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獣人総合スレ 避難所
338
:
2月22日のごめんなさい
◆TC02kfS2Q2
:2010/02/21(日) 22:07:52 ID:WPHKKZGo0
スカートをふわりと回して狭い店内の隙間を進み始めたコレッタは、ひもに結ばれた古書の束に手を掛けた。
ほこりがコレッタのまだ濡れた白い毛並みに引っ付くと、子ネコは立ち止まって、ぶんと片手を振る。
手に当った本の山が崩れ、慌ててコレッタはほこりを気にせず、手で押さえて雪崩を食い止め一安心。
危うく本の山に飲み込まれるところだったコレッタは、元通りにしようと本を重ねていると、棚の上部にある一冊の本が目に入った。
「おじいちゃん、あの本取ってニャ」
「なんじゃ、あの本か。取ってやるお返しにお嬢ちゃんの話を聞かせてもらおうかのう」
「か、隠しごとなんか、ないニャ!!」
体全体を使ってコレッタはウソを隠し通そうとしていたが、むしろウソをついていることを老猫にばらしているように見えた。
老猫がゆっくりと立ち上がり、本棚上部からはみ出したコレッタの言う本を取ってあげると、ウソをついたことを
悲しんでいた子ネコに「この本かのう?」と渡すと、ぴょこんとお辞儀をするコレッタの髪が薄暗い店内を明るくした。
「気に入ったか?」
「気に入ったニャ!」
「『100万回生きたネコ』か。お嬢ちゃん、選球眼がいいのう」
「?」
―――暖かいエアコンの元、佐村井姉妹の部屋では、ネコのてるてる坊主がいくつも作られていた。
大きなものから、小さな子。数からすれば、ちょっとした『てるてる坊主の街』が造れそうなくらい。
輪ゴムで形を整えている御琴は、ペンで目を書いているクロに優しく言葉をかける。
「この子、玄子ちゃんにそっくりよ」
「……」
「照れ屋さんね」
彼らを軒先にぶら下げだした御琴は、子ども以上にてるてる坊主作りを楽しみ、鼻歌がクロを呆れさせていた。
御琴が髪を掻き上げる姿が、クロの半分閉じた瞳に映りこみ、大きく頭を揺らしていた。
「眠いの?」
「……眠くないニャぁあ」
「いいよ。お姉さんの膝でゆっくりお休みなさい。玄子ちゃん」
雨に降られたことと、風呂上りで疲れたせいか、クロはまどろみながら姉の膝の中でゆっくりと眠りに落ちた。
暖かい姉の膝は、ケーキのように柔らかい。クロは甘くて幸せな気持ちになる洋菓子に包まれた気がする。
心地よく地面を打つ雨音が、クロを夢見心地の世界へと誘い続け、2月22日の夜を待つ。
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