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獣人総合スレ 避難所
644
:
カエルとウサギ
◆TC02kfS2Q2
:2011/07/15(金) 23:21:32 ID:tyz8ZPUI0
リオのスカートが風でふわっと舞い上がる。調子に乗って自転車のたち漕ぎをしたからだ。
土曜の午前中なのが幸いしてか、人の目線は気にならなかったのことがせめてもの救い。鉄壁スカート崩壊の危機は免れた。
吹き抜けるひんやりとした梅雨の中休みの空気が、ニーソックスからはみ出した太ももの白いウサギの毛をやさしく冷やしていた。
太ももから腰、短い尻尾、背中を人差し指でなぞられたような。川の冷たい水で指を浸す。命の源である水は生き物に寛大だ。
その濡れた指で無防備なリオの体を触るか触らないかの感触でゆっくり爪をたてる。瞳の奥から涙が滲む。太ももを無意識に合わせる。
「ひんっ」
だけど、特別な人からされるんだったら、それはとっても嬉しいかも。と、リオは前向きに受け取っていた。
休みの日に行く学校だから、いつもと違って自転車に乗ってみた。
休みの日に行く学校だから、いつもと違って河原を通ってみた。
ウサギの因幡リオは、自転車の前籠に荷物を載せて学園までの道で風になる。衣替えしたばかりの半袖から
澄んだ初夏のにおいがする。いつも乗っている市電の中から見る空と違って、遠くまで透き通る風が心地好い。
気持ちのいい青空のまま、帰りはショッピングとしゃれてみたい。行く先はもちろん同人ショップ。薄い本が待っている。
でも、学校の制服のままだと誰かに見られたら乙女心が傷ついてしまうから、きょうはちゃっかり着替えを持ってきた。
市販されているブランド物のよそいき制服。メガネを外しても大丈夫なようにコンタクトレンズも忘れずに持ってきているし、
着替えて真面目で通している「因幡リオ」という風紀委員長の証を消してしまえば、誰かからの人目を気にせず思う存分
自分だけの妄想ライフに閉じこもり、お咎め無しの同人ショッピングができるんだ、と夏の雲のように浮かれていた。
それに、学校へ行く用事のもう一つ。跳月先生から借りていた本を返すこと。
化学教師から借りていた理数系の本。根っから文系のリオは目次を見ただけで頭を痛めるような内容だったものだった。
リオが今までと違う世界の本が読みたいと言い出したので「ぼくが小さい頃に夢中になって読んでいた本でもどうだ」と、
貸して頂いたものだった。ハードカバーの角が丸みを帯びてきて、ところどころ日に焼けた跡がある。表紙を開くと、薄い紙が出迎える。
「いつの本なんだろう」と読み進めているうちに、文系だったはずのリオも数字の世界に巻き込まれていた。
数字の世界ってきっと石頭なんだろうという、文系少女・リオの既成概念を打ち破る。だが、数字とはいえ、所詮人が作りしもの。
読みすすんでいくにつれて「数学のこと」「この本を書いた人」に俄然興味を抱くようになってきた。つまり『数学萌え』。
気取って理解を遠ざける専門用語なんか一言も使わず、平坦な言葉だけで精密機械のような理数系の世界を紐解く。
この敷居の低さがリオには理数系というヤツに親近感を覚えてくるようになっていった。食わず嫌いをリオは恥じた。
読後。リオは全ての数字の世界を理解したような気になっていた。たとえ、それがフェイクでも一人でも数字に興味を持った者が
増えたとすれば、その本の著者としては非常に喜ばしいことだ。そして、この本を与えくれた跳月にも感謝……。
リオは本を返すことと、理数系からの温かい出迎えの喜びを跳月に伝える『用事』が出来たことに、胸を高鳴らせていた。
その本を紙袋に入れて「すごく、面白かったです!」と跳月の顔を思い浮かべてセリフの練習をしながら、佳望川のほとりを走る。
学園近くを流れる佳望川。広く豊かな水量を誇る一級河川。この土地は佳望川によって育まれたと言っても過言ではない。
川は人に親しまれ、人は川を愛する。大きな川は学園の生徒にも愛され、漕艇部が船を浮かべたり、吹奏楽部が河川敷で
練習をするのに利用されている。川に架かる佳望橋を自転車に乗ってリオは走り抜ける。川の上なので空気が気持ちよい。
橋の上を走ると空の色が青いことが幸せに感じる。空の色とあわせた鉄骨が橋を支え、街に溶け込む風景を作り出していた。
なんでもない街の顔に気にすることなく、リオはぐいと上流に堤防伝いに自転車を漕ぎ続けると川は向けて二股に分かれる。
佳望川に流れ込むもう一つの川、天秤川。流れは比較的緩やかで、もっと遡ると川遊びも楽しめる優しい憩いの川だ。
学園に行くには天秤川の側を走る方が幾らか早く着く。正面の校門より裏の坂道から登るのは少々骨だが、ウチからならこちらが近い。
春になると桜の花で埋め尽くされる河川敷に自転車と一緒に降りると、意地悪な風が懲りずにリオのスカートをなびかせているが許す。
そんなときに限って、学園で見覚えのある一人の男子を発見。
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