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世界を救うことを胸に誓い旅立つ勇者達・・・
1
:
☆シュウ☆
:2009/08/02(日) 20:40:56 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
・・・
目が覚めると、そこは王宮だった。
なぜ俺は此処にいるのだ?と、疑問に思ったが、そんなことはどうでもいい。
目をこすりながら眠そうな王様はこう言った。
王様「勇者よ世界を悪の魔の手から救ってくれ。頼む」
ほう。俺は勇者じゃないが、話を聞いてやらんでもないな。カツオは口を開いた。
カツオ「王様、この世界を救うからには相当な褒美がいただけるのでしょうな?」
王様の顔が変わった。俺を本物の勇者か疑っているようだ。
王様「お主、約束が違うぞ。褒美はいらんといったではないか」
ほう、本物の勇者はそんな事を言ったのか。馬鹿だな。
王様はうなるように考えている。仕方ないだろう、何故なら今この国。カネル国は財政がまずいことになっているからな。
カツオ「だせないのか?なら俺は帰る」
と言い。出口へと振り返る。
王様「ま、待ってくれ。分かった、それなりの褒美を取らせよう」
俺はにやりと笑った。
カツオ「じゃあまたな」
早々に別れを告げ、宿屋に向かった。
とりあえず、寝るか。
こうして、カツオが魔王を倒す旅が始まった。
だが、本物の勇者は一体どこに・・・
カツオ「俺を無料でこの宿に泊めろ」
宿主「何を言っておる!世の中金だ!」
カツオ「俺は、勇者だ。文句あるか?」
宿主「・・・」
カツオ「どうやら信じてないみたいだな。これをみよ!」
王様からもらった、勇者であることを示す王家の剣を見せた。
宿主「こ・・・これは!これは無礼を、どうぞ二回へお上がり下さい」
カツオ「フン」
カツオはベッドにすぐ横になった。カツオは明日、ルイーダの酒場に行き仲間を集めるか、と考えたところで眠りについた。
11
:
シュウ
:2013/03/21(木) 16:41:15 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
それから……。
俺は助けた少女と共に故郷を後にし、旅に出た。
旅の始めは、家族を失い何も考えられなくなってしまった俺を、
少女が旅先で色々なことをして癒してくれた。
俺は少女に心を救われたんだ。
いつしか、俺は少女にお礼をした。
「こんな俺にそこまで付き合ってくれるなんて、ありがとうな」
お礼として、言葉だけでは物足りないと黄色い髪飾りを少女に手渡しながら言った。
そうしたら
「こんな、とか言っちゃダメです。あなたは立派な人ですよ。
私がしたくてやってるんですから気にしないでください。
それに、あなたは私の命の恩人なんですよ? 忘れたんですか?」
少女は髪飾りを受け取ってくれた後、
にっこり笑顔でそう言葉を返されてしまい、俺も苦笑するしかなかった。
そうして、俺たちは当てもなく各地を回った。
鉱山が近くにあって工業が発達している町
きれいな川が流れ、素敵な音楽がある町
美しい街並みをした美術の町
俺はだんだん、この少女と旅をするのが楽しくなってきた。
辛い過去はあるけれど、ずっと悲しんでいては誰も浮かばれない。
きっと皆もそう思っているだろうって、思っていた。
「あ、そうだレモン汁さん。明日、楽しみにしていてくださいね」
少女がこちらを振り向き、笑顔で言った。
何だろうか、プレゼントでもくれるのだろうか。俺はうなずきを返した。
そうして、このまま少女との旅が続いていくのもいいな、と思い始めた矢先だった。
12
:
シュウ
:2013/03/21(木) 16:41:52 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
ある日突然、少女が消えてしまった。
昨夜、同じ宿に泊まり隣の部屋にいるはずだった少女を起こそうと、
部屋を訪ねたのだが、そこはもぬけの殻だった。
俺は、何か用事でもあるのかな? 楽しみにしていてみたいなことを言っていたし、
とおもったが
もしそうならば一声かけてくれるはずだろうと思い直す。
それから、俺は何日か待った。
彼女の帰りを待って、宿周辺をうろうろしていた。
だが、彼女は現れない。
そこで得られた情報は、最近黒い獣の魔物が近くの川に現れるようになったことだけだった。
俺は、彼女がなぜ消えてしまったのか、全く分からなかった。
これ以上待っていてもこないのではないか、そう考え
彼女を探す旅に出た。
その旅は長かった、色んな人に彼女のことを聞いては知らないと言われ
山や海を越え、体は疲れを見せ始め、だんだんと自暴自棄になりかけていたその時だった。
もう、少女を見つけることはできないのではないか、
俺のやっていることは無駄なのではないか、そう思いながら旅をして
これで最後にしようと思って、目の前から歩いてきた旅人に声をかけた。
「すみません……お聞きしたいのですが、この少女を知っていますか……?」
俺は少女の似顔絵を見せた。
「ん? どれどれ……」
旅人は顎に手を付け、じっくりと眺めた。
それから秒針が1周するくらい時が経ち、俺はやっぱりだめかと肩を落とした。
だが、旅人は俺の予想とは違う言葉を発した。
「この子、どこかで……確かあれは、えーと」
俺は耳を疑った。少女のことをしっているのか!?
「お、教えてください! お願いします!」
「ちょっとまってな……えーと、あぁそうだこの髪飾り」
俺は心臓がバクバクしすぎて破裂するかと思った。
やっと、少女の居場所がわかる。長かった。やっとだ。
早く少女に会いたい。会いたい。
でも、その旅人が放った言葉は俺の予期していたものとは違う色をしていた。
「この前見かけた黒獣系の魔物が持っていたよ」
13
:
シュウ
:2013/03/21(木) 16:43:38 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
ある日×翌日〇
14
:
シュウ
:2013/03/22(金) 19:52:49 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「……俺が」
世界の狭間で漂うレモン汁は、己の過去を見せられていた。
それはとても悲しくて、苦しくて。
怒りで心が支配されてしまいそうな、何年か前の過ぎし時。
レモン汁が、今のレモン汁であるための物語。
「必ず、根絶やしにしてやる」
世界の狭間は水の中にいるみたいな感覚で、レモン汁は漂いながら呟いた。
その直後、曇った空が晴れに変わるように光が差し込んできた。
レモン汁は導かれるように、その光に手を伸ばした。
15
:
シュウ
:2013/03/23(土) 18:21:04 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
私の名前はモニカ?生まれはモニックスターチェ。
「モニカ?よ。立ちなさい」
神父様から名前を呼ばれ、モニカはそれに呼応し自分の名前を叫びつつ立ち上がる。
モニカ「モニカァァ!」
「叫ばずともよい。お主はやはり意気が良い……このまま村を旅立たせるのはおしい逸材だ……」
神父様は口惜しいといった風に肩を落とす。そしてモニカに向かって言葉を投げる。
「これからお主はこの村のしきたりに従い、魔王の下へと向かわねばならん。わかっておるな」
モニカ「わかっているさ神父殿」
「モニカはどうした」
モニカ「モニカァ!」
「おぉそこにおったか、お主は時々妙な術を使って姿をくらます困り者だ」
モニカ「モニカ」
「何?そんなことはない?うそをつけ先ほどいなくなったであろう。まぁいいそんなことは」
神父は腰から光り輝くシルバーソードを抜き天に掲げた。
「これがお前の道を照らすこの村に残されし伝説の剣、モニックバーンだ」
そう、この村では伝説の剣を若い娘に託し魔王の下へと送る風習があったのだ。
今年は村一番の娘、エンジェルモニカが選ばれたのだった。
神父はモニカを下から上まで舐めるように見つめる。
そして神父は「受け取れ」と言うと、モニックバーンの剣先をモニカに向け、腰を落とすと
モニカに向かって「モニックバアアアアアアン!!」と叫びながら全速前進した。
――――それは一瞬のできごとだった。
突如、神父が剣を構え突進してモニカはその胸を貫かれるかと思われた刹那。
モニカは、神父の背後に瞬間移動した。
「あまいな神父殿」
モニカは未だ何が起きたのか理解していない神父の耳元で甘くささやくと、
瞬間移動した時にかすめ取ったモニックバーンで神父の背中を突き刺した。
「ぎゃあああああああああああ!!」
神父は死んだ。モニカの手によって。モニカの特性――"her monica"によって。
彼女はモニカ。成層圏の向こう側まで跳べる女だ。
「ふぅ……」
モニカは教会に何も用事はなかったかのように教会の外へ出た。
16
:
シュウ
:2013/03/25(月) 19:41:52 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「お姉ちゃん!」
村のはずれでモニカを呼ぶ元気な声が響く。
モニカはそれに感応し、己の名を叫びつつ振り返る。
モニカ「モニカァァ!!」
振り返るとそこにはまだ8歳になったばかりの可愛らしい女の子がいた。
その子はなにやらモニカを疑うような目で見つめている。
