体の芯から暖まる。潮の香りが届きそうな鰯の味。口に広がる海の幸。一口だけではもったいない。
菖蒲の足元にぽんと『鰯のすり身のさつま揚げ』を転がすと同時に尻尾のないネコが飛び付いた。『さくら堂』を探す合間に
見付けた屋台、ついついと寄り道だ。
旅は道連れ、世は情け。二度と会うことのない人たちに出会えば出会うほど、誰も彼もが愛しく見える。
そんな人たちが幸せそうだから、ちょっとおすそ分け願い候。美味しい、旨い、舌鼓。出会った数だけお腹が膨れるけど、
新たな出会いはまだまだすきっ腹。菖蒲ならずとも。
お腹を空かせた尻尾のないネコの食欲は抑えることはできやしない。菖蒲が雲に心奪われている間にさつま揚げは
ネコの胃の腑に収まった。
「にゃっ!」
絞るような声がしたかと思えば、尻尾のないネコが菖蒲の膝に飛び乗って蒸気のように姿を消した。
そして、菖蒲のネコ耳は四つに増えた。
平然な顔して菖蒲の前を横切る一匹の黒ネコ。彼が通り過ぎる間、菖蒲の四つのネコ耳は平伏していた。
「大丈夫。あれは『黒猫さま』じゃない」
二つのネコ耳が跳ね上がり、二つのネコ耳は伏したまま。
「『黒猫さま』の約束破っちゃったのはお前だからね」
黒猫さま。
黒猫さま。
どうかこの子を許してあげて下さい。
咎の償いとして奪われたこの子の尻尾、あまりにも哀れなので尻尾探しの旅に出ます。
わたしがきちんと叱っておきます。
「大丈夫。わたしががばってあげるから」
菖蒲は降り立った空港が見渡せる高台にいた。キャリーバッグと共に旅すれば、その土地のお気に入りが出来るはず。
この星でのお気に入りの場所はそう。菖蒲と桜堂が出会った場所だった。星から星へと旅をする宇宙船たちは次なる旅の支度を始め、
整い次第で空を舞う。次から次へと離陸に着陸を繰り返す様はこの星の繁栄を表すようでもある。星の住人・桜堂にとっては日常だ。
日常を非日常として過ごす菖蒲に桜堂は嫉妬した。そして、また一機、旅立つ宇宙船。
「美味しいもの溢れているこの星が銀河中に知れ渡ればいいのにな!」
『さくら堂』を見つけることが出来なかった菖蒲はにこにこと旅人のバッグ傍ら大地に座していた。
駆け寄ってきた桜堂は菖蒲にその理由を尋ねると、彼女は飛び行く宇宙船を目で追いかけながら静かに語り始めた。
「誰も知らないみたい。でも、君が勧めてくれる店だから……わたし、もう少しこの星で『さくら堂』を探してみるよ」
「ごめん。……だ」
158
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:12:02 ID:v7hhMO860
空港が近いから、飛び行く宇宙船は地面にかなり近い距離で飛んでゆく。所以、桜堂の話もエンジン音で掻き消されて、
「その『さくら堂』はこの星には無いんだ」という事実を告げる言葉は菖蒲の耳に入ることはなかった。
「だから。わたしのチケットをあげるよ!次に行く星へのチケットだったんだけどね、もういいや!」
耳を疑う桜堂をよそに菖蒲は空を突き抜けるような笑顔を振りまいた。そして、空を突き抜けるのは菖蒲の笑顔だけでなく
宇宙船もまた同じだった。轟音が地面へと叩き着けられると、菖蒲の体に異変が生じた。
「にゃー!」
「ネコ?」
菖蒲の体から飛び出したのは一匹のネコだった。不思議なことにネコには尻尾はなかった。
そして、四つだった菖蒲のネコ耳は二つになっていることに桜堂は気付いていた。
