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侑「歪んだ愛情」
1
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 17:47:04 ID:SSQ4kvg2
――部室
侑「〜♪」
かすみ「侑先輩〜。何見てるんですか?」
侑「ん?歩夢とのLINEを読み返してるんだよ」
かすみ「へ〜〜。真剣に見てるから、スクールアイドルの動画かと思ってましたよ」
侑「あはは。かすみちゃんも一緒に見る?」
かすみ「いいんですか?」
侑「いいよー。見られて困るような会話してないしね」
かすみ「ではお言葉に甘えて〜」
侑「隣おいで」ポンポン
かすみ「はーい♪」ストン
かすみ(2人って普段はどんな会話してるんだろ?楽しみ〜♪)
2
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 17:52:11 ID:SSQ4kvg2
歩夢:侑ちゃん、今何してるの? 20:26
侑:横になりながら漫画読んでる 20:27
歩夢:そうなんだ。どんな漫画? 20:27
歩夢:侑ちゃん? 20:29
歩夢:侑ちゃん? 20:29
歩夢:侑ちゃんどうしたの? 20:29
歩夢:侑ちゃん返事して 20:30
歩夢:侑ちゃん? 20:30
歩夢:侑ちゃん? 20:30
歩夢:侑ちゃん? 20:30
歩夢:おーい 20:30
歩夢:侑ちゃーん 20:31
3
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 17:56:24 ID:SSQ4kvg2
歩夢:侑ちゃん返事してー 20:31
歩夢:侑ちゃーん 20:31
歩夢:不在着信 20:32
歩夢:不在着信 20:33
歩夢:侑ちゃんどうしたの? 20:33
歩夢:漫画面白い? 20:33
歩夢:侑ちゃん? 20:33
歩夢:不在着信 20:34
歩夢:不在着信 20:36
歩夢:不在着信 20:37
歩夢:電話出てよ 20:38
歩夢:不在着信 20:39
4
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 18:38:28 ID:SSQ4kvg2
歩夢:不在着信 20:40
歩夢:不在着信 20:42
歩夢:不在着信 20:43
歩夢:侑ちゃん大丈夫? 20:43
歩夢:侑ちゃん? 20:43
歩夢:侑ちゃん? 20:43
歩夢:未読スルーじゃないよね? 20:44
歩夢:侑ちゃん? 20:44
歩夢:おーい 20:44
歩夢:侑ちゃーん 20:44
歩夢:侑ちゃーん 20:45
歩夢:侑ちゃん返事して 20:45
5
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 18:43:32 ID:SSQ4kvg2
歩夢:侑ちゃんってばー 20:45
歩夢:やっぱり未読スルーしてるよね? 20:45
歩夢:怒るよ? 20:45
歩夢:不在着信 20:47
歩夢:侑ちゃーん 20:47
歩夢:侑ちゃーん 20:47
歩夢:侑ちゃーん 20:47
侑:ごめん、ソシャゲのスタミナ消化してた 20:48
歩夢:そうなんだ! 20:48
歩夢:返事がないから何かあったのかと思ったよ〜 20:48
歩夢:ちなみに何のソシャゲ? 20:48
かすみ(このあとすぐ侑先輩はお風呂に入ったらしく、1時間以上も似たようなメッセージが投下されていました)
6
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 18:48:07 ID:SSQ4kvg2
かすみ「ちょ、えっ。なんですかこれ」
侑「昨日のLINEだよ」
かすみ「そういうことじゃないですよ。メッセージの量、明らかにおかしくないですか?」
かすみ「しかもずっと休まずに送ってるみたいだし……」
侑「みたいだねー。暇なんじゃない?」
かすみ「えぇ……。暇で済ませちゃうんですか……」
侑「歩夢、かわいいよね〜」
かすみ「へ?」
侑「歩夢、かわいくない?」
かすみ「歩夢先輩がかわいいのは認めますけど、いきなり話が変わったのでびっくりしただけです」
侑「こんなに必死にメッセージを送ってくる歩夢、かわいいよね。ときめいちゃうよ!」
かすみ「は、はあ」
7
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 18:51:03 ID:SSQ4kvg2
かすみ(侑先輩、何言ってるんだろう)
かすみ「いつもこんな感じなんですか?」
侑「まあね〜」
かすみ「その、大変ですね」
侑「なにが?」
かすみ「ですから、こんなに大量のメッセージが送られてくるわけですし」
侑「うん?」
かすみ「迷惑じゃないんですか?」
侑「どうして迷惑なの?」
かすみ「どうしてって……」
侑「?」
かすみ(言っちゃっていいかな?)
8
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 18:55:27 ID:SSQ4kvg2
侑「かすみちゃん?」
かすみ「あー、えっと」
かすみ「こんなに大量のメッセージを送られてきたら……その、普通は迷惑だと思うんですけど……」
かすみ「かすみんだったら、いくら仲良い友達でも着信拒否しちゃうかもです」
侑「着信拒否?」
かすみ「通知音とかうるさいですし……」
侑「ふーん。私だったら嬉しいけどなー」
かすみ「嬉しい、ですか?」
侑「うん。私のために何時間もメッセージ送ってくれるのって嬉しくない?」
侑「私って愛されてるなー、って感じちゃうよね?」
かすみ「そ、そうなんですか」
かすみ(ここで同意を求められても困ります……)
9
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:00:45 ID:SSQ4kvg2
侑「うんうん♪」
かすみ(私はよくわからないけど、侑先輩が嬉しそうならそれでいいのかな?)
侑「だから未読スルーもよくやるんだよね〜」
かすみ「はい?」
侑「歩夢ってね?数分返事が来ないだけで、こっちが返事をするまでずっとメッセージ送ってくるからさ〜」
侑「それが嬉しくてつい、未読スルーしちゃうんだ♪」
かすみ「へ、へー」
侑「ちなみになんだけど、私が未読スルーをしたまま寝ちゃったときなんか朝までメッセージ送ってたよ」
かすみ「あ、朝まで??」
侑「吹き出しが999になってた♪」
かすみ「へー、それは、まあ、なんというか……」
かすみ「すごいですね……」
10
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:05:41 ID:SSQ4kvg2
侑「かわいいよね〜」
かすみ「あはは……」
かすみ(隣同士なんだから、気になるなら家に行けばいいのに……。朝までメッセージを送り続けるって……)
かすみ(歩夢先輩ってちょっと変わってるなぁ……)
かすみ(本人の前では口が裂けても言えないけど……)
侑「もっと見たい?」
かすみ「えっ、それはその」
かすみ「……少し気になります」
侑「あはは。じゃあ、見ていいよ。はい」スッ
かすみ「え?かすみんが操作するんですか?」
侑「ただスクロールするだけでしょ?」
かすみ「そ、そうですけど」
11
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:09:59 ID:SSQ4kvg2
かすみ「えっと、いいんですか?」
侑「もちろん。私もそろそろ指が疲れてきたし」
侑「あ、メッセージ来たら返してね?」
かすみ「わかりました。では、失礼します」スッ
侑「はーい」ポフ
かすみ「ひゃっ」ビク
侑「かすみちゃん?」チラ
かすみ「な、なんでもないです」
侑「ふーん?」
かすみ(い、いきなり密着してくるなんて……)
かすみ(少し顔を横に向けたらキスできちゃいそうな距離だよね……)
かすみ(……侑先輩、いい匂いだなぁ)スッスッ
12
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:16:24 ID:SSQ4kvg2
歩夢:侑ちゃん、起きてる? 3:17
歩夢:こんな時間に起きてるわけないよね 3:17
歩夢:ごめんね 3:17
歩夢:私、侑ちゃんが大好き 3:17
歩夢:侑ちゃんは私のこと、どう思ってる? 3:18
歩夢:最近の侑ちゃん、そっけないもんね 3:18
歩夢:私と一緒にいてもつまらない? 3:18
歩夢:それとも他に好きな人ができた? 3:19
歩夢:ねぇ、侑ちゃん、答えてよ 3:19
歩夢:本当は私のこと嫌いなんじゃないの? 3:19
歩夢:ねぇ、侑ちゃん 3:19
歩夢:侑ちゃん、大好きだよ 3:19
13
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:22:19 ID:SSQ4kvg2
歩夢:侑ちゃんが私のこと嫌いでも、私は侑ちゃんが大好き 3:20
歩夢:ねぇ、覚えてる?幼稚園の頃 3:20
歩夢:大きくなったら私と結婚してくれるって言ったよね? 3:20
歩夢:あのときね、私とっても嬉しかったんだよ 3:21
歩夢:あの日のことは、今でもずっと覚えてる 3:21
歩夢:今でも時々夢に出てくるくらいだもん 3:21
歩夢:あの頃は侑ちゃんも私を好きでいてくれたよね? 3:22
歩夢:今は私のこと、好きじゃないの? 3:22
歩夢:私は大好きだよ 3:22
歩夢:侑ちゃんはどう? 3:22
歩夢:侑ちゃん 3:23
歩夢:不在着信 3:24
14
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:27:37 ID:SSQ4kvg2
歩夢:不在着信 3:25
歩夢:不在着信 3:27
