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獣人総合スレ 避難所

431太陽とケモノ ◆TC02kfS2Q2:2010/05/10(月) 22:08:48 ID:hvdRUvLI0
「ほら、見てみ」
「……そっくり」
初めてだ。
ぼくにそっくりなヤツを見るのは初めてだ。
烏丸が取材のためにこっそり写した野球部員たちの休憩時間。その中の一枚に写る白いイヌの少年。
確かに、彼は狗尾高のユニフォームを身に包み、野球帽から白い髪をはみ出していた。
地面に付きそうな長くてたわわな尻尾が、ブルペンのマウンドに突き刺さりそうだ。
ぼくと同じく真っ白い毛並みで包まれた彼は、まぎれもなくぼくらの野球部を破った、狗尾高のピッチャーであった。

「どうどすえ?興味湧いた?」
「……」
言葉にせずにぼくは烏丸の言葉を肯定すると、せっせと烏丸は毛繕いをしていた。
「すまんのう。うちら鳥はなあ、毛繕いを怠ると空を飛べんさかいな」
「わたしも犬上先輩の尻尾の毛繕いをしたいですう!」
「美作はん、黙っとき!」
烏丸曰く「休みの日の正午に狗尾高に行くと、犬上はんならわかることがある」らしいが、これ以上、烏丸は口を挟まなかった。
「ありがとう」と一礼をして、美作更紗が少しうるさかった新聞部をあとにする。

教室に戻る途中、一人のウサギの少女が廊下でそわそわとしていた。その名は、我らが風紀委員長・因幡リオ。
ボブショートの髪の毛は清潔感に溢れ、理知的なメタルのメガネは正義感が満ちている……、と思う。
「あ!犬上!あんた、新聞部に行った?見たんだよ!あんたが文化部の部室の方へ歩いていく所!」
「行ったけど、何か?」
「そこにさぁ。ちっちゃくて、短い髪のネコの女の子……居たよね?」
ぼくが「うん」と答えたのがいけなかったのか、彼女はポンと手を額に当てて、真っ白な上靴で廊下を慣らす。

「むあああ!新聞部に『委員会だより』の原稿渡さなきゃいけないのになあ。あのさ……犬上。代わりにね、原稿、持ってってくれない?」
「なんで?」
「なんでもないの!!なんでもないんだから」
因幡が力を込めれば込めるほど、ぼくの背中に感じる氷よりも冷たい風。
一方、ぼくの真向かいで因幡は、じりじりとぼくの方から後ずさりをしている。
殺気は本気に変わり、本気は因幡を危機に陥れる。「時間を取らせてゴメン!」と言うものの、ぼくにはどうでもいいことだ。
「ああ!因幡お姉さまぁーーーあ!わたしはどんなキャラにも対応できるように、髪の毛を切ってきたんですよ!!
そうそう!わたし、おこずかいを溜めてやっと手に入れたんですよ!あの制服!因幡お姉さまには『くろこ』、わたしが『みこと』のコスで……」
先ほど新聞部の部室で大騒ぎをしていた美作更紗がすっ飛んで来た。しかし、因幡が目を泳がせる理由と、美作が言っている意味が良く分からない。

「はいはい!分かったから、徹夜で書いてきた『委員会だより』の原稿、渡してあげるから、とっとと新聞部に行こうね」
「ままま!まって!犬上先輩!これ、烏丸先輩からの……やだー!犬上先輩っ」
頬を赤らめる美作は、ぼくに和紙で包まれた封筒を両手で差し出した。毛筆で達筆な烏丸の名が麗しい。
封書を受け取ると、何故か因幡から足を軽く蹴られた。


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