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【にじさんじ】月ノ美兎×樋口楓【かえみと】第489
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――んふ、そんなに声を出したら気付かれてしまうかもしれんよ。
壁一枚を隔てた先に誰がいるかわからない環境の中で、目の前の大きな影が心底嬉しそうに笑いかけてくる。
場所が場所だったから、私だってできるだけ音を出さないようにと努めていたんだ。
けれどもそれは逆効果だったみたいで、かえって彼女を夢中にさせてしまったみたいで。
――もう声が漏れへんように全部塞いでしまおうな。ん、こっち向いて。
こちらへ優しく体重をかけ続けてくれるから、私は温もりと柔らかさによって安堵感に包まれていて。
反面、全身を波打つ鼓動の音に勘づかれてしまいそうで落ち着かない自分もいたりした。
どれだけ長く手を取り合っていたのだろう。でも腕が疲れようが手汗が滲もうが離したくはなかった。
むしろ、もっともっとずっと複雑に、指の一本一本をじっくりと絡めたい。そんな欲求しか浮かばなかった。
――ふふっ、本当は欲しかったんやろ。今、私はなんも動いてないんやからね。
五月蝿い。
こちとら下着だろうか裸だろうが、人前に晒したって……まあ平気とまでは言わないが耐えられる自信はある。
でも、心の中身を丸裸にされるのは恥の方が勝ってしまうようで、どうにもむず痒くてたまらないのだ。
だからこの行為に夢中になった方がマシだし、彼女も夢中になってくれた方がずっとマシなんだ。
――美兎ちゃん、もっと欲しいんなら、ほら、くち、開けてな。
キスをする時、息をかけるのにはいまだに抵抗があったから鼻だけで静かに呼吸をしていたんだけれど。
彼女の熱い吐息を唇でずっと受け止め続けていたら、今回もいつの間にかどうでも良くなっていた。
私の吸う空気も、彼女の吸う空気も、混じり合った二人の吐息なんだと考えるとむしろ嬉しいと思ってしまった。
頭がぼうっとするのは酸素が薄いからか、それとも夢中になってしまったからか。
その判別すらつかなくなっていた。
――ええよ、もっと舌出して。このくらいの音なら外には気付かれへんて。
粘りを帯びた水音が、部屋の壁だけではなく頭の中に乱反射して響き渡る。
脳髄が痺れるような熱さに焼かれて、あちこちの関節から力が抜けて何度も膝から崩れ落ちそうになってしまう。
ずっと目を閉じていたから視界は真っ暗なはずなのに、瞼の内側はカメラのフラッシュみたいにちかちかと光っていた。
真っ白な光が弾ける度に、腰から背筋を通って後頭部まで電撃のような何かが走っていって。
手の指はぴんと開いてしまったけれど彼女に握り直されて体勢を変えることすら許されなかった。
――あかんよまだ逃げちゃ、これはおしおきやからね。よだれは吸ったげるからな。
そう、これを望んだのは他ならぬ私自身。
ここ最近、楓ちゃんの嫉妬を誘うようなムーブを取り続けていて。
それでいて同時に構ってほしいオーラも全力で放ち続けていて。
有り体に言えば『挑発し続けた』その結果がこの状況、というわけだ。
まさか場所も時間も関係無しに襲いかかってくるとは思わなかったけれど。
息苦しさも、拘束されたような体勢も、無理矢理奪うような口付けも、私にとっては望む結果でしかなかった。
――んっ……おくち閉じられなくなった美兎ちゃん、かわいい。
その行為の終わり際は、止まったように時間の経過が遅く感じられた。
未練が断ち切れない私たちはお互いの唇をなぞって、わざと遠回りして、何度も元の場所へ戻ってを繰り返して。
そうして何回かの出戻りを経てようやく、吸いつき合いながらではあるが離れることができた。
その瞬間に小さな音が出てしまって、一回余分に心臓が跳ね上がった。
見れば彼女も驚いたのか変な顔で固まっていた。堪えきれなくて、おでこを寄せて声もなく笑いあった。
――ふふ、ふ、ふふ……ん、ごめんな、ちょっとこれじゃ収まらんわ。
そんなことを言うと、彼女は少し荒くなった声で、紅潮した頬で、据わった視線で迫ってくる。
興奮の証を視覚で確認した私は、口角がみるみる上がっていくのを抑えることができなかった。
素肌に直接部屋の空気が触れて、ひんやりした部分がどんどん広がっていって。
彼女に触れられた場所だけが暖かかったから、幸せがじんわりと胸に広がっていくのを実感していたのだけれど。
――んふふ、美兎ちゃん、すっごく綺麗やよ。
体だって、裸にされたら何だかんだで結構恥ずかしいな。
そんなことを思った。
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