歩夢:電話出てくれないの? 3:27
歩夢:そっか、寝てるもんね 3:27
歩夢:ごめんね 3:28
歩夢:侑ちゃん、大好き 3:28
歩夢:結婚式のときは私、和装よりも洋装の方がいいな 3:28
歩夢:純白のウェディングドレスを着るのが私の夢なの 3:29
歩夢:侑ちゃんはどっちがいい? 3:29
歩夢:私としては侑ちゃんはタキシードが似合うと思うんだよね 3:29
歩夢:あ、もちろんウェディングドレスも似合うよ? 3:30
歩夢:だって侑ちゃんは一番かわいいんだもん 3:30
15
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:31:25 ID:SSQ4kvg2
歩夢:でも、侑ちゃんにはやっぱり、タキシードを着てほしいな、なんて 3:30
歩夢:えへへ、いきなりこんなこと言われても困るよね 3:31
歩夢:ごめんね 3:31
歩夢:好きだよ、侑ちゃん 3:31
歩夢:不在着信 3:32
歩夢:不在着信 3:34
歩夢:大好き 3:34
侑:あゆむ 3:35
歩夢:侑ちゃん! 3:35
歩夢:スタンプ 3:35
歩夢:ごめんね、起こしちゃった? 3:35
侑:うん 3:36
16
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:35:16 ID:SSQ4kvg2
歩夢:ごめんなさい 3:36
歩夢:寝ようと思っても、なかなか寝付けなくて 3:37
歩夢:迷惑だよね、ごめんね 3:37
侑:別に迷惑じゃないよ 3:37
歩夢:本当に? 3:37
侑:うん 3:38
歩夢:うそ、本当は迷惑だって思ってるくせに 3:38
歩夢:私のこと嫌いなんでしょ? 3:38
侑:違うよ 3:38
歩夢:隠さなくていいよ。嫌いなんだよね? 3:38
歩夢:最近の侑ちゃん、そっけないもん 3:39
歩夢:全然かまってくれない 3:39
17
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:39:02 ID:SSQ4kvg2
歩夢:私はこんなにも侑ちゃんが好きなのに 3:39
侑:私も歩夢が好きだよ 3:39
歩夢:嘘つかないでよ 3:39
歩夢:嫌いならはっきり言ってよ 3:39
歩夢:もうメッセージ送らないから 3:40
侑:好きだよ 3:40
歩夢:嘘ばっかり 3:40
歩夢:もう私からはメッセージ送らないから 3:40
歩夢:ブロックしていいよ 3:40
侑:わかった、おやすみ 3:41
歩夢:そっち行っていい? 3:48
かすみ「えぇ……」
18
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:43:13 ID:SSQ4kvg2
かすみ「もうメッセージ送らないって言ってるのに、10分も経たないでまた送ってるし……」
侑「あはは、かわいいでしょ」
かすみ「どうやらかすみんと侑先輩のかわいいの認識は少し違うみたいですね」
侑「え?」
かすみ「んんっ。なんでもないです〜」
侑「そっか。ほら、続き続き」
かすみ「まだあるんですか……」スッスッ
侑:いいよ 3:49
歩夢:ごめんね 3:49
歩夢:侑ちゃんのこと考えたら止まらなくて 3:49
歩夢:ごめんなさい 3:49
侑:気にしないで 3:50
19
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:46:36 ID:SSQ4kvg2
歩夢:私のこと好き? 3:50
侑:好きだよ 3:51
歩夢:嬉しい 3:51
歩夢:ありがとうね 3:51
歩夢:私も好きだよ 3:51
歩夢:侑ちゃん大好き 3:52
歩夢:卒業したら結婚しようね 3:52
侑:そうだね 3:52
歩夢:楽しみだな〜 3:52
歩夢:子供は2人くらい欲しいね 3:52
歩夢:もう名前も決めてあるんだ 3:53
歩夢:聞きたい? 3:53
20
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 19:50:30 ID:SSQ4kvg2
侑:鍵開けといたよ 3:54
歩夢:子供の名前聞きたいよね? 3:54
歩夢:1人目の名前はね 3:54
侑:あとで聞かせてね。とりあえずこっちおいで 3:55
歩夢:わかった、すぐ行く 3:55
歩夢:侑ちゃん大好き 3:55
侑「これで今朝の分は終わりかな?」
かすみ「そうですか……」
侑「どうかした?」
かすみ「いや、その、歩夢先輩って……」
侑「うん?」
かすみ(重いですよね、なんて言えるわけないか……)
21
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:03:54 ID:SSQ4kvg2
かすみ「いえ、なんでもないです」
侑「?」
かすみ(私の知ってる歩夢先輩は優しくて素敵なのに、侑先輩と2人きりだといつもこうなのかな)
かすみ(重い、重すぎるよ。結婚の話までしてるし)
かすみ(子供の名前も考えてるとかやばいでしょ)
かすみ(2人はまだ高校生なのに)
かすみ(重いってレベルじゃないよね)
かすみ(そもそも女同士で子供って作れるの?)
かすみ(というか……)
かすみ「あの、侑先輩」
侑「ん?」
かすみ「2人って……お付き合いしてるんですか?」
侑「んー、うん。まあね」
22
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:08:45 ID:SSQ4kvg2
かすみ「全然知らなかったです……」
侑「まあ、言うほどのことじゃないし」
かすみ「いつからお付き合いを?」
侑「いつからだろ?」
侑「よく覚えてないけど、中学生の頃には付き合ってたと思う」
かすみ「そ、そんなに前からなんですか」
侑「うん♪」
かすみ「へー……」
かすみ「じゃ、じゃあ、キスとか、してるんですか?」
侑「キスなら今朝もしたよ?」
かすみ「……っ」
かすみ(あの侑先輩がキスしてるなんて……)
23
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:14:35 ID:SSQ4kvg2
かすみ(そんなイメージ、全然ないな……)
かすみ(侑先輩ってそういうの疎そうだし……)
侑「かすみちゃんはキスしたことある?」
かすみ「か、かすみんですか?ありませんよぉ〜」
かすみ「かすみんの恋人は〜、ファンのみんなだし〜」
侑「ふーん。私とキスしてみる?」
かすみ「えっ」
かすみ「な、何言ってるんですか?」
かすみ「そ、そんなことしたら、浮気になりますよ!」
かすみ「侑先輩は歩夢先輩と付き合ってるのに……!」
侑「そんなに深く考えなくていいよ。キス程度で浮気になるわけないじゃん?」
かすみ(侑先輩何言ってるの……)
24
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:20:43 ID:SSQ4kvg2
かすみ(ま、まあ、私だって……侑先輩とならキスしてもいいと思ってるけど……)
かすみ(歩夢先輩に知られたら絶対殺される)
かすみ(私まだ死にたくないもん)
侑「かすみちゃん?」プニプニ
かすみ「ほっぺをぷにぷにしないでくださいっ」
侑「かすみちゃんのほっぺ、柔らかくて好きだな〜」
かすみ「もうっ。からかわないでくださいよぉ〜」
侑「からかってないのに。それで、キスする?」
かすみ「しませんっ!」
侑「ちぇ、かすみちゃんにフラれちゃった〜」
かすみ「まったく……」ハァ
かすみ(侑先輩ってば、勘違いするようなこと言わないでほしいよね。……続き見よっと)スッスッ
25
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:26:16 ID:SSQ4kvg2
かすみ「ん〜〜」スッスッ
かすみ「あとは普通ですね〜」スッスッ
かすみ(学校だとあまりLINEしてないみたい)
かすみ(お昼を一緒に食べようとか当たり障りのない内容ばかりだね。こっちの方が安心するけど)
かすみ(家だとあんな風になるのかな?)
かすみ「侑先輩、トーク遡っていいですか?」
侑「いいよー」
かすみ「ありがとうございます♪」ポチポチ
かすみ(あまり見たくないのに、なぜか気になってしまう)
かすみ(怖いもの見たさ、かな?)
かすみ(とりあえず1週間前から見てみよう)
かすみ「……」スッスッ
26
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:30:01 ID:SSQ4kvg2
歩夢:侑ちゃん、また浮気したでしょ
侑:何の話?
かすみ(い、いきなり修羅場が……。また?)
歩夢:しらばっくれないでよ
侑:だから何の話?
歩夢:素直に謝ったら許してあげるから
侑:私は何も悪いことしてないのに謝れないよ
歩夢:侑ちゃん
歩夢:侑ちゃん
歩夢:侑ちゃん
歩夢:侑ちゃん
侑:私が浮気をしたと思う理由は?
歩夢:見たもん
27
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:33:47 ID:SSQ4kvg2
侑:見たってなにを?
歩夢:後輩の子と親しそうに話してた
歩夢:これって浮気だよね?
侑:ただ話してただけだよ?
歩夢:手も繋いでた
侑:手くらい誰でも繋ぐでしょ
歩夢:私と付き合ってるのに
歩夢:他の子と手を繋ぐなんてひどいよ
歩夢:立派な裏切り行為じゃないの
歩夢:私のこと嫌いなの?
歩夢:私と別れたいと思ってるの?
歩夢:それならそうとはっきり言ってよ
28
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:36:31 ID:SSQ4kvg2
侑:違うよ
歩夢:何がどう違うの?
侑:歩夢、好きだよ
侑:好きな人がいるのに浮気なんてしないよ
歩夢:ほんと?
