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ここだけ魔法少女の街ロールスレ かけら1個目

1名無しの魔法少女さん:2015/03/10(火) 21:29:21 ID:3lXZAFE2
【瀬平戸市へようこそ】
ここ、瀬平戸市では昔から囁かれる都市伝説があります
集めると願いを叶える星のかけら
星のかけらを集めるために夜を駆ける少女たち
問題はこの都市伝説が真実であるということです

このスレはしたらば上でロールするためのスレとなっております
あなたの魔法少女をステキに動かしましょう
ただしこのスレの優先順位は高くありません
他に優先して使うスレがある場合はそちらをどうぞ

【星の欠片について】
いつの頃からか市内に出現する綺麗な石です
5個集めることで一生に一回だけ願いを叶えることができます
また、魔法少女なら使い潰ぶすことで生命の危機を回避することもできます

【魔法少女について】
それぞれ事情や原理は違うようですが、概ね魔法っぽい技を使う少女たちの総称です
不思議系全開のも科学っぽいのもいます。巫女さんっぽいのも魔女さんっぽいのもいます
各自の事情で星のかけらを集めているため、その過程で衝突することも少なくありません
心が少女なら名乗っていいとのことです(重要)

162上田 美奈:2015/03/14(土) 22:40:54 ID:upVfnXfc
>>159
【上空をきままに飛んでいたミナにとって、こんな時間に砂場な時点で
 とりあえず確認しないといけない対象】
【相手の年齢を空から確認して、この年令なら大丈夫かなぁと、目の前に降りることを決めました】
【というわけで、目の前に地味系私服の上から、さらに地味なマントをまとった魔法少女がおりてきます】

「ちょっともったいなかったかも……」

【すっかり砂に戻ってしまった安土城をみてしょぼーん】
【ちょっともったいなかったかも】
【でも、砂のお城って壊れるところまでが様式美な気もするし】

「次に作るときは、ちゃんと写真とか見ながら作ったほうがいいと思うよ?
 ちっちゃい子は早くおうちに帰らないと。夜はあぶないから」

【しゃがんで目線を合わせるのは子供と話すときに地味に有効な手って教わった記憶がある】
【その言葉にしたがって目線を合わせつつ、スマホの時計を指差しましょう】
【とっくに5時の鐘は過去のものですね】

163パメラ:2015/03/14(土) 22:44:15 ID:Fma99nlM
>>157

【目の前の少女がタルトに襲い掛かる間】
【パメラはカウンターから出て大きなグラスにドリンクバーのメロンソーダを注ぎ】
【次いでバニラソフトの機械で直接アイスを入れてメロンフロートを作ると、またカウンターに戻ってスプーンでつつく】
【そうして少しの時間が経った後に、少女からの質問】

ん〜、そうですねぇ

【何か思い出すように、懐かしむように】
【少しの間を開けた後】

……うふふ、どうでしょうかねぇ♪

ただ、まぁかけら以外の目的ならありますよぉ
私、新米の子達が死なないように育ててるんですよねぇ

【肝心な部分はぼかし】
【逆に、大事な話は話す】
【相も変わらずフロートをつつきながら、言葉を続ける】

何故か、と聞かれると……まぁ、人間的なエゴなんですけどねぇ
というか、最近の子は見てて危なっかしくて……お節介焼いちゃうんですよねぇ
………………ついでにお客になってくれますし

【神妙な調子で話していたが】
【最後の最後に、それをぶち壊しかねない発言】
【しかもこれ見よがしに視線をずらして】
【確信犯である】

164兵馬 一姫:2015/03/14(土) 22:53:04 ID:zu9UOnZo
>>161
「……それが本性かよ。随分口が悪いな。あたしも人のこと言えねぇけど……」

内心驚いている。まだ、相手が限界では無さそうだということに。とはいえ、戦いを続ける気は無さそうだ。どうにか命拾いしたと、ため息をつく。

「認められなくて結構。お前みたいなのに認められても全然嬉しくねぇし。」

天子が去ってから、青龍刀を手放し大の字になって倒れる。すると、変身が解除され、元の制服姿へと戻った。それに合わせて、青龍刀と大盾も無へと消える。

「はぁ……助かっ……た……けど……」

助かったはいいものの、近くに居た敵に恐れをなす。学校内にも魔法少女はいるだろうと想定はしていたが、まさかこんな奴がいたなんて……
恐れを感じずにはいられない一姫だった。何故なら……

「明日からどんな顔して学校いきゃいいんだよ……廊下とかで出会っちまったらどうすりゃいいんだ……」

もはや、学校は安全ではないと分かってしまったからだ。


/お疲れさまでした。此方も楽しかったです!

165狂犬病 鬱月:2015/03/14(土) 23:02:42 ID:IB0oAmpo
>>159>>162

【夜の街をふよふよと飛んでいた黒髪の少女は本来なら子供なんていないはずの公園に立ち寄る】

「おや?こんな時間にお砂遊びかい?」

【まるで歩いて来たかの様に公園に入り口からスタスタと、それとなく早足で近付く】

「ははは、砂遊びは良いね」

「特に脆く跡形もなく崩れ去るのがたまらなくときめくよ…」

「二人は御姉妹かい?それとも誘拐犯?」

【小柄な体をダルッダルのジャージて包んだ少女は二人に語りかける】

166高坂 椿姫:2015/03/14(土) 23:04:36 ID:DBAz5Djk
>>163

「別に動機がエゴだとしても、それが善意によるものなら構わないんじゃないかしら
その善意に救われる人は少なからずいる筈でしょう?」

【タルトのブルーベリーが乗った部分をフォークで突き刺し、慎重に口へと運ぶ】
【酸味と甘味、口内に広がる二種類の味を堪能しながら、言ったのはそんな台詞】
【人の善意はできるだけ信じるようにしたい。少女のそんな考えが垣間見える瞬間だった】
【……尤もパメラが最後に付け足した発言には、流石に苦笑いを浮かべずにはいられなかったようだが】

「まあ、私もまだ新米みたいなものだけど
集めたかけらもまだ一つだけ、この先うっかり死なないように気をつけないとね」

【なんて半分冗談混じりに言いながら、タルトの最後の一切れを口に運ぶ】
【ゆっくりと咀嚼して味わって、タピオカジュースも飲み終えれば、財布を出して料金をテーブルの上に置く】

「ごちそうさま、中々美味しかったわよ?」

167フォルリィア:2015/03/14(土) 23:11:36 ID:Gu.Helkw
>>162

【破壊された砂の安土城は既に辺りの砂と混じりその面影を残すことは無かった。フォルリィアは手に持っていたスコップで砂場の砂を叩きながらならす】
【その姿は、年相応であり全く違和感や奇妙さはないだろう────時刻がこんな夜ではなければ】

ぁ!

