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獣人総合スレ 避難所
646
:
カエルとウサギ
◆TC02kfS2Q2
:2011/07/15(金) 23:22:39 ID:tyz8ZPUI0
#
委員会の仕事は楽しい。だけど、予算の話し合いはあまりリオは好きでない。紙の上の数字と、現実の数字は相容れないことが悔しい。
金の話だからだ。新学期に終えた部活動の予算配分の委員会、そして夏に向けて各部活動は補正予算を組む準備に入る。
迎え撃つのはリオたち委員会。どの部活も財布のことになると真剣になってくるのでリオはそれが恐かった。だが、仕事は仕事。
やるべきことはきちんとしなければと、真面目のまー子はせっせと過去の補正予算の議事録をダンボールに詰め込む。
知らない名前が並ぶ資料はリオの先輩たちが積み上げてきた学園の歴史。それを処分するのは忍びないが、溜め込むのもよくない。
いままで倉庫に眠っていた過去の書類を片付けることから、きょうの仕事は始まった。そのためにリオはやってきたのだ。
「ごめんね、ミサミサ。委員会の仕事のお手伝いお願いしちゃって」
「わたしも部活動で登校していたので、因幡先輩の力になれば幸いです」
ただの書類整理なのに、ついてきてくれる委員の後輩にリオは感謝した。たっぱのある後輩は軽々と段ボールを抱え上げる。
詰め込まれた破棄予定の書類は束になると厄介なくらい重たいのだ。なぎなた部のエースでもある後輩は、リオの頼りになる存在だ。
凛々しい瞳に麗しい長い黒髪に惹かれて、同姓のリオでさえ惚てしまいそうである。素直なウマの娘・番場道産子(ミサコ)は
文句の一つも零すこともなく、委員会の者が負う任務を忠実に全うした。
「重くない?」
「いいえ。仕事ですから、喜んで」
こんな仕事、暇な男子にさせればいいのにと少しでも考えたリオはミサコの仕事熱心さと比べて自分が恥ずかしくなってきた。
ミサコがリオのあとをに続くと、ミサコの部活動仲間であろう女子から黄色い声が飛んだ。その声がリオには痛い。
「それにしても、結構あるね。捨てる書類」
「はい」
「5年前の資料だね」
保管期間を過ぎた紙の束、ガムテープで厳重に封をする。学園のいちページを刻んだ証は役目を終えて行くべきところへ向かった。
「おい、因幡」
二人の足が止まる。教師に呼び止めるられたからだ。
垂れたウサギの耳とよれたTシャツ。その上から羽織った白衣がいささか枯れて見える。
「時間、あるか」
「わたしたち、今から……」
「因幡先輩。このあとはわたし一人でも大丈夫ですので、跳月先生の要件を……」
ミサコの計らいに甘えて、リオは跳月に呼び出しに応じた。気を効かせたような、とリオはぐっと口元をかみ締める。
要件がわからない故、不安を抱きながら化学準備室へ入と、相変わらず生活感のない部屋が迎えてくれた。無機質な電子部品が
机に散乱し、読みかけであろう分厚い本が開いたまま俯せにされている。リオと跳月で二人っきりの部屋。恋人でもないのに、
ましてや相手は教師だぞ。何故かリオは口の中を甘くしていた。この時間を崩したくなかったから。
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