侑:本当だよ
歩夢:じゃあ謝って
侑:ごめんね
歩夢:うん
歩夢:もう浮気しないでね?
侑:わかってるよ
歩夢:あとでキスしてくれる?
29
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:49:37 ID:SSQ4kvg2
侑:もちろん
歩夢:それなら許してあげる
歩夢:スタンプ
侑:ありがとう、歩夢
歩夢:侑ちゃん大好き
歩夢:侑ちゃん大好き
歩夢:大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き
歩夢:私やっぱり侑ちゃんじゃないとダメだなぁ侑ちゃんはよく浮気をするけどそれは侑ちゃんがモテるからしかたないことだしむしろ悪いのは他の子だよね私の侑ちゃんをたぶらかそうとするんだから今度会ったらきついお灸を据えた方がいいかもね私の侑ちゃんと話していいのは私だけだし手も繋いでいいのは私だけだもん他の子が調子に乗りすぎるのが悪いんだよねだから侑ちゃんは悪くないよいやでも断れるよねどうして断らないのやっぱり私のことが嫌いなのかなそんなの嫌だよ私侑ちゃんと別れたくない私侑ちゃんに見捨てられたらどうすればいいの生きていけないよ侑ちゃん侑ちゃん私のこと嫌いなのねぇ侑ちゃん答えてよねぇ侑ちゃんどうなの私はこんなに大好きなのにどうしてわかってくれないのだから浮気するんでしょ侑ちゃん最低だよ私は浮気なんてしないよ侑ちゃん以外はいらないもん侑ちゃんさえいればいい本当だよ私は私は私は私は侑ちゃんのことをこんなに愛してるのにどうして侑ちゃんはわかってくれないのねぇねぇねぇ侑ちゃん侑ちゃん侑ちゃん侑ちゃん大好きだよ大好き侑ちゃん以外は何もいらないもう二度と浮気しないでね私の大切な大好きな侑ちゃん
侑:うん
かすみ「」
かすみ(え、なに、なにこれ)
かすみ(親しく話したり手を繋いだだけで浮気?って思ってたらすごいのが来ちゃったよ……)
かすみ(こんな長文、送ってる人初めて見た……)
かすみ(しかも内容は支離滅裂でめちゃくちゃだし……)
かすみ(侑先輩の「うん」で少し笑いそうになったけどさ)
30
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/23(水) 23:56:41 ID:SSQ4kvg2
かすみ(歩夢先輩ってここまでやばい人だったんだ)
かすみ(ちょっと距離置いた方がいいかもしれないなぁ)
かすみ(露骨にやると不審がられるから少しずつ……)
かすみ(同じ同好会だし、毎日顔合わせないといけないけどね)
かすみ(こんなLINEを見たあとに、どんな顔して会えばいいんだろう?)
侑「ふふっ」
かすみ「侑先輩?」
侑「ん?ああいや、かわいいなって」
かすみ「かすみんがですかぁ?かすみんがかわいいのは周知の事実ですから〜〜」
侑「かすみちゃんもかわいいけど、歩夢だよ♪」
侑「すぐ嫉妬しちゃうし、こんな長文送ってくるし」
侑「本当に歩夢ってかわいいよね〜。ときめいちゃう♪」
31
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 00:03:45 ID:Oeus/Oso
かすみ「そのセリフ、さっきも聞いたような……」
侑「そうだっけ?まあ、同じくセリフを言いたくなるくらい歩夢がかわいいってことで♪」
かすみ「あ、あはは〜」
かすみ(かわいいってよりも怖いでしょ、普通)
かすみ(侑先輩もどこか少しズレてるのかな?)
かすみ(いや、恋人補正が掛かってるだけかも)
かすみ(そうじゃなかったらあんな……)
かすみ(……歩夢先輩の悪口はやめとこ。ついポロッと口に出そうだし。本人の前で言ったら終わりだろうな〜)
かすみ「あの、浮気って言われてますけど……」
侑「いつものことだから」
かすみ「大変ですね……」
侑「あはは、そうでもないよ。愛されてるって感じがして、私は幸せだしね」
かすみ(侑先輩のメンタルすごいな〜)スッスッ
32
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 00:12:00 ID:Oeus/Oso
歩夢:侑ちゃ〜ん♡
歩夢:スタンプ
侑:んー?
歩夢:これ見て♡
歩夢:写真
かすみ「!?」
かすみ「ちょ、これまずくないですか?」
侑「そうかな?」
かすみ「だ、だって……裸……」
かすみ(乳首がピンクで綺麗だな……。少し立ってる……?)ジー
かすみ(胸も私と比べると大きいし……)ジー
かすみ(……って、何見てるのっ。これじゃ私が変態みたいじゃん!!)
33
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 00:14:42 ID:Oeus/Oso
侑「その割にはガン見してるね〜」クスッ
かすみ「ち、違います!そんなことしてません!」
侑「え〜?」
かすみ「ゆ、侑先輩っ」
侑「あはは。見たくなる気持ちもわかるよ。歩夢の、薄いピンク色で綺麗だもんね」
かすみ「たしかに……じゃなくてっ!」
かすみ「こんな写真、いつも送らせてるんですか!?」
侑「違うよ。歩夢が勝手に送ってくるんだよ」
かすみ「歩夢先輩が?どうして……?」
侑「さあ。送りたいから送ってるんじゃない?」
侑「いつものことだから気にしないで」
かすみ「は、はあ。またですか」
34
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 00:18:35 ID:Oeus/Oso
かすみ「歩夢先輩ってそんなに侑先輩が好きなんですね」
かすみ「こんな写真何枚も送るくらいですし……」
侑「付き合い長いからね」
かすみ「あはは……」
かすみ(……侑先輩ってえっちしてるのかな?)
かすみ(歩夢先輩の裸の写真を見ても顔色ひとつ変えてないし、やっぱり……?)チラ
侑「?」ニコ
かすみ「……っ」フイ
侑「かすみちゃん?」
かすみ「なんでもありませんっ」スッスッ
歩夢:侑ちゃん見て見て〜♡
歩夢:写真
35
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 09:33:43 ID:Oeus/Oso
歩夢:写真
歩夢:写真
歩夢:写真
侑:また随分と送ってきたね
歩夢:えへへ♡
歩夢:侑ちゃんのオカズにでもしてね♡
侑:私は歩夢みたいにそういうことしないよー
歩夢:侑ちゃんってばぁ〜♡
歩夢:写真
侑:スタンプ
かすみ「あわわわっ////」カァァ
かすみ「こ、これは、なんという////」
36
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 09:38:28 ID:Oeus/Oso
侑「ほら、この写真よく撮れてるよね」
侑「アソコ丸見えだし。あははっ」
かすみ「……////」ブンブン
かすみ「よ、よく笑えますね……」
侑「だってかわいいし〜。ツルツル〜」
かすみ「えっと、剃ってるんですか?」
侑「そうなんじゃない?」
かすみ「なるほど……」ジー
かすみ(……歩夢先輩の体、やっぱり綺麗だなぁ。細いのに出るとこ出てて……。スタイルもいい……)
かすみ(この写真なんて指で拡げてるし……)
かすみ(こんな色と形してるんだ……)
かすみ(私にもついてるけど、自分のなんてまじまじと見る機会ないしね……)
37
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 09:43:35 ID:Oeus/Oso
かすみ「……////」ムラムラ
侑「写真送ろうか?」
かすみ「へっ」ビク
侑「ずっと見てるし。歩夢の裸気に入った?」
かすみ「け、結構ですっ。ずっとなんて見てません!!」
侑「顔真っ赤にしながら見てたよ〜」
かすみ「見てませんっ!!」
侑「怒らないでよ〜。かすみ〜ん♪」プニプニ
かすみ「侑先輩〜!!」
侑「あははっ」
かすみ「むぅ……」
かすみ(……ま、まあ、歩夢先輩の裸を見て……少し、ほんの少しだけ、ムラムラしちゃったけど……)スッスッ
38
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 09:47:23 ID:Oeus/Oso
歩夢:写真じゃ満足しない?
侑:満足とかじゃなくてさ
歩夢:じゃあこれならどう?