【ずっと真下の砂場に顔を向けていたら、彼女の視野の中に人型の影が入ってきた。フォルリィアはその影に気が付き顔を上げる】
【すると其処には、なんか全体的に地味で統一された服装のフォルリィアより年上であろう少女の姿が】

あははは、お姉ちゃんおもしろ〜い!
しゃしんってね、なにか思い出を残したいときに撮るんだよ?
でも私はこんな思い出いらないから撮らないで壊したの!
私お城壊したんだよ!凄いでしょ!

なんで?夜は別に危なくないよ?
ぎゃくに楽しいかなーって!
だってだってね!夜になるとね、知らない人が遊んでくれるんだよ!
最後は壊れちゃうから毎日違う人だけど……。

【しゃがんで目線を合わせれば、フォルリィアの瞳は年相応のキラキラ輝く純粋な瞳をしている筈だ。いや、瞳どころかその表情までも年相応だろう】
【美奈の夜は危ないという言葉の意味がフォルリィアには理解出来ないようで首を傾げた後、満面の笑みを浮かべて反論した】

>>165

?そうだよっ、今ね今ね、私お砂場でノイシュバンシュタイン城を造ってたの!
まぁ……出来たのは安土城でしたけど……ハハ……。

【美奈との会話中、新しく聞こえた声の方へと顔を向ければ其処には見覚えのない、またフォルリィアより年上の少女の姿が】
【フォルリィアは最初無邪気に満面の笑みを浮かべ両手を振りながら興奮気味に説明した後、なんか年相応っぽくない表情と口調をした】

本当!?お姉ちゃんは分かる人だね!
私も壊れるのみるの大好きなの!あ、あと壊すのも好き!
中身がねっ!中身がグシャーッてねっ!
真っ赤な絵の具だしてグシャーッてなるのがいいの!
んーん、違うよっ、お姉ちゃんと私は姉妹じゃないよ

【フォルリィアは手で砂を掴むとそれを強く握りしめ、ゆっくり手のひらを開き砂をジワジワと落としていく】

168上田 美奈:2015/03/14(土) 23:24:37 ID:upVfnXfc
>>165
【顔見知りということもあり、まずは片手で軽い挨拶】

「残念ながら一人っ子でですよ……
 しかも一人っ子なのに、親元離れてますよ」

【姉妹発言が的確にクリティカルをえぐった模様】
【これは触っちゃいけない部分に直撃って感じですね】
【とりあえず、誘拐犯ッて言われるような関係ではなさそう】

「とりあえず合わせてくれれば助かるんですが……」

>>167
【できれば普通の子として下がらせたいと思っていたけれど、これはいけないパターンだ】
【ステキな安土城はあっさり砂の山。砂場のお城の宿命としては正しいのです】

「それは正しいんですけどね?
 ただ、思い出以外にも残す理由はあるんですよ。
 これから生まれてくる人たちにも見せたい、とかいろいろ」

【直すことはしませんでした。それが砂のお城の御役目だからです】
【そして、夜になれば知らない人が遊んでくれることも、壊れてしまうという表現の意味も理解しました】

「壊した人は、普通の人でした? 魔法を使える人でした?」

【暗い公園でこのセリフは、ある意味で踏み絵と自分でも思う】
【何度も出会った。人を人と見ない魔法少女を】
【それでも、ミナは自分の生き方の上で、これを放置してはいけないと思ったのだ】
【ソレ故の踏み絵なのだ……】

169パメラ:2015/03/14(土) 23:25:22 ID:Fma99nlM

>>166

それなら、いいんですけどねぇ……

【しみじみと、そう呟いて】
【いつのまにかほぼ混ぜ合わさったメロンフロートにストローを突っ込み飲む】

あらあら……なら、先輩から少しアドバイスでもしましょうかぁ 

そうですねぇ……夜にでも来れば、宜しければ模擬戦くらいは引き受けますねぇ

後は……このカフェ、他にも魔法少女が来ることもありますから、何か探したいことが有るなら覗きにくるといいですよぉ?
……まぁ、喧嘩は両成敗ですから気を付けて頂きたいですがぁ

【クスリと笑いながら】
【端から見ればただの先輩風だが】
【その言葉には純粋な気遣いと言い知れぬ自信と……ちょっとの興味と多大な商売根性が混じっていた】

はい、まいどありがとうございました♪

【そして最後に優雅な一礼】
【きっと、何もなく少女が扉を出るのなら】
【ニコニコと、静かに見送るだろう】

170高坂 椿姫:2015/03/14(土) 23:43:52 ID:DBAz5Djk
>>169

「あら、覗くだけでもいいのかしら?
それなら遠慮なく冷やかすだけにするけど」

【くすくすを笑みを零しながら、足元の大荷物を手にとって立ち上がる】
【その際に少女の身体から僅かに、しかし確かに生じる魔力】
【どうやら荷物運びを楽するために身体能力強化の魔力を微弱に施していたのが原因のようだった】
【来店した際に溢していた魔力も、これと同様の理由が原因である】

「模擬戦ねえ……提案はありがたいけど、私は強いわよ。それもかなり
だから、全く相手にならないなんてことにならないようにしてくださいね?」

【その自信は実力が伴ったものか、それとも未熟な経験からくる見当違いのものか】
【後者の割合が圧倒的だろうが……そして少女は上機嫌な様子で店を出ようとする】
【機嫌が良いのはタルトが美味しかったからというのと、良いカフェを見つけられたという二つの理由から】
【扉を開けようとしたところで、何かを思い出したかのようにふと立ち止まると】

「……そうそう、私は高坂 椿姫
これから宜しくお願いしますね……パメラ先輩?」

【なんて、今日一日で一番素直な笑みを浮かべて告げると】
【気恥ずかしかったのか、駆け足で店を後にするのだった】

/良い時間なので〆で。絡み乙でした!

