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【6月23日は】六実っ子ちゃん綜合☆9★24【六実の日】

43名無しっ子:2024/05/14(火) 01:34:45 ID:mZFxOzXw0
悪芋「手応えアリだ!」
仕事の完遂を目前に悪芋はニヤリと口を歪める。
小西「ぐふっ…!」
ガクリ、と小西の身体が項垂れる。
小西「さ…最後に教えてもらえないか…?そ、組織は…まだ私が生きていると知ってキミを…さ、差し向けたのか…?」
息も絶え絶えに小西が声を振り絞る。
悪芋「与太話の類だ。消された弁護士が死を偽装して顔を変えどこかで教師をしているってな…。俺以外だれもお前と結びつけなかったし信じなかったが…」
小西「そ…それじゃあキミは…一人で私を…?」
悪芋「標的を仕留め損なった事が知られれば俺も消されちまうからな」
小西「そうか。それなら良かった」
今にも死にそうな声が一転、小西の声色が明るく変わる。
悪芋「…!?」
今まさに絶命せんとしているはずの小西は胸にナイフが刺さったまま表情を変えることなくじっと悪芋を見据えている。
胸に深々とナイフの突き刺さった傷口には一滴の血も流れていない。
スッスッスッ…。口を真一文字に結んだまま、小西の鼻から規則的に空気が漏れる。そのペースはかなり早い。
悪芋「鼻呼吸…?まさかこいつは…!」
殺しの世界に身を置く者、存在は知っていたが実際に目にするのは初めてだった。
小西「ご明察の通り『システマ』だよ」
システマーーー。
様々な状況、戦況に対応すべくロシアで開発された軍隊式格闘術であるがその最大の特徴はその独特の呼吸法にある。
小西「この呼吸が痛みを麻痺させ、一時的に身体能力を強化する。
わざわざロシアまで行って習得したんだよ。」
ナイフを握る悪芋の手に自らの手を添え、そのまま胸に刺さったナイフをゆっくりと抜き取る。
傷口はピタリと塞がりやはり血は一滴たりとも流れない。
悪芋はハッと思い出す。
小西を始末したすぐ後の事。当時は気にも止めなかったが死んだはずの小西のfacebookが更新され住所欄がロシアになっていたと噂に聞いた事がある。
今思えばあの時か。
小西「これを極めれば爆発的に治癒力を高めたり、筋肉の収縮をコントロールしこんなふうにキズを塞ぐ事も可能となる」
まるで何事もなかったかのように小西は立ち上がる。
悪芋(コイツにはナイフで致命傷を与えるのは難しい。だが筋肉の収縮など関係ない頭部を吹き飛ばせば…)
小西に蹴り落とされた銃を盗み見る。
銃は自分達から5メートル程の位置に転がっている。
既に一発を発射しブローバックにより弾は自動装填されている。
先に飛び出せばほぼ確実に手に出来るだろう。そして5メートルならば頭部にも容易に狙いが付けられはずだ。
後は振り向きざまに小西に向かって引き金を引くだけだ。
考えが決まるや悪芋は地を蹴るように銃へと飛び付く。
けんま「小西先生!あいつに銃を拾わせちゃいけないンマ!!」
けんまの叫びにも小西は動かない。
小西「けんまくん、本当の弁護士の奥義をみたいかい?」
小西は胸の前で印を結ぶ。
小西「聖マグダラ神技『小 西 一 色(コニイーソ)』!!!」
さながら忍者の分身の術の如く一瞬にして小西の姿が11人に分裂する。
けんま「いや明らかに別人のおじさんや着ぐるみみたいな巨漢も混じってるンマよね!?」
小西「私は暴力が嫌いでね。また顔と名前を変えて逃亡生活に戻るつもりだったが…」
チラリとけんまを振り返る
小西「私はこの子達教え子やこの街を愛し始めているようだ。気の毒だがキミには永遠に口を噤んでいて貰うよ」
11人の小西が一斉に悪芋へと飛びかかる。
悪芋「クソッ死ね!死ね!!」
小西達に向け銃を乱射する、が。
パキッ
悪芋「えっ…?」
拳銃を構えた両手が関節の向きとは反対方向にブラリ、と垂れ下がる。指に引っ掛かった銃がポロリと抜け落ち床へと落ちた。
小西の一人がすれ違い様のほんの一瞬のうちに悪芋の両手首に手刀を打ち込みその関節を砕いたのだ。
小西「肘!」「肩!」「足首!」「膝!」
八方から打ち込まれる嵐のような打撃、全てが人体に備わる機能を的確に破壊してゆく。
悪芋「ウギャアァァ…ガッ…!!」
遂に喉仏を突き砕かれ声を上げる事すら出来なくなる。
一瞬千撃、立ったまま全身の骨を砕かれ内臓を潰された悪芋はその場にどうと倒れ伏す。

小西「キミの罪は私の日常アニメのような平穏な生活を脅かした事、それに私の生徒に手を出した事だよ。しっかりと反省しなさい。」
けんま「ンマァ…!こ、小西先生、目茶苦茶強いンマァ…!」
小西「ハハハ…これでも私は予備自衛官だからね。
さ、立てるかい?」
けんま「●はい。」
小西「けんまくん、キミは私の命の恩人だがもうあんな無茶はしないでくれよ。
キミに弾が当っていたらと思うと私は気が気じゃなかったよ」
けんまを立たせケガがないか確認して小西は安堵する。
けんま「フフッ!」
小西「ん?何が可笑しいんだい?」
けんま「銃を向けられても、ナイフで刺されても平気だった小西先生もそんな顔するンマね!
僕の事本気で心配してくれたンマ。
何だかそれがとっても嬉しく感じたンマ!」
小西「ハハハ…何だか照れくさいなぁ」

絆深めた師弟の影を沈みゆく初夏の夕陽が優しく照らす。
今は眠れ、小西一郎よ。新たな戦いの日まで。




end




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