歩夢:侑ちゃんを想ってたらこんなになっちゃった♡
歩夢:動画
かすみ「動画……?」
かすみ(何の動画だろう、気になる……)スッ
侑「あ、再生しない方がいいよ」
かすみ「え?」ポチッ
侑「あちゃー」
かすみ「なっ、これっ、ふぇぇっ////」
かすみ(動画の内容は、歩夢先輩が1人でシているものでした)
39
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 09:53:59 ID:Oeus/Oso
かすみ(甘い声で侑先輩の名前を呼びながら、ゆっくりとくちゅくちゅとした音が、部室中に響いていました)
かすみ(いつもの歩夢先輩の声とは違う、甘くていやらしい声。そして蕩けきった顔……)
かすみ(そんな歩夢先輩の姿を見て――)
かすみ(――私の手は、自然と下の方に移動していました)
侑「……」ピッ
かすみ「……!」ビクッ
かすみ(侑先輩が動画を消すと、私はふと我に返り――)
かすみ(……わ、私、なんてこと……)
かすみ(ぶ、部室で……しかも、侑先輩の前で……)
侑「かすみちゃん」スッ
かすみ「侑先輩……ん、む」チュッ
侑「……ぷは」
40
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 09:57:42 ID:Oeus/Oso
かすみ「え、ゆう、先輩……?」
かすみ(うそ、わたし、キス……されちゃった……)
侑「ふふ、かわいいね」ナデ
かすみ「……っ」ピクン
侑「だから忠告したのに」ナデナデ
かすみ(侑先輩に頭撫でられるの……気持ちいい……)トロン
侑「目、とろんってしてるね。かわいいよ」フー
かすみ「ひゃ」ビクッ
侑「かすみちゃん♪」ナデナデ
かすみ「な、なんで……」
侑「ん?」
かすみ「なんで……キス……」
41
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:01:37 ID:Oeus/Oso
侑「なんで?うーん、なんでだろうね?」
侑「かすみちゃんがかわいいから?」
かすみ「か……」
かすみ(歩夢先輩の動画を見たせいかわからないけど……)
かすみ(頬が熱い。身体が火照ってる。侑先輩にキスされて……気持ちよかった……)
かすみ(キスなんて、ほんの1秒程度だったのに……)
侑「顔真っ赤だね。かわいいよ」チュ
かすみ「ん……」
かすみ(キス、2回目……)
侑「かすみちゃん。ん、ちゅ……」
かすみ「んっ、む……」チュゥ
かすみ(3回目……。さっきよりも長めのキス……)
42
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:07:57 ID:Oeus/Oso
侑「ぷは。さっきよりもとろんってしてる。キス、気持ちよかった?」
かすみ「……」コク
侑「それはよかったよ」ニコ
かすみ(侑先輩ってこんなにキス上手だったんだ……)
かすみ(い、いや、私はファーストキスだから……)
かすみ(上手いか下手かなんてわからないけど……)
かすみ(……キスしただけなのに、気持ちよかった)
かすみ(頭がふわふわしてる……)
かすみ(下も……すごい切ない……♡)
かすみ(今触ったら……もっと気持ちいいかも……♡)スッ
かすみ(下半身に手を伸ばそうとすると、侑先輩に掴まれました)
かすみ(侑先輩は顔を私の耳元に近づけると――)
侑「――私がしてあげようか?」
43
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:15:54 ID:Oeus/Oso
――虹ヶ咲学園
侑「結局誰も来なかったね」
かすみ「ですね〜。今日は練習休みとはいえ、誰かしら来ると思ったんですけど」ギュ
かすみ(来たら逆に困ってたけどね)
かすみ(私達の行為を見られてたかもしれないし……)
侑「歩夢も来なかったしね。LINEでは遅れて来るって言ってたのにな〜」
かすみ「む……」ギュッ
かすみ(侑先輩の言葉に、絡めていた腕の力が自然と強まる)
かすみ「歩夢先輩の名前を出さないでください」
侑「どうし――」チュ
かすみ(侑先輩の顔がこっちに向くと私はキスをしてしまいました。最初にしたような軽めのキスではなく)
かすみ(大人がするような、行為の最中にした、舌を絡めるキスです。侑先輩に教えてもらいました)
44
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:24:55 ID:Oeus/Oso
かすみ「……ぷは♡」タラッ
かすみ(唇を離すと唾液が糸を引いていました。侑先輩と私の唾液が混ざり合ってできたものです)
かすみ(数時間前の私にはとても考えられない光景でした)
かすみ(もう一度キスしたい衝動を抑えて――)
かすみ「侑先輩」
かすみ(侑先輩を見ます。侑先輩は垂れた唾液を拭うと、無表情でこちらを見ていました)
かすみ「私を侑先輩の彼女にしてくれませんか?」
かすみ(自分でも何を言ってるのかよくわかりませんでした。侑先輩には恋人がいるのに)
かすみ(“あの”歩夢先輩とお付き合いしてるのに)
かすみ(それなのに、自分のこの気持ちを抑えることができませんでした。侑先輩は――)
侑「どうして?」
かすみ(侑先輩の声は、さっきまで話してた声とも、行為中の声とも違い、酷く冷めていたような気がします)
45
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:29:05 ID:Oeus/Oso
かすみ「好きだからです」
かすみ(顔が熱くなるのを我慢し、一度息を吸って)
かすみ「侑先輩が好きだからです」
かすみ(もう一度自分の想いを伝えました)
侑「そっか」
かすみ(侑先輩は一言だけつぶやくと、目線をそらしました)
侑「ありがとう、嬉しいよ」
かすみ(地面に視線を合わせたまま、言葉とは裏腹に、侑先輩は全然嬉しくなさそうでした)
侑「でも、私は歩夢と付き合ってるから」
かすみ「……っ」
かすみ(知ってる。侑先輩ならこう言うと思った)
かすみ(歩夢先輩のことが大好きだって、知ってるから)
46
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:33:38 ID:Oeus/Oso
かすみ(わかってて、告白したんだ)
かすみ(でも、ずるいじゃん)
かすみ(歩夢先輩だけずるいじゃん)
かすみ(歩夢先輩だけ侑先輩を独り占めするなんて)
かすみ(そんなの、ずるいじゃん)
かすみ(私だって好きなのに)
かすみ(侑先輩が大好きなのに)
かすみ(中学生の頃から付き合ってる?)
かすみ(そんなの勝てるわけないじゃん)
かすみ(私は高校生から知り合ったのに)
かすみ(どうして歩夢先輩だけ)
かすみ(私もずっと前から知り合いたかった)
47
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:38:04 ID:Oeus/Oso
かすみ(侑先輩と幼馴染みになりたかった)
かすみ(そうしたら、侑先輩の隣にいるのは私だったのに)
かすみ(私が侑先輩の彼女だったのに)
かすみ「……」
侑「帰ろう、かすみちゃん。もう暗いよ」
かすみ「……でよ」
かすみ(言ったらダメだ)
侑「え?」
かすみ(言ったらダメだってわかってるのに)
かすみ「えっちまでしたのに、ふざけないでよ」
かすみ(……言ってしまった。言いたく、なかったのに)
かすみ(口に出した言葉はもう元には戻せない)
侑「……ごめん」
48
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:46:07 ID:Oeus/Oso
かすみ(侑先輩、私は謝罪が聞きたいわけじゃないんです)
かすみ(私はただ――)
かすみ「好きでもないのにしたんですか」
かすみ「私を弄んだんですか」
かすみ「私、初めてだったんですよ」
かすみ「侑先輩のこと、好きなのに、大好きなのに」
かすみ(――侑先輩を見てるだけで満足してたのに)
かすみ(爆発した気持ちはもう元には戻らない)
かすみ(この膨れ上がった想いは、前までみたいに見てるだけじゃ満足できない)
かすみ(侑先輩と付き合いたい)
かすみ(恋人になりたい)
かすみ(なんで私が付き合えないの)
かすみ(私はこんなに大好きなのに)
49
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:50:41 ID:Oeus/Oso
かすみ「侑先輩、答えてください」
かすみ「私とは好きでもないのにしたんですか」
かすみ「私をおもちゃみたいに弄んだんですか」
侑「ごめんなさい……」
かすみ(侑先輩はうつむいています。悲しそうな、申し訳なさそうな、消え入りそうな声でつぶやきました)
かすみ「謝罪なんて聞きたくない」
かすみ「私のこと、嫌いなんですか」
侑「……」
かすみ「……」
かすみ(どうして黙るの)
かすみ(沈黙は肯定って言葉をよく聞くけど――)
かすみ(侑先輩は私が嫌いなの?)
かすみ(――私のことが、嫌い?)