171狂犬病 鬱月:2015/03/14(土) 23:45:51 ID:IB0oAmpo
>>167

「おっと、これはすまないね?」

【そして彼女の耳に口を寄せながら】

「了解したとも、しかし、最近の子供と言うのは皆『こう』なのかい?」

>>168

「ははは、わざわざ教えてくれてありがとう、可愛らしい御嬢さん…出来たらお名前を聞かせてもらえるかな?」

【そして自分と同じ学校の生徒の言葉にニヤニヤと笑いながら「まったく」といった風に合わせる】

「あぁ!是非とも聞かせてくれないか!」

「赤い絵の具が飛び散るようなお話を僕におしえて欲しいね!」

172フォルリィア:2015/03/14(土) 23:53:09 ID:Gu.Helkw
>>168

生まれてくる………人?
んんんーー………???よく分からないいぃ〜……。

【思い出以外にも残す理由がある。生まれてくる人達に見せる────美奈のそう言った言葉の意味がフォルリィアにはまだ難しかったようで頭を抱え目を細めながら頭上にハテナを浮かべ考え出すが、どうやら考えることは苦手な様で直ぐにギブアップ】

壊れした人はねー……えっとねー……んーー……ふつう……?あ、でも魔法使ってたよ!だから普通のひとだ!
わたしも魔法使うから、魔法使ってきた人達も普通の人だよね!!

【フォルリィアは再び頭を抱え悩み出す────というよりは記憶を探り出したのか。そして険しい表情を浮かべながら、又してもギブアップかと思いきや】
【どうやら、今度はちゃんとギブアップせず最後まで頑張った様で思い出したようだ。もっともフォルリィアの言う普通の人と美奈の言う普通の人のニュアンスは全く違うが────】

>>171

名前?いいよー!
えっとね、私の名前はねフォルリィアってねいうの!

【────《フォルリィア》。幼女は満面の笑みを浮かべキラキラした歯を見せながらそう言った。魔法少女ならこの名前を聞いたらなにか違和感を感じかもしれないだろう、まるで魔法名を聞いたかの様な────】

いいよ!えっとねえっとね!
私がね、私がね………あ!……やっぱりダメ!
やっぱり話すよりやった方が楽しいもん!
だからだから、お姉ちゃん達遊んで!!

【フォルリィアはワタワタと忙しそうに、しかし嬉しそうに身振り手振りしながら狂犬達に話そうとする……が、突如何かを思い付いたかの様に手をクロスさせ、バッテンポーズからの一見可愛らしい提案】

173パメラ:2015/03/14(土) 23:56:12 ID:Fma99nlM

>>170

うふふふふ……ありがとうございましたー♪

【高坂椿姫】
【そう名乗った少女を見送る】
【中々の自信家のようだけれど】
【最後には可愛らしい笑顔で】
【それが眩しいですねぇ】

なーんて、うふふ……

――――、今日も、お客さんが来ましたよぉ

【最後に、ふと呟き】
【一つの出会いにまた、心を踊らせて】
【また、とれみぃに閑古鳥が鳴くのだった】

//了解です、絡みありがとうございました!

174上田 美奈:2015/03/15(日) 00:02:42 ID:TZ8dYJK2
>>171
「宜しくって言ったのはあなたですよ、うづきさん……」

【備考:卯月あたりと思っているのでこの反応】
【ひどいじゃないか。共闘した仲なのにすっかり忘れられているなんて】
【一回名乗ったからもう教えません、というオーラがむわっと】

「たまにいるんですよ。
 師事する相手にあえないまま、魔法の力をふるって
 そのせいで、心が壊れちゃう子……」

【あってるかどうかはしらない】

>>172
「普通の人は、魔法は使えませんよ?
 魔法を使えるってことは、普通じゃなくなっちゃったってことなんです」

【心のなかでちょっとだけ安堵。同業者なら理解した上でしょう】
【魔法少女がなんなのかわからないうちに死んでしまったなら、それは可哀想だけど
 もう手遅れじゃあ仕方ない】

「魔法は、特別な道具と同じなんです。
 使える人は特別です。特別な道具なので、自分の名前と自分の魔法は違います。
 あなたの名前、ちゃんと教えてもらえますか?」

【わかりにくいと言われたら頷こう】
【自分は、人に言葉を伝えるのは苦手な人種だ】
【さらに言えば、そもそも人というものそのものが嫌いなんじゃないかと思っている】
【でも、だからこそ、自分の後に続く人たちに、同じ気持を背負ってほしくない】
【それ故に、真正面から言葉を尽くすと、自分に一番苦手な分野に頭から突撃したのだ】

175望月星奈:2015/03/15(日) 00:07:18 ID:6FG..43A
>>160
「あっちゃー、ちょっとかわいそうな事しちゃったかな」

【とめどなく襲う刺激に苛まれる二匹を一瞥、呟く声色は言葉と裏腹になんとも軽いもの】
【苦痛の雄叫びを背景に何事もなかったかのように佇む。浮かべる笑みはまだ絶えない】
【自身が相手を分析する事が多いというのもあり、星奈は戦闘において情報を漏らすのを好まない】
【獣を撃退するために本来の武器ではないものを用いたのも、手の内をまだ明かしたくないからだ】

「護身用だって。そもそも銃を持ち歩いてる人には言われたくないから」

【空気を読まない的確なツッコミを入れつつ、空になったスプレー缶を後ろに放り捨てる】
【からんと響いた音が二人きりの屋上に響く。それが次への合図となった】

「あぶなっ……!」

【向けられる銃口に咄嗟に反応。横に転がって回避するがそれが大きな分岐点となった】
【先の狙撃から相手の弾種を限定していたため、直線上から逃れればいいと念頭に置いていたのだ】
【ところが襲い来るのは散弾。直撃こそは避けたものの、いくつかが体を掠り傷つける】
【そしてその恐ろしい魔術はすぐさま効力を発揮する。飛び道具を好む星奈にとって、ある意味致命的な】
【最初に異変が起きたのは投げ捨てたスプレー缶だ】
【かたかたと震えたかと思えば浮き上がり、星奈の元へと吸い寄せられる】
【その気配を素早く察知し受け止めるも、驚きは隠せない】

