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獣人総合スレ 避難所

104名無しさん@避難中:2009/06/19(金) 18:49:58 ID:b9QBlaTI0
そんな卓を尻目に、話はコウモリの生態からその人本人について移っていった。

「あたしもちっちゃい頃、会う前は誤解しててちょっと恐かったんだけどね。
 本人に会ったら全然気にならなくなったわ。とってもいい人よ」
「へぇーそうかー。結婚してるんだっけ。旦那さんもコウモリなのかー?」
「ううん。旦那さんは人間なの」
「おぉ!そっかそっかー! よかったな卓ー!」

利里は心底嬉しそうな様子で、反対側で何か考え込んでいた卓の背中をバシンと叩く。

「ぶっ!? へ!? なに?なんだ利里?」

一人考え込んでいて話を全く聞いていなかった卓は、突然の衝撃に目を白黒させた。

「だからーそのコウモリお姉さんの旦那さんは人間なんだってさ! よかったな卓!」
「えっちょっ何言ってるのよ利里君!」

朱美があたふたと利里の言葉を否定しようとする。
パタパタと揺れる翼膜が赤みを帯びる。人間が顔を赤くするのと同じ原理だ。
そんな朱美の様子を見て、遅れて卓も利里の言う意味を理解した。途端に顔がかっと赤くなる。

「ばっ、ちょっ何言ってんだ利里!」
「やっやめてよ利里君!」
「はははー二人とも息ぴったりだなー」

稀ではあるが、利里もときには人をからかったりする。
同じように真っ赤になりながら全力で否定するお似合いの二人を、利里は笑いながら満足げに眺めていた。

やがて、朱美が別れる駅が近付く。
卓の懸念はいつの間にやらすっかり忘れ去られていた。

「あっ! そういえば!」

朱美が思い出した様に声を上げる。

「来月なんだけど、ちょうど近くに来る用事があるみたい。折角だから二人に紹介するわよ。きっと仲良くなれるわ」
「おー!そりゃ楽しみだー」
「なんというベストタイミング」
「旦那さんも一緒にね」
「旦那さんはどんな人なんだー?」
「んー?ちょっと貧血気味」

目前ある駅に電車が滑り込むのが見える。

「あっあたし乗る電車だ!じゃ行くわ!ばいばい、二人とも!」
「おっ、じゃまた明日ー」
「じゃーなー」

改札へ走っていく朱美を軽く手を上げて二人は見送った。


「………あれ?」


何かひっかかるものは気のせいだろう。きっと。たぶん。おそらく…。


おわり


ここまで代理投下お願いします。


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