「そう。この子の尻尾を探してるんだよねー。でも、なかなか見つからない」
「探し物?」
「そう。わたし、元々ネコ耳だからかネコが憑依する親和性があるんだよね」
菖蒲の足元で頬を擦り寄せるネコの姿はまるで仲良しこよしの姉妹そのもの。
異国の地でも気を置けない仲間と一緒ならば、旅情を二人で分かち合うもよし。
「この子の姉のつもりで一緒に旅してるんだけど……もしかして、見つからないかも」
「尻尾をか?」
言葉使わずとも答えなんか伝わる。
「見つからないのに、探しているなんておかしな話って思わない?」
額に汗を一筋垂らした桜堂の心中察することなく、菖蒲は尻尾の無いネコを抱き上げて空高く飛び去る宇宙船を見上げていた。
目の前で拳作って立つ少年が持つガラスに閉ざされた野心を解き放つように鉄の鎚で叩き割る。破片飛び散った後には……
少年の華々しくも、あまりにも傷だらけな旅立ち。
「船出の時間が近付いてるよ!さあ!少年よ、走れ!」
159
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/03(土) 22:13:24 ID:v7hhMO860
#
息を切らせて走る少年は美しい。
誰かを輝かせる為に、そして誰かを幸せにする為に。
辿り着いたのは人気の無い石段だった。依然として角少女・橘野はぱくぱくと物を食べていた。
桜堂は二つ目の豚まんを口にしようとした橘野の豚まんを奪い取り、仁王立ちして声をあげた。その姿はかつてこの星を興した
あの閣下よりも勇ましく、あの閣下よりも神々しく橘野の目には映っていた。
「おれは行くぞ!橘野!チケットの心配なんかない!」
尻尾の無いネコを抱えた桜堂の眼は真剣そのもの。そう。『さくら』を生むべく臥薪嘗胆の日々を過ごしていたときと同じ目だ。
「この星でダメなら、よその星で『さくら』を咲かしてやる!」
「へー」
桜堂はよその星行きチケットを橘野の横っ面に叩き付ける様に差し出した。
どうだ!これでもか!と言わんばかりの桜堂、乾いた紙の音が桜堂の門出を祝福しているように聞こえた。
「だから……橘野もいつか来い。おれ、待ってるから」
橘野はにこにこと笑って、二口目の豚まんを口にしていた。
#
「ふー。お腹一杯」
ネコ耳二つの菖蒲の頭上を宇宙船が飛び去ってゆく。
今や桜堂は機上の人。
新天地にて迎える桜堂の新たな生活、そして刻む歴史は誰にも分からない。だから皆旅するんだ、と。
「あしたも『さくら堂』探すぞ!」
決して再び会うことのない者へ「よい旅を!」と祈りつつ、終わりの無い旅を菖蒲は続けていた。
おしまい。
以上です。投下終了。
160
:
名無しさん@避難中
:2012/11/03(土) 22:59:43 ID:0bJUlluc0
乙です。
161
:
◆akuta/cdbA
:2012/11/05(月) 14:36:15 ID:m/4eGAUg0
>>159
乙です、有難うございます!
ふと「計画立てて合作してみたいぜ!」と呟いて、それに乗っかってくれた
わんこさんにとても感謝。
今回のお題が「旅」ということで、惑星間を食べ歩きしているケモ耳少女を
描かせていただきました。
それにぴったりで可愛らしい、旅って勇気をくれるんだぜ心がわくわく
してくるんだぜ冒険的な出会いもあるんだぜ、という素敵なSSだと思いました。
旅がしたくなりますね!
