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ドラゴンレポート「西方白龍録」

19パイロン:2022/03/26(土) 21:32:42 ID:Z/zXaKkQ0
九:「白銀」






「いよいよお出ましってやつか。大百足さんよ。あいつ等兄妹が言ってたお父様ってのがテメェだな?」


山頂から顔を覗かせる真っ赤な大百足がそこにいた。

大きく裂けた人間のような口の中には牙が並び、口の端からは一際目立つ大きな牙が左右に一つずつ覗いていた。

更にその顔には、左右に三つずつ、合計六つの目を持つのが見えた。

だが、左右それぞれの端の目以外の四つの目は閉じられていて、その閉じられた目からはそれぞれ一筋の血が滴っている。


「き、貴様ぁ…よくも、ワシの大事な息子と娘達を…!それに、男の風上にも置けない奴め!!か弱い女…ワシの娘に手を上げるとは何事だ!!」

「何が息子だ、何が娘だ。…先に俺をころしにかかって来たのはそっちだろうが。…それに、息子と娘って言うが、本当は違う……。お前のその四つの目玉から産み出した、それぞれ別の自我を持つお前の分身だろう?そうだろうが。」

「なっ…何故それを…?」

「その目玉、なんで出血してるんだ?俺がお前の四人の分身にダメージを与えたから、お前の身体にもダメージがはね返ってるんだろう。

目玉はむき出しの臓器だもんな、より痛いだろうよ。その閉じた目から流れる血が何よりの証拠だ。」

「こ、小癪なぁ……っ!」


どうやら図星だったようで、まるで人間のように歯ぎしりをしている。


「貴様ぁ…!この山から生きて出られると思うなよ…!

すまなかったな…お前達。この人間はワシが葬り去ってやるからな…!うおおおお!!」


大百足は山全体に響く雄叫びを上げた。その刹那。

地響きと共に、ドスッドスッという音を立てながら地面から巨大な赤い棘のようなものが突き出してきた。慌ててそれを躱すパイロン。

さらに、躱した先にも棘が突き出してくる。だが、思うよりも速度は遅い。パイロンはそれを次々に躱していく。


「この赤い棘、大百足……お前の脚か!」

「ハッハッハッ!御名答。中々やるな。だが、この鉱山は全てワシのテリトリーだ。ワシも腹ペコなんでな。お遊びはそろそろお終いだな。」


ドスドスドスドスドスドス!!!!

そう言うが早いか、棘のような脚が突き出してくる範囲が大幅に増えた。

かなり広い山の大地。躱す所は沢山あった。それを次々躱して行くものの、少しずつ攻撃範囲は拡がり、逃げれる範囲は狭まっていく。


「どうしたどうしたぁ?さっきから逃げてばっかりだぞ?何にもして来ないのかぁ?それなら、そろそろこんなつまらない狩りは終わりだな。」

「っく……!」


ついに、逃げ場のない端のほうにまで追い詰められてしまった。次には、この広い空き地の全てを貫く攻撃が繰るだろう。


「さあ、串刺しにしてやろう、人間野郎が!」


山全体が地響きで震えた。攻撃が来る。

このままだと、確実にやられてしまう。

それなら、躱す方法は……


「……はぁっ!!」


そのまま空高く飛び上がったパイロン。間一髪、まるで剣山のような大百足の攻撃を躱した。


「なっ…、まさかこの高さを跳び越えるとは…。」

「へっ。床から槍が突き出る忍者屋敷のトラップみたいなお遊びはこれまでだな。」

「…ふっ、……フハハハハッ…なんて言うと思ったか。ワシの予想通りだよ。間抜けめが。

人間は跳ぶだけ、飛べはしない。そんな状態で、ワシからの攻撃は空中では避けられまい。」


そう言うが早いか、空中のパイロン目掛けて大百足は口から炎を噴き出した。凄まじい赤い炎がパイロンを襲った。


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