50
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 10:55:07 ID:Oeus/Oso
かすみ(そんな……)
かすみ(侑先輩に嫌われたら、嫌われたら、私……)
かすみ「……ごめん、なさい」
侑「え……?」
かすみ「ちょ、調子に乗って、ごめんなさい」
かすみ「ひっく、ごめんなさい、ごめんなさい」
侑「か、かすみちゃん?どうして謝るの?」
かすみ「ごめんなさい、ぐすっ、ひっく……」
侑「泣き止んで……」スッ
かすみ(なぜ泣いているのかよくわかりません)
かすみ(勝手に涙が溢れて、止まりませんでした)
かすみ「嫌いにならないで……」
51
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:00:11 ID:Oeus/Oso
かすみ「ひっく、う、うぅ……」
侑「かすみちゃんっ」ギュッ
かすみ「ゆう、っひ、せん、ぱい……」
かすみ(侑先輩に抱きしめられて、侑先輩の温もりを感じました)
かすみ(あたたかい)
かすみ(ずっとこうしていたいな……)
侑「ごめんね、かすみちゃん」
かすみ「侑先輩……」ギュゥ
かすみ(気がつくと私は泣き止んでいて、侑先輩の胸に顔を埋めていました)
侑「かすみちゃんのこと、嫌いじゃないよ」
侑「不安にさせてごめんね」
かすみ(侑先輩の言葉に安堵を覚えると同時に――)
かすみ(――自分の感情をコントロールできないことに、驚きと恐怖を感じてしまいました)
52
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:03:22 ID:Oeus/Oso
侑「――落ち着いた?」ナデナデ
かすみ「はい……」ギュ
侑「そっか、よかった」
侑「その、ごめんね。私が全部悪いよね」
かすみ「……」ギュゥ
かすみ(近くのベンチに移動して、侑先輩に頭を撫でてもらっていました)
かすみ(侑先輩に頭を撫でられると落ち着く)
かすみ(こうして密着してるといい匂いがする)
かすみ(ずっと撫でてもらいたい)
かすみ(ずっと一緒にいたい)
かすみ(大好き)
かすみ(侑先輩、大好きです)
53
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:10:12 ID:Oeus/Oso
かすみ「侑先輩……」
侑「うん?」
かすみ「キス……してください」
侑「……」
かすみ(私は目をつぶりました)
かすみ(そして、ためらうように)
かすみ(侑先輩から唇を重ねてくれました)
かすみ(……今回は軽いキスだったので残念です)
かすみ(舌を絡めてほしかった)
かすみ(侑先輩の唾液が欲しかった)
かすみ「……ありがとうございます」
かすみ(でも、キスしただけで幸せな気持ちになれました)
54
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:14:33 ID:Oeus/Oso
侑「かすみちゃん」ナデ
かすみ「……はい」
侑「ごめんね」
かすみ「かすみんの方こそごめんなさい。歩夢先輩とお付き合いしてるのに、変なこと言っちゃって」
侑「私が悪いから」
かすみ(侑先輩はもう一度ごめんねと言うと、またキスをしてくれました)
かすみ(侑先輩からキスしてくれるのは嬉しい)
かすみ(嬉しいけど、これは慰めでしかない)
かすみ(私がまた泣かないようにキスしてるだけだ)
かすみ(こんなの、虚しいだけだよ……)
かすみ(侑先輩の中に私はいない)
かすみ(いるのは歩夢先輩だけ)
55
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:19:52 ID:Oeus/Oso
かすみ(どうして歩夢先輩なの)
かすみ(どうして私じゃないの)
かすみ(侑先輩……)ウル
かすみ(涙が出そうになるのを堪え、侑先輩を見ました)
かすみ(侑先輩は微笑みながら私を見つめていました)
かすみ「侑先輩?」
侑「かわいいよ」
かすみ(侑先輩はそう言うとキスしました)
かすみ(今度は舌を絡めてきて、私もそれに応えるように背中に腕を回します)
かすみ(まるで恋人同士がするような、濃厚で、とても甘いキスでした)
かすみ(この時間がずっと続けばいいのに)
かすみ(私は、キスをしながらそう思いました)
56
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:25:40 ID:Oeus/Oso
侑「ぷは……」
かすみ「はぁ、ぁ……♡」
かすみ(キスを終えると、侑先輩は私の頭を撫でてくれました。やっぱり落ち着きます)
かすみ(キスの余韻を感じつつ、侑先輩に身体を預けました)
かすみ(好きな人に頭を撫でられるが、キスをされるのが、こんなにも気持ちいいとは知りませんでした)
かすみ(一番好きな人に、それを教えてもらいました)
かすみ(……好き、なのに。こんなに好きなのに……)
かすみ(こんなに侑先輩が大好きなのに……)
かすみ(侑先輩は私を見てくれない――)
かすみ(そう思うとまた涙が溢れてきて……)
かすみ「……っ、ひっく」
かすみ(感情を抑えられませんでした)
57
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:29:45 ID:Oeus/Oso
かすみ「ゆう、せんぱいっ……」
侑「……うん」
かすみ「すき、です。ひっ、好きです……」
かすみ「大好きっ、なんです……」
侑「……」ナデナデ
かすみ(侑先輩は頭を撫で続けてくれました)
かすみ(侑先輩がどんな表情をしているのか……)
かすみ(……涙で視界がぼやけてよく見えません)
かすみ「ゆう、先輩……」
かすみ「侑先輩……」
かすみ「私を見て……」
かすみ「私だけを見てよ……お願いだから……」
58
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:33:16 ID:Oeus/Oso
侑「……」ナデナデ
かすみ「ねぇ、侑先輩……」
かすみ「私を……」
侑「かすみちゃん」スッ
かすみ「……っ」ビク
かすみ(侑先輩は優しい声で私の名前を呼びつつ、涙を拭ってくれました)
侑「私のことをそこまで想ってくれるんだね」
侑「ありがとう、嬉しいよ」ナデ
かすみ(……さっきと同じセリフ。なのに、全然違う)
かすみ(さっきは困ったような感じだったのに――)
かすみ(今回は、その、なんというか……)
かすみ(声色が少し柔らかくなっている、ような)
59
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 11:37:07 ID:Oeus/Oso
侑「かすみちゃん♪」チュ
かすみ「……む」
かすみ(今度はほっぺかぁ……)
かすみ「……唇にはしてくれないんですね」フイ
侑「ふふ、拗ねちゃた?かわいいね」ナデナデ
かすみ「拗ねたわけじゃ、ないですけど……」
侑「あははっ」ナデナデ
かすみ「もぉ……」
かすみ(侑先輩を見てると、本当に……)
かすみ「……」
かすみ(……好き、好き、大好き♡)
かすみ「大好き……」
かすみ「侑先輩……」
かすみ「大好きです……♡」
かすみ(好きって気持ちが、感情が、抑えられない)
60
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 17:45:27 ID:Oeus/Oso
かすみ「侑先輩……」スッ
かすみ(もう一度侑先輩と唇を重ねました)
かすみ(今日で何回キスしたかわからないけど……)
かすみ(キスをするたびに、幸せな気持ちになります)
かすみ(好きな人とするキスは、本当に気持ちいいです)
かすみ「……大好きです」
かすみ(私は侑先輩の手をそっと握りました)
かすみ「私と……」
かすみ(自分の手が震えてるのを感じながら、侑先輩の目を見つめます。侑先輩もこちらを見ていました)
かすみ「私と――」
侑「――かすみちゃん」
かすみ(私の言葉は侑先輩に遮られました)
61
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 17:50:32 ID:Oeus/Oso
侑「かすみちゃん」
かすみ(侑先輩はもう一度私の名前を呼び、手を握り返してきました)
侑「私達、付き合おうか」
かすみ「……え」
かすみ(一瞬聞き間違いかと思いました。今――)
かすみ(侑先輩は、なんて言ったの?)
かすみ「侑、先輩?」
かすみ(侑先輩は微笑むと、私の頬を撫でました)
侑「私と付き合ってくれる?」
かすみ(歩夢先輩と付き合ってるのに。さっきは断ったのに。これは浮気なのでは。色々な考えが頭をよぎったけど――)
かすみ「――はい♡」
かすみ(その甘くて素敵な言葉に、私は頷いていました)
62
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 17:55:04 ID:Oeus/Oso
侑「じゃあ、私達は今から恋人だね」
かすみ(耳元で囁くと、そっとキスをしました)
かすみ(侑先輩と恋人になれた――)
かすみ(嬉しくて顔がにやけてるかもしれない)
かすみ(今すぐこの喜びを声に出したい)
侑「ふふ、かわいい顔♪」ナデナデ
かすみ「侑先輩……」
かすみ(私は侑先輩に抱きついて、胸に顔を埋めました)
侑「……」ナデナデ
かすみ「嬉しいです……」
かすみ「大好きです、侑先輩……♡」ギュー
侑「かわいいな〜」ナデナデ
63
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 17:59:10 ID:Oeus/Oso
かすみ「……♡」ギュー
かすみ「侑先輩……いい匂い……♡」
侑「汗くさくないかな?」
かすみ「かすみんの好きな匂いです♡」ムギュー
侑「あはは、そっか」
かすみ「はい♡」
かすみ(私はしばらくの間、侑先輩の制服越しでもわかる胸の柔らかさと、匂いを堪能していました)
かすみ「……侑先輩?」チラ
侑「うん?」
かすみ(侑先輩の名前を呼ぶと、頭を撫でていた手を止め、私に微笑みかけてくれました)
かすみ「本当にかすみんを彼女にしてくれるんですか?」
侑「もちろん」ニコ
64
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 18:04:00 ID:Oeus/Oso
侑「さっきも言ったように、私達は恋人だよ♪」
かすみ「恋人……」
かすみ「大好きな侑先輩と恋人になれるのは嬉しいです」
かすみ「本当に、嬉しくて泣いちゃいそうです……」ウルウル
侑「ま、また泣いちゃうの?」
かすみ(心配そうにこちらを見つめる侑先輩に微笑み、涙でうっすらとぼやけている目を指で軽く拭いました)
かすみ「大丈夫ですよ、泣きませんから」ニコ
侑「よかった……」ホッ
かすみ「ふふっ」
かすみ「……嬉しいです」
かすみ(私は首筋に軽くキスをしました)
かすみ「大好き……」チュ
かすみ(何度も首筋にキスをしました)
65
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 18:08:42 ID:Oeus/Oso
侑「何度もくすぐったいよ。なんで首に?」
侑「私としてはこっちの方が好きなんだけど♪」
かすみ(そう言うと侑先輩は自分の唇を指で触れました)
かすみ「特に理由なんてありませんよ。首筋にキスをしたくなっただけです」
侑「ふーん?」
かすみ「侑先輩っ」ギュ
侑「?」
かすみ(侑先輩の手を握り、微笑みます)
かすみ「大好きです。愛しています」
かすみ「これからは恋人としてよろしくお願いしますね」
侑「うん」ニコ
かすみ(本当に言いたいことはこんな言葉じゃない)
66
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:09:50 ID:Oeus/Oso
かすみ(今伝えないといけないのは愛の言葉じゃない)
かすみ(侑先輩に聞きたいことはたくさんある)
かすみ(どうして急に私と付き合う気になったのか)
かすみ(さっきは歩夢先輩と付き合ってるから、って理由で告白を断ったのに)
かすみ(こんな短時間に考えが変わるものなの?)
