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ドラゴンレポート「西方白龍録」

10パイロン:2022/03/13(日) 22:23:42 ID:YGR8s8FM0
四:「The Devil whispers」






鉱山跡へと向かう前に、パイロンはサロンへとやってきていた。

任務に行く前に想い人の顔を見たかったからだ。

しかし、サロンの始まる時間にはまだ早い。

彼女がたまに気分でやっている、店内のバーカウンターを利用したカフェでもやっていない限りは恐らく彼女は居ないだろう。


「まあ、駄目元で来ているんだ、とりあえず入店するか。」


そんな中、ふと思い出す言葉。

…俺は彼女の公認の恋人だから「一番手」だ。…まぁ、せいぜい争ってくれ。「二番手」を、な。

つい先日、サロンで邂逅した霊鳥の男に言われた一言。それはパイロンの闘志に少なからず火を付けた。


「…悔しいが、たしかに今の「一番手」はアンタだよ。だけど、俺だって一番手を諦めるつもりはない。

…でも、愛する人が少なからず想ってくれるのなら、俺は「二番手」でもいい、かな。……せっかく出会えた今のこの縁を壊したくないから。

こういう相反する真逆の思いもある。…でも、この想いには一つだけ共通する所がある。

…だからすぐに会いたくて、今日もこうやって会いにきたんだよ。」


少しだけ物思いにふけった後、パイロンはそっとサロンの入口に近づこうとした…その時だった。

突如、目の前に黒い霧か靄のようなものが現れた。

そして、その霧の中から出てきたのは……


「……うおっ!……あ、あれ?…ココ、さん…?」

「あら?その声は……パイロンさんね?」


驚いたパイロン。霧の中から現れたのは、ミステリアスな雰囲気を持つゴスロリ系のメイド服の女性。その女性はやっぱりココだった。

パイロンがこのサロンへとよく来るようになった時とほぼ同じ時期にここへとやって来ていたため、パイロンは結構ココとも仲良くなっていた。


ココは愛称で、本名はマラコーダ。

地獄の悪魔であり、「マレブランケ」という悪魔のチームのリーダーでもある。

本来、想い人をはじめとしたサキュバスを召喚するための召喚の魔法陣が何故か地獄へと通じてしまったのが事の発端。

ココも前々から現し世に興味があったため、自らその召喚陣を潜り、ここへとやって来たらしい。そのままここに居着き、地獄と現し世を行き来して此処で働くことになったとの事である。


「…それにしても…ココさん、また何処から出てくるんですか。驚きましたよ。」

「あらあら、それはごめんなさい。ここ、現し世に召喚された際に発現した私の力でね。黒い霧や靄のような闇を纏った直通の移動ゲートなの。」


話を聞くと、現在はこのゲートを使って地獄からこのサロンへと直通でやってきているようで、今も丁度出勤してきた所だった。

そして、サロンの時間にはまだ早いわよ?というココに、今から向かう任務の内容と任務へと向かう前に想い人のサキュバスの顔が見たかったんです、と来た理由を説明するパイロン。

じゃあ、それなら一緒に入りましょうか、と言ったココがサロンの入口のドアをそっと開ける。

……やはり、誰も居ない。電気はついて居るものの、人の気配は全くなかった。バーカウンターにも誰も居ない。


「あら…残念ね。まだ出勤してないみたいね。」

「いいんです。駄目元で来てますから。」

「…そう。それなら代わりと言ってはなんだけど、パイロンさんにはこれをあげるわ。」


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