モニカ「モ、モニカ?」
「お姉ちゃん……どこいくの?」
モニカはぎくりとした。
(自分がこの村にもういることはできないということを、この娘は感じたというのか……やはりこの子は)
モニカは少女を見つめ返す。
少女はモニカの表情を読み取り、この村から出ようとしているのを察したのだろう。
「そう……」
と、落ち込んだ声をだし、うつむいた。
モニカとこの少女は、村の中で変なもの同士ということで仲が良かった。二人で村人狩りをするほどの仲だ。
それだけにモニカも別れは惜しかった。だが、そうも言ってはいられない。早くしなければ自分の存在が知られてしまう。
モニカは心の中でごめんと謝り、颯爽と村の出口への抜け道へと入ろうとした。
「そっちは危ないよ、モニカお姉ちゃん」
そこに少女の声がかかる。そして、別の抜け道を指し示す。
モニカ「モニカ?」
(そんなところに抜け道があったか……?まぁいい)
モニカは少女にモニックウィンクを飛ばし、少女が示した道を駆け抜けた。
「またね、お姉ちゃん」
8歳の女の子――"このは"――は、笑顔でモニカを見送った。
その後、その時のこのはちゃんの笑顔を見た、という近くを通りかかった大人は語る。
その時のこのはちゃんは
まるで笑顔という仮面を張り付けたような微笑を浮かべていたと言う。
17
:
シュウ
:2013/03/26(火) 23:57:54 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「……そう、私は」
世界の狭間で漂うモニカは、己の過去を見せられていた。
それはモニカの故郷、モニックスターチェでのお話。
モニカが旅に出ることになったちっぽけな物語。
このはは元気だろうか。また会いたいな。
そしてモニカは世界の狭間に来るのは相変わらず気持ちがいいな、と一人呟いた。
その直後、曇った空が晴れるように光が差し込んできた。
レモン汁は導かれるように、その光に手を伸ばした。
18
:
シュウ
:2013/03/27(水) 13:30:33 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
↑モニカがレモン汁になってるけどそこはモニカなwww
19
:
シュウ
:2013/03/27(水) 21:12:26 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
僕の名はマスオ。生まれはマスターオーブ。
「おーいマスオさん。こっちに来てくれ!」
相棒のノリスケくんだ。どうやら先ほど倒した魔物の落し物に何か変なものを見つけたらしい。
「わかったよノリスケくん!」
僕は返事をして、ノリスケ君の近くに駆け寄った。
「それで、どうしたんだいノリスケ君」
ノリスケ君はこれは凄い発見だ、とばかりに目をギンギンに見開き興奮した様子で言った。
「マスオさん、これだよこれ! 地図だ! これはきっと宝の地図に違いない!」
「どれどれ……これはっ!?」
僕は古びた地図をしばらく眺め、驚いた声を上げた。
「ほほほ本物だよノリスケ君!!」
「でしょう!?」
僕が見た古びた地図は、僕らが持っているこのあたり一帯を示す地図と完全に一致しており、
しかも重ね合わせてみると、ここから北の方に大きな宝のマークが記してあった。
「す、すぐにいきましょう! マスオさんはやく!!」
「ちょ、まってノリスケ君! そんな引っ張らなくても良いだろう!」
「だってマスオさんはやくしないと誰かにとられてしまうかもしれませんよ!? ヒァウィーゴー!?!?」
マスオ「アーユーディー!?」
ノリスケ「イェーイ!!」
マスノリ「フォアアアアアアアアアアア!!!!!」
20
:
シュウ
:2013/03/28(木) 00:25:06 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
僕らが旅を始めて何日が経っただろうか。
家族のみんなは元気にしているかな。カツオくんは元気かな。
僕はポケットに入っている家族の写真を覗き込む。
そこにはカツオ君やワカメちゃん、みーんないる。
だけど、今は一人たりないんだ。
そう、何を隠そう僕が旅をしている理由はカツオくんを探すためだ。
ある日突然、カツオ君が部屋で叫びだしたんだ。
※
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17368566?group_id=33600502
こちらの動画を絶対に参照してください。重要です。
「俺は天才だあああああああ何でm!」
僕は取り出した写真をポケットに再び戻し、前を歩くノリスケくんにおいつくように歩くペースを合わせた。
あれから……、カツオくんはみつからない。
とりあえず今は大きい街に行ってカツオくんが行きそうなところに向かっているところなんだ。
「マスオさん遅い! もっとはやくしてよもう!」
ノリスケ君が泣き叫ぶ。ちなみにノリスケ君はいくらちゃんを探しているんだ。
「ごめんごめん、もうちょっとじゃないか。落ち着こうよ」
「ふぅー、これだからマスオさんは」
「そんなに慌てていると、大事なものを見落としてしまうかもしれないだろう」
「大事なものって?」
「例えば、秘密の通路とかさ。普通に道をたどっていくだけでお宝が手に入るとでも?」
「た、たしかに……マスオさんちょっと」
「ん?」
僕はノリスケ君に呼ばれ横に並ぶ。
「ここ……下見てください」
「うわぁ……」
そこには真っ黒な大きな穴がぽっかり開いていた。
底が見えないほどの大きな穴で、落ちたらとてもじゃないが生還できそうにない。
「ノリスケ君……気を付けないとね」
そういってノリスケ君を振り向こうとした時。
ノリスケ君は耳元でダンディにささやいた。
「グッバァイ。永遠の平和」
僕は背中を押され、穴に落ち視界は暗闇に包まれた。
21
:
シュウ
:2013/03/28(木) 20:50:10 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「うわああああああ!!」
真っ暗闇の穴に響き渡る僕の声。
もう、上のほうも見えない程落下してしまった。
この高度で地面にたたきつけられたらきっと、死んでしまうかな。
もう、皆には会えないのかな……。
僕はもうどうにでもなれという気持ちで手を広げ、大の字になった。
「フリィイイイイイイダム!!最ッ高だなぁ!!」
僕はやけくそになって吠えた。あ、そろそろ下の方が見えてきた。
揺れる地面……下は……水かな? 湖か! 地底湖か!!
「いけるかっ!?」
僕は大の字になっていた体を扇風機のように回転させて浮力を少しでも得ようとした。
「うおおおおおおおおおお!!」
その回転は弱、中、強、最狂とレベルを上げて、僕は風になった。
びゅおおおおおおっと穴の中を駆け巡る風。
その風は僕を上昇させる力を生み、落下速度をやわらげてくれた。
そして、なんとか地底湖の隅にある陸地へとたどり着くことができた。
「はぁはぁ……ノリスケの野郎……」
僕は膝に手を付きながらノリスケ君の悪態をつく。
「何がグッバァイだよ……殺すぞ……ふぅ」
そして、ここの情報を少しでも得ようと顔をあげて、周りを見回した。
「あれは……なんだ?」
周りは岩だらけで上に通ずる道はなさそうだったが、一角に変なものを見つけた。
「これは……祠かな」
そこには何かを祭っているような祭壇があり、青白い火が灯っていた。
僕はこれを見てティン!ときた。
火が灯っているということは、誰かが定期的にここにきているということ。
ならば、ここで近くに道が存在しているのではないのだろうか。
僕はもう一度丹念に辺りを調べてみた。
だが、何もなかった。何にもだ。
一応僕の靴の中もよく調べてみたが何もなかった。
「ふぅー、あそうだここがまだだった」
僕は祠の中を捜索するのを忘れていた。いや、避けていたのかもしれない。
神聖な神の祠に手を付けるのは何やら嫌な予感がしていたからだった。
「仕方ない!ごめんなさい神様!!」
僕は勢いよく祠の扉を押し開いた。
「こ、これは……なっなんだ!?」
祠から飛び出してくる紫色の光。
僕は呪われた。
22
:
シュウ
:2013/03/30(土) 15:18:43 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
一体何が起こったのか。それは紫色の光が消えうせた後にわかった。
「僕の服が……ないっ!?」
なにやら先ほどよりも涼しく感じるなと思っていたら、なんと僕は服を着ていなかった。
僕は慌てて周囲を見回したが、服は見当たらない。
おかしい……でもこのままじゃ風邪ひいちゃうよね。
何かないかと祠の中を探す僕。そして見つけた。
――"魔法のビスチェ"
「こ、これは……」
そう、この艶やかな色合いをした露出度が高い服……これは女性用アイテムである。踊り子専用。
僕は仕方ないよね、うん。とビスチェを装備しようとした。
だが、「これは女性用です!」とエラー表示がでて装備できない模様。
「こうなったら……」
僕は精神統一を始めた。
「はぁぁぁぁ……」
集中力を高め、そして極限へと達した瞬間。己の精なる体液をビスチェに思い切りかけた。
ドピュ
「……ふぅ。よしこれで」
改めてビスチェの説明文を読んでみた。そこには女性用ですという文字はなくなっており
男性用という文に変化していた。
僕は湖の水できれいにビスチェを洗ってから、ビスチェを装備した。
