[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
獣人総合スレ 避難所
59
:
レッツゴー三匹
:2009/04/26(日) 13:27:13 ID:Y2CQlQvg0
病室の前にたどり着き、かかった名札を確認する。
飛澤朱美 御堂卓
あとは空欄になっていた。8人入りの病室に2人きり。完璧ではないか。
音を立てないように少しだけ引き戸を開き、モエは上、サン先生は下と並んで中を覗き込んだ。
いた。奥から二番目のベッドに眠る卓と、ベッド脇のイスに座る朱美。
視界は良好だ。覗く2人は小さくガッツポーズをした。
しかし、問題もあった。
「あれっ朱美なんかしゃべった!?」
「あっちくしょー聞こえなかった!」
卓君…と、朱美の呟く声はなんとか聞こえた。続けて何かをしゃべったように見えたのだが、少々距離が遠い。
耳に意識を集中して、サン先生は耳をくいと持ち上げて聞いているのだが、2人の犬耳ではその小さな声を聞き取ることができなかった。
声が小さいと聞こえないのだ。これでは下手をすると重要な部分を聞き逃してしまうではないか。
せめてもう少し耳がよければ。もしくは耳のいいメンバーがここにいてくれたら。
そうだ、りんごだ。ウサギのりんごがここに来てくれたら…
「ちょっとあなたたち、何してるのよ!」
背後から突然響いた声に、2人はビクッと振り向いた。
天に伸びる長い耳。腰に当てた手。きらりと光る眼鏡。
「りっ、リオっ!?」
まずいリオはまずい。リオは真面目のまー子だ。覗きなんて認めないに決まっている。
「サン先生まで! 病室の前で何をs」
「リオー! 待ってたんだよリオ!」
最後まで言わせず、サン先生が嬉々としてリオに向かっていった。両手を取ってぐっと握りしめる。
天然…? いや、態度とは裏腹に尻尾がこわばっている。サン先生は必死だ。
「君の才能が必要なんだ!ずっと待ってたんだよ!来てくれると信じてた!!」
「え、あの…」
仮にも教師にそこまで言われて嬉しくない人はいないだろう。戸惑いながらもリオはまんざらでもない様子だ。
だったら私はリオの女の子の部分にかける。話せばリオもきっとわかってくれる…はずだ。
「リオ!今すごく大切な所なの! 朱美にとって正念場なのよ!」
「で、でも」
「ねえわかるでしょ、今邪魔しちゃいけない所なの!」
「そうなんだよ!今は静かに見守らなきゃいけないところなんだ」
「ねっ、ちょっとだけだから!後でかわいいアクセのお店に連れてくから!」
「わ…わかったわよ」
2人の猛烈な説得に圧されて、風紀委員リオはついに折れたのだった。
リオはたまたま用事で近くにいて、話を聞いていち早く駆け付けたとのことだった。何の用事かは聞けなかったが。
リオに簡単に状況を説明し、引き戸の隙間に3人の目が並んだ。上からリオ、モエ、サン先生だ。
「モエもうちょっと頭下げて、よく見えない」
共犯になったリオは割とノリノリだった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板