かすみ(えっちもキスもした私が言えることじゃないけど――これは浮気じゃないの?)
かすみ(“あの”歩夢先輩が私達の交際を許してくれるの?)
かすみ(独占欲の強い歩夢先輩が許してくれるわけない。これは世間一般には浮気になるのだから)
かすみ(言わないって方法もあるけど、そんなのでいつまでも騙せるわけない。どうせすぐバレるだろうし)
かすみ(本当は歩夢先輩と別れてほしい。でも、そんなの無理に決まってる。侑先輩が私を取るとは思えない)
かすみ(告白されたときは嬉しすぎて何も考えられなかったけど、冷静になった今だと――)
かすみ(そういう考えがたくさん思い浮かんでしまう)
67
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:12:56 ID:Oeus/Oso
かすみ(それに――)
かすみ(私は侑先輩に、一度も好きって言われてない)
かすみ「……」
かすみ「侑先輩?」
侑「なに?」
かすみ(じっと侑先輩の目を見つめました)
かすみ「かすみんのこと――」
かすみ「……っ」ギュ
侑「かすみちゃん?」
かすみ「――なんでも、ないです」
侑「えぇ?」
かすみ(侑先輩はポカンとした表情で私を見ていました)
68
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:17:04 ID:Oeus/Oso
侑「何を言おうとしたの?気になるんだけど」
侑「かすみのこと――の続きは?」
かすみ「な、なんでもないです〜」
侑「えー?」
かすみ(侑先輩は不服そうにしています)
かすみ「本当に、なんでもないですから」
侑「……そっか」
かすみ(侑先輩もそれ以上は何も聞いてきませんでした)
かすみ「……」
かすみ(ねぇ、侑先輩。私の大好きな侑先輩)
かすみ(かすみんのこと――本当に好きなんですか?)
かすみ(私は侑先輩に聞くことができませんでした)
69
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:22:32 ID:Oeus/Oso
かすみ(聞きたい。でも、聞くのが怖い)
かすみ(せっかく恋人になれたのに、どうして聞けないの?)
かすみ(どうして好きなのか聞くのが怖いの?)
かすみ(恋人なんだから、好きに決まってるでしょ?)
かすみ(恋人なんだから――)
侑「――かすみちゃん」
かすみ(侑先輩に名前を呼ばれ、我に返りました)
かすみ「侑先輩……?」
侑「そろそろ帰らない?」
かすみ(侑先輩に言われ、スマホを取り出し時間を確認すると、時間は19時を過ぎていました)
かすみ「もうこんな時間……」
侑「送るよ」
かすみ(侑先輩が手を差し出してきたので、私はその手を握りました。私の手は少し震えていました)
70
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:26:58 ID:Oeus/Oso
――かすみの部屋
かすみ(侑先輩――)
かすみ(侑先輩に近くまで送ってもらったあと、すぐに家に帰り、そのままベッドに寝転がりました)
かすみ(何もする気が起きない)
かすみ(侑先輩と恋人になれたのに)
かすみ(侑先輩が告白してくれたのに)
かすみ(えっちも、キスも、いっぱいしたのに)
かすみ(嬉しいことの方が多いはずなのに)
かすみ(なぜか嫌なことばかり考えてしまう)
かすみ「侑先輩……」
かすみ(好きな人の名前をつぶやきます)
かすみ「……大好きです」
かすみ(私のつぶやきは虚空へと消えました)
71
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:31:03 ID:Oeus/Oso
かすみ「……」
かすみ「……あ」
かすみ(私はベッドから起き上がり、袋からお花を取り出しました)
かすみ(家に帰る途中のお花屋さんで侑先輩が私にプレゼントしてくれたものです)
かすみ(最初は断ったけど、侑先輩が付き合った記念にと言うので、素直に受け取りました)
かすみ(とても嬉しかったです)
かすみ(私はそっと、侑先輩からプレゼントされた――)
かすみ(黄色のチューリップの匂いを嗅ぎました)
かすみ「いい匂い……」
かすみ(黄色は私のイメージカラーだしね)
かすみ(やっぱり私の考えすぎだったのかな)
かすみ(普通は好きじゃなかったら付き合わないもんね)
72
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:35:52 ID:Oeus/Oso
かすみ「侑先輩――」チュ
かすみ(私は侑先輩を想い、チューリップにキスしました)
かすみ「侑先輩。ずっと大事にしますね」
かすみ「……数日で枯れちゃうと思うけど」
かすみ「……ふふ」クス
かすみ(明日また侑先輩にお礼を言おう)
かすみ(あ、そういえば――)
かすみ(私はふと、先程の会話を思い返しました)
かすみ『侑先輩、あ花ありがとうございます♪』
侑『ううん。恋人になった記念日だしね』
侑『本当はもっといいものにしようと思ったんだけど、今は手持ちが少なくてさ。ごめんね』
かすみ『侑先輩にプレゼントを貰えるだけで、かすみんは幸せですから〜』
73
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:40:35 ID:Oeus/Oso
侑『そっか』
かすみ『はい♪』
侑『そうそう。花言葉って知ってる?』
かすみ『花言葉、ですか?』
侑『一つ一つの花にそれぞれふさわしい象徴的な意味を持たせた言葉を、花言葉って言うんだよ』
侑『たとえば赤い薔薇だと情熱、愛情、美、っていう花言葉が付けられてるんだ〜』
かすみ『へー。侑先輩詳しいんですね』
侑『この間ちょっと調べてね。結構種類もあって、調べるのが大変だったよ』
かすみ『あはは。……赤い薔薇の花言葉って素敵ですね。かすみんも欲しかったな〜?』
侑『黄色のチューリップもいい花言葉なんだよ?』
かすみ『そうなんですか?』
侑『うん。かすみちゃんにピッタリだと思うな』
74
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:44:57 ID:Oeus/Oso
かすみ『どんな花言葉なんですか?』
侑『それは秘密。暇なときにでも調べてみて♪』
かすみ『むむむ。今教えてくれてもいいのに』
侑『自分で調べる方がワクワク感があるでしょ?』
かすみ『たしかにそうですね〜』
かすみ『わかりました。帰ったら調べてみます!』
侑『うんうん。絶対気に入ってくれると思うよ』
かすみ『えへへ、楽しみ〜♪』
侑『あはは』
かすみ「――すっかり忘れてた!」
かすみ「侑先輩がせっかく教えてくれたのに……」
かすみ「さっそく調べてみよっと♪」
75
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:51:08 ID:Oeus/Oso
かすみ(私はスマホを取り出し「チューリップ 花言葉」と検索しました)
かすみ「えっと〜」スッスッ
かすみ「このサイトでいいのかな?」ポチッ
かすみ「チューリップ全般の花言葉が……」
かすみ「博愛、恋の宣言・告白、華やかな恋、永遠の愛情、真面目な愛……」
かすみ(花言葉を読んでいるうちに、自然と顔が熱くなるのを感じました)
かすみ「すごい、赤い薔薇なんて全然比じゃなよ!」
かすみ「永遠の愛情、真面目な愛かぁ……♪」
かすみ「えへへ……」ギュ
かすみ(スマホを握りしめ、ベッドに寝転がりました)
かすみ(やっぱり私の思い違いだったんだ)
かすみ(侑先輩は私を愛してくれてるんだ♡)
76
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 19:57:48 ID:Oeus/Oso
かすみ「嬉しい〜〜♡」バタバタ
かすみ「侑先輩好き好き♡♡」バタバタ
かすみ(嬉しさのあまり、子供のようにベッドの上で足をバタバタとさせました)
かすみ(さっきの悲しい気持ちはあっという間に消え去り、愛情や嬉しさで胸がいっぱいになりました)
かすみ「侑先輩……♡」チュ
かすみ(私はもう一度チューリップにキスしました。やはりキスをするなら侑先輩の方がいいです)
かすみ(興奮状態も少しずつ落ち着き、次は色の花言葉を調べることにしました)
かすみ「〜♪」スッスッ
かすみ(上機嫌でスクロールしていきます)
かすみ「赤色は愛の告白、愛の宣言、美しい瞳……」
かすみ「薔薇といい、赤色は良い花言葉が多いのかな?」
かすみ「これなら黄色も期待できるね♪」スッスッ
77
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 20:05:00 ID:Oeus/Oso
かすみ(どんどんスクロールしていき、チューリップだけでこんなに色の種類があるのだと驚きました)
かすみ(わかったことは、チューリップの花言葉は基本的に良い意味が多いということです)
かすみ(たしかに一部は悪い意味もあるけど……)
かすみ(私のお気に入りは紫色です。ちなみに花言葉は不滅の愛、永遠の愛情でした)
かすみ(永遠の愛情はチューリップ全般の花言葉にも書いてあったような……)
かすみ(重複することもあるのかな?)