「このアイテムは呪われています!!」
23
:
シュウ
:2013/03/30(土) 15:19:41 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「ふぅ……とんだ目にあったよ」
僕はビスチェ姿で上へとつながる通路を歩く。
先ほど祠を怒りにまかせて破壊したら、後に抜け道があったんだ。
これでようやく地上へと戻れるよ……。僕は疲れた顔をしてとぼとぼ歩みを進めた。
「ん……あれは」
ちょうど入り口のあたりでこちらに背を向けて立っている人影がある。
その後ろ姿は僕の昔の相棒、ノリスケ君とよく似ている。
(殺す)
僕は人を殺せそうな鋭利な石を拾い、足音を消して近づいた。
そして、奴に気づかれることなく至近距離まで接近するとそこで何やら違和感を感じた。
おかしい。何かがおかしい。このままこいつをやったら最悪な展開になる予感がする。
僕は手に持っていた鋭い石を思い切り後ろにノールックで投げた。
「ひッ!?」
するとすぐ後ろから悲鳴が上がった。僕は顔がほころぶのを止めることはできなかった。
「やっぱりそこにいたのかーいノリスケ君」
「マ、マスオさんこれはちがうんです!!」
ノリスケ君は腹部にひどい裂傷――僕が今投げた石がクリーンヒットしたみたいだ――を抱えており
うずくまっていた。
「何が違うのかなノリスケ君。先に僕を殺そうとしたのは君だよ」
僕は右手を突出し、ノリスケ君の首を絞めながら持ち上げた。
「ぐ、ぐぎぃっぃぃいぃ」
ノリスケ君は悲鳴を上げたいご様子だ。
僕は優しいからね。あげさせてあげるよ。
「一が奥義、――"オブジェクトイン"」
右手をノリスケ君の腹部に勢いをつけて突出す。すると、魔法陣のような幾何学文様が生まれ回転し光り出す。
「ぎ、っひゃああああ」
そして僕が左手に持っていた鋭く大きな石が、右手に移動しノリスケ君の腹部へとねじ込まれていく。
「石が入ってくるうううううう」
僕の持つ奥義の一つオブジェクトイン。
それは、左手に持つもしくは触っているものを右手から新たに生み出し相手の内部へと送り込む技だ。
元の送り込むものは消えてしまうが、相手の体内へと押し込むことで素晴らしい配達が可能。
「これで、どうかな?ノリスケ君」
「あ、ひ。マス、オさん」
ノリスケ君は涎を垂らし、興奮しきっている様子だ。
「最後に何か言い残すことはあるかな?」
ノリスケ君は最後の力を振り絞って、ポケットから写真を僕に渡してこういった。
「いくらを……頼みます……」
僕はいくらちゃんが写った写真を受け取ったが、ノリスケ君に疑問を感じた。
「僕に頼んでもいいのかい? 君の息子だから殺しちゃうかもしれないよ?」
「大丈夫です……マスオさんは……いい人ですから」
ノリスケ君はもう目が見えていないようで、手をさまよわせている。
「これで、やっと、たえこのそばに行ける……またせたね」
「奥さんはもう逝っていたのか」
「ええ、だからマスオさんに殺してもらおうと思って、でも普通に頼んでも殺してくれないでしょう
マスオさん優しいから。だからあの時突き落としたんですよ……」
「なん……だと……」
24
:
シュウ
:2013/03/31(日) 02:37:37 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「マスオさん……僕はもう疲れました……幸せな家庭を築くことができたのに、
どうしてこうなってしまったんでしょうね……はは」
ノリスケ君の絶望しきったかすれ声が暗闇に響く。
「いくらは遊びに出て行ったまま帰ってこないし……たえこはいくらがいなくなって心が病気になってしまうし
ある日僕が仕事から帰ったら、書置きが置いてあって……あぁ……それはたえこの字で……」
白目をむいたノリスケ君の目から、大粒の涙が流れる。
「たえこは……たえこは……隣の部屋で、首をつっていました」
「書置きには、"もう耐えられないわ、あなた。ごめんなさい"って……ハハハもう僕何も考えられなくなっちゃいましたよ」
僕はノリスケ君を横にして、そばでノリスケ君のか細い声を聴いていた。
「それで、いくらを探し始めて……でも見つからない。もうだめだぁ」
「ねぇ、マスオさん……僕はどうすればよかったんですか? どうすれば幸せな生活を営むことができたんですか? 教えてくださいよ。ねぇ……」
僕は何も答えない。答えられなかった。
とても、何かを言える雰囲気ではなかった。
「……マスオさん。ありがとうございました。僕の最後の話を聞いてくれて。僕はもう逝きます。いくらのことお願いします……」
ノリスケ君は最後にそう言い残し、息を引き取った。
「ノリスケ君、グッバァイ」
僕は地上へとでた。
25
:
シュウ
:2013/03/31(日) 10:47:20 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「……やっと見つけたよカツオ君」
世界の狭間で漂うマスオは、己の過去を見せられていた。
それはマスオとノリスケとの別れ、踊り子になった原因のお話。
あれから、いくらちゃんは見つけられていない。呪われたビスチェも外せない。
でも、ノリスケ君……。君との約束は守るよ。
そうマスオが心に誓ったその直後。
上方より鋭い光が差し込んできた。
マスオは導かれるように、その光に手を伸ばした。
26
:
シュウ
:2013/04/05(金) 01:07:57 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「なんだ、中島今日はあの日だったのか」
カツオは中島の家に向かったのだが、中島はあの日だったので
行き先変え、暇つぶしに王宮に向かっていた。
あの日――それは中島が気分が乗った時におこなっているパーティである。
そのパーティは中島が主催しており、集合会場は中島の家だ。
内容は、全力で「パーリィパーリィレッツパーリィ!!」と叫びながら近くの幼稚園に向かい、柵を激しく揺らすことだ。
その只ならぬ形相と行動から、襲撃された幼稚園の児童は恐れ泣き叫ぶことが、ごく稀にある。
ごく稀、である。
何故ごく稀なのか。通常ならば、子ども達は中島達の奇行を目にして悲鳴を上げるのだが
この頃幼児たちの中に、特殊能力を持つ子供がちらほらと現れたのだ。
その能力によって中島たちは襲撃しては退けられ、を繰り返している。
最近はやけになっているらしく、中島たちも本気をだして「○○ちゃんせっくすせっくすううううん!!」
と卑猥な言葉を持ち出したみたいだ。
これから彼らのたどる道は生か死か。カツオには検討もつかない――――。
27
:
シュウ
:2013/04/05(金) 01:13:57 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
そして数分かけてカツオは王宮の前に着き、入り口前の階段を上る。
この王宮の入り口前には階段があり、階段を上ったところから町の風景を見渡せる。
暇だから、とついでに町の風景を眺めたカツオは、
誰に言うでもなくぶっきらぼうに言った。
「ひっでぇ国だぜ、ここは」
カツオが見た景色は、天国と地獄を見ているようだった。
王宮付近に立ち並ぶ、色彩鮮やかな綺麗な家々。
その区域には富豪達が住んでおり、充実した暮らしを送ることができるだろう。
だが、王宮から離れていくと廃れた屋根が多くなってくる。
べつのある区域は貧乏者達が住んでおり、汚らしい環境。
この経済格差、貧富の差が激しい国――カネル国。
何故こんな風になってしまったのか、カツオはわからない。わかる者は限られた人間のみだ。
「さーてと、適当な部屋にはいっちゃおっかなー♪」
カツオは適当に階段を駆け上がり、適当に部屋のドアを開いた。
「なっ……」
勢いよく部屋に入ったカツオは両目を見開き、変な姿勢で固まった。
「あら?」
――その部屋には、神聖な雰囲気をまといし白きドレスで身を包んだ
――美女がいた。
28
:
シュウ
:2013/04/10(水) 20:47:45 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「どちらさまかしら?」
美女がこちらを振り向き、肩まで伸びる栗色の艶やかな髪がふわりと舞う。
カツオはこんなセクシーな人が部屋にいるとは思っていなかったので焦って言葉を紡いだ。
「お、おれは勇者カツオマックス! よろしくな! 相棒!」
「は?」
「えっ」
「如何致しましたか?」
「えっ……と今何かおかしく、なかったか?」
「いいえ?」
「そ、そうかい……いやそうならいいんだ、うん。何でもないな、うん」
「はいっ」
カツオが納得した様子を見せると、その美女はにこやかな笑顔で返事をした。
カツオは内心、「話を合わせなければやられてしまう」ものを感じ、無理やり納得した様子を見せたのだが……。
「……」
美女がこちらをじっと見つめてくる。何故だ。
カツオは何か粗相をしてしまったのか、と思いすぐに思い至った。
「あ、さっきの思考、口にでて――」
「しっ!」
「!?」
カツオは美女に綺麗な手で口をふさがれ、廊下側の壁に押し付けられる。
「な、にを!?」
29
:
シュウ
:2013/04/10(水) 20:48:15 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「つけられています」
美女が謎の言葉を発する。つけられている? どういうことだ?
