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獣人総合スレ 避難所
645
:
カエルとウサギ
◆TC02kfS2Q2
:2011/07/15(金) 23:22:07 ID:tyz8ZPUI0
雨宮だ。雨宮跳だ。
彼はカエル。新緑の青葉のような色の雨宮が川の浅瀬に立っていた。足元を涼しげな流れで洗い、気をよくしていた雨宮は
喉をけろけろと鳴らしている。川の流れに沿って風が吹き抜けると、岸辺に置かれた雨宮が持って来たと思われる紙袋が倒れた。
慌てて雨宮は紙袋を捕まえる。
「はっ。もしかして……雨宮にスカートの中、見られたかも」
紙袋が風に倒されたことで、なびいたスカートを思い出す。今更裾を押さえても、仕方がないことだ。
だけれども、それをしないと落ち着かない。
堤防の上から雨宮をじっと観察しているうちに、リオは男子の気軽さが羨ましくなってきた。髪が風に吹かれて口元に張り付くと、
そっと摘んで整えた。
「委員長じゃん。いたの?」
「あ、あ、雨宮っ」
カエルは今、気付いたようなそぶりを見せたので、とりあえずリオはあまり大きくない胸を撫で下ろした。
「何してるの」
「川の水温を計ってたんだよ。そろそろ水が気持ちいい季節になってくるからな」
「ふーん」
「お玉じゃくしだった小さい頃を思い出すんだよな。ウチの水槽よりも広いから思う存分泳げるし。委員長もしただろ?」
「しないし」
水を雨宮が蹴上げるとほおずきの種のように辺りに水が撒き散らされる。ぱしゃっと音を立てて、水面に同心円が広がり崩れる。
漕艇部である雨宮は川とずいぶんと親しいし、これからもずっとカエルである限り親しんでゆくつもりだ。水の中にいるときは
まるで遠くて近い故郷の胎内へ帰還したような安堵感を雨宮は感じている。
「ウチの部もそろそろ補正予算案出さなきゃね。委員長」
「お金の話はいやよ」
嫌なことを思い出した。リオは個人的にはあまり実績の上げられない部については、さほど予算を気にしていなかった。
だが、いざ話し合いとなると他の委員たちが雁首並べてうんうん言うので、リオもその気になって首を縦に振ってしまったのだ。
それもこれもみんなの委員長だから、穏やかに話を終わらせたい一心での消極的賛同。
「頼むよ。龍川大のミネラルウォーター、欲しいし」
「わたしに権力ないし」
リオを玩ぶように雨宮はケロケロと笑った。ふんっと捨て台詞を残してリオは学園へと自転車を漕いでいった。
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