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獣人総合スレ 避難所

334わんこ ◆TC02kfS2Q2:2010/02/21(日) 22:05:26 ID:WPHKKZGo0
こんな日に規制だなんて……。
申し訳ございませんが、以下の代理投下をよろしくお願いいたします。

『2月22日のごめんなさい』

コレッタがクロに口を利かなくなってしまった。
いつも学校では仲良し子ネコのコレッタとクロ、そしてミケの三人。いつもの公園でいつもの様に遊びながら、今日だけの夜を待ちわびていたときのこと。
ちょっとのつもりで、クロがいつものようにからかっていたのだが、調子に乗りすぎたのか、笑みを忘れたコレッタはクロの手を叩いていた。
「もう、クロとは遊ばないニャ!!!」
同じ子ネコのクロは、金色の髪をなびかせながら公園から走り去るコレッタの後姿をじっと見つめることしか出来なかった。

いっしょに遊んでいたミケも、いつのコレッタの反応との違いが分かったのか、気まずいそぶりを見せていた。
『いよいよ今夜』だというのに、クロもミケも、コレッタの初めて聞くような声が脳裏に焼きついて、夜まで楽しむ余裕はどこへやら。
「クロ、いけないニャよー」
「だって、コレッタが……」
原因は些細なことだった。クロが、ほんのちょっとやり過ぎただけだった。覆水盆に帰らず、クロの足元をこぼれた水がじわりと濡らす。
もしかして、クロがこぼした茶碗の水は、じわじわと地面に吸い込まれて、再び姿を見せることはもう無いのかも。
そんなことはぜったい無いと信じたいけれど、世の中にぜったいなんか無いんだよ。と、意地悪な空の雲がクロを責める。

―――公園から夢中で走り去ったコレッタは、気が付くと街の真ん中の電車通りにまでに辿り着いていた。
コレッタの母親が生を受ける前より走っていた電車は、生まれながらの鉄輪をきしませ、なんでも無い一日の一場面を描く街の住人。
最近生まれたばかりの自動車と混じって、大きなモーター音を鳴らしながら電車はコレッタの目の前を通り過ぎる。
小さなコレッタには、通りを闊歩する電車が大きく見えた。もしも電車が話を聞けたなら、この街の昔話を聞きたいニャ!と言いたげに。
取り残された軌道敷を見つめるコレッタは、ここは自分の街なんだニャ。と、薄暗い街並みを眺めて手を握り締める。
でも、ちょっと怖い。大きな街の一人歩きはコレッタに早すぎた。いつも優しいお母さんがいないってだけで、ちょっと落ち着かない。
ただでさえちょっぴり不安を抱えているというのに、泣きっ面にハチではなく、コレッタの頬に微かな一滴が刺さる。

「わーん!傘を持って来ればよかったニャ」
そう言えば、出かける前に母親が顔をしきりに洗っていた。小粒だった雨は、走れば走るほど大粒に感じる。
かわいいフリルの付いたスカートも、水滴を吸い込むとコレッタに冷たさを晒す、底意地の悪い布にしかならない。
自慢の金色の髪も、体にまとわり付いて未だ出会わぬ『すてきな男の子』に見せびらかすことも出来ないくらい情け無い。
それに、これ以上濡れるのはいやニャ。雨を避けようと、一本の路地に入り込むと、雨宿りにお誂えの軒先が見つかった。
街を走る電車が生まれる前から建っているような民家。それを無理矢理店に仕立て上げ、長らく街に溶け込んできた存在感。
かすれかけた看板には『尻尾堂古書店』と、立派な毛筆が誇らしげにガンコ親父のような玄関を飾っている姿だが、店自体に威厳は余り無い。
「ふう、ちょっと一休みニャ。疲れたニャあ。ここはどこニャ?」
世間を余り知らぬ子ネコゆえ、コレッタには「昔の本が置いてある所」とぼんやりと理解した。


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