そしてその姿勢のまま1分。
「ふぅ、どうやらいったようです」
緊張した空気を破り、美女がため息をつく。
「いったいなんなんだ……ここは宮殿だろ? つけられるって……」
ニヤリといたずらっこの顔で、可愛く美女が言った。
「う そ で す」
「な、なにいいいいいいいいいいいいいい!?」
「ごめんなさい。ちょっと暇すぎて、気分が高揚してしまったようです。てへっ」
「はぁ……左様ですか」
「あなたは、勇者様ですよね? 知ってますよ。この前お会いしましたものね」
「え、っとそうでしたか?」
「はい、王の間で」
「……誰だっけ?」
「私は、カネル国第一王女。ティアと申します。以後お見知りおきを」
「姫様ですたかああああああああああああああ!?」
これはとんだ失礼を、とカツオは頭を下げ、さらには這いつくばり、そして姫様のスカートの中に入ろうとした。
「なにやってるんですか!?」
が、華麗なステップで回避されてしまわれた。悲しい。くんかくんか。
「かぐわしい匂いだ……残り香最高です」
カツオは恍惚とした表情で、姫様を見つめる。
「見てください。この国を。どう思われますか」
カツオは無視されていた。
「どうして、この国はこんなにも荒んでしまったのでしょうね。私にはわかりません」
姫は窓から悲壮な空気があふれる街を眺めている。
カツオは、姫様の隣に立ち、外を見ながら呟いた。
「それは、わからねぇかもしれねぇが。俺がここにいることは確かだ」
「えっ?」
姫は横から聞えたカツオの言葉に驚き、隣にいるカツオを見る。
「俺がいる。ってことはもうこの国は大丈夫だ。だからそんな悲しい顔すんな」
カツオは外の風景を目に焼き付けると、よしっと気合いを入れて部屋の外にでるためドアを開いた。
「……ありがとう」
後からティアのかすかな、感謝の声が聞こえた。
カツオはそろそろあいつらも戻ってくるだろう、と先ほどいた酒場へと走って行った。
窓からカツオの後ろ姿を見ながら怪しげな笑みを見せていた王女、ティアを残して。
30
:
シュウ
:2013/04/12(金) 20:53:47 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「ようやくおでましね」
カネル国の入り口ゲートにカツオが到着すると、先ほど狭間に飛ばした奴らが戻ってきていた。
「よぅ。またせたなお前たち」
カツオは彼らの顔つきが変わっていることに気づき
やはりあの技――レモンスカッシュ――は使いどころが難しいと感じた。
こちらに気づいたマスオさんが近寄ってきて、カツオを責める。
「お、おそいよぉ〜マスオ君〜」
「何言ってんだマスオさん。俺はカツオだ」
「あ、ごめんごめん。ちょっと頭がホワイトッマンエグゼ!トランスミッション!みたいだ。
カツオ君がマスオ君でカツオでマスオだったねごめんねカツオ君。」
駄目だ、マスオさんは近所の自動販売機みたいになってしまった。
「……」
「レモン汁。大丈夫か?」
カツオがきてから無言を貫くカリスマ、レモン汁に声をかけてみた。
「早く……力を……」
こいつもダメだった。
「さぁ、お前ら。これから世界を救うために旅に出るぞ!」
カツオがそう高々と叫び声をあげると、周りの3人も震え出し共鳴した。
「モニカアアアアアアアアアアアア!!」
「マスオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「ちゅるちゅるううううううううううううううううう!!」
そして、その魂の歌は近くにいた民衆の心を打ち、民衆もリズミカルに叫びだした。
「ふぉ!ふぉ!ふぉ!ふぉふぉふぉ!!」(ステップ付き
民衆が続々と燃えさかる雄叫びを上げていき、ついにはカネル国は騒音レベルエクストリームに達した。
その情熱的な歌が終盤を迎えた時、立っているものはカツオグループのみだった。
モニカが周りのことなどまったく見えていないかのように言った。
「へぇ、それは大層な目的だね。私のモニックハート、震えるわ」
モニカは、胸に手を当て目を閉じて風を感じるポーズをとった。
「カツオ君……どうしたんだい?」
急にカツオが突拍子もないことを言ったために、マスオはカツオに心配そうな声をかける。
「いや、ちょっと揉みたい奴がいてさ」
「モニカ!?」
「お前じゃない」
カツオは空を見上げ、言葉を繋ぐ。
「まぁ、いいじゃないか。お前たちも目的があるからこそ、ルイーダの酒場にいたんだろ?」
「「「……」」」
マスオ、モニカ、レモン汁。3人は沈黙で返す。それぞれがそれぞれの思いを胸に秘めているんだろう。
「じゃ、いくか」
カツオがそういって、カネル国を出る。
後に3人がついていく。彼らの背中を太陽が禍々しく、煌びやかに照らしながら。
それぞれの思いが彼らを動かす――。
――"あの胸は俺のものだ。はやく頭突っ込みたい"
――"ノリスケ君、いくらちゃんは僕が見つけるからね"
――"まぁ、魔王のもとに行く前にブラブラしてもいいか"
――"魔物を殺す。それだけだ"
第一章 <<世界を救うことを胸に誓い旅立つ勇者達……>> 完。
31
:
シュウ
:2013/04/21(日) 11:16:59 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
第二章 <<小さな命と大きな心>> 始まります。
32
:
シュウ
:2013/04/21(日) 13:43:15 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
ここはカネル国から少し離れた場所にある、海が見える村。<シェルラ村>
このシェルラ村では毎年、カネル国に海産物を届けている。
だが、最近は魔王の幹部を名乗る魔物"アリエール"の出現により海が白く濁り、海産物が取れずに困り果てていた。
「海が真っ白だよマリー」
「そうね、お魚さんたちは大丈夫かしら……」
夜中、男女の小さい子供二人が、手を繋いで家の屋根に座って海を眺めていた。
「村長さんが言ってたんだけど、お魚さんの元気がないって」
「やっぱり……あの変な魔物のせいね」
「うん。アイツが現れてから海の魔物も狂暴になってきたし、気を付けないとね」
「ええ、でも大丈夫」
「ん?」
「だってハリーが守ってくれるんだもの。ね?」
「もちろんだよ。マリー」
33
:
シュウ
:2013/04/21(日) 13:43:47 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「ここが、シェルラ村か……」
カツオ御一行は、カネル国から一番近い村、シェルラ村へと到着した。
「カツオ君、ここに魔王の居所を知る手がかりがつかめるって本当かい?」
「ああ、そう俺の妖精さんは言っている」
カツオたちは村の入り口に立っている、村人に話しかけた。
「なあ、ここが噂のシェルラ村だよな?」
「ようこそ、いらっしゃい! ここはシェルラ村だよ!」
「そうか、最近変なことが起きてはいないか?」
「ようこそ、いらっしゃい! ここはシェルラ村だよ!」
「……」
沈黙の殺戮者の異名を持つレモン汁が、村人に正面から近づき首を絞め始めた。
「よっうこそ!……い、いらっじゃば……い!」
村人は苦しそうな声を上げているが、それでもあきらめずに歓迎の言葉を投げる。
そして村人は「我が生涯に、一片の悔い無し……っ!」と言いながら死にそうになっていた。
「いい加減にしな」
見かねたモニカがレモン汁の手をはたく。
「……!?」
手をはじかれたレモン汁は、珍しく驚愕の表情を浮かべ、モニカを見た。
「モニカ!?」
モニカは素知らぬ顔で奇声を上げていた。
「おい、お前ら遊びすぎだぞ。ほらいくぞ」
カツオはシェルラ村の中に入っていく。マスオ達もあとに続いた。
34
:
シュウ
:2013/04/21(日) 13:44:22 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「あんたが村長か、村長の家って看板があったからすぐにわかったぜ?どうよ」
「いや、そこでドヤ顔されてもどうすればいいのかわからんぞい?」
「ごめんなさい。カツオ君はちょっとおかしいんです。あ、僕はマスオと言います」
「そうですか……(にやぁ」
村長は突然家に変態が押しかけてきて、迷惑だと思ってはいたが、話があるというので仕方なく席を設けたところだ。
村に変人奇人がやってきたから気をつけねばと、村長はしかめ面にならざるを得ない。
(さっき、村の入り口で騒いでいたのはこいつらか……どおりで変態だわ。特にこのマスオとかいう男きめぇ)
村長は心の中で、こいつらやべぇと思った。
「それで、村長。最近困ってるんだって? 俺知ってるぜ? 海産物がとれなくて涙してんだろ? えぇ?」
「カツオ君、どうして喧嘩腰なの?」
「まぁまぁ、最近の若いのは威勢が良くてよろしいではないですか(にやぁ」
「それで俺らがさくっと解決してやろうってわけよ! どう!? この俺の勇者っぷり! 終わった後は若い女くれればいいよ?」
「ふぅー……」
村長は話を聞いているのかわからないが
お気に入りのマイセンライトボックスからたばこを取り出し、吸い出した。
「カツオ、といったかおぬし」
「そうだ、俺はカツオ。どこまでいってもカツ」「うっせぇぞ小僧!!」
「!?」
突然村長が怒鳴り声をあげ、その場にいる人間が凍りついた。
「今ここで殺してやってもいいんだぞい?」
村長は隠し持っていた短剣をカツオの眉間に突き刺した。