162
:
名無しさん@避難中
:2012/11/19(月) 22:14:46 ID:.m2PxiZI0
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3640546.swf.html
163
:
名無しさん@避難中
:2012/11/19(月) 22:19:10 ID:CA2yOB9A0
なんかワロタw
164
:
名無しさん@避難中
:2012/11/19(月) 22:26:12 ID:pzw3BZHo0
口に狂気を感じた
165
:
名無しさん@避難中
:2012/11/19(月) 22:54:42 ID:bC5saVrE0
なんだこりゃw
166
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/19(月) 23:50:53 ID:Fkg4DE160
幼いアリシアはぴょんぴょんと跳びはねて、はるかに伸びる門への道の先を見ようと金色の髪を揺らしていた。
広いお屋敷を囲む林の中の庭園で、遠くが霞んで見えるのはいつものことでもアリシアにはじれったく思えた。
誰の眼にさえも深窓の令嬢に見えるアリシアも、靴を泥だらけにしながら飛び跳ねることでお年頃の子供に見えてしまうのだ。
一日千秋の思いで御伽噺のお姫さまのようなドレスに身を包んだアリシアは指を折る。
待ち人だけが持つ見えない時計の針がアリシアの中で刻々と廻る。
あと何分?あと何秒?いくら時を刻んでも、逸る心は抑え切れなくて。
「危のうございますよ。アリシアさま」
重く、低くもあるが温かみのある声。幾年も齢を重ねた年代物の弦楽器の調べにも似た声。
アリシアが跳びはねることをやめ、くるりと廻ると、背後に声の主が足を揃えている姿を確認し、いつもと変わらぬ
白髪に安堵の息をこぼしていた。屋敷を知り尽くしたじいやと一緒ならば、時が止まっても構わない。
「雨上がりな故、足元がぬかるんでおります。御召し物が汚れてしまいますよ」
「大丈夫、じいや。アリシアは転んだりしないから」
「はは……。まるで奥さまの生き写しのようですね」
自身満々のアリシアが再び跳びはねると、一緒に同調するように一対のツインテールも上下に飛び跳ねる。
髪型というものは不思議なものでストレートならば清楚、ショートならば活発、そしてツインテールならばおてんば、
人となりを表す記号と言っても過言でなく、アリシアの幼さしてもピタリと当て嵌まるものだった。
昨晩の雨で嫌みなぐらいに空気が清らかだ。難癖つけようのない青い空にアリシアの金色の髪が飛び込む光景は額縁に入れて、
いつまでも飾っておきたいぐらいだ。タキシードが良く似合う灰色の髪の老紳士は幼子を実の孫のように優しく見守っていた。
「来たっ」
アリシアの声が空を突き抜ける。まるで、広い青空を讃える小鳥の叫びのようだ。アリシアは遠い門へと目線を合わせていた。
門までの庭園の長い道、緑に囲まれた石畳を一人の女性が大きなイヌを連れてやって来た。アリシアが女性の方へと駆け出すと、
泥を撥ねる小さな音が少女を付け回していた。
女性は若かった。年の頃20半ば、栗色の長い髪に銀縁の眼鏡の装いで文化の香り漂う女性だった。ロングスカートから覗く
ブーツがぬかるみで汚れていた。汚れ具合から見ると遠くから歩いてきたことを察することができる。
167
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/11/19(月) 23:51:37 ID:Fkg4DE160
「お久しぶりね、アリシアちゃん」
「わーい!聞いて!聞いて!あのね、わたし30まで数えられるようになったんだよ」
女性と連れ添ってきたイヌに言い聞かせるようにアリシアは指折りながら覚えたての数字を数えていた。
イヌはハスキー犬だ。賢狼のような鋭い目を見ればイヌの性格が良く分かる。忠実なる家臣の如く従順に黙ってアリシアに侍う。
足元がよろしくないというのにも関わらず、ハスキー犬は地上に踏ん張り続けて沈黙を通していた。
「お久しぶりです。お嬢さま」
「ええ。いつ以来でしょうかね。わたしの記憶も色あせてしまうぐらい」
「1!2!3!……」
女性は老紳士の顔を見ると軽く会釈をした。挨拶の言葉から旧知の間柄だと推測されるが、女性は何処かよそよそしい態度を
拭うことはしなかった。老紳士はハスキー犬と数を数える少女を眺めながら、懐から一冊の文庫本を出して若い女性に手渡した。
「11!12!」
文庫本は老紳士のように幾多の歴史を刻んでいたかのようにまっさらだった端は折れ、色あせたページは厚みを増していた。
「26!27!」
ハスキー犬に両腕で絡みつくアリシアは指折ることをやめ、口だけで数を数え続けていた。イヌ耳の耳元であまりにも喧しく
数字を並べるのはハスキー犬にとって迷惑蒙ることのように誰の眼に映るかもしれない。しかし、ハスキー犬は賢い。嫌がりもせず、
そして幼子と共に数を数えるように尻尾を揺らして、訪問者と老人の眼を楽しませていた。
「28!29!」
「約束の日でしたね。今日で……」
「ですね。お嬢さま」
意味有りげな言い方をする者同士の関係は推して知るべし。ただ、アリシアには分かるまい。
笑みをこぼした訪問者は空を見上げた。現から離れようとして……ではなく、この空の下にいる幸せを確かめる為に。
「えっと……30!」
アリシアの声に若い女性と老紳士が気を取られにこっと笑った。
ハスキー犬もアリシアからの束縛に解放されて表情こそ分からないが尻尾でにこっと笑う。
まるで、昨日までの雨がからっと上がるように。
「そうですね。30年目です」
若い訪問者は自分よりも年上の文庫本を胸に抱きしめた。
続きをよろしゅう。
168
:
◆akuta/cdbA
:2012/12/22(土) 14:12:08 ID:HNP8DNaw0
>>167
遅くなって申し訳ない!
