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獣人総合スレ 避難所

102名無しさん@避難中:2009/06/19(金) 18:47:18 ID:b9QBlaTI0
規制中だウェーイ!
かなりタイミング外したが、>>74見てちょっと気になって調べてみた。チスイコウモリっておもしろい生態してるんだな。
その勢いでこんな小ネタ書いてみた。小ネタのつもりが思いの外長くなってしまった。


ある日の帰り道。高等部のお馴染みの三人組が並んで歩いていた。
他愛のない会話の中、ふっと思い出したように人間の少年が隣を歩く蝙蝠人の少女に質問する。

「…あ。なあ朱美、チスイコウモリっているじゃん?」
「な、なによ藪から棒に。あたしオオコウモリよ?」

蜥蜴人の少年もはっと思い出したような顔を見せて、卓の頭越しに質問に加わる。

「わかってるってー。そうじゃなくてチスイコウモリっているよなー?」
「いるわね。あたしの親戚にもいるわよ」

「…ってええっ!?」
「いるのかよ!?」

二人の意外な驚きように朱美も少し驚きながら、二人に説明する。

「今は結婚して名字変わってるんだけどね。
 昔から親戚で集まるときはよく遊んでもらったわ。とっても綺麗な人なのよ」
「…へぇー」

卓はどこか困ったような顔をしていた。利里はそんな卓の様子になんて気付かない。

「その人って実際噛みついて血を吸ったりす」
「ばっおまっ!?」

利里の純粋すぎる質問を卓は大声で止める。が、遅すぎた。内容はほとんど朱美に伝わってしまっただろう。

「お前もうちょっと歯に衣着せるとか!!」
「へ?は?歯に服着せてどうすんだー?」

いつもの調子で純粋すぎる利里。彼の欠点であり、そして魅力でもある部分だ。
気の置けない仲間である三人にとっては彼のこんな発言は日常茶飯事。朱美もそう気にすることはなかった。

「お前な……もういい。ごめんな朱美」
「全然気にしてないわよ」
「…で、実際のとこどうなん? 俺も気になってたとこなんだが」

朱美はあははと軽く笑ってみせる。

「やだぁ、しないわよそんなことー。ドラキュラ先生じゃあるまいしー」
「いや伯爵もしないと思うが……あ、でもトマトジュースは好きだったりして」
「あ、実はそれ正解。なんか特製トマトジュースってやついつも飲んでるの」
「…そっかートマトジュースかー」

黙っていた利里が不意に口を開く。

「それ本当はトマトジュースじゃなくt」
「あーあーあーちょっと止まろーなー利里君!!ちょっとあっち行ってみよーな!」

卓が利里の両肩をズンズンと押して朱美から離れた。
朱美は頭にクエスチョンマークを浮かべながらそれを見送った。

三人は確かに、何を言っても大抵問題ないような仲ではあるが、
純粋にまかせて無神経な発言を言いたい放題な環境は利里自身のためによろしくない。卓はそう考えた。
朱美に聞こえないように顔を近づけて小声だ。

「お前な!朱美の親戚のお姉さんだってんだからちょっとは気ぃ使え!」
「でも朱美に聞こうって言いだしたのは卓だったぞー」
「う…それは悪かったよ。俺だってまさか親戚にいるとは思わなかったんだ」
「あぁ、びっくりだよなー」
「もうこの話は切り上げよう。利里も余計なことは言うなよ」
「う…おぉ、わかったぞー」


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