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ドラゴンレポート「西方白龍録」
22
:
パイロン
:2022/04/12(火) 00:24:48 ID:r.kW3dVw0
「俺がここでしぬ、だと?ふざけるな、俺がお前ら全員を先程一人ずつぶっ飛ばしてやったのをもう忘れたのか?」
「へっ、言うねえパイロンさんよ。「家族」が俺たちだけだと思うなよ?」
「……なんだと?」
「なあ、そうだろ母さん!」
ユウタロウがそう叫んだ瞬間だった。
その刹那、パイロンは後ろから何者かに物凄い力で羽交い締めにされた。
全く動けないくらいの凄い力。不意打ちにやられてしまった形だった。
大百足の顔は、先程まで開いていた右端の目が閉じられていた。恐らく、母さんと呼ばれた人物は、この目玉から産み出した分身なのだろう。
「ハッハッハッハ…私の妻、キョウカだ。こいつら達の母親なのだよ。」
「なっ……!母親だと?……テメェ、離せ!」
「アンタね?ウチのダンナに楯突いて、ウチの可愛い子供達を虐めたのは。許さないわ。……アンタ達、今よ!!」
「了解!母さん!」
「くっ……離せ!!」
「残念だったな、パイロンさんよ。……お前はここまでだな。」
「今度こそころす……」
「駄目押しにお母さんもコイツの心臓に刺してやるわ。」
「あっ、でもコイツ、たしか鎖帷子着てたよ?」
「なら、鎖帷子を貫通するくらいの力で突き刺せば大丈夫だよー」
「ナイスアイディアね。そのくらいの力でこうやって……刺す!」
「うっ……ぐあぁあぁ……!!」
短刀を構えた母親と兄妹。刃を舐めながらおぞましい笑みを浮かべた5人は、その5つの刃をパイロンの身体に突き立てた。
ムカデ達の笑い声とパイロンの叫び声が旧鉱山跡に響く。
「ぐ……ぁ……ぁ……」
「はい、さよならパイロンさん。このまま地面へと落ちちゃいなさい。」
そのまま動かなくなったパイロンを羽交い締めから解いた母親。
ムカデの母親の拘束から解かれたパイロンは、身体に刃物を突き立てられた姿のまま、力無く地面へと吸い込まれるように落下していく。そんな様子を見てあざ笑うムカデの親子がそこに居た。
「よくやったぞ、キョウカ、お前達。」
「フフッ、ありがとうございます。」
「やったー、やっとあの龍を倒せたぜ。」
「さて、そろそろあの蛇、地面に叩きつけられて派手に潰れてるんじゃない?」
「よし、見に行こうぜ。」
「行こう行こうー!」
「ハッハッハッハ!!やはり龍なんかが我々百足に勝てるはずがない。これはこの世の理として決められた、覆す事など出来ない、絶対的な事柄、定めと言うわけだな。ハッハッハッハ!!」
勝利を確信し、大きな声を出して笑う大百足。
まるで三上山の如く、大百足が巻き付いてテリトリーとしている、この鉱山跡の山の隅々まで響き渡るくらいの大声だった。
「ねぇアナタ、早くあの龍の亡骸を見に行きましょう?それに百足の毒にやられた龍の脳と目玉は絶品らしいじゃない。早く食べたいわ。」
「ハッハッハッハ、確かにそうだがそう焦るな、キョウカ。食べ物は逃げはしないだろう。」
「父さん、母さん、早く早くー!」
「……って、オヤジ、後ろ!」
「……な、ん、だ、って……」
その刹那だった。
大百足の言葉が終わるか終わらないか、という瞬間。
その時に聴こえたのは、風を斬る音と何かが噴き出すような水の音。
「あ、ああ……アナタ……そんな……」
その瞬間に百足の家族が目の当たりにしたのは、身体の色よりも赤い鮮血を撒き散らし、弱点である眉間ごと頭を縦一文字に真っ二つにされた大百足の姿だった。
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