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3759536.jpg
以上、合作企画にお付き合い有難うございました!
169
:
名無しさん@避難中
:2012/12/22(土) 20:59:38 ID:MA7cYlOc0
GJ!!
良い雰囲気ですね。
170
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:02:26 ID:6YZqNdqY0
少し失礼します
規制中なのでこちらで投下します
171
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:03:20 ID:6YZqNdqY0
スペル・ドルフィンと呼ばれるプロレスラーがいた。
頭にイルカを象ったマスクをし、リング上を海原に例えてまるでサーフィンをするかの如く、自由自在に対戦相手を翻弄する姿には多くの観客が魅了された。
数多のプロレスラーの中でも比較的細身ながらも引き締まった肉体をフルに使い、時にロープをサーフボードの様に。マットを大波の様に。
素晴らしいバランス感覚と鍛え抜かれた腕力を巧みに操るスペル・ドルフィンの前には、いかなる相手も成す術無く敗北の深海へと沈んでいった。
相棒であるスキンヘッドが特徴の厳つい伊達男、シー・ボウズの助力の下、スペル・ドルフィンの前に敵はいなかった。
だが、そんな彼の前に一人の男が現れた。鮫の様な髪型に凶暴さが滲んでいる強面な形相、スペル・ドルフィンを凌ぐ体格を持つ男。
名はシャーク・東郷。バックに強大なスポンサーを従え、非常に過激でダーティな試合運びを主とするプロレスラーだ。
勝利を掴む為ならば手段を選ばず、道義さえも踏み滲まんとするそのファイトは正にヒール、悪役と言わざるおえない。
しかしそんな戦い方、一切の容赦も妥協も良しとしない姿勢は、今まで見た事が無い選手だと称賛し、惹かれるファンを多数生みだした。
同じ職業、恐らく細かい差異はあれど、同じ道を歩んでいきながらも陽と陰の様に立ち位置が反転する二人の男。
その男二人が行く先に平行線は無い。道は只一つ、一直線だけだ。自らの信念と肉体をぶつけるべくして、二人は出会う。
そして出会った末――――――――スペル・ドルフィンはシャーク・東郷という巨大な鮫に飲まれ、荒波へと沈まされた。
油断があった訳ではない。決して力を抜いたりふざけていた訳でもない。真剣だった。真剣にやった結果だ。
現実はシャーク・東郷がスペル・ドルフィンよりも強かった。そんな途方もない現実だけが、スペル・ドルフィンの前に横たわっていただけだ。
それから月日は流れ、心と体の傷が癒え、プロレスラーとして再び大波に乗り始めたスペル・ドルフィン。
だが、神は残酷な運命をまたも彼に課さんとしている。全ての発端は再び再会する憎き相手―――――――シャーク・東郷。
二行で分かる前回のあらすじ
スペルドルフィンとシャーク東郷一色即発
がその時、シー・ボウズがシャーク側に付く衝撃の展開
The・wave
その男、スペル・ドルフィン
(1)
俺はシー・ボウズが何を言っているのか分からず、間抜けにも両目をパチパチとわざとらしく瞬きした。
シー・ボウズは俺から目を離さず、尚且つ誤魔化そうとも顔を背けようとしない。只、一般的に怖いと言われているが俺から見るとチャーミングな両目を俺に向けている。
何か言おうとするが、言葉が上手く出てこず、俺は何が何だか分からない自分にいら立ちを覚えて荒っぽく髪の毛を掻く。
しかし掻いたって事態がすっきり飲み込める訳もない。物事の整理が付かず、俺はとにかくシー・ボウズに尋ねる。
「なぁ、シー・ボウズ……。何で、真っ先にその事を言わなかったんだ?」
172
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:03:59 ID:6YZqNdqY0
俺の質問に、シー・ボウズは軽く荒いでいる呼吸を少しづつ落ち着かせていく。
