[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
獣人総合スレ 避難所
429
:
太陽とケモノ
◆TC02kfS2Q2
:2010/05/10(月) 22:07:07 ID:hvdRUvLI0
「どうしよっかなあ。親が待ってるしなあ」
「お待たせいたしました。バニラアイスです」
トレーに乗ったバニラアイスは、温かくなり始めたこの季節がいちばん美味しく感じると泊瀬谷先生は言う。
小さな音を木のテーブルに響かせて、懐かしい半球を器の上で描くバニラアイス。ウエハース突き刺り、泊瀬谷先生は歓喜の声。
アイスはオトナを子どもに引き戻す力があるんだと、他の誰かに言ったらきっと信じてくれるような、くれないような。
「おいしそうだね」
「はい」
スプーンが器に当たる金属音は、いただきますのごあいさつ。
ほんのちょっと、先生のゆううつを忘れさせることが出来るのなら、無邪気な姿をぼくに晒してもかまいませんよ。
しかし、ぼくはバカなことに先生の頬を緩ませる顔に連れられて、聞こうと思っていた「狗尾高」について聞き忘れた。
―――翌日の朝、学園のホールには人だかりが出来ていた。生徒たちは皆、刷りたての学園新聞を手に話しの種にしている。
女子は甘味店の紹介記事に、男子はクラスのヒロインの写真に、教師は委員会だよりにと人それぞれ興味を抱く。
だが、ぼくが目を止めてしまったのは他でもない『野球部・狗尾高との練習試合、ファインプレイ』の記事であったのだ。
昼休み、ぼくはいつも行き慣れた図書館ではなく、新聞部の部室に足を向けた。
ここなら何らかの情報が手に入るかもしれないと、学園新聞を片手に期待を抱き、不安を背中に扉を叩く。
「どうぞ」と部屋からの返事が、ぼくを迎え入れる。ゆっくりと扉を開けるとカメラのレンズの埃を取っている一羽のカラス少女と、
PC画面に向かってコントローラーを両手で握りながら、一喜一憂という言葉に振り回されるネコ少女がいた。
「あの、高等部の犬上といいます……」
「ああ、もしやあんさん、ヒカルはんなぁ?あんさんの噂は、おなか一杯聞いとりますわ。部長の烏丸どす」
カラスの少女は手を止めて、聞きなれない訛りでぼくをのほほんと見つめていた。
あまり話しをしたことが無いのに、彼女はぼくの名前を知っている。やはり新聞部の情報収集能力の賜物か。
烏丸は手を止めると、備え付けの冷蔵庫から「生八つ橋」を取り出して、殆ど初対面であるぼくに勧めてきた。
ひんやりとした生地が熱いお茶と愛称がよさそうだ。けっして目立つ色彩ではないが、見ていると心和むこの国のお菓子。
カラスは後姿をぼくに向けて、手際よくジャーポットから急須にお湯を注いでいた。
「うっひょー!さすが中ボスだよねー」
一方、ネコの少女は、PCのゲームに夢中だった。花火のような砲撃を放ちながら、深い森の上空を駆け抜ける一人の魔法使い。
相手が仕掛けてくる攻撃をまるで楽しむように、少女はコントローラーで魔法使いをひたすら操る。
騒がしい彼女を気にせずに、烏丸は緑茶を注いだ湯飲みをぼくの目の前に置いた。コトンと使い込まれた机が音を立てる。
「ところで、ヒカルはん。何か御用で?おや、早速最新号を読んでくれはったんやな」
「その……。この記事についてなんだけど」
「『野球部・狗尾高との練習試合、ファインプレイ』かいな。それはウチが低空飛行ギリギリで撮った写真どすえ。よう撮れとるやろ。
そうや。この間、狗尾高のチンピラどもにドつかれそうになっとたやろ?ヒカルはん、大丈夫かいな」
「……もう情報が。大丈夫、ケガはなかったです」
「うぎゃあああ!満身創痍!!」
静かにぼくが話し始めると、ネコの少女は寂しい画面にへばり付きながら、うるさくわめき出した。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板