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ドラゴンレポート「西方白龍録」

3パイロン:2022/02/27(日) 02:17:51 ID:DXs3p4Po0
ロンファと呼ばれた、端正な顔立ちの若い女性。その姿はパイロンと良く似ていた。

…実は初代パイロンにして、皇帝であるパイロンの家系、柳(リュウ)家の始祖である純血の白い龍であり、西の方角を守護する白龍、西方白龍である。

柳家の人間で、夫である人間の男性とは、柳家の敷地の中でロンファが何処からかやってきて力尽き、傷ついて倒れている所を彼に保護された。

そして、傷を治療するために共に過ごしていく中でお互いに徐々に距離を縮めていき、想いを伝え合って後に結婚したという。

そして、すでに夫が遠くへと行ってしまった今も、変わらず柳家を支えてくれている現役の始祖である。


そしてパイロンが産まれた時に、左の胸に現れた、白い龍を象った紋章を見つけた。

これはロンファにもあり、純血の龍の証でもあった。

これにより自身と同じ龍の力がパイロンに宿っていることに気づき、自身が最初に名乗っていたパイロンの名前をくれたのも彼女だった。

パイロンがロンファによく似ているのも、純血の龍であるロンファの龍の血を9割以上パイロンが受け継いでいるため、パイロンもほぼ龍だからだそうだ。




そして、二人並んで歩く最中、ふとロンファは口を開いた。


「…パイロン、何か今日学校であったでしょう。辛い事が。」

「…えっ、ロンファ様、どうして。」


パイロンは驚いた。今日起きた辛い出来事はまさしくそうだったから。そして思わずビックリしてロンファのほうを見つめた。


「フフッ、ビックリした?パイロン?実はわかっちゃうんだなぁ、これが。可愛い私の子孫君だもんね。

…そうね、でもデリケートな事だろうから、はっきりとは言わないでおくわ。でもね…。

たとえ、叶わないとわかっていても、好きな相手に自分の気持ちを伝えることが大切なのよ。

相手は魔術師や占い師なんかじゃないんだから、伝えないとわかりっこないわ。

そして伝えたとしても、未来は何も変わらないかもしれない。でも、伝えずに後悔するよりは断然いいのよ。」

「……そう、なんですかね。」

「…そう、そうよパイロン。

いずれパイロンにも私の言ったことがわかる日がくるわ。自分の本当の気持ちが。

パイロンはきっとわかってくれる、私はそう信じているから。

パイロンが本当に愛する人。私はパイロンがその人と一緒に帰ってきてくれること、楽しみにしているわ。」


「…………………………。」

「ロンファ様、わかりましたよ。ロンファ様が言いたかったことの意味が。」


雨宿りの最中、思い出に浸っているうちに雨は止んだ。

また通り雨が降ると困る。慌てて早く家に帰ることにした。


そして再び、前へと歩き出すパイロン。

その瞳は真っ直ぐ前を向いていた。

未来はどうなるかはわからない。自身が願う結末にはならないのかもしれない。

だけど、ずっと一緒に歩いていきたい。そう思うくらい大好きな人へ、自分の素直な気持ちと想いを伝えて、そして想い人との想いが通じ合うこと。

それを強く願い、自分の気持ちを心に閉まって諦めるようなことは、もう二度としない。

そう心に決めたからだった。


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