[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
序章:滅亡の過去 Ghost-Sentinel
1
:
名無しさん
:2015/11/07(土) 16:56:44
2013年 2月13日 9時26分
ロシア ウラル地方 チェリャビンスク州
「Метеорит падает!」
「Побег, умирают!」
ロシアに隕石「KEF-2013」が落着したその時刻に、もうひとつの隕石が人知れず落着していた。
「シクレ・メチオリータ」”秘密の隕石”と呼ばれる鉱物である。
位置はベンガル湾 スリランカ近海北東750km。
しかし、これの落着が観測されず、マスメディアにも伝わっていない。
それもそのはず、出現したのは海上わずか10m、そこから海面までの落下なのだから。
その「シクレ・メチオリータ」がどこからその海上10mから出現したのか?
不明である。
同時刻、インド洋にて所属不明の大型ヘリ及び複数の輸送機が確認された。
5年後 2018年 8月6日
約12年前の2006年6月下旬、RIL社がベンガル湾深海にて大規模な原油及びガス田を発見。
これによりインド近海における原油採掘が活発化。
しかしそのRIL社とそのパートナー企業のNR社を4年前の2014年にある企業が合計数百億ドルで買収。
「サニーサテライツ・リソース・デベロップメンツ」、通称SRD。
そのSRDが建設した遠洋油田開発プラットホームがついに完成したのである。
この完成セレモニーにおいてCEOであるジャクソン・D・グレイド氏は、
「原油やガスだけでなくメタンハイドレードはおろか、
”あの核”をも越える強大な資源を人類に提供することをSRDは約束します」
と高らかにスピーチしたのである。
約102時間後 2018年 8月11日
北センチネル島近海 南西約120km
<<ジョン 俺達PMScs”トパーズ・ガード”に仕事が飛び込んだ。
かの石器時代部族と呼ばれるセンチネル族にVIPのご息女が乗り込んだ。
名前はカーラ・テレル。学会でも話題のドレイムス・テレル博士の娘さんだ。
38時間前にロンドンを飛び出しおそらくインドのデリーからアンダマン諸島へ。
ドレイムス教授の自室PCから『北センチネル島』を検索した履歴を発見。
おそらくそこに居るだろう・・・
今回の依頼主は無論、ドレイムス教授からだ。
じゃじゃ馬娘を無傷でとっ捕まえてイギリスのまずい飯を食わせろ、と。>>
二枚目ボイスな「トニー」からのブリーフィングを聞き終えた「ジョン」は、装備品をせわしなく体中に張り付けた。
「了解 これよりミッションを開始する」
救難ヘリのモデル60F。
それに必要最低限の武装を装備したPMScsカスタムの機内には万が一の簡易的な手術の機材が持ち込まれていた。
「武装したドクターヘリねぇ・・・」とジョンが呟くが、ローターの轟音で「トニー」やパイロットには聞こえなかった。
2
:
名無しさん
:2015/11/07(土) 17:39:31
<<ジョン、センチネル族は他民族・・・
つまりカーラお嬢や俺達とのコンタクトはお断りだそうだ。
14年前のスマトラ沖地震でも救援物資を積んだヘリに矢を飛ばしたらしい。
2006年にはカニ漁をしていた男性二人が不幸にも遭難し、センチネル島に漂着、
弓矢で射られてお陀仏になった。
その遺体をインド政府が回収しようとしても弓矢の雨で追い払われた、というほどだ。
アンダマンニコバル諸島当局も彼らの生活への干渉をしないと公言・・・。