「やっぱり……」
モニカはその様子を見て、やはりこうなったか、と笑う。
カツオのこのテンションについていけるのは限られた人間のみだ。ガチガチ思考の村長が合わせられるはずもない。
「これだから最近の若いのは困る」
村長はカツオの眉間から短剣を抜いた。
「……」
カツオは微動だにしない。
一体カツオはどうしたのか、それを確かめようとマスオがカツオに声をかけようとしたその時。
隣の部屋から悲鳴が上がった。
「きゃあああああああああああ!!」
「どうしたぞい!?」
村長はあまりに大きな音に飛び上がり、2階だというのに窓に体当たりして落ちて自殺した。
「カツオ君? 大丈夫?」
「あぁ……なんとか」
気を失っていただけだったカツオが目をさまし、辺りを見回す。
「あれ? 村長は? てかレモン汁もいねぇ」
「レモン汁は勝手にいなくなったよ。 村長は混乱して自殺したよ」
「そっか。んじゃレモン汁と合流しようか」
カツオは立ち上がり隣の部屋へ向かった。
35
:
シュウ
:2013/04/21(日) 13:44:55 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「たすけてえええええ!!」
隣の部屋へとたどり着いたカツオ達は、目の前に映る光景に唖然としていた。
それは部屋の壁が壊され、ピンク色の触手が若い女を絡め捕り、海へと連れ去ろうとしているところだった。
「……」
このまま若い女がさらわれるかと思いきや、すでにこの部屋にいたレモン汁は戦闘態勢に入り精神集中させ終えて目を凝らす。
「死に晒せ」
レモン汁は大きな鎌を両手で持ち、腰を落として狙いを定め、触手に向かって跳んだ。
そして、若い女を絡め取っている触手を一瞬で切り落とし、下にいた触手の本体である魔物に向かって下降する。
「!?」
魔物は2階の部屋から突如現れたレモン汁に驚き、回避しようとしたが間に合わない。
レモン汁が持つ、大鎌――――"アナトミックサイズ"が、その鋭利な刃で魔物の首をはねる。
――――レモン汁が持つ大鎌、アナトミックサイズ。
それは、流麗なフォルムにして邪悪なものを感じさせる黒き鎌。
その刃で刈り取られたものは、苦痛を永遠に伴う世界へと飛ばされるというアイテムだ。
また、使用者にも当然影響が出る。使用者には、今までこの鎌により散って行った者たちの怨念の声が延々と聞え続ける。
「フン……」
魔物を切り捨て、上空より落ちてくる女を受け止める。
「あ、ありがとうございます」
「……」
レモン汁は、若い女をおろしてカツオ達の下へと戻っていった。
36
:
シュウ
:2013/04/23(火) 21:25:14 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「みつめああぁぁあぁぁってえええもおおおおおおおおおお!!」
「おしゃあああああああべりいいぃいぃいいぃぃいぃぃいぃ!!」
「できいいいぃいいぃなああぁぁいいいいいいい!!」
「なぜなぁあああらあああああああああああああああ!!」
「そぉおおおれえええええはあぁぁぁ村長ぉおぉおおおはぁあああああ!!」
「もうー」
「息をー」
「「していないーからぁあああああああああああああああ!!」」
シェルラ村の合唱団による村長への追悼の歌が村中に響く。
「なぁ、普通葬式ならこういう曲じゃなくてもっとこう、ぐっとくる歌を歌わないか?」
村長の家でつまらなそうに葬式に参列したカツオは、仲間に呼びかける。
「うーん、いい曲だと思うけどなぁ」
マスオさんはにこやかな笑顔で周りを見回している。
「ん? どうしたんだマスオさん」
「いやぁ、レモン汁とモニカさんがいないと思ってね。どうしたんだろ」
「そういや確かに……」
一緒に椅子に座ったと思っていたのだが、いつの間にかに二人の姿が消えてしまっていた。
「まぁ、そのうち戻ってくるだろ」
「そうだね」
37
:
シュウ
:2013/04/23(火) 21:25:47 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「こっちだよマリー!」
「まってまってー!」
海の浜辺で元気そうに遊ぶ二人の子供、ハリーとマリー。
この二人は村でもお似合いのカップルで、村人たちから「精子と卵子」と言われていた。
そんな二人がいる浜辺は危険区域。
魔物がよくでるから入っちゃダメという看板もあるのだが、二人きりになれる場所ということで二人はよくここで遊んでいた。
「つーかまえた!」
「あはは、つかまっちゃったよマリー」
「じゃあ次は僕が追いかける番ね」
「ふふふ、ハリーじゃ私に追いつけないかもよ?」
「いったなー?」
可愛らしいワンピース姿のマリーはきゃっきゃと笑いながら走り出す。
ハリーはマリーを追いかける。が、なかなか距離が縮まらない。
「くっそー……」
「ほらごらんなさい♪」
マリーは上機嫌だった。ハリーは虚をつこうと「マリー後ろ後ろ!」と大きな声を出した。
「え?」
マリーは後ろを振り向く。隙あり!とハリーは走り出した。
「っふ。ばればれよ」
マリーはそんなハリーの作戦を見破っていたのか、ハリーの突進を回避する。
「なにー!?」
ハリーは渾身の策を読まれ、息を荒くして膝に手をつく。
「そろそろ交代してあげてもいいのよ?」
マリーがニヤリとしながら言ってくる。ハリーは、まだまだ!とマリーのほうを見返そうとしたとき。
「マリー!!後ろ!!あぶない!!」
「またそれー? 何度もきかないわよ」
「ちが、ほんとにやばいんだって!!」
「そうやって隙を作ろうとしても無駄な――――――きゃっ!?」
「マリー!!」
マリーの後ろにいたのは、魔王の幹部の一人。
――強力洗剤"アリエール"だった。
38
:
シュウ
:2013/04/23(火) 21:26:19 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「私はアリエール。水を白き色に変える者なり」
ぬめぬめとした触手を操り、後からマリーを捕えているのはこのシェルラ村を混沌に染めようとしている、アリエールだった。
「マリーをはなせ!」
「だめだ。彼女には私の子を産んでもらう」
「なっ!?」
マリーに絡みついている触手が滑らかに動き、マリーの体をまさぐりだす。
「や、やめなさいよ!」
マリーは抵抗するが所詮は子供。なすすべもなく体をいじくられるしかない。
柔らかな肢体にまとわりつく触手が、マリーのあらゆるところをこする。
その絶妙な力加減は魔物だからこそできる、といったところであっというまにマリーの息が荒くなる。
「はぁ、っく……」
「んぅ? いい感じに体がほてってきたのかなぁ? おぱんつがぬれぬれしてきたぞ?」
「マリーになにしやがる!この糞野郎がああああああああああああ!!」
ハリーは近くにあった木の棒を手に取った。
「そんな棒切れで何ができる? っは、子供はねんねしてな」
アリエールはそういって1本の触手をハリーに向かってとばす。
触手が猛スピードで突撃し、ハリーが触手に貫かれる直前。
世界が黒く染まり、触手の動きが止まった。
39
:
シュウ
:2013/04/23(火) 21:26:53 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「――――我、シェルラの地に眠る偉大なる神と契約を交わす者なり」
「!?」
暗闇からどこからともなく聞こえてくる女性の声。
その声にアリエールもマリーも、そしてハリーもたじろぐ。
「――――我、海を見守りしシェルラ神に望む」
暗黒世界を浄化する透き通るような言葉を紡ぎながら、村の方から浜に歩いてくる"女性"
「――――この世界を統べる器を持つ我に、その力を貸せ」
「な、なんだおお前は!?」
アリエールがなんとか声を絞り出し、問いかける。
そして女は、神と目の前のアリエールに向かって答える。
「――――我の名は、"モニカ"。成層圏まで跳べる聖女だ」
瞬間。モニカの頭上から雷が落ち、轟音とともにモニカの体を眩しく包んだ。
目の前にいきなり雷が落ち、目がくらんでしまった全員がようやく目を開けたそこにいたのは。
特性"her monica"の力により、スタイルチェンジした――――"ライトニングモニカ"
「サヨナラだ、アリエール。弱きものはただ朽ちるのみ」
ライトニングモニカは腰に差してあるモニックバーンをゆっくりと、見せつけるかのように天に掲げる。
その場にいる全員は動かなかった。いや、動くことができなかった。モニカから出る、溢れんばかりのプレッシャーによって。
モニックバーンの刀身に雷がまとい、その輝きが最高頂に達し、モニカは居合の構えをとる。
「モニックッ……サンダアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
モニカは力の限り、刀を振り切った。
アリエール「いやぁあああああああああああああああああああああああ!!?!!?!??!?!?!!??!?!?!!??」
雷光一閃。モニックサンダーの威力はすさまじく、ほとばしる電撃と共に暴風を巻き起こし、浜辺はもはや原型をとどめることはできないほどに破壊されてしまった。
「……」
終わったか、とモニカはモニックバーンを腰に戻し村へと戻ろうとした。
が、跡形もなく死んだはずの奴の声が聞こえてきた。
「まぁだだ……まだ終わっちゃいねぇぞ……」
「へぇ……やるじゃん」
モニカはさすがは魔王の幹部と見直しながら目を戻す。