「ちっ………!」

【なにが自分に引き寄せられる要因になったか、そこまで思考が辿り着く前に放たれる追撃】
【思わず舌打ち、飛び退りながら前方へと投げつけたのは小さな玉】
【偶然にも金属を用いていないそれは、瞬く間に白い煙を吐き出して屋上を染める】
【そこから僅かな間を利用して背後に回り込み、取り出した小刀を少女へと突き立てる】
【淡い魔力の光とともに現れたそれは、焰を纏って紅く燃えた】

176狂犬病 鬱月:2015/03/15(日) 00:14:13 ID:PmqMxieE
>>174

「あはは、なるほど、卯月……ふふ……いや、すまないね……」

「なるほど、それは実に耳が痛い話だ……そういうのが乗ってある本は何処かに無いものか……」

>>172

「僕も概ね同意件だね」

「僕も自分の狂犬病 鬱月と言う不吉極まりない名前だが他人に教える時は十回に一回くらいは正直に答えるものだよ」

「その答え次第では……主にこっちのお姉さんが遊んでくれる事もやぶさかではないのだよ!」

【と、役者の様に不必要な見栄を切る】

177フォルリィア:2015/03/15(日) 00:25:04 ID:wAJZx1F2
>>174>>176

ぇ………普通じゃ……ない……の……?
で、でも私普通だよ?ほ、ほら……ねっ?…ちゃ……ちゃんとお砂場で遊んでるよ?

【《普通じゃない》──その一言は、まだ幼い少女にとって余りに衝撃的であまりに悲痛なものだった】
【今まで普通と思っていたことが実はそうでは無くて、自分も壊した人も全てが普通だと思っていたらその逆──それは幼女の日常の崩壊を招く一言に十分過ぎた】

どうぐ……名前……特別……私の名前……フォルリィア……フォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィアフォルリィア…………………

【美奈の説明に、突き付けられた事実から目を背け逃げるかの様に耳を塞ぎ目を強く閉じ、しゃがみ込み、自分に言い聞かせる様に己の名をブツブツと言い続け始めた】
【最早狂犬の声はフォルリィアには届かず────その役者めいた言葉は虚しい独り言に掻き消されるだけだった】

フォルリィアフォルリィアフォルリィア…………………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあははははははははははははははははははは!!!
お姉ちゃん達、嘘ついたんだ!
私と遊びたくないからそんな嘘ついたんだ!
わたしはフォルリィア!普通だよ!!
普通じゃないのはお姉ちゃん達なんだ……ぁ……じゃあ普通じゃないお姉ちゃん達にはお友達いないよね?なら私がお友達になるから遊ぼう?ね?
普通じゃないなら壊れないよね!?

【名前を呼び続け終いにはフォルリィアは狂った様に顔を夜空へと上げるひたすら笑い出した】
【そして、勢い良くあげた顔を狂犬と美奈が立つ前方へと向け直す。フォルリィアの瞳は真っ赤で、口からは鋭い八重歯がみえる。幼女はやや支離滅裂した言葉を言いながら立ち上がる】

178上田 美奈:2015/03/15(日) 00:35:17 ID:mm7lCLI6
>>176
【此方がわも名前間違えて覚えてるからなんとも言えないよね、うん】

「そんな本を出版社に持ち込んでも、先輩たちが止めちゃいますよ。
 あと、勝手に人を差し出さないでください」

【終わりが必要なら、場合によっては武器を抜くことは可能性としてありえる】
【この魔法少女は、明確に善性寄りだ。理由があれば従うだろう】
【ただ、まだ足りないのだ】

>>177
「えぇ、普通じゃないんですよ?
 普通の人は魔法なんて使いません。使えません。
 普通の人が使えないから魔法なんです」

【知っている。この言葉は、誰かの世界を破壊するだけの意味はある】
【でも、これと向かい合わないと本当の意味で魔法少女にはなれないとも思う】
【最低でも、自分が普通ではないと認識するのは必要なことだ】

「気になるなら、お父さんに魔法を使わせてください。
 一番よくても手品でごまかされるか、お父さんがオカマかの2択です。
 あと、友人はいますよ? 普通じゃないなら、普通じゃない友達を作ればいいんです」

【立ち上がっても、最後の一線は譲らない】
【正面から受け止める。一番面倒な選択を選んだぞ、これ】

179狂犬病 鬱月:2015/03/15(日) 00:48:08 ID:PmqMxieE
>>177

「ふむ、確かにそれは盲点だったね、まったく、偉大なる先人達には頭が下がるね」

「そのまま頭突きを食らわせたいくらいだよ」

>>178

「ふむ、世の中には逆鱗に触れるとかっていう言葉があるが……」

((どうする?僕は狂人は嫌いじゃないがこのままでは僕達もあぶな…))←念話

((って、更にあおってどうするんだい!?))

((君にはこの状況がまだ砂遊びをしているように見えているのかね?))

「えー、と、ははは、ちなみにその遊びと言うのはどんな物なのかなぁ?」

「是非とも教えてくれたまえ!」

【時間を稼いでどうにか乗りきろうと策を巡らす】

180フォルリィア:2015/03/15(日) 01:03:33 ID:wAJZx1F2
>>178>>179

あはははははははははははは!
そうなんだぁ……お友達いるんだぁ……それはよかったねッ────!!

【貴女は普通じゃないとフォルリィアに理解してもらうよう説明する美奈を幼女はまるで馬鹿にしているかの様に笑い続けながら聞こうとしない。そしてイキナリ強い口調で言葉を発したフォルリィアは自分の右目を己の指で何の躊躇いを無しに潰す】
【普通じゃない人が三人だけいる夜の公園は、夜という闇では無い全く違う別の闇に支配されているかの様に他の場所より一段と薄暗い気がした】

あ、はははははは……はははは……もう笑い疲れたよ……。
口が裂けるかと思っちゃった……でもさでもさ!お姉ちゃん達の口は裂いてもいいよね!?