そこで俺達PMScsの出番だ。無理にでもカーラを救出するんだ。
・・・汚れ仕事はPMCに流れる・・・・>>
「ああ、シリアでも変わらなかった」
トニーとジョンはお互いにアラブの春が呼んだ災厄を思い出した。
今もなおあの地は戦禍が激化し、かつての中東を取り戻すには早くてあと30年かかるだろう。
<<まもなく到着です、ジョン。 成功を祈ります>>
「わかった、そっちも矢ごときで堕ちるなよ」
2018年 8月11日 AM11:23 北センチネル島南西部 海岸付近
ジョンが上陸し、すぐさまヘリの機体に矢じりがぶつかった。
<<ヘリの接近に気づいたようだな、離脱させる。
ジョン そこから離れるんだ。
いくら現代武器の小銃といえど一対多の戦闘は勝ち目がない>>
すぐさま十数キロをも超える重量の装備で走るハメになるジョンだが、苦ではなかった。
カラシニコフ小銃のコピーの弾薬に手足をやられた痛みより遥かに辛くないのだ。
とはいえ、モデル60Fが逃げるように遠洋へと飛んでいくサマを見ている余裕はなかった。
ジョンはセンチネル族の攻撃を回避すべく、すぐさま森の中へと入っていった。
意味のわからない言葉を発する原住民の叫び声がいつまでも続く。
8月11日 AM12:10
鬱蒼した木々をかきわけ、彼らの追撃をかわしつつ、カーラの居場所を探すジョン。
センチネル族も槍を構え、ジョンを野生の勘で探している。
<<いいか、ターゲットの回収を優先するんだ 彼らに見つかるな>>
とっさにジョンはホルスターからハンドガンを取り出した。
彼のサイドアームである1911のジョンカスタムはスパイク付きのマズルガード、
スライド後部にハンマーシュラウド、アンダーバレルにレーザーサイトを装備。
<<ジョン、部族民権利保護団体のSIとのいざこざを避けるためセンチネル族の殺傷はダメだ。
通用しないだろうが、可能な限り威嚇射撃程度か危険動物の排除にそれを使え>>
トニーからの無茶難題を聞いたジョンは顔をしかめた。
「正気か?止むを得ない場合は撃つぞ」
<<・・・・ターゲットのじゃじゃ馬を人質にとった場合は許可する>>
「了解・・・」
十数分にわたり木々を掻き分け、やっと村と思わしき集落が見えてきた。
「こちらジョン、集落を発見 ターゲットが居ないか・・・いや、待て」
村の様子がおかしい。
ジョンやヘリを発見しているのに警戒をしているどころか、すでに死んでいるセンチネル族も居る。
火あぶりにされて消し炭になっていたり、首から上が消滅している死体、それから・・・・
<<どうした?>>
トニーからの通信と同時に、センチネル族が発する悲鳴が聞こえた。
続いて、他のセンチネルの腰から上が鋼鉄のティラノサウルスの首に食われて消えた。
さらに爆発音と断末魔も聞こえた。他の組織の襲撃だろうか。
「CP CP センチネル族が攻撃されている、俺じゃない」
<<なんだと?内ゲバじゃあるまい>>
「それに鋼鉄の恐竜がセンチネルを食い、爆発も確認した。」
<<何を言っている、ジョン!?>>
トニーがうろたえるのも無理ではない。
「・・・・・未知の敵だ」
3
:
名無しさん
:2015/11/07(土) 18:29:37
その未知数の敵の姿は異様すぎた。
全身を覆う返り血で染まったローブと、顔を隠す真紅の仮面。
さらに驚くべきことに、身長は160あるかないか・・・。
おそらく少年兵だろう。だが、こいつがセンチネル族をやったというのか。
ありえない。あの鋼鉄のティラノはどこから出てきた?
この島で何が起きている?
「トニー・・・」
<<ああ、こちらでも確認した。あれは死神のつもりか?
