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獣人総合スレ 避難所
474
:
蛇と銃弾
◆wHsYL8cZCc
:2010/05/17(月) 19:11:43 ID:WPjUDqF2O
「警察だ! 止まれ!」
銃を構えお決まりの事を言う。
映画ではこれで止まる者などいないが、実際はこれ以上の脅しは無い。ほとんどの連中は大人しく従う。
一方虎は、壁に頭をズリズリと擦りながら声を上げ続けている。
「警察だ! こっちを向いて止まれ!」
もう一度怒鳴る。虎の耳にも届いたのか、ゆっくりと久藤の方を向いてくる。
その顔は既に感情に飲まれている。
目は血走り、口からはよだれがだらだらとこぼれ、野獣のような唸り声を漏らす。
「両手を頭の後ろに置いて地面に伏せるんだ! 今すぐ!」
虎は一歩前に出る。指示に従う様子は無い。その視線からは明確な敵意が伝わってくる。
「指示に従わなければ発砲する! もう一度言うぞ! 止ま――」
久藤が言い切る前に虎が飛び掛かる。
猫科特有の瞬発力を用い、その巨体が久藤の上にのしかかる。
上を取られた久藤はあえなく下敷きになる。
「うううう………。うあアアッァァァアア………!!!」
もはや声とは呼べない。錯乱した虎は爪を久藤の身体に食い込ませようと何度も爪を立てるが、下に着込んだボディアーマーが邪魔をする。
うまく行かないとみるや、今度はその長い牙で喉元に噛み付こうと大口を空け顔を近づけてくる。
「舐めやがって……!」
久藤は銃を握ったまま鉄槌を虎の顔面に打ち込む。グリップの底が虎の牙に当たり、久藤は確かな手応えを感じた。虎が叫ぶと同時に、今度は耳の下の急所にも同じ攻撃を加える。
虎が一瞬怯んだ隙を見て久藤はそこから脱出し、距離をとって再び銃口を向ける。
「うううううううううううう…………!!!」
虎はまだ敵意を表す唸り声を上げていた。
口からは血が流れている。最初の一撃で牙が折れていたのだ。
「今度こそ止まれ。次は警告無しだぞ」
その言葉は届かないだろう。事実、虎はまた久藤ににじり寄るってくる。
そして、霧のかかった朝の墓地に銃声が二回、連続して響いた。
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