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獣人総合スレ 避難所
473
:
蛇と銃弾
◆wHsYL8cZCc
:2010/05/17(月) 19:10:50 ID:WPjUDqF2O
「持ち物検査を行う。協力してくれ」
「持ち物検査? 冗談じゃねぇ。俺が何したってんだ」
「さぁね。それを今から調べるんだ」
猪は明らかにうろたえている。普通なら怪しまれれば身の潔白を正銘しようと協力的になるか、より攻撃的になる。それならば最初の段階で取り付く島も無いはずだ。
持っている。
久藤の勘はそう言っている。
「拒否するなら公務執行妨害だ。どうする?」
「ふざけんじゃねぇよ! 俺が何かしたかよ!!」
「うろたえすぎだ。観念して指示にした――!」
突如、横に居た虎が久藤を突き飛ばす。
体格差が有りすぎた為か久藤は紙屑のように飛ばされ、派手に尻餅を付いた。
「ううううううぅうう………」
虎の声はもはや言葉となっていない。憎しみを込めて唸っているだけだった。
「やりやがって……!」
久藤はなんとか立ち上がり、目線で虎を追う。それを見ていた猪は虎とは反対の方へ逃げだそうと走りだす。
待て! そう言おうとした矢先、猪の膝に鞭のような物で一撃が加えられた。薮田だ。
たっぷりとしなりを効かせたしっぽの一撃は並の威力ではない。
猪は情けない声を上げて転倒し、薮田はそれに瞬時に絡みつく。
「うご………! 放せ! 放しやがれ!」
「喚くな猪風情が。このまま締め上げて殺す事も出来るぞ。全身の骨を砕いてな」
薮田は感情の無い目で言う。ただの脅し文句だが、暴れる犯人を震え上がらせるには十分だ。
「久藤! 逃げた虎を追え。コイツは私に任せろ」
「わかった。すぐ戻る」
久藤は懐から拳銃を取り出す。相手は虎。それも錯乱している可能性がある。嫌な予感が頭を過ぎっていた。
スライドを引いてチャンバーに弾薬を送り込み、安全装置を外す。
「朝から撃ちたくねぇけどな」
走りながら愚痴を言うが、誰も聞いてはくれない。
虎はフラフラと歩いたり走ったりを繰り返し、半地下の納骨堂の前につく。
ちょっとしたレンガ造りのトンネルに入り、壁に寄り添いうなり声を上げていた。
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