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獣人総合スレ 避難所
667
:
ババアとローラーブレード
◆TC02kfS2Q2
:2011/10/07(金) 23:33:51 ID:SqTnCTAA0
「滑れるね、うん」
「うん……。滑れるニャ」
「よしっ」
たった一言ヒカルがかけた言葉がコレッタには救いになった。
コレッタとローラーブレードを滑りたい一身の白先生はというと、その日も公園にやって来ていた。
しかし、無様な格好を晒すぐらいなら一人で練習してみせると、自分にはっぱをかけて何度も転んで起き上がっていた。
「わたしはコレッタの王子さまに……なるんだっ」
とあるお城にコレッタというお姫さまがいました。
お姫さまはローラーブレードが滑れなくて困っていました。
そこに現れたのは白王子、白馬に跨りマントを翻し駆けつけて来たのです……が。
「きもちいいニャ!」
お姫さまの背中から真っ白い羽根が生えて、青い空を飛び回っているではありませんか。
王子さまを見下ろしながら、お姫さまはどこかへと飛んでいってしまいました。
めでたし、めでたし。
風のように滑ってゆくコレッタと側を歩くヒカルは、行く先に白先生がローラーブレードで滑っているのを目撃した。
滑るというより、しゃがんだまま両手と尻尾でバランスを取りながら、白先生はローラーブレードを乗せられてころころとやって来た。
それ以前に体中が痛いらしい。三十路の手習いの厳しさを身をもって知った白先生に近づくのは、今は危険。コレッタは
くるりと長い金色の髪をなびかせてUターンを白先生に見せ付けた。遠くで誰も乗っていないブランコが揺れている。
「白先生……」
「い、いいや!違うんだ、犬上。ホントは上手く滑れるんだ!ちょっと立てなくなっただけだ!久しぶりだから……」
傷だらけのローラーブレードとプロテクターの割には、ちょっと新しくも見える。ヒカルは敢えてスルーした。
後姿で振り返るコレッタは尻尾でバランスを上手く取りながら、白先生へ微笑みの激励を贈る。
「興味ないって言ってたのに……やっぱり白先生も滑りたかったニャね!コレッタがすべり方を教えてあげるニャ!」
白先生はにこりと笑うコレッタを及び腰のまま、見上げるだけだった。
おしまい。
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