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獣人総合スレ 避難所
498
:
そよ風の憧れ
◆TC02kfS2Q2
:2010/06/24(木) 23:26:57 ID:CXf7ZP6k0
「あ……」
マヌケな声を上げたのはタスクだった。両手を挙げて一旦掴んだ球が転がり、頭にコツリ。
「わたし、ヘタクソだから簡単に取られちゃったね!」
「へたくそ!!」
「言ったね……、サン・スーシくん」
ミナの本気がみなぎる。動き出した機械仕掛けの時計のようにゆっくりとバットは地上から天を指し、ボールを持つ手も力が入る。
構えたポーズからはゆらゆらと陽炎のような空気のゆれ。そんなに暑い季節でもないのに、ミナの周りはとみに濃い影が出来ているようにも見えた。
ぱあっ!と天空に放たれたボールは一瞬のうちにミナの振り切るバットに吸い込まれ、この夏いちばん快い音。
取るか?
取れぬか?
取るか?
取れぬか?
取るか?
白い雲に吸い込まれそうなボールを追い駆け、両手を挙げるサン・スーシ。
丸いめがねに丸い球が映る。大きくなりつつある白球。地面のイヌに向かって、すっと……。
―――クロがヒカルの肩に飛び込んだ。
予期せぬ出来事にヒカルは目をちょっとだけ丸くした。初等部の児童とはいえ、いきなり背中にオンナノコが乗ってきたんだから。
「ヒカルくんのお陰で、空を飛べたニャ!!」
ほんのわずかだけど、鳥のように空を独り占めできたクロが珠のような歓喜の声をあげる。ヒカルはその声だけで、全てを許していいとも思った。
あまりにも一瞬の出来事だったので、保健委員も口を開く暇さえなかった事実。クロはヒカルの若々しい白い髪に顔を埋める。
「くんくんするニャ」
「……」
けっしてヒカルは声を荒げることは無い。小さく細いクロの脚がヒカルの両腕に掛かり、くすぐったいクロの手が首筋を擦る。
クロの黒曜石のような毛並みがヒカルの雪に埋まり、ただでさえ小さなクロが小さく見える。
「くんくん……ニャ」
夢は見えた?夢は叶った?
クロは「今度は大空を飛ぶニャよ!」と目をつぶってヒカルに抱きついた。
「おや?ヒカルくんじゃない。これまた背中にかわいい子をおんぶしちゃって」
「あ、あの……。杉本さん」
「ミナでいいよ!」
ヒカルはちょっと頬を緩めた。自分と同じような格好をしているミナとかち合ったのだから、当然と言えば当然だ。
ただ、ミナが背負っていたのは『かわいい子』ではなく、頭にたんこぶ作ったサン・スーシだった。
「たいしたことない!たいしたことない!!」と、大声を出して抵抗するサン・スーシだが、ミナに全てを掌握されて
だだをこねる子ども以上に金切り声をグラウンド一杯に溢れさせていた。後を追う中等部の三人組も見守るだけ。
とみにヒカルの背中が軽くなる。サン先生の声で目を覚ましたクロが、恥ずかしそうな顔をしてヒカルと保健委員の間にぴょんと割り込んだのだ。
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