それに、センチネル族の攻撃が気づけば止んでいる。
ヤツとその仲間が殲滅したのかもしれない。
ともかく、ヤツとの戦闘は必ず避けるんだ>>
AM12:45
赤いローブの死神はまだこちらに気づいていない。
気づかれずターゲットの救出を行わなければならない。
「ン・・・・・。」
息を潜め、匍匐で集落の建物へ迂回して近づく。
<<慎重に行け・・・・>>
真紅のローブをまとった「少年」はセンチネル族の死体を見ていた。
しばらくして、懐からC4爆弾を取り出し、全ての小屋へとひとつずつ取り付けた。
「・・・・・。」
<<・・・・・・! ・・・・・・。 ・・・・・!!>>
無線で誰かと連絡していたようだが、暗号化された音声が流れてきている。
「・・・・・・・・。」
最初からジョンを殺傷する目的ではないのか、赤い死神の少年は集落を去っていった。
<<C4を設置・・・この集落を吹っ飛ばす気か。
急いでカーラを探してくれ>>
「了解・・・!」
匍匐で伏せている状態から一気に立ち上がり、迅速かつ的確に集落へ潜入した。
小屋は全部で5つ、まずは左から順に探していく。
一つ目。
「・・・・・これじゃない」
センチネル族の死体、約7.6ミリの風穴が頭部に複数開いていた。
二つ目。
「・・・・ここでもない」
槍や弓を保管する倉庫のようだ。
三つ目。
「・・・なんだこれは?」
食糧庫・・・らしいが、ネズミらしき動物にカジられている。
四つ目。
「・・・中に誰か居る」
うつ伏せになって動けないでいる人影がうっすら見えた。
<<ターゲットか? 確認するんだ>>
フラッシュライトで人影がカーラかどうか確かめる。
「ん・・・・・ぐ・・・・」
タンクトップ一枚と下着しかない姿だった。
ティーンエイジャーの甘い声がジョンの耳朶をくすぐった。
「恐らくターゲットだ・・・・。
PMScs トパーズ・ガードです、あなたを救出しに来ました」
ジョンはフラッシュでターゲットの顔を詳しく確認した。
「・・・んぐ・・・」
栗毛に碧眼、ブリーフィングで見た写真どおりの顔だった。
「聞こえますね?歩けますか?
歩けるなら 頷いてください」
「いやだ・・・・」
声を震わせ、涙目に拒む。
首を横に振るカーラをどうにか連れ出さねばならない。
「そうは言ってられません、仕事ですので」
「ちがう・・・あかいあくまに・・・」
「ヤツか・・・・私が護衛します、安心して・・・」
「あし・・・やられた・・・」
脚に銃創が複数あるが、応急処置が施されている。
<<負傷したターゲットをセンチネル族が・・・?>>
「まさか・・・弓で殺してしまうはずだぞ」
バラクラバを被っている自分の顔がわからなかった。
<<理由は不明だが、とにかくその足では自力で歩けない。
担いでランデブーポイントまで向かってくれ。島の北東だ>>
「・・・止むを得ません。背負いますので、しっかり掴まっていて下さい」
カーラの手を掴み引き上げ、背中へと預けた。
ジョンに背負われた彼女の柔肌がBDUやタクティカルベストと擦れあう。
<<よし、ランデブーポイントまで移動してくれ>>
4
:
名無しさん
:2015/11/07(土) 18:52:30
PM 01:02
「・・・・・」
カーラを背負って北東へ向かうジョンが見えた。
「・・・・・・・」
<<・・・・!!>>
「・・・・」
暗号化された通信に対し頷き、人とは思えない跳躍力でジョンの目の前へ飛び降りた。
<<見つかった・・・・・!!>>
「・・・・・・」
赤い死神。ソイツの左手にはC4の起爆装置があり、起爆させた。
背後では爆炎が煙へと変わる集落。前方に死神。
<<無理をするな、戦闘を避けてランディングゾーンまで急ぐんだ>>
「了解・・・・」
1911を構えようとするが、とっさに死神が隠し持っていたマカロフの早撃ちで破壊された。
「ッ!?」
「・・・・・・」
異様に恐怖感を見せ付けるだけだろうか。
「あかい・・・あくま・・・・・」
カーラの視界に見えてはいけないものが見えている。
その状況から抜け出すには・・・。
ジャキンッ・・・!!