「っへ、まぁな。俺は強力洗剤アリエールだからな……」
なんとか元の姿を保っているアリエールが海の中から立ち上がった。
「でも、終わりだね」
「っは、何言ってやがる。勝負はまだまだこれから――――ッ!?」
アリエールはモニカに向かって手をかざし、何かを放とうとしたのだが
首筋に嫌な感触を感じて、振り返った時には遅かった。
「待ち焦がれたぜぇ……?」
「んなッ……」
アリエールに気づかれずに後ろに這いより、凶刃な刃物を首筋に当てていたのは
"死神ノ使者"――レモン汁だった。
40
:
シュウ
:2013/04/26(金) 22:18:22 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
「レモンのお兄さん、ありがとう!」
「……」
「おい、マスオさん。モニカとレモン汁が帰ってきたぞ」
魔王の幹部、アリエールとの戦いが終わりモニカとレモン汁はカツオ達の下へと戻ってきた。
「え? あぁ、あぁ? 女の子も一緒だけどどうしたの?」
「……」
「あのねあのね! 私レモンのお兄さんのお嫁さんになるの!」
「え、レモン汁、村長の葬式抜けてナンパしてたの? しかも幼女?」
「……」
「モニカさん、どういうことなんだい?」
「モニカッ」
「あぁー、なるほどねぇ。ごめん何言ってるかわかんないや」
「レモンのお兄さんはね! 私を助けてくれたヒーローなの!」
そういってマリーはレモン汁に激しく抱き着いた。ゆにばぁーす!と言いながら。
「……」
「……」
マリーは幸せそうにとろけた笑顔を「ちーむわーくでぇ」と言いながら見せる。
「ふぅ。まぁいいや、んで幹部を倒したってのは本当か?」
「モニカ!」
「おーけー、んじゃさっさとこの村を出るか」
「えっー!? レモンのお兄さんいっちゃうの?」
「……」
「えぇー、私さびしいなぁ……(チラッチラッ」
「……」
「よし、じゃあ私もついてく!」
「な、幼女は村でおとなしくしてろや。魔物にあったらどうすんだ」
「大丈夫だもーん。絶対大ジョブだもーん」
「というよりも、連れて行ってほしいんだぁー」
「どうしてだ?」
「あの魔物との戦いが終わってから、ハリーくんおかしくなっちゃって……いつも変なこといってくるんだ」
「そうか……まぁ、男には狂い咲きたいときがあるからな」
「マリイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
「ほらきた!」
「スカートを飛ばす!スカートを飛ばす!!」
「ほ、ほらはやくみんな出発しよ!!」
「え、あ、ああああああわかったわかったから押すなって!」
「マリーは、僕が守る!!」
「坊主……、死ぬか?」
「レモン汁! ガキ相手に何やってんだ! 早くしろ!」
「……承知」
「ま、まりいいいいいいいいいいいいいまってよおおおおおおおおおおおひやああああああああああああ」
まだ子供の悲鳴がシェルラ村に響き、新たな屍が増えた。
――さようなら、僕のマリベル。
41
:
シュウ
:2013/05/23(木) 20:02:33 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「そういやレモン汁。さっきの小僧はどうしたんだ? ハリーとか言ったが」
「……」
「なるほどな。 その鎌に付いた血を見ればわかる」
「なら何故聞いたんだいカツオ君?」
「っふ、いやぁあまりにも暇だったもんでさ」
「モニカッ!?」
「モニカもこう言ってるしさ、暇なんだわ」
「レモン汁さんかっこいい……(にやぁ」
「うん。このちびっこは楽しそうだけどな」
アリエールを倒し、シェルラ村を後にしたカツオ一行は次の町を目指して歩いていた。
「んでも、まさかあのちびっこがこんないいもんもってるとはな」
カツオは手に持った古ぼけた地図を広げた。
「そうだね〜。まさかマリーちゃんが、アリエールのドロップした地図を拾っていたとは僕も思わなかったよ」
「凄いでしょ〜! ほめてほめて〜!」
「小娘。よくやった。レモン汁に抱き着くことを許可する」
「やったああああ! ゆにばぁああああす!」
「……」
マリーがレモン汁に猛烈な抱き着きをかましている横で、マスオとカツオが声をひそめ、言葉を交わす。
「(マスオさんこれはレモン汁の性格を直すのに良いかもしれないぜ)」
「(そうだねカツオくん。レモン汁のギスギスした空気もなくなるとこっちもやりやすくなるね)」
「はぁはぁ、ゆ、ゆにばぁあああすぅぅぅ///」「……」
「それで、次の町はどんな町なんだい? カツオくん」
「詳しいことはわからないが、町の名前は<<ニーヤ>>っていうみたいだな」
「ニーヤっていうんだー。まぁもうすぐ着くしどんな町かすぐわかるね」
「そうだな」
42
:
シュウ
:2013/05/23(木) 20:48:06 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「やぁここはニーヤの町だよ!」
「お決まりのセリフどうもありがとう」
カツオは笑顔で感謝の意を示した。
「絶望に眠れ」
レモン汁のアナトミックサイズがきらめき、そこには肉塊ができあがった。
「ちょ、レモン汁なにやってんだよ!」
「……」
「珍しくしゃべったかと思えばこれだよ……おい、マリーどうにかしろ」
「おっけー! 任せて!」
後ろでマリーがレモン汁に多段ゆにばぁーすを加えている間に、モニカは上空に飛び上がった。
「怪しげな気が3つ……あそこか」
モニカはニーヤの町を視界に収められるほど飛び上がり、上空で静止する。
「恐怖を感じるまもなく殺してあげよう」
モニカは静止した状態から、モニックバーンを天に掲げて目を閉じた。
「なぁ、モニカの姿が見えないんだけど誰か知らない?」
「……」「ゆにばぁぁす///」
「モニカさんは、たぶん気になることがあるから独自に動いているんだよカツオ君」
「ふーんそうか、まぁいいや。俺らは町に入ろうぜ」
上空にモニカを残し、カツオ達はニーヤ町の中に入っていった。
43
:
シュウ
:2013/05/23(木) 20:53:38 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「お兄さんお兄さん! そこのお兄さんだよ!」
「え? 俺?」
「そうだよハゲ! この武器買えよハゲ!」
「はぁ、なんなんだここ。人大杉だろ……」
ニーヤ町――ここは、若者が多く活気あふれる町だ。人の海をかき分けながら進まなければならないほどに、町はにぎわっている。
「ちょ、カツオくん! まってまt」
「ん? 今、マスオさんの声が……というかあいつらどこいった」
「はぐれちまったぜ!」
ったく、どうしたもんかね。とりあえず。
「武器屋のおっちゃん、武器見せてくれよ」
カツオは武器を見て時間をつぶすことにした。
44
:
シュウ
:2013/05/26(日) 09:40:04 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「お〜とこには〜自分の〜世界〜が〜ある〜♪」
ここは町の一角。1段高くなっているステージでは、可憐な少女がルパン三世のテーマを歌っていた。
「いいぞー!お嬢ちゃんいいぞー!」
少女の元気あふれる声に観客が湧く。何故ルパンなのかそこには誰もつっこまない。
「……」
レモン汁は、観客席の端の壁に寄りかかりながら、ステージをみやる。
マリー。シェルラ村で出会った娘。何故か俺に付きまとう少女だ。
カツオ達とはぐれてしまった後、喉自慢大会にマリーが参加したいというので飛び入りで参加した。
マリーの若く張りのある声はとても魅力的で、どの参加者よりも観客が盛り上がっていた。
もちろん、声だけでなくチャーミングな容姿やルパンという選曲も重なってか、その歓声はすさまじい。
「わたしの〜心は〜あなたに盗まれて〜(チラッチラ」
曲も後半に入ったが、ところどころ歌詞がおかしい。そしてこちらをチラ見してくるあたり、レモン汁を意識しているようだ。
……悪い子ではないんだがな。
レモン汁は空を見上げて深呼吸した。
そして、右手にある壁に拳をたたきつけた。
「わ、わ」
壁が音を立て崩れる。その中から現れたのはみすぼらしい姿をした女性だった。
「……」
「な、なんで私がここにいることわかっちゃったりんぐりんぐ!?!?」
レモン汁は無言で女性を見つめる。
邪な気配を感じて壁を破壊したレモン汁は、女性をさらに凝視する。
「え、あれ……あなた……」
レモン汁は目の前にいる女性が誰なのかやっと理解し、はっとして目を見開いた。
ここにいるはずのない女性がそこにいた。
「レモン汁……さん?」
45
:
シュウ
:2013/05/27(月) 20:32:52 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「君は……っ!」
「レモン汁さんっ!」
レモン汁が声を出すほどの人間。
それは、黒獣魔物にやられたと思っていた彼女だった。
崩壊したレモン汁の故郷、グランレモネードで出会い、二人で旅をしていた彼女だったのだ。
彼女は涙を流しながらレモン汁に抱きつく。レモン汁も抱きとめる。
「生きて、いたんだね」
彼女は黙ってうなずく。
そして、しばらく抱き合っていたが、彼女は思い出したようにレモン汁の手をとり走り出そうとした。
「……ど、どうしたんだ?」
「話は後です!ついてきてください!」
「あ、ああ!」
暗い脇道に向かって走りだす二人。
