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なんでも投下スレin避難所2
589
:
名無しさん@避難中
:2018/01/24(水) 12:32:41 ID:f.rIB7Z20
藤居ちゃんが軽くボタンを握る。センサーが反応するぎりぎりまでボタンを押し込む。
コンマのタイムロスを軽減させるためだ。
「アニメ『イナズマイレブン、ゴ……』」
「千宮路大和!!」
ボタンを片手で弾く彼女の叫びにも似た回答。早押しブザーの音さえも遠慮気味にわたしの耳に届かない。
果たして、その答えは。
「正解……です」
問題文は「アニメ『イナズマイレブンGO』に登場するサッカーチーム『ドラゴンリンク』のメンバーで
『ご』と読める漢字が付かないのは誰?」だ。
藤居ちゃんの守備範囲は広い。どこでこういう情報を仕入れ、研究をしているのだろうかと尋ねてみたい。
「いやー、良問だね!」と、藤居さんは手を叩くが、わたしにはさっぱりだ。
「どうして分かったんですか?」と、バカな振りをして聞いてみる。
「まず一つ、出題のアクセントがね、『イナズマイレブン』に無かったから。二つ目、無印でなく『GO』を
問う問題だと分かったから。さらに三つ目、『GO』と言えば『ドラゴンリンク』、さらにさらに
その中で最も特徴的なものといえば「『ご』と読める漢字が付かないのは誰?」だし」
わたしは思わず「分かりませんっ」と音をあげる。
さらに藤居ちゃんは続ける。
「一つ目のね、『イナズマイレブンGO』にアクセントがあるのなら、『ドラゴンリンク』が正解と予測
出来るんだけど、黒咲さんはそこにアクセントをつけなかった。ならば、その先を問う問題だと感じてね」
藤居ちゃんの高笑いが響くクイ研部室。二人っきりの部屋は薄寒かった。
帰り際、わたしは演劇部部室に寄ってみた。なんとなく落ち着くからだ。
部室には部長の迫先輩は一人で本を読んでいた。いつもは隙が無い迫先輩なのだが、このときばかりは
何もかも神経を堕落させ、好きな本に没頭していることが分かる。
迫先輩は演劇部の部長を務めるだけあって、冷静沈着でクレバーなメガネ男子だ。
だからこそ、そんな男子がイジクリコンニャクにされてしまうような脚本があってもいいじゃないか。
最終問題で「得点は三倍になります!」「聞いてないよ!」のでんぐり返し。
わたしはちょっと舌を出してみる。
「迫先輩!」
声をかけても返答なし。本物だ。
そして、わたしの中に潜在する支配欲が覚醒した。
「迫先輩!問題です!」
「は?」
「アニメ『イナズマイレブンGO』に登場するサッカーチーム『ドラゴンリンク』のメンバーで
『ご』と読める漢字が付かないのは誰?」
制限時間十秒。三、二、いち。
「正解は『千宮路大和』でした!」
ハトマメの顔をした迫先輩は、非常に愉快に感じる。
「なんだ?いきなり」
そうです。クイズとはいきなりやってくる。人生はクイズの連続だ。
「問題です。ドイツ語で『年輪』という意味の名を持つお菓子は?」
「うっ」
「三、ニ、いち。ブー。正解は『バウムクーヘン』です」
「問題です。アマゾン川で年に一度、河口から流れが逆流する現象は?」
「えっと……聞いたことあるぞ。ポ」
「ブー。タイムアップ。ポロロッカです」
気持ちがいい。
博打の胴元になって、全員掛け金没収!そんな展開のようだ。
立場は逆かもしれないが、クイ研の藤居ちゃんの気持ちがほんのちょっと分かった気がする。
さて、メガネを白黒させている迫先輩にファイナルアタック。
「問題です。『なぜ山に登るのか』の問いに『そこに山があるからだ』と答えたイギリスの登山家は?」
「……は?さっぱり」
どうだ。ふふっ。わたしは人差し指を突き出して「ジョージ・マロニー」と正解を告げた。
迫先輩、敗者の弁を。
「イギリス人が日本語使うか」
おしまい。
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