かすみ(よくわからないや)スッスッ
かすみ「おっ」
かすみ(ようやく大本命の黄色を見つけました)
かすみ(他の色も大体は素敵な花言葉だったし、きっと黄色も――)
かすみ(花言葉を読み進めていると、手が止まりました)
かすみ「え、これ……」
78
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 20:10:11 ID:Oeus/Oso
かすみ「……」ゴシゴシ
かすみ(見間違いかと思い、目を軽く擦ってもう一度スマホの画面を見ました)
かすみ「……」ジー
かすみ(スマホの画面に表示された花言葉は、先程と全く同じものでした)
かすみ「待って……」
かすみ(気がつくと私はスマホを落としていました)
かすみ(スマホはベッドから転がって、そのままフローリングに落ちました)
かすみ(落ちた衝撃で画面にヒビが入ったかもしれない)
かすみ(今すぐ拾わないと)
かすみ(拾おうとするも身体に力が入りません)
かすみ(私は崩れるように、ベッドに横たわりました)
かすみ(身体が震えて、涙が溢れてきました)
79
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 20:13:59 ID:Oeus/Oso
かすみ(私は侑先輩の言葉を思い出しました)
『黄色のチューリップもいい花言葉なんだよ?』
『かすみちゃんにピッタリだと思うな』
かすみ「侑先輩――」
かすみ(好きな人の名前をつぶやきます)
かすみ「侑先輩……どうして……」
かすみ(好きな人に呼びかけるも返事はありません)
かすみ(だってここには私しかいないのだから)
かすみ(涙が頬を伝っています。呼吸が荒くなってきて、しゃっくりが止まりませんでした)
かすみ「ひっく、ぐす……」
かすみ「どう、ひっ、どうして……」
かすみ「侑、先輩……」
80
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/24(木) 20:19:17 ID:Oeus/Oso
かすみ「ゆ、ゆう、先輩……」
かすみ「ひっく、ううぅぅ……」
かすみ(泣き止もうとするも涙は止まりません)
かすみ「うぁ、ぐす、あぁぁ……」
かすみ「ゆう、せん、ぱい……」
かすみ(天井が涙でぼやけて歪んでいました)
かすみ(ぐにゃぐにゃで何も見えません)
かすみ(手で何度も拭っても、涙は溢れるばかりで止まることはありませんでした)
かすみ「わたしの、こと、やっぱり……」
かすみ(目をつぶると侑先輩の笑顔が浮かびました)
かすみ(触れようと手を伸ばすも、侑先輩には届きません)
かすみ(そして、侑先輩は暗闇へと吸い込まれていったのでした)
81
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 16:59:05 ID:seH/GmRU
――侑の部屋
侑「はぁ……」
侑(今日は本当に疲れたなぁ。色々と大変だったよ)
侑(寝転がってスマホをいじっていると、ドアの開く音がした。この時間にお母さんはまだ帰ってきてない)
侑(鍵は当然閉めてるし、家には私しかいないはず)
侑(ドアを開けた人物はゆっくりとこちらに近づいていた)
侑(チャイムを鳴らさない、ノックもしない)
侑(そんなの私の知る中で1人しかいなかった)
侑「歩夢」
侑(振り向かずに声をかけた)
侑(そして、後ろにいる人物は――)
歩夢「――侑ちゃん」
侑(不機嫌そうな声で私の名前を呼んでいた)
82
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:04:45 ID:seH/GmRU
侑「いつも言ってるよね?チャイムくらい鳴らしてよ」
侑(振り向かないでそのまま話しかける)
歩夢「侑ちゃん」
侑「まあ、お母さんがいるときはちゃんとやってるみたいだけどさ」
歩夢「侑ちゃん」
侑「でも、歩夢が部屋に来るのは久しぶりだね」
侑「いつもはLINEか電話で済ませるのに。あれ、明け方に来たっけ?」
歩夢「侑ちゃん」
侑(スマホでスクールアイドルのまとめサイトを見ながら話しかける。歩夢は私のすぐ側まで来ていた)
侑「合鍵返してよ。お母さんが合鍵1本無くなったのに気づいちゃってさ。私のせいにされたんだよね」
侑「歩夢のせいでお小遣い半分に減らされちゃったよ」
歩夢「侑ちゃん」
83
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:10:37 ID:seH/GmRU
侑「はぁ〜」
歩夢「侑ちゃん」
侑「忙しいからあとにしてくれる?」
侑(スマホをいじりながら後ろにいる歩夢に話しかけた。傍から見ると全然忙しそうには見えない。実際暇だし)
歩夢「侑ちゃん」
侑(歩夢は壊れたロボットみたいに同じ言葉しか発しない)
侑(昔からそうだった。怒ってときはいつもこうだ)
侑(このやり取りは私が振り向いて歩夢の顔を見るまでずっと続く)
侑(長時間は試したことないけど、歩夢のことだから振り向かなければ朝まで続けるかもしれない)
侑(そう考えると私の心はドキドキした)
侑(声が枯れるまで私の名前を呼び続けてほしいけど――)
侑(さすがにそれはかわいそうだから、そろそろ終わりにしよう)
84
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:17:57 ID:seH/GmRU
侑(……いや、待って。もう少し焦らしてみよう)
侑(朝までとはいかないけど、1時間くらいなら大丈夫だよね。歩夢がどんな反応するか楽しみだ)
歩夢「侑ちゃん」
侑「ふ〜。次は動画でも見ようかな」
歩夢「侑ちゃん」
侑「歩夢、宿題はもう済ませた?」
歩夢「まだやってないよ」
侑「えっ」
侑(予想外の反応に歩夢の方を見てしまった)
侑(いつもなら私が振り向くまで絶対に「侑ちゃん」としか喋らないのに……)
歩夢「やっとこっち見てくれたね」
侑(歩夢は微笑むと、私の隣へと座った)
85
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:23:15 ID:seH/GmRU
歩夢「侑ちゃん」ギュ
侑(歩夢は私に抱きつくと、胸に顔を埋めた)
侑(胸に鼻息が当たって少しくすぐったい)
歩夢「変な匂いがする」
侑(顔を埋めながらぽつりとつぶやいた)
歩夢「くさい」
侑「えっと、まだお風呂入ってないから」
歩夢「くさい」
侑「そんなに汗くさいかな?」
侑(歩夢の言葉にショックを受ける――ことはなかった。歩夢の言う「くさい」とは体臭の意味じゃないから)
歩夢「別の女の匂いがする」
侑(そう言うと、歩夢はゆっくりと顔を上げた)
86
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:30:04 ID:seH/GmRU
歩夢「ねぇ」
侑「なに?」
歩夢「今日は謝っても許さないよ」
侑(歩夢は私の首をハンカチで拭うと、何度かキスをした)
侑(さっきのような不快感はなく、とても気持ちのいいものだった)
侑(キスをする場所によって様々な意味があって、首や喉にするキスは執着心や独占欲の現れと言われている)
侑(歩夢は私を自分のモノにしたいと思っている)
侑(私はその想いだけでとても幸せな気持ちになった)
侑(歩夢のキスする場所は少しずつ上に移動していき、ついに唇にまで到達した)
侑(一度目は軽くキスをして、二度目は舌を絡めてきた)
侑(歩夢のキスは荒くて好きだ。かすみちゃんの優しいキスとは全然違う。気持ちよさも段違いだった)
侑(ちゅぷちゅぷと舌と唾液の混ざり合う音が部屋に響く)
87
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:36:13 ID:seH/GmRU
侑(どのくらいキスをしたのかわからない。数十秒程度だった気もするし、数分だった気もする)
侑(歩夢が唇を離すと、唾液が糸を引いていた)
侑(今の私はどんな顔をしているんだろう)
侑(きっとかすみちゃんのような間抜け面をしているんだと思う)
侑(息を整えながら歩夢の方を見ると)
侑「私、何か謝るようなことした?」
侑(微笑みながら歩夢に問いかける)
歩夢「……」
侑(歩夢の眉が少しピクリと動いた気がした)
歩夢「見てたよ」
侑(歩夢は私をじっと見つめた。その瞳には怒り、悲しみ、苦しみ、嫉妬――)
侑(様々な感情が入り乱れていた)
88
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:40:58 ID:seH/GmRU
侑(私も歩夢を見つめる。私が数回瞬きしても、歩夢は一度も瞬きしていなかった)
侑「歩夢?」
侑「見てたってなにを?」
侑(歩夢の頬を軽く撫でながら聞いた)
侑(頬が紅潮していて少し暖かい。そのままキスしたい衝動に駆られたが、なんとか我慢した)
歩夢「見たもん」
侑(歩夢はつぶやくと目を伏せ、視線を自分の足元に向けた)
侑「なにを?」
歩夢「しらばっくれるんだね」
侑「歩夢?」
歩夢「部室で色々なことしてたよね」
歩夢「全部、見てたよ」
89
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:47:25 ID:seH/GmRU
侑「本当に見てたの?」
歩夢「うん」
侑(歩夢はこくりと頷いた)
侑「そっか――」
侑(――知ってるよ。かすみちゃんは気づいてなかったみたいだけど、ドアが数cm開いてたからね)
侑(他の子かと思ったけど、歩夢しか考えられなかった)
侑(だって、普段ならメッセージを送ってくるのに、今日は全然送ってこなかったんだもん)
侑(用事で遅くなるって内容は届いたけど、「今から行く」や「やっぱり行けない」みたいなのは届かなかった)
侑(あの歩夢が私に連絡するのを忘れるはずがない)
侑(それに、見てないと困るよ)
侑(歩夢が見てるのを知った上で、あそこまでやったんだからさ)
侑(そうじゃないとやるわけないでしょ。あはは)
90
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 17:53:10 ID:seH/GmRU
歩夢「侑ちゃん」
歩夢「どうしてあんなことしたの」
侑「歩夢のため、って言ったらどうする?」
歩夢「は?」
侑「ふふっ」
侑(歩夢の表情に思わず笑みがこぼれる。歩夢は怒った顔も素敵だね。私が好きなのは泣き顔だけど♪)
歩夢「なにそれ」
歩夢「私のためってどういうこと?」
侑(歩夢の瞳には強い怒りが宿っていた。今キスしたらどうなるんだろう。明らかに火に油を注ぐ行為かな?)