レモン汁は思わず顔がほころぶのを感じた。
懐かしいな。こうやって二人で走るのは。
「レモンの……お兄さん……」
そこに、一部始終を見ていたマリーを残して。
46
:
シュウ
:2013/05/28(火) 03:51:24 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「そういう……ことだったのか」
レモン汁は飲んでいた水をテーブルにおき、彼女の顔をみた。
彼女――"ラミア"から居酒屋で話を聞いていた。
話の内容はレモン汁と別れた場所から今までのことだ。
ラミアは黒獣魔物に襲われた際に、命からがら逃げ出した。
だが、持ち物は逃げる時に落としてしまい何もない状態だった。
当然、お金もないので食べ物や水も買えなくて飢え死にしそうになっていた。
もう体に力も入らず、道端で倒れて神に祈ることくらいしかできないときに現れたのが、ここの領主だったそうだ。
領主はラミアを城に連れてゆき、彼女に食事を与え、住む場所を与えた。
城の仕事をこなすことで、城の一室を借りることができ食事にも困らない、いい人に巡り合えた。とラミアは思った。
だが、それは表の顔だった。
「ラミア、夜伽を申し付ける」
ある日突然、夜伽を申し付けられたのだ。
驚いて、同僚の女性にも聞いてみたのだが、ここの領主は相当な女好きのようだった。
なるほど……、だから私を拾ったということね。
いい人だと思っていた領主は、夜中に女を部屋に招き、女の体をもてあそぶ変態だった。
そして、いくらなんでもそれは不快だったのでラミアは城を抜け出して、ニーヤ町から出ようとしていた矢先。
レモン汁と再会したのだった。
47
:
シュウ
:2013/05/29(水) 07:46:49 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「だから、私と一緒に逃げましょう? レモン汁さん」
「……」
レモン汁は、その誘いに素直にうなずいていいものか苦悩する。
今はカツオ達と旅を共にしており、ここで抜けてもよいのか。仮にも仲間だ。
あ、ならばラミアも仲間に加えればよいのではないだろうか。
「今、俺は旅を共にする仲間がいるんだ。ラミアも一緒にこないか」
「あ、そうなんですね! じゃあお言葉に甘えて――」
その時、居酒屋に大きな音が響いた。
「ここにラミアとかいう女はいるかぁ!?」
数人の男が荒々しく声をあげ、ずんずんと入ってきた。
「あれは、追手……のようだな」
「ですね……」
レモン汁とラミアは気配をなるべく消しながら裏口のほうへ向かった。
「んっ〜……? この臭い……このとろけるような甘いパンツの臭いは……」
追手の一人が、くんくんとあたりを嗅ぐ。そして見つかった。
「レモン汁さん!」
「ああ!」
二人は一気に走り出した。カツオ達を探しに、とりあえずは町中央にある大きな広場へと。
48
:
シュウ
:2013/06/01(土) 04:09:56 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「んっ〜、みんなどこいっちゃったんだろう……」
マスオは道行く人に奇怪な目で見られながら、町をさまよっていた。
「なにあれ……」「まじきしょ……」
「うっわ……」「死ねよ……」
(皆、僕のことを意識してるみたいなんだけど///)
「ふぅ」
マスオは色っぽく息を吐き、髪をかきあげる動作をした。
「おぇええ」「きっも」「髪ないのになにやってんだよあいつ」「まじきめぇ」
(うふふ、僕の魅力でいちころさ///)
皆の視線を独り占めしていたマスオは大きな広場へと向かっていた。
皆集まるならきっとここのあたりだよね。ん? あれは……。
「ユニヴァアアアアアアアアアアアアス!!」
「や、やめてくれよ嬢ちゃん」
前方に果物屋を激しく揺らし、破壊しようとしているマリーがいた。
「うわああああ、うあっわあああああああああああ」
「ひぃいいいい」
泣き叫んでいるマリーの顔には悲しみが浮かんでいる。
マスオは何とか止めさせないと! とマリーに近づいた。
49
:
シュウ
:2013/06/03(月) 03:48:34 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「一体どうしたんだいマリーちゃん」
「……」
マスオは大きな広場にある長い椅子にマリーと座り、話を聞いていた。
「何か嫌なことでもあったのかい?」
「……レモンのお兄さんが」
「ん?」
「レモンのお兄さんが、女と一緒に……うわああああああああああああ」
「わぁ、落ち着いてよマリーちゃん!」
(レモン汁さんが女と……? まさかね)
大きな広場にマリーの泣き叫ぶ声が響く。
マスオは仕方ない、と近くのアイスクリーム店にむかった。
すると、一人になったマリーに近づく影が……。
「やぁ、お嬢さん。大丈夫?」
すっ、と綺麗に折りたたまれたハンカチを差し出す男性。
「僕でよければ、話を聞くよ?」
そいつは――このニーヤ町の領主だった。
50
:
シュウ
:2013/06/05(水) 05:50:55 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「うおわうおわううおるうえううえうえええええ」
「そうかいそうかい、それは辛かったね」
ここは領主の城。その一室である。
「マリーちゃんそんな辛いことは忘れてさ、ここに住まないかい?」
「ここなら、ふかふかのベッドもあるし、豪華な食事や洋服もある」
「幸せに暮らせるよ」
「ゆにゆにあばあばばばあああ」
「そうか! いい返事だ! じゃあマリーちゃんはここの部屋を使ってね」
「じゃあ僕は用事があるから。また夜にね(にやぁ」
領主が部屋から出ていき、ドアが音を立てて閉まる。
「……」
マリーは茫然自失として、窓から空を見上げていた。
51
:
シュウ
:2013/06/06(木) 06:15:06 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「あっれ〜、マリーちゃんどこにいったんだろう……」
アイスクリームを手に持ち、広場でマリーを探すマスオ。
「おむつ替えに行ったのかな……ぼくもそろそろ替えとかなきゃ……よいしょ!」
「おいマスオさん。何やってんだ」
「あれカツオくんじゃないか! よかったよかった! 探してたんだよー」
「この町は人が多くてすぐはぐれちまうな、レモン汁達はどうした?」
「いやそれが」
広場の向こうから駆けてくる二人が声をかけてきた。
「またせたな……」
「こ、こんにちわ……」
息も絶え絶えに声を出すレモン汁とラミアだ。
「噂をすればってか。レモン汁……何か雰囲気変わったな」
「確かに変わったみたいだね……そちらの女性は?」
「この娘は……」
「レモン汁さんに命を助けて頂いたんです」
「ほう」
「それで、よろしければご一緒させていただいてもよろしいでしょうか」
「まぁ、俺たちは」「いいんじゃないかな」
カツオとマスオさんはためらうことなくうなずいた。
「あとは、マリーか……」
カツオは呟きながら、大空を見上げた。
52
:
シュウ
:2013/06/24(月) 16:48:13 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「大いなる神々よ……我、モニカの前に姿を現せ」
モニカは両手を広げ、上空で召喚の舞を踊っていた。
このモニカの技。――召喚の舞は
モニカの華麗なダンスに見惚れた神が現世に顕現するというものだ。
「モニカッ!モニ!カッ!!」
モニカは激しく体を動かし、鋭い嬌声をあげる。
そして、モニカの舞もいよいよ終盤。空の色が紅く染まり始めた。
モニカはラストスパートをかけ、今まで以上に動く。
「モニカアアアアアアアア!!」
雷が空を駆け巡った。そして
「我を、呼び出した者は……おぬしか、えっ」
「ふん、お前か。ポイズン」
「えっモニカさんじゃないですか。ポイズウゥゥゥウウゥン!?ポイズン!?」
「相変わらずうるさいなお前」
「ご、ごめんなさい。それで今日は何の御用で?」
「ああ、少しお前の力を頂こうと思ってな」
「あ、あぁ^〜、少し!少しですね?なるほどなるほどふぅ〜↑」
「さ、手を出せ」
「分かりましたよ……。と思いました?今までずっと下手にでてりゃいい気になりやがってこのくs」
「は?」
「はい。どうぞ存分にご堪能くださいませ我が力」スッ
「ふん、それでいい」
53
:
シュウ
:2013/06/27(木) 12:37:32 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
★ ★ ★
モニカがポイズンの手を握る。
するとポイズンの体から紫色の光がモニカに流れ出す。
「あぁぁあぁぁぁぁあ・・・・・・・」
ポイズンが昇天しそうな声をあげる。
「いいねぇ、いいよぉ!」
モニカはテンションが高い。
そしてモニカはさらに手を握りしめた。
「ちょ、これ以上はモニカさんやばいっすまじで!」
「いいじゃん?さいこージャン?」
「ヒッ」
ポイズンの体からさらに輝きがモニカに移る。
流石にこれ以上は身の危険を感じたのかポイズンは無理やり手を振りほどいた。
「はぁhぁxはxはぁ」
「おい」
「ははhぁhぁxはhぁ」
「へぇーそういうことするんだ」
「お、おおおっぱいもむもん!!」
ポイズンは何を思ったかモニカに抱き着いた!!