自分自身を落ち着かせる様に、すーっと一息吐くと、シー・ボウズは俺から目線を外して周りのスタッフに言う。
「済まないが皆部屋を出てくれ。ドルフィンと一対一で話がしたい」
俺とシー・ボウズの雰囲気に何かを察して軽くザワザワとしているスタッフ達は、特に不思議がる事無く素直に部屋を出て行く。
と、強烈な邪気を感じて振り返る。そうだ、コイツがまだ居たんだ。
「シャーク……!」
恐らく、俺が振り向きこいつに向けている表情は、きっと形容できないほど怒りというか、激しい表情だと思う。
そりゃあ古傷抉られた上に長年の相棒が憎き宿敵の元へ渡るなんて状況で憤らない奴なんていないだろう。居たらそいつはブッタかキリストだ。
だが俺がいくら憤ろうが、シャークは涼しい顔、寧ろこの状況を傍観者として楽しそうにいつものニタニタとした笑顔を浮かべている。
浮かべながら俺にこう、シャークは言った。言いやがった。
「俺のせいでお前らの仲を悪くしたようだな。だがスペル・ドルフィン。お前は一つ、大きな勘違いをしている」
「何?」
俺がそう返したが素早く、シャークは顔を近づけると、至近距離でメンチを切りながら言い放った。
「プロレスってのは客を喜ばせるビジネスなんだ。大の男がキャッキャと水遊びする場所じゃないんだよ」
―――――――腸が煮えくり返るってのは正にこの事なのか。いや、もう煮えくり返る通り越して口からミサイルの如くぶっ飛んでいきそうだ。
奴が取り巻きと共に部屋を後にしようとするのを黙って見過ごせるほど、俺は寛容じゃない。
分かってる。こんな事をすればマスコミに良い様に写真沙汰にされ、最悪運営から処罰を受ける事も承知している。
それがどうでもなる位、俺はシャークに頭が沸騰している。一発だ。一発だけでも良いから殴らせろ。奴を。
俺の両足が奴を追おうとした、が。
「待て! 待ってくれ、ドルフィン……」
感情が暴走している俺を、シー・ボウズががっしりと必死に、俺を止めんと腰を低く屈んで押さえ込む。
今までも、俺がこうしてブレーキが効かなくなるとシー・ボウズが抑えてくれた場面があった。けど、今回はなんだろう。
何故だか、俺を抑えているシー・ボウズの背中がやけに小さく、それでいてか細く見える。錯覚なのは分かってる。
錯覚なのは分かってる。けど、さっきから妙にこいつの姿が小さく見えてきて俺は、俺は……。
「頼む、ドルフィン。俺は……俺は……」
「……済まん」
173
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:04:30 ID:6YZqNdqY0
俺は身体の力みを徐々に抜いていき、心を落ち着かせていく。冷静に、我に返っていく。
気付けば部屋には俺とシー・ボウズ以外おらず、がらんとした空間が広がっている。無造作なパイプ椅子、置かれたままのドリンク類。
いつもはなんて事無い風景なのだが、今の俺にはそれらが偉く虚しく、哀しい物に映る。
何か、空っぽだ。何にもない。俺の目には、何も映ってない。
「離してくれ、シー・ボウズ」
俺がそう言うと、シー・ボウズは大柄な体をゆっくりと俺から離す。俺はついでに言う。
「後、話してくれ、シー・ボウズ。……事の次第を」
俺の質問に、シー・ボウズは再び一呼吸置き、そしてゆっくりと語り出す。
何故、シャーク・東郷のセコンドに就く事になったのか。そして俺にそんな重要な事を何故、話そうとしなかったのか。
「……ドルフィン。俺の実家の事は知ってるだろ? 竜宮って店、昔話したよな」
俺は深く頷く。竜宮ってのはシー・ボウズの母親が切り盛りしている定食屋の名前だ。
元々は両親が二人で切り盛りしていて、素朴ながらもいつも変わらない上手い料理を出す事で地元から愛される定食屋だ。俺も色々と世話になった。
だがある日父親が病に倒れ、そのまま帰らぬ人に。それで竜宮はどうしたかというと、何せ三代も続いている店だ。
それに夫が必死に残してきたこの店を易々と売れないという事で、母親が少数のスタッフと共に竜宮を今も切り盛りしている。
しかし最近外食チェーンが次々と出店してきた事、地元民が入れ替わっていく事で年々業績が悪くなり、今も結構ヤバい状態らしい。