【フォルリィアは潰した痛みが屁でもないか、全く痛そうな素振りを見せず話を続けた。目を潰すことに慣れているのか、やはり痛くないのか────】
【真っ赤なドレスには右目から流れる血が流れ着く。血により赤く染まった指で口元をなぞりそのまま耳の付け根まで血を伸ばし口が裂けるとこうなるよと再現した】

じゃあ……お姉ちゃん達遊ぼっか!
そっちのお姉ちゃんは頭突きが得意らしいから遊びは鬼ごっこね!
鬼は逃げる人に頭突きをするの!何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!!

【赤い指から流れる血をフォルリィアは先程の砂場へと垂らす────と次の瞬間、血が落ちた砂場から紅い魔法陣が浮かび上がり、目を開けてはいられない程の真っ赤な光が魔法陣から放たれた──】

じゃあじゃあ………鬼は私ね!
十秒数えたらスタートだからねっ!

【光が晴れれば、先程までの砂場から一転、見覚えのない空に地面が見えるだろう。地面には無数の埋まるボロボロの西洋・和風人形が、空には無数のマネキンが飛んでいる。周りの色も可笑しく何処を見ても赤紫色】
【そしてこの不思議な場所は理性では理解出来そうにない狂気と不快さ、気持ちが悪いほどの生暖かい温度に異臭や腐臭が蔓延していた】
【《フロル》────それがこの場所の名前であり結界魔法の魔法名だ】

181上田 美奈:2015/03/15(日) 01:12:49 ID:mm7lCLI6
>>179
《ここでへし折れば、ライバルが1人減ります。
 ここで減らせば、彼女が安全になります。
 遊んでいるつもりはありません。遊べる状況じゃありません》

【この魔法少女は根っこの部分が善性だ】
【できる限りの範囲で、よくありたいと本気で思っているタイプだ】
【勝ち目がない勝負に挑む選択肢を選べる人種だ】

>>180
「いや、裂けたらさすがに困りますよ?
 ご飯を食べるのが大変になるのは困ります」

【別の闇? そんなものにはもう慣れた】
【流血も、自分たちの世代が魔法のモチーフにするネタとしては珍しくないと思う】

「いいえ、鬼は此方です。
 あなたの結界は、此方が潰す」

【星のかけら、1個。本来なら自己回復に使うソレ】
【魔法少女の窮地を救うそれ。でも窮地のすくい方は決まってない】

「助かりました。此方はそれを待っていたのだから」

【どれだけ禍々しい結界であっても、それを上書きするならどうだろう】
【自分の窮地を脱するために結界をひらき、その補助の星のかけらを使う】
【文面上は問題がないそれも、相手の結界内で使用することはどれだけ想定されているか】
【効果そのものはオーソドックス。周辺のコピー空間を作り該当者を巻き込むだけ】
【しかしこの場においては、結界術師に補助型魔法少女がかけらのブーストを使って食い下がる形】
【ある意味で、この初動の魔力衝突こそが、彼女たちの実力比較そのものである】
【抜けるか、抜けないか。どっち??】

182狂犬病 鬱月:2015/03/15(日) 01:31:07 ID:PmqMxieE
>>179-180

【一瞬にして姿を変える公園】

((………すまない、墓穴を掘ってしまったようだ…穴があったら入りたいが墓穴はごめんだよ))

「これは……幻影の類いでは無いようだね………とても………退廃的で文学的だよ!」

「これこそ写真に残したいね」

((その策も良いが……それは無粋と言うものだよ))

((君は探知も得意ではなかったのかい?僕にだってある適度は出来るしね))

「我が隷族よ、今こそ我に従い今此処に顕現せよ」

【紫薔薇学園の保健室、その窓際のオルゴールの中から黄土色のビー玉の様な物が小さな魔法陣に飲み込まれ少女の手のひらに現れる】

((鬼ごっこなら当然、『鬼退治』が許されてしかるべきだろう?))

183フォルリィア:2015/03/15(日) 01:38:13 ID:wAJZx1F2
>>181>>182

なにしてるの?なにしてるの?なんで私の公園に違う公園があるの?食べていいってことなの?

【フロル内部での結界魔法と結界魔法と激突──いわば魔力と魔力の衝突。フォルリィアの魔力は星のカケラによるブースト状態の美奈の魔力とは比べ物にならない程に弱い。ゆえに、それは目で見て分かるほどに浮き彫りとなる。美奈の展開した結界は徐々にフォルリィアの結界を押し退け抜いて行く。最早勝負に成らないその戦い────だが、それは誤算ではあっただろう】
【フロルの効果を知らない美奈達の行動はある意味正解である意味不正解。フォルリィアはその魔力の低さゆえ、結界魔法以外は全て使えない、使える結界魔法の種類も3つと少ない。其れ程魔力が低いのだ】
【だからこの衝突も簡単に終わる筈だった──この結界魔法がフロルで無ければ。フロル内部でのフォルリィアは潰れた右目から一度魔力・魔法を────喰らう】
【フォルリィアは秒を数える前に現れたその魔力と魔力のぶつかり合いを見ておもわずオロオロとするがすぐ様態勢を持ち直す。自らのルールを無視して美奈が展開した結界魔法の魔力を右目で喰らい始めた】
【美奈の展開した結界魔法は吸い取られる様にフォルリィアの右目へと飲み込まれていくだろう】

文学的?写真?あははは!
お姉ちゃん、写真撮りたいの?
いいよ!いいよ!なら私がグチャグチャのドロドロになったお姉ちゃん達をこのお人形さんと一緒に撮ってあげるねっ!