歩夢「侑ちゃん」
侑「冗談だよ。そんなに怒らないで」ナデ
侑(歩夢の頭を撫でる。サラサラしてて、ずっと撫でていたい触り心地だった)
91
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 18:41:53 ID:seH/GmRU
歩夢「ふざけないで」
侑「ふざけてないよ?」
侑(頭を撫でていた腕を掴まれ、グイッと引っ張られる)
侑(そして、歩夢にもたれかかるような形になった)
歩夢「侑ちゃん」
侑(歩夢との距離は、あと少し動けばキスできるような距離だった)
歩夢「100歩譲って、手を繋ぐまでなら謝ったら許すよ」
歩夢「今回は許せない。あんなことするなんて」
侑「どんなこと?」
侑(歩夢の腕を握る力が強まった。少し痛い)
侑「痛いよ」
歩夢「……」
侑(歩夢は私を睨みつけている。頭を撫でようとしたけど、今度は片方の腕を掴まれそうだからやめにした)
92
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 18:45:12 ID:seH/GmRU
歩夢「何回もキスしてたね」
侑「そんなにしてないよ」
歩夢「何回したと思う?」
侑「5回くらい?」
歩夢「侑ちゃんだけで15回」
侑「そんなにしたっけ?」
歩夢「ちゃんと数えてたもん」
侑「そっか」
侑(まさか数えてるとは思わなかった)
侑(その15回は外も含まれてるのかな?)
歩夢「私とはそんなにしてくれないのに」
侑(歩夢は小さな声でつぶやいた。この距離ならよく聞こえる)
93
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 18:49:28 ID:seH/GmRU
侑(その言葉に私は胸の高鳴りを感じていた)
侑(私とかすみちゃんに嫉妬してるんだ)
侑(嫉妬してくれて嬉しいよ。だから、あんなにキスしたんだもん。歩夢が見えるようにわざわざね)
歩夢「えっちもしてたもんね」
歩夢「いくら浮気性の侑ちゃんでも、一線を超えるようなことはしないと思ってた」
歩夢「最低だよ」
侑「……」
歩夢「最低、最低、最低」
侑(目をつぶって歩夢の言葉に耳を傾ける)
侑(もっと酷い言葉を投げかけてもいいんだよ?)
侑(私はそれだけ最低なことをしたんだから)
侑(もっと罵ってほしい。歩夢のかわいい声で、もっと)
94
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 18:52:15 ID:seH/GmRU
歩夢「ねぇ、どうしてあんなことしたの」
歩夢「かすみちゃんが好き――」
侑「違うよ」
歩夢「嘘ばっかり」
歩夢「侑ちゃんはいつも嘘ばかりつくもんね」
歩夢「何回も浮気して、浮気して、浮気して」
歩夢「侑ちゃんは私――」
侑「違うよ」
歩夢「まだ何も言ってないでしょ」
侑「歩夢の言いたいことくらいわかるよ」
侑「歩夢を嫌いなわけない。大好きだよ」
歩夢「……」
95
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 18:58:06 ID:seH/GmRU
歩夢「それならどうして浮気をするの」
歩夢「私が好きなら浮気なんてしない」
歩夢「私、何か間違ったこと言ってる?」
侑(どうして浮気をする、かぁ)
侑(明確な浮気行為をしたのは今回が初めてだ)
侑(歩夢以外の子と親しく話したり、手を繋いだり)
侑(歩夢にとっては浮気にあたるその行為は何度もやってきた。歩夢の嫉妬する姿を見るたびに嬉しかった)
侑(どんな理由であれ、私だけを見てくれるから。私を中心に考えてくれるから)
侑(でもね、その程度じゃ満足できなくなってきたんだよ)
侑(もっとすごいことをしたらどうなるのか)
侑(それこそ本当の浮気をしたら――)
侑(かすみちゃんは浮気相手にちょうどよかった)
96
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 19:03:45 ID:seH/GmRU
侑(私に好意を持ってるのはわかってたし、ちょっとえっちやキスをしたら落ちるのもわかってた)
侑(ああいうタイプは本当に操りやすいと思うよ)
侑(おかげで歩夢がこんなに嫉妬してくれた)
侑(かすみちゃんには感謝しないとね♪)
侑(でもさ、歩夢。まだ全然足りないよ)
侑(もっと嫉妬してよ。もっと私を見て。私だけを)
侑(私が浮気をする理由はね、歩夢に嫉妬してほしいから)
侑(私だけを見てよ。他のことなんて何も考えないで)
侑(私だけを愛してよ。今よりも、もっともっと)
侑(……って、歩夢に言ったらどうなるかな?)
侑(引くだろうなぁ。絶対に言わないけどさ)
侑(言ったら面白くないもん)
97
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 19:10:14 ID:seH/GmRU
歩夢「黙ってたらわからないよ」
侑「歩夢の言ってることは何も間違ってないよ」
侑「それが正しい答えだと思う」
侑(一般的に考えれば、私がおかしいんだろうね)
侑(私は全然そうとは思わないけど)
侑(私は何も間違っていない)
侑(私はただ、歩夢に愛してほしいだけなんだ)
歩夢「それならもう浮気はしない?」
侑「うん」
侑(きっとこれからも浮気はするだろう)
侑(だって、浮気行為が一番歩夢の嫉妬心を燃やしてくれるから。私だけを考えてくれるから)
歩夢「そっか……」
侑(歩夢は私をじっと見つめている。私は微笑み返した)
98
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 19:18:57 ID:seH/GmRU
歩夢「本当にもう浮気しないって約束してくれる?」
侑「するよ」
歩夢「もし約束を破ったら?」
侑「歩夢ならどうしたい?」
歩夢「許さない」
歩夢「絶対に、許さない」
侑(歩夢の言葉に全身が火照るのを感じた)
侑「でもさ、さっきも似たようなこと言ってたよね」
侑「結局許してくれるんじゃないの?」
歩夢「私は許すなんて一言も言ってないよ」
侑(歩夢は私をそのまま押し倒した)
侑(そして、私の首に両手を置いた。刑事ドラマとかでよく見る首を絞めるポーズだった)
99
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 19:22:50 ID:seH/GmRU
歩夢「侑ちゃん」スッ
侑「えっと?」
歩夢「……」ギュ
侑(歩夢の手に少し力が入る。このまま全体重を掛けて圧迫すれば、私は死ぬかもしれない)
侑「歩夢?」
侑(笑顔で歩夢に話しかける。歩夢は無表情だった)
歩夢「私、侑ちゃんが大好き」
侑「私も好きだよ」
歩夢「私がどんな気持ちがわかる?」
歩夢「侑ちゃんに浮気されるたび、つらくて泣いてるんだよ?」
侑「……」
歩夢「今日も泣いた。あんな、あんなひどいことして……」
100
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 19:28:18 ID:seH/GmRU
歩夢「私の気持ちも考えてよ……」
歩夢「私がどんな気持ちで行為を見てたと思うの……?」
歩夢「ねぇ、侑ちゃん……」
侑(歩夢の声は少しずつ涙声になっていった)
侑(私は歩夢の頬を優しく撫でた。頬は涙でうっすらと濡れていた)
侑(かわいいなぁ。その顔、私にもっと見せてよ)
歩夢「侑ちゃん……」
侑(涙が私の頬にぽたぽたとこぼれ落ちる)
侑「ごめんね」
侑(目に溜まった涙を拭う。歩夢はずっと私
の首に両手を置いていた)
歩夢「……」
侑(歩夢は無言で私を見つめている。手が微かに震えていた)
101
:
◆RZWV3S9lzE
:2022/11/27(日) 19:31:59 ID:seH/GmRU
歩夢「私はこんなにも好きなのに……」
歩夢「こんなにも侑ちゃんを愛してるのに……」
歩夢「謝っただけで……済むと思ってるの……?」
侑「……ふふ」
侑(この状況で笑ったらいけない。それはわかってるのに)
侑「ふふふ、あははっ」
侑(私は笑いが止まらなかった。嬉しさでいっぱいだった)
歩夢「……」ポカン
侑(歩夢は驚いた顔でこちらを見ている)
歩夢「なに、笑ってるの」
侑「嬉しいんだ」
歩夢「嬉しい……?」
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