だがそれでも母親は夫が守ってきた店だからと竜宮を畳む様子は無い。しかし現実は残酷で、もう今年来年まで継続できるかも分からない。
「そんな日だ、シャークから持ちかけられたんだ」
「なんて……?」
「竜宮を資金面だとかで後押ししたい。昔ながらの店が潰れるのは心が痛む、って」
あまり人を疑う事はしたくないが、奴の場合は別だ。俺はシー・ボウズに悪いと思いながら率直に言う。
「……お前、奴の言葉を信じるのか?」
俺がそう聞くと、シー・ボウズはすぐに答える。
「俺も最初はハッキリ言って疑った。でもな」
「でも……?」
「……あいつの目は、嘘をついてなかった。お前をボコボコにしたりヒールではあるんだが……本当に嘘をついてる様な目じゃなかった」
174
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:05:34 ID:6YZqNdqY0
俺の口はポッカリと空いており、正に唖然と言う言葉を表現するなら俺の表情以外にないと思う。
シー・ボウズは色々と愉快で良い意味でおかしい奴だが、こんな事を言う奴じゃなかった、はずだ。
誰だ、本当に何が何だか訳分からん。もう誰でも良いから俺に一から十まで何が起きているのか教えてくれ。
「頭が混乱している様だな。スペル・ドルフィン」
急に誰かが混乱しきっている俺に声を掛けてきた。
こんな色んな意味で混沌としてる中であんまり他の事に気を取られたくないんだが、俺の顔は自然にそちらへと向く。
半開きになっているドアに背を預けて、こちらを腕組みして見つめているその人物は―――――――意外な人物だった。
常に頭に美しくも高い変態性を感じさせるパンツを被り、どんな試合だろうと絶対にパンツを取らせない。
例え下が脱げようと、頭のパンツをどんな相手からも奪取させず、確実にパンツを履いたまま勝利する。
女性人気が底を抜いて突き抜けてるのも俺的には高評価な、その姿は現代のヘラクレスと呼ばれているプロレスヤー。
「SSP……いや、スーパーストロングパンツマシーン! いつからここに?」
「今さっきだ。どのパンツを被るかで少し迷ってしまってな」
そう言いつつ優雅に歩きながら、SSPは語る。
「奴と諍いがあった様だ、スペル・ドルフィン」
「まぁ……な。つまらない事だ」
「前々から奴との確執は聞いている。だがスペル・ドルフィン。何故、奴があそこまでヒールに徹するか、その理由を知っているか?」
「そりゃあ後に金払いの良いスポンサーが……」
俺がそういうのを予想していたかの様に、SSPは顔の前で指を軽く振りながらちっちっと舌を鳴らした。
「甘いな、スペル・ドルフィン。プロレスヤーたるもの、相手の戦い方だけは無くその過程の生い立ちも知るべきだ。勝つ為にはな。
君が敗北を期した要因は、決して技術面だけの話ではないと思うがね」
「……どういう意味だ」
「教えてあげよう。何故、シャーク・東郷があそこまで勝利に固執するか、その理由と過去をな」
to be Continued
175
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:06:31 ID:6YZqNdqY0
という訳でまさかの本編突入。完結するかすら不明ですが
おじゃましました
176
:
TロG
◆n41r8f8dTs
:2012/12/23(日) 22:08:05 ID:6YZqNdqY0
一応これ以前の話、スペルドルフィン対シャーク東郷は本板のtestスレッド4で読めます
では
177
:
名無しさん@避難中
:2012/12/23(日) 23:04:49 ID:RtQvGJuU0
乙です
こういう、ひとの精神的背景に立ち入っていくお話がすごく好きです
オモテの面(プロレスというものの華やかさ、面白さ)の陰に隠れたバックグラウンド。
ひとに歴史あり、とはよく言ったもので、生い立ちがあるからこそ、
ひとは他人を軽々しく侮ったり持ち上げたりは出来ないはずだと思うのです。
能書きを垂れてしまいましたw
続きを楽しみにしています!