【美奈の展開した結界魔法の魔力を吸い上げたフォルリィアは右目から大量の血を流しながら咆哮すると、身体に白銀オーラの様なものを纏わせ飛躍し狂犬……では無く美奈へと接近しようとする。接近かかなったならばフォルリィアは美奈の首をカランと手刀を繰り出すだろう】

184上田 美奈:2015/03/15(日) 01:53:58 ID:mm7lCLI6
>>182-183
【結界同士の相殺】
【これだけ歪んだ情景を映せるなら、それはすさまじい使い手と思う】
【同時に、どれだけ歪んだ生涯を、この年令で送ったのかと悲しくなる】
【だが、それがどうしたというのか】

《鬱月さん!! 最大出力でうちこんで!!》 ← ちゃんと元の名前も覚えてたっぽい

【そう、ミナは確かに結界に関してはそれなりに腕に覚えがある】
【だが、それなり程度だ。自分の内側を結界に投影できるレベルにはない】
【元の現実のコピーだけなら極めて高精度ではあるが、そこに自分の意図を投影できる技術はない】
【では、ミナの本質はどこにあるのか】
【それは、彼女の魔具であるペンデュラムを使った魔法である】
【使い慣れた用途は、バインドとサーチの2つであり、この場の切り札はバインドの方】

「この距離は、はずさない!!」

【突っ込んでくる相手にタイミングを合わせるのが容易なくらいには使い込んでこそ、切り札】
【一撃分、間に合えばいい。どれだけ魔力を食われても自分が選んだモチーフを
                           森の奥方をねじ伏せるだけの力を得られるものか!!】

【自分の首を守り、相手の意識を鬱月が刈り取る刹那くらいは作ってみせる】
【彼我の実力差で、向こうの得意分野にかけら1個の消耗で挑んで押しきれずとも一瞬の時はとれた】
【ならば、逆もしかり。向こうがこちらの得意分野を正面から抜くなら、かけらの消費は必須で、使っても一瞬の時差は作れるのだ】

185狂犬病 鬱月:2015/03/15(日) 02:12:40 ID:PmqMxieE
>>183

「これは…魔力を食ってるのかい!?」

「ふっ!個人的にはそこにキノコでも生えていると最高なのだがね!!!」

【黄土色のビー玉が弱いながらも大地の魔力を纏って四方八方から襲いかかる】

【補助を成功させるための補助】

>>184

「了解したとも!この純文学的な空間ごと破壊してくれよじゃないか!」

「はぁ!」

【瞬間的にドレスアップすると共に眼帯を引き千切り腕をクロスさせ姿勢を低くする】

「【 〜 極夜の恐怖 〜 】」

【彼女の猫目が怪しく輝くと共に結界を漆黒の闇が満たす】

【さらに美奈の魔力のエレメントの影響を受け、漆黒の夜空にエメラルドの三日月が浮かぶ】

「滅びたまえ!うにゃあああああ!!!!」

【闇の魔力を背中から翅の様に噴き出し上昇、緑の月をバックに二人の魔力を纏った両足蹴りを放つ、この必殺技は駆け足をするように相手を蹴り続ける技】

「君の小さい体が果たしてもっていられるのかい!!!!!」

186フォルリィア:2015/03/15(日) 02:33:14 ID:wAJZx1F2
>>184

【フォルリィアは何の策略も戦略も持ち合わせていないし考えてもいない。ただ、年相応に、いや実際それより幼い思考でこの遊びに興じている】
【楽しい、楽しい、何時も見る代わり映えの無い心落ち着く景色・この公園《結界》でも今目の前にはこの公園を前にしても怯えない壊れない逃げない人間が二人いる】
【フォルリィアはただそれが嬉しく、楽しいと感じるだけで他に何も感じはしなかった】

まずはぁぁぁぁ地味なお姉ちゃんからぁあぁぁぁぁぁ捕まえたぁぁぁぁ!!

【悍ましい大地を力強く蹴り上げ、大きく前方へと飛躍。その力により地に埋もれた人形と地面の土や砂は後方へと飛ばされ、跳ぶ為に踏み込んだ場所にはフォルリィアの足跡の若干のひびができていた】
【狂犬による美奈にとっての補助、フォルリィアにとっての妨害を受けながらも絶えず破顔をしながら、赤い血を辺りに撒き散らし、長い爪を持つまだ血で赤い右手をその場から離れない美奈の首元へと伸ばす────】

あっ…………と、届かない……!
お姉ちゃん……こ…この紐なに!?くっ……!もうちょっとで……お姉ちゃんの首を……グシャー出来そうなの……にぃ!!

【一瞬のタイミング、フォルリィアの右手が美奈の首を狩るその刹那、フォルリィアの体は動かなくなった】
【予想外な展開に思わず唖然とし、自分の身体を見るフォルリィア。そして身体に巻かれたペンデュラムの紐に気付いたフォルリィアは悔しそうな表情を浮かべ、必死に右手を前えと伸ばし美奈の露出された首を触ろうとするが全く動かず届かない】

あ……あれ……どこ……ここ?
私のしってる公園じゃない……なんで……また?またお姉ちゃんなの!?

【変わりゆくもの光景にフォルリィアはまたまた本日何度目になるか分からない唖然の表情を浮かべながら首を左右へと振りあたりを見回す】
【幼い彼女にとって知らない場所にいることはかなりの不安──というよりはストレスだったらしく激しい怒号を目の前の美奈へと向ける】

ぁ………………──────。

【狂犬の掛け声が二度変わりはてた異界に響き渡る。フォルリィアはその声に反応するかの様に狂犬へと意識を向ける】
【大きく見開いた左目は迫り来る狂犬の蹴りを映し出し、潰れた右目からは涙の様に赤い血が一滴だけ流れ出し身体を縛った紐を辿って地面へと落ちる】
【その涙の血は自分が追い詰められたことによる悔しさから流れ出たのか、或いは始めた壊れない人間に出会えたことによる嬉しさから流れ出たのか────】
【狂犬の蹴りは身動きの取れない、フロルの掻き消されたことで魔法の使えないフォルリィアに防ぐ術はなく幾度も繰り返される蹴りを小さな体で受けそのまま後方へと吹き飛ぶ】

──────ぁ……は……は……は……は…………。
凄いね……お姉ちゃん達……私がグシャーッってするつもりが……逆にグシャーッってされちゃった。
初めてかな………壊れない人間と遊んだのは……だからね……私、今日はもうお姉ちゃん達と遊ぶのやめるねっ。
だってだって!お姉ちゃん達壊れないからもっと時間ある時いーっぱいグシャーッしあいたいの!!
それでね、それでね!私ね、次のね!
もっとお姉ちゃん達グシャーッ出来るようなねっ、遊び考えたの!
なんだっけ……あ、思い出した!《ほしのかけら》の奪い合い!
知ってる?この遊びするとね、みんなグシャーッってなるの!!