マチェットをローブの中から取り出し、死神がジョンへとびかかった。
「くそっ!!」
幸いマチェットは大振りで容易にかわせた。
<<まだ姿を現してないが、コイツの仲間も居るかもしれん・・・>>
そんなことはわかっている。
だが、アイツだけで手一杯だ。
ランデブーポイントへと逃げても奴は追いかけてくる。
<<・・・・。・・・・・!!>>
「・・・・・・」
命令を受け、ジョンの追撃を中止。
その場で棒立ちして、空を見上げる。
ランデブーポイントまで到着したジョンは、死神が追ってきていない事に気づいた。
<<なんだ・・・?諦めたのか?>>
「・・・ますますヤツの行動原理が不明だ。
センチネル族を殺し、カーラは動けないようにして・・・・
村を吹き飛ばす。だが、俺は殺さない。」
整合性がない。
<<まあいい・・・ミッション成功だ 乗ってくれ>>
ちょうどランデブーポイントに到着したモデル60Fにカーラを乗せ、続けて自分も乗り込んだ。
5
:
名無しさん
:2015/11/07(土) 21:34:31
14:04
南アンダマン島沖
モデル60F機内にはパイロット2名と万が一のメディック・・・それとトニーが居た。
輝かしいブロンドと対比し、右手と右目を失った隻眼の男。
ジョンとトニーはシリア内戦が激化し、PMCとしてジョンはスナイパー、トニーはスポッターとして活躍していた。
だがイスラム国に捕虜として収容され尋問を受けていたトニーを救うべく、ジョンは救出作戦に参加。
トニーは尋問により右手と右目を失い、ジョンは失うほどではなかったが手足に銃弾を合計十数発も浴びた。
今はもう狙撃銃と双眼鏡はないが、それでも戦い続ける。
「トニー、あの赤い死神は何者だ?」
「ヤツについて調べてみたが一切情報がない。
何から何まで不明だ・・・」
目的も、行動も。
「あの鋼鉄の恐竜の顔もワケがわからん。
ヤツの目的はセンチネル族を根絶やしにすること・・・と睨んでいる。
その理由が不明だ。それにお前を見逃したことも・・・・」
「それと、ターゲットのカーラはヤツに何かされたようだ。
・・・・何をされたんだ?」
「それも不明だ。謎しかない。
まあ・・・これを報告したところで頭の堅い上層部には眉唾モノと一蹴されるだろう。」
話はそれから数分にわたって続いたが、機内に運ばれて以来「あかいあくま」としかうわ言を呟かないカーラが、
「ばくだん・・・・・・ばくだん・・・・」
と、呟き始めた。
「爆弾?あのC4のことか?あれはもう爆破されたはずでは」
トニーがカーラに問いかけるが、「ばくだん」としか話さない。
「マチェット、C4、ハンドガンに恐らくは火炎放射器・・・
俺とセンチネル族に襲い掛かったものは・・・
あとは鋼鉄の恐竜・・・トニー。もしこれらが全てヤツ一人の仕業としたら?」
「・・・・・まさか。」
「子供が火炎放射器や鋼鉄の恐竜というのも可笑しいだろうが、
俺がカーラを運び出すときにヤツ以外の誰かが襲ってこれたはずだ。
カーラの言っている爆弾とは、何の爆弾か・・・・」
「・・・ジョンッ!!カーラを詳しく調べるんだ!!」
「ああ、やはりそうかもしれん!!」
カーラの体内に爆弾がある。そう確信するしかない。
タンクトップの下部を破くと、腹部に縫合されている跡があった。
「罠だったか・・・・!!人間爆弾というわけか!?」
「メディィィック!!」
トニーがメディックを叫ぶように呼んだ。
「はい・・・!!」
手袋を嵌め、積んできた機材を次々と起動させていく。
腹部の縫合糸を切ろうとメディックがハサミを手にした瞬間だった。
気づくのも、カーラを救いに来るのも遅かった。
ヘリの機内でカーラの腹部が強烈な閃光を放ち、その直後に爆発の光が空中を輝かせた。
<<メーデー・・・・!!>>
「ぐあああッ!!」
「ああああッ!!!」
同時刻 センチネル島 北東部 海岸
「・・・・・・・・。」
カーラとPMCは消した。
<<・・・・。・・・・、・・・・・。 ・・・・。>>
了解した。これにて、演習終了だ。ご苦労だ。
「・・・・・・・・・・。」
次の任務まで待機する。
<<・・・・・・・・・・・・・・・・・>>
近くに潜水艇を手配する 待機せよ
「・・・」
了解
6
:
名無しさん
:2015/11/07(土) 21:43:21
STARRING
JOHNNY "John" BOUNDS
THOMPSON "Tony" GOLDMAN
Vermilion "the VF" Face
Cara Terrell
Chopper Pilot
Medic
Sentinelese people
.
.
.
.
.
.
.
.
.
Prof. Dleinms Terrell
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板