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ドラゴンレポート「西方白龍録」
17
:
パイロン
:2022/03/21(月) 21:19:17 ID:JCo0YYdU0
八:「Double Down」
「……逃げてなんか、いないぜ?……俺は、ここだよ。」
「……なんだと!?」
「あの人間の声!?」
先程まで地面に倒れていたはずが、兄妹達が目を離した一瞬のうちに、そこから居なくなっていたパイロン。
怪物に急かされて、兄妹はパイロンが何処へ行ったか探そうとした矢先に声が後ろから聴こえたのだった。
兄妹が慌てて後ろを向こうとした瞬間……
「……げうっ!!」
「……ぅぐぇっ!!」
「ウメ!!」
「ムカゴ!!」
爆発のような音がしたと同時に、ふっ飛ばされたウメ。
その先にいたムカゴに正面から衝突し、二人揃ってそのまま後ろに投げ出されて倒れた。
そして、先程までウメがいた場所には代わりにパイロンが立っていた。一瞬、赤いオーラを纏っているのが見える。
そして、残ったユウタロウとルイの二人とパイロンは対峙する。
「……惚れてる人がいる、愛する人がいるんだ。こんな所で負けれるか、命なんか落とせるか、ってんだ。……なあ、ムカデ野郎よぉ?」
「なっ……、テメェ!心臓をぶっ刺してやったのに、なんでしんでないんだよ!」
「人間のくせに……!」
「ああ、なんでかって?そりゃそうだよ。刺されてないからな。お前らだって、要救助者のフリをして俺をさっき出し抜いてくれたじゃねえか。そのお返しだよ。」
そっと服を捲り上げるパイロン。その服の下には銀色に光る鎖帷子が覗いていた。
「小癪な!人間風情がふざけやがって!」
「同じ東の人間だろうが関係ねえ!やっちまえ!」
ユウタロウとルイはそれぞれ短刀を取り出し、怒りに任せて左右から挟み撃ちにする形でパイロンへと襲いかかってきた。
「来やがったな。…まだだ…まだ、よし、今だ!」
「なっ……!」
「んだと!?」
一瞬、青いオーラを纏ったパイロンは、二人を近距離まで引き付け、そのまま上に飛び上がって二人からの斬撃攻撃を回避。
そのまま攻撃を空振りしたルイとユウタロウ目掛けて、そのまま空中で身体を捻る。
二人を巻き込むようにする横向きの体制に変えたまま、上空から落下する体当たり。勢いの乗せて二人を押し潰した。
「ぐぇっ!!」
「ぼぐっ!!」
「ルイとユウタロウつったか?悪く思うなよ。」
ウメとムカゴと同じように地面に倒れた、ユウタロウとルイの二人。
パイロンは起き上がり、クッションにした二人からそっと離れる。
「く、くそ……ふざけんな!!」
そんな中、先程吹き飛ばしたムカゴが起き上がってきた。
叫んだムカゴは怒りの形相で短刀を取り出し、こちらに突進してきた。
「ムカゴか。オンナに手を上げる事はしないんだが……ま、ウメもそうだが、ころされそうになったっていう状況的にやむを得ない、正当防衛ってことで。」
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