そして、モニカの胸を激しく揉み始めた!!
「……」
モニカはその様子を見ていた。
ポイズンの後ろで。
ポイズンは目の前のモニカ()にむしゃぶりついている。
ポイズンは、モニカから反応がないのはおかしいなと、思い顔をあげた。
すると後ろから声が聞こえた。
「それ、あたしじゃなくてただの人形だから」
「えっ」
モニカはポイズンの後ろから甘くささやいた。
「さよならだ、ポイズン……んっ」
モニカは右手をポイズンの背中に付き刺し、ポイズンの命を絶った。
「ポ、ポイズウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!!」
ポイズンの死の叫びが、世界に響き渡った。
54
:
シュウ
:2013/06/30(日) 09:00:26 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「さぁて、始めよう。面白いゲームを」
ポイズンの力を得たモニカは不敵な笑みを浮かべ、手を下のニーヤ町に向けてかざした。
すると、ニーヤ町の周辺から紫色の霧が湧いてきた。
そして、徐々に霧が濃くなり、ニーヤ町を犯していく。
「見物見物♪」
モニカは空から高みの見物を始めた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
町の入り口にいる男「な、なんだこの霧は!」
町の入り口にいる女「これは……スゥーー……ッは!これは妖霧よ!皆吸っちゃだめよ!」
男「って、お前吸ってんじゃねぇか!」
女「あ、わ、私は大丈夫ぶぶぶぶぶだから!!」
男「え、いやお前なんか体の色おかしくなってねぇか……?」
女「ヴっヴヴうヴヴ、ヴッヴー!ヴィヴ!」
男「ひぃ!何言ってんだよわけわかんねぇよ!」
女「飛翔★ヴィリムリア改」
妖霧によって、体の色が紫色に変わり、体つきが淫魔のようにセクシーになった女が男に襲いかかる。
モニカ「この霧は、吸った人間の欲望を強化する……はずなんだけど」
まぁいっか、とモニカは笑っていた。
55
:
シュウ
:2013/07/03(水) 10:54:26 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
「ん? 何か町が騒がしくねーか?」
カツオ達はマリーを探すため、この町の目立つ場所を色々回っていた。
「そうだねェ……、あ、カツオ君! あれをみて!」
マスオがみんなに示すように指差したその先。
町の入り口の方から紫色の怪しい霧が迫ってきていた。
「レモン汁さん……」ヒシッ
「大丈夫だよ」ギュ
「「…………(チュ」」
「マスオさん、ちょっと俺見ていられないんだが?」
「奇遇だね。僕も、なんだ」バギッ
そうこうしているうちに霧がカツオ達の近くまできていた。
「ちょ、とりあえず逃げるぞ!」
「逃げるってどこにだいカツオくん!」
「とりあえずあのでっかい建物ん中だ!!」
カツオ達は命からがら、この町一番の大きな建物へと向かった。
つまり、領主の城に向かったのだった。
56
:
シュウ
:2015/05/20(水) 13:01:32 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
俺の名はマリオデルモナコ。探偵さ。
世間では今、『謎の美少女戦士』という女が暴れまわっているらしい。
この話を聞いて、ティーンときた。俺が動くときがきた、と。
そうと決まれば助手を呼ぶことにする。おーい。
助手「呼びましたか?」
マリオ「おう」
助手「ちまたで騒がれているあの件ですか?」
マリオ「そうだ、何か知っているか」
助手「知ってます知ってます、ええ知ってますとも」
助手は、俺にナイフを突きたてこう言った。
助手「モニックバアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!」
マリオ「うおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!?」
俺はギリギリのところでナイフを避けた。そして慌てて家から飛び出した。
マリオ「一体なんだったんだ」
助手はいつも温厚で「モニkyァ」「mニッカ」「モァイカ」と3つの言葉しか喋れなかったは
ずなのだが。きっと変な薬を呑んでしまったんだ。そうにちがいない。
仕方ない。自分の足で探すとするか。
マリオ「その首、頂いていく!!!!!!!!!!ふん!!!!」
俺はこの大陸の一番でかい城に侵入した。
57
:
シュウ
:2015/05/20(水) 13:02:24 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
マリオ「さて、、、侵入したぜ」
マリオ「ここからとりあえず王室へ向かうぞ」
お、あそこに兵士がいるな。耳を立ててみるか。
見張りの兵士1「なぁ・・・なんか暇じゃね?」
兵士2「暇だなぁ・・・」
兵士1「なぁ・・・なんか最近騒がしいらしいじゃん?」
兵士2「あぁ・・・謎の美少女戦士ってやつだろ」
兵士1「それなぁ・・・噂ではサキュバスらしいぞ」
兵士2「なんだそれ・・・どれがホントの話なのかわからんな」
兵士1「ホントそれなアァァァアァァァ!!!!!!!!!」グサッ
兵士2「!?!?!??!?!?!?」
兵士1は絶命した。そしてその後ろにいるのは女。
???「モィカァ・・・モカァ・・・」
兵士2「ひっひぃいいいいいいいいいいい」
兵士2はやりを構えた。そして謎の女に向け突き出した。
兵士2「俺の力。味わってみるかい?」
兵士2は死んだ。
???「大したことないわね。ここもさくっと制圧かしら」
???「さ、この奥ね王室は」
謎の女は去っていった。
58
:
シュウ
:2015/05/20(水) 13:02:58 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
マリオ「・・・」
一部始終を見ていたマリオは戦慄していた。あれは、助手だったはず。。。
マリオ「なにがおきている・・・この世界はどうなっているんだ」
マリオはわけもわからず王室へと急ぐことにした。
王室にて。
王「フォッフォオッフォ」
姫「はぁ・・・暇ですわ」
王「フォッフォフォオ」
姫「何か面白いこと起きないかしら」
王「フォフォ?」
姫「どうなさったんですかお父様」
王「フォフォウ。マルフォイ。ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおwwwwwww」
王は死んだ。
姫「お、お父様・・・?」
???「はぁはぁ」
姫「だれあなた!!」
マリオ「よかった間に合ったみたいだな!!!さあこっちへ!!」
姫「えっ?」
マリオは姫を王室から連れ出し屋上へ。
59
:
シュウ
:2015/05/20(水) 13:04:19 HOST:KHP059141045012.ppp-bb.dion.ne.jp
屋上。
姫「お父様を殺して、私をどうするつもり!?」
マリオ「まあ聞いてくれ、あれは君のお父様ではない俺の助手だ」
姫「何を言っているの」
マリオ「とにかく、君は早く逃げなさい」
姫「なによアンタ!!!」バシッ
マリオ「ふぐぅあ!!!!!!!!」
姫「ふん、死になさい」
姫はこの城だけでなく城下町ですら覆うほどの暗雲を呼び寄せる。
マリオ「まて!!!!無実の人間を巻き込むんじゃない!!!」
姫「うるさいわね!!!!!!!」
姫は呪文を唱え出す。この呪文は、、、死の呪文!!まずい!!全員死ぬ!!
マリオはもうどうにでもなれと、城の屋上から身を投げ出した。
姫「死ね!!!!!!!!!!!!1」
ここ一帯に死の呪文がかけられた。
マリオ「俺は・・・生きているのか」
あれから、、、城と城下町に住んでいる人は死んだ。死の呪文により全てが滅んでしまった。俺は何故か息があることに驚きを隠せない。
???「ええ生きているわ」
そう。この助手・・・ちまたを騒がせていた張本人と何故一緒にいるのかも。
次回予告。
探偵マリオデルモナコは、謎の美少女戦士を探そうとした矢先、姫の錯乱により死の町と化してしまった故郷から旅立つ。傍らには助手。必殺技はモニックバーンらしい。きっとこい
つが犯人だ。助手あらためモニカと共に歩き出す。
次回!!「モニカとマリオ」 乞うご期待!!
60
:
星槎学園北斗校の中田春菜
:2016/08/09(火) 22:58:30 HOST:scgn-b6ec0c1b.sec.ppp.nifty.com
私のプロフィールを紹介するね♪♪
本名 中田 春菜(なかた はるな)
性別 女
住み 神奈川県相模原市中央区富士見
学校 星槎学園中高等部北斗校(せいさがくえんちゅうこうとうぶほくとこう)
学年 高3
生年月日 1998年4月2日
年齢 18歳
性格 ぶりっこ、腹黒、変態、寂しがり屋
好きなタイプの男性 エロい人
好きな芸能人 Hey! Say! JUMP(伊野尾慧くん)、乃木坂46(生駒里奈ちゃん)、E-girls、西野カナ、miwa、A.B.C-Z(五関晃一くんと塚田僚一くん)、嵐(櫻井翔くん)
胸のサイズ Bカップ
身長 146センチ
体重 50キロ
ツイッター
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