【既にフロルは打ち消された。辺りは狂犬の結界魔法に包まれている】
【フォルリィアは腕や脚や顔、様々な部位か血を流しているにも関わらずフラフラと立ち上がり笑顔で二人に話しかける】
【その内容はまるで友達に次の遊びの約束をするかの様に────】

187上田 美奈:2015/03/15(日) 02:53:05 ID:mm7lCLI6
>>185-186
【あれだけの数の足技を受けてまだ立ち上がるのか】
【そこまでする意図が彼女に、いや、彼女の魔法にあるのか?】

「いいえ、今日でおしまいですよ。
 どうせかけらは、奪い合うよりもこそこそ集めるほうが簡単なんですから」

【公園の真ん中でやるにはいささか刺激が強すぎる光景かもしれない】
【公園でやるからこそ、日常の破壊につながるのかもしれない】
【ただどちらにしろ、かけらは願いを叶えるためのものであって、それそのものを度外視すれば
 待っているのはロクでもない死に様以外ありえない、と思う】

「ここは、此方の領域です。魔法を使うのに必要なのは、日常を忘れないことではないでしょうか」

【連撃で吹き飛んでも、拘束の紐は外さない】

「次はありません。約束もできません。
 おやすみなさい」

【紐の先端。結ばれていたペンデュラム本体がただ一撃】
【首の後にふわりとした挙動で打ち込まれる】
【拘束からの急所狙い。これがこの魔法少女のフィニッシュブローなのだろう】
【本人によく似て地味だが、ある意味で致命的でもある一撃である】

//
3時ですし、そろそろ寝ませんか

188狂犬病 鬱月:2015/03/15(日) 03:08:14 ID:PmqMxieE
>>186-187

「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……」

「ふぅ、まったく…インドア派を通り越してインおふとん派の僕の体力だとは言え……しぶといにも程がある…」

「うん、その擬音のせいで克明に言われるよりもリアルにつたわるよ……」

「今の君か奪うのも出来そうだがね…………如何せん僕の体力は赤ゲージだ」

「ゼェゼェ……しかし恐れ入るよ…………普通なら肉体が消滅しても可笑しくないと言うのに……」

【しかも今回は僕だけの技じゃ無いと言うのに…といいかけた所で振り子の先端が飛ぶ】

「『地味なお姉ちゃん』……もとい上田さん………君もなかなかどうして酷い人だね…………………親友が幼気な少女に止めをさす瞬間なんて見たくなかった!僕は君を信じてたのにっ!」

「なーんて、ね」

「この子供、あの言葉を信用するのならかけらを沢山持っていそうだが……どうする?」

//私はどちらでもよろしいですよー

189津山 涼:2015/03/15(日) 06:21:30 ID:yTD6kQg.
>>175

可哀想だと思うんだったら、最初からそんな事しなきゃいいのに。

【のた打ち回リ続ける番犬達を横目に、そう呟く】
【その間も、手は猟銃へ魔弾を込めている。その手つきは手慣れたものだ】

【リロードを終えるとほぼ同時に、屋上は煙で白く染まる】

煙玉…曲者め、とでも言えばいいのかしら?

【魔法薬入りステンレスボトルを片手に軽口を叩く】
【風の魔力を込めた魔弾を煙へ向けて放とうとしたその瞬間、後ろからの殺気】
【とっさに魔銃で小刀を防ぐも、焔はこの女の肌を灼く】
【痛みに、顔が歪む】

っ…!?なかなか味な真似をするわね…!

【このまま近距離戦を続けるのは得策ではない】
【そう判断し、後ろへと下がりつつ、空中へと飛び上がる】

…じゃあ今度はこっちが、面白いものを見せてあげましょうか。

【銃口に浮かび上がる、灰色の魔法陣】
【そして、先ほど込めた風の魔弾は魔法陣を通り抜け、暴風を纏い少女へ向かい飛んでいく】
【今度の魔弾は一粒弾。威力は散弾の比ではないが、命中率は劣る。先ほどのような俊敏性を少女が発揮すれば、回避も難しくない】
【…しかし、灰色の魔法陣により、材質を鉄へ変えたなら】
【いくら回避しようと、まるで獰猛な猟犬のように磁気を帯びたものを追い、貫かんとするだろう】

190フォルリィア:2015/03/15(日) 09:00:12 ID:wAJZx1F2
>>187>>188

【拘束された身体を血塗れの両足で支えるフォルリィアは自分の怪我を心配する様子も見せない】
【痛くない筈がない、常人ならその身体の痛みに耐えれずフォルリィアの様に笑顔を浮かべるのは難しいだろう────しかし、フォルリィアは絶えず笑顔を浮かべている】

ぇ…………?

【美奈の言葉と共に放たれたペンデュラムの本体はフォルリィアの首に優しい打ち込みを与えた】
【フォルリィアは何が起きたのか理解出来ていないようで先程までの笑顔とは違い不思議な表情を浮かべながら、身体を支えていた脚の力を失い地面へと崩れ落ちた】
【流石に狂犬の蹴りによるダメージは大きかったのかフォルリィアは立つことだけで精一杯だったらしく、美奈の一撃によりあっさり気絶してしまう】
【なお、今フォルリィアが持っている星のカケラの数は多く無くたったの一つしかない。理由としては一つだけあれば十分ということと星のカケラを集めれば願いが叶うということを知らないからだ】
【フォルリィアは目を覚ますにはまだ時間がかかるようでこのまま放置していても、後から彼女の保護者である別の魔法少女達が迎えに来るだろう】


/ロールありがとうございましたーっ

191望月星奈:2015/03/15(日) 10:48:22 ID:6FG..43A
>>189
「それはどうも……っと!」

【小刀の鋒と機銃が音を立ててぶつかり合い、白煙の中で鈍い火花を散らす】
【反動を利用してバックステップ、夜空に浮かんだ少女を見上げた】
【その表情からは未だ余裕は消えていないものの、焦燥が星奈の中にないわけではない】
【先の銃弾による魔術の正体がまだ完全に把握できていないのだ。予想はしていても、確信はできない】
【厄介だと心の内で舌打ち。これで無理矢理にでも接近戦に持ち込むしかなくなった】

「へえ?それは楽しみ」

【言葉と同時に向けられた銃口。この時点ではまだそこから飛び出す弾種は分からない】
【故に退避に選んだのは斜め後方。射線を避け、尚且つ散弾の射程距離から外れるためだ】
【しかしそれでも回避は叶わない。強力な磁気を纏った星奈は、金属にとっての大好物なのだから】