SSP・・・さすがカッコいいぜ!w
178
:
名無しさん@避難中
:2012/12/23(日) 23:14:59 ID:KYSNMhfg0
何をかぶるか迷ったwwww
179
:
名無しさん@避難中
:2012/12/25(火) 23:19:14 ID:X1XexxY.0
乙です。
楽しみに待ってました!
今回はなんだか特にびっくりする事が多くて読み応えがありました。
シーボウズ…そういうことだったのね…。
やはりシャーク東郷はこういう男なんだな!さすが悪役!と震えながらも、シャーク東郷もお気に入りキャラの一人ですので、これからがますます楽しみです。
ドルフィンがいじめられるのは見ていて「もっとやってしまえw」とか思ってしまうんだけど、シーボウズは何故か守ってあげたくなるw
結構重いお話だったけど、タイミング良くクスッと来る部分が適度に和ませてくれてる感じで良かったです。
SSPカッコ良すぎwww
もうさすがだよね…キャラの中身も外見も、出てくるタイミングも絶妙でまた一つ楽しみが増えたかんじですw
改めて乙でした。次回も楽しみにしてます。
そしていつもSPD書いてくれてありがとう!
180
:
わんこ
◆TC02kfS2Q2
:2012/12/26(水) 19:54:23 ID:k2R0ReS.0
>>168
>>166-167
との合作企画でした。
素敵なイラストありがとうございました!
181
:
名無しさん@避難中
:2013/01/03(木) 23:51:14 ID:Bzg5TLac0
以前かいた絵の衣装検討用ラフ
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3806396.png
182
:
名無しさん@避難中
:2013/01/04(金) 00:25:55 ID:2Lq.vT2k0
しんきろうさんレギュラー入りか?
183
:
名無しさん@避難中
:2013/01/23(水) 01:32:34 ID:MBJnN27o0
この世には魔王と呼ばれる者がいて、それに魅了された人間が数多くいる。
俺の師匠もそれの一人だった。
「今からお前は下界に行って、この学園に通ってもらう」
幼い頃に両親をなくしてから魔術師の師匠の元で人里離れていた俺に師匠はそう言った。
そしてそれから一年後。俺は高校二年生としてその学校に転入した。
小等から高等までエスカレータ形式の学園にとって俺はかなり珍しい存在らしく、長い間常に誰かがいるような状況だった。
師匠の下から離れて今までの一年の間に世間というものを叩きこまれたがそれでも人ごみは慣れない。
あっちこっちに引っ張るクラスメイトたちから逃げた俺は気付いたら屋上にいた。
青い空を眺めていると雨の匂いがほのかにした。遠くに雲が見える。
「雨が降るな……」
誰もいないからかなんとなくそんなことを口に出した。
そしてそれが俺の学園生活に置いて最大の出会いをもたらした。
「……まさか貴様も能力者か」
振り向くとそこには中等部の制服を着た少女がいた。
ただし眼帯をしていた。
魔術師の弟子が過ごす魔法のない普通の日常。
果たして魔王に到達する事は出来るのか!?
『学園探索記(仮』
この後、少女はテレビで見てかっこよかったからやってみたとかその程度の認識しかしてないまっすぐな性格の子だったり
のじゃのじゃ言うその子の中学生を出したり、学園転覆を狙う集団と戦闘させたりと考えたが
・某中二秒アニメはいいとして登場人物の一人がテレパシストと最近の某アニメと被った。
・あまりにもファンタジーが過ぎる。
・全部終わるのにどのくらいかかるんすかねぇ。
・そもそも現状想定しているラストがなんか化け物との戦闘で色々おかしい。
ということでボツになったのでここに投下。
さすがにこれは学園スレには向かないかなーって
184
:
名無しさん@避難中
:2013/01/23(水) 02:06:00 ID:/srjyiq20
http://imefix.info/20130123/131212/rare
描いてみたかった
185
:
名無しさん@避難中
:2013/01/23(水) 05:45:53 ID:x7qYcI3w0
渋いwww
186
:
名無しさん@避難中
:2013/01/23(水) 07:14:10 ID:d4gJIul60
かっけえwwwww
187
:
名無しさん@避難中
:2013/01/23(水) 07:52:55 ID:gponFBKEO
ちゃんとマリスモになってるwwwww
乙wwwww
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