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獣人総合スレ 避難所

658名無しさん@避難中:2011/07/24(日) 00:04:57 ID:tfzZ57ik0
 そして夏休み。毎日が飛ぶように過ぎていった。
教科書を先の方まで読み、いろいろな問題集を買い込み、補習がある日には学校へ行って
理解できない部分を先生に毎回教えてもらった。その反応は様々で、
     泊瀬谷先生には感心され、
      獅子宮先生には煙たがられ、
     帆崎先生と大稲荷先生には呆れられ、
    英先生には説明に日本語を使ってもらえず、
  サン先生には台車を押す係を命じられ、
   百武先生には天体観察の素晴らしさを熱弁され、
     要石先生には2泊3日のフィールドワークに付き合わされ、
    跳月先生にはモーターが錆びると愚痴を言われ、
  白倉先生には……解剖されるかと思った。
 猪田先生と山野先生に関しては、この手の質問攻めにも慣れているようで
細かい事でも懇切丁寧に教えてくれたので、実にありがたかった。
 おかげで夏休みが終わる頃には、あえて目を通さずにいた最後の問題集も
割と楽に解く事ができるようになっていた。

 むろん、大会へ向けて部活の練習も欠かす事はできない。
もともと体力は群を抜いている訳ではなく、毎日のトレーニングで維持しているのである。
立ち止まれば取り残されて滅びるだけ、という谷川の格言はこんなところにも適用できるのだった。
 しかしながら、勉強時間が長くなれば体力づくりに回る時間が減少するのはどうしようもない。
普段の生活の中で意識して運動するようにしてはみても、その減少分を吸収するのは難しく、
そしてその証拠はタイムとなって突きつけられるのだった。
 ある日、艇を降りると平庭が言い放った。「先輩、体力落ちました?」と。
まったく返す言葉も無い。普段は気弱な態度だというが、そんな平庭を自分は見たことがない。


 さて、夏休みも終わりに近付いた頃、その事故は起こった。
その日も狂戦士・平庭に合わせて必死にオールを動かしていたのだが、コースの中間点あたりで
“ばりっ”という音を立てて、平庭の握っていたオールの柄が折れたのだ。
「折れたーっ!?」という声が聞こえたような気がする間もなく、バランスを崩して艇は転覆。
二人とも川面に投げ出された。
 ぼこぼこと気泡が動きまわる音。視界の端に回転しながら沈みゆく艇が映った。平庭を探す。
パニックを起こしてじたばたしていた。まさか溺れはしないだろうが、しかし協力は得られそうにない。
浮上して大きく息を吸い込む。一瞬、エラ呼吸の割合を小さくしてきた先祖を恨みたくなった。
 艇は川底にぶつかりそうになっていた。万が一にも壊れたら大変だ。押し流される艇を捕まえ、
川の流れと平行にする。そして頭の上に持ち上げるようにして、水面へ向かって泳いだ。
力の限り、水を蹴る。何も考えず、ただ水を蹴って進み続けた。


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