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ドラゴンレポート「西方白龍録」

16パイロン:2022/03/21(月) 12:44:45 ID:JCo0YYdU0
…この前もそうだ。

サロンで想い人のショーがあった。

俺は先にココさんに代わりにプレゼントと花束を想い人へと渡してもらい、俺も任務の帰りに慌てて向かった。

そしてなんとか間に合って、霊鳥の男に次いでベストなポジションについていた。

そんな中、ショーが始まった。愛する人に大勢の男の観客が邪な感情を向ける。

愛した人が夜の蝶である上に、彼女の貴重な収入源の一つでもある。それに俺も楽しませてもらっている。

わかってはいるが、割り切れない気持ちも勿論ある。俺がそうなんだから、あの霊鳥の男もそうなんだろう。


そしてショーも盛り上がってきた最中、他の観客のヒソヒソ声が聞こえてきた。まずは平静を装っている霊鳥の男へと向けられた。


「…なんだ?アイツは?」

「…ほら、アイツだよアイツ。今、ここでショーをやってるサキュバスの彼氏さんだよ。」

「はあ、あいつが?流石というか、なんというか。堂々と構えてるよな。」


続いてその声は俺にも向けられた。


「そういえば、アイツの少しだけ離れた隣にいる男は、東洋人だよな?あの東洋人は知ってるか?」

「ああ、あの東洋人か?たしか、パイロンっていったな。最近ここによく来るようになった新参だが、アイツが惚れたサキュバスに、あの東洋人も惚れて最近よく言い寄ってるらしいぜ?」

「へえ、そうだったのか。最近よく見かけると思ったけど、そういう事なんだな。…そういえばアイツもたまにボヤいていたな。また恋敵が増えたって。」

「ま、これからどうなるか見ものってやつか。恋敵は手強いぞ?まあ、惚れたオンナの一番手になるために頑張りな、新参君。」


俺は一瞬顔が引きつったが、今は愛する女性のショーの時間だ。その後存分にショーを楽しむために、俺はその声に気づかないフリをした。

今の所の俺の立ち位置は、彼女の「熱烈なファン」から少し進んだくらいの所だろうか。

改めて、周りからも「恋人」として認知されている一番手とは簡単には縮められない差を痛感させられたように思う。


「ウォーシーファンニー。

(貴女の事が好きです)

ウォーフェイチャンアイニー。

(大好きです)

ウォーシィァンニー。

(貴女を想っています)

ウォーアイニー。

(私は貴女を愛しています)

ウォーアイニーイーシォンイーシー。

(貴女を一生愛します)」


彼女に一番最初にこの言葉を伝えるのが俺だったのなら、どれだけよかっただろうか。そう思うと本当に胸が張り裂けそうになる。

だけど、愛してしまったんだ。心を奪われてしまったんだ。ずっと隣に居てほしいと思ってしまったんだ。

それに…男には、たとえ勝てないとわかっていても立ち向かう必要が人生にはあると言っていた人がいた。

…それなら俺にとって、そのうちの闘いの一つはまさに今のこの感情を諦めないことなのだろう。


「……駄目だな、感傷に浸っていても仕方ない。大事なのはこれからなんだ。今はこの出会いをずっとずっと大事にしていかないと。その中で、俺の想いをしっかりと伝えていこう。」


心の中で叫ぶ。壊れそうな心が叫んでる。

……あの女性は俺の愛する大切な人、それは変わらない俺の気持ちだ。

だから、俺も自分の想いを少しずつでも愛する人に伝えていかなきゃいけない。

そのためにも、ここで諦めるわけにはいかない。

だから、今日も生きて帰らなければいけない。

そして、この百足との因縁はここで断ち切っておかないといけない。

また、会えたらいいな……

そしたらいつか、俺のこの素直な気持ちを……


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