「ちょっ、うそでしょ!?」

【ぐぐぐ、と曲がって方向転換。吸い寄せられるがままに、執拗に星奈を追う鉄の弾丸】
【その様を見ながら思わず声を上げるものの、逃走の足を緩める事はない】
【追われながらも走る。目指すはまだもがき続けているだろう地獄の番犬のうちの一匹】
【飛び越えて伏せる、これでケルベロスを盾にした形だ】
【愚直に進み続ける弾丸が狙うのは目標のみ、迂回する事などない】
【磁気に引かれるままに穿つ肉は星奈のものではなく、ケルベロスのものになるはずだ】
【そうして目下の危機を回避できれば、すっと立ち上がって上空の相手を睥睨するだろう】

「いやー危なかった、なんだか知らないけど参ったね」

【大仰に肩を竦め、困ったような笑みを浮かべる。と言っても、それらは全て演技にすぎないのだが】
【あーあと短く嘆息するや否や、床を蹴って飛び上がる。空中を駆けて向かうのはもちろん相手の少女】
【その突進はあまりに直線的、片手に携えた明星が月光を反射して軌跡を描いた】

192レイラ・ウィンブラスト ◆XKrTwtU.LE:2015/03/15(日) 16:37:37 ID:XjI54ol2

【どこかの路地とか、公園とか】

「ふんふふーん〜♪」

何処かで聞いたことのあるような鼻歌を歌い、右手の中に持っていた〝星の欠片〟を親指で弾く。
甲高い音が響き、上空へと身を躍らせる欠片。その浮遊を邪魔するかのように欠片を空中でキャッチして、同じことをもう一度、もう一度と繰り返す。
その事自体に対した意味も無いのだが、どうやらその〝大した事が無い〟事が面白いらしく。先程よりも僅かに足の軽さが変わり、鼻歌のキーの高さが少しだけ上がる。

量販店で売っていそうな灰色をした無地のTシャツに、長年使っている感覚を魅せる古ぼけたジーンズ。シャツの上には黒のレザーコートを羽織っていた。
僅かに胸元にある膨らみと、肩を超えて腰の辺りに届きそうなほどの金髪。顔立ちは整っており、化粧の類といったものはこれといって見受けられない。
彼女の周りに香るのはジャンプ―と皮製品独特の香りが混ざったもので。初対面であれば多少の違和感こそすれ、別段特に嫌悪感を催すような香りではないだろう。

変哲も無い野球帽を目深に被り直し、その際に零れる笑みを隠す。「これほどの解放感は初めてだ」と、口元が声を出さずに形を変えた。
もしもこの様子を見ている人間が居るとすれば、〝観光に浮かれた外国人〟といった印象を受けるだろうか。
日本語こそ堪能であるものの、本来の人種としては此処の人間ではない故、どうしても注目を集めてしまう。だが、今ではそんなことも珍しくなくなっていることも確かで
向けられる視線は最初こそ訝しげだったものの、彼女の容姿と浮かれ方を見て大したことはないと斬り捨てたのか。幸いにも人だかりができると言ったような面倒事にはなっていない。
〝合わせる〟事を良しとするわけではないが、時としてはそういった判断も大切だろうと判断した上での〝演技〟だったのd…………結果論として人が居なくなっただけであり、事実〝浮かれて〟はいた。
認めようとしないために〝演技〟と言い張っているらしいが、一目瞭然である。

〝瀬平戸市〟の噂を聞きつけ、それを理由に自らの家を出て二週間。この町に着いたのは数日ほど前なので、今現在の状況を現わすのなら〝根無し草〟といったものが適切だろう。
力に目覚め、気が付いたらその手に在った〝欠片〟。只の石ころ、よくて価値の低い宝石程度だと思っていたが、どうやらこの町ではその価値が違うらしい。

「『集めれば願いが叶う』なんて都合のいい話がある筈も無い。」

そう吐き捨てては見たものの、彼女の内面は其処まで利口には出来ていないようで。此処にやってきたこと自体、彼女が願い事に縋ろうとしている事の証明となっている。
誰だって一度は夢見るだろうお伽噺を、なんとなくで信じてみようかと思い立つ。人間的であり、子供としての思考が抜けきらない。
…………そうやって無駄な思考に支配されてしまうが故に、些細なミスを犯してしまう。

                                     カシャン

投げては取って、投げては取ってをしていた〝欠片〟が、彼女の手をすり抜けて地面へと落下。ガラスを弾いたような音が鳴る。
人ごみに紛れそうな小さな雑音だが、聞き取れる者には。〝それを欲さんと願う者には〟、聞こえるかもしれない。

193津山 涼:2015/03/16(月) 22:17:43 ID:N7.U/FG2
>>191

【弾丸は、磁力に引き寄せられるままに、番犬のうちの一頭を貫き、体内で暴風を巻き起こし、爆ぜた】
【致命傷を負ったそれは、無様な肉片と化し、血が屋上を穢す】

あらら....残念ね。

【その口調は残念そうだが、番犬への哀れみの様子はない】

【上空へ飛び上がった女を追って来るのは先程と同じく苦無】
【飛行のスピードを上げ、更に距離を置きつつ苦無へ狙いを定め、引き金を引く】
【一粒弾と苦無は空中で火花を散らし、共に落ちた】
【間髪入れず、撃ち尽くした弾丸を再び込める】

【飛び上がった勢いで、ステンレスボトルの中の魔法薬がチャプリと音を立てる。その音は軽く、中身が残り少ないということを示している】

(......不味い)

【この女は、魔法少女の力の源たる魔力の乏しさを、魔法薬をこまめに飲むことで補っている】
【故に、女にとって魔法薬が切れることは、ほぼ敗北と等しい】

......そろそろ、締めに入りましょうか...!

【相手は俊敏性に長け、無闇に撃っても魔力の浪費にしかならない。錬金術による弾丸の材質の変化は、消費する魔力が比較的大きい上、先程のようにかわされる可能性も0ではない】
【何とかして俊敏性を失わせなければ、女に勝ちはない】
【ならば、どうするか】
【銃口に、魔法陣】

喰らいなさい......!

【一発の弾丸が、魔法陣をくぐり抜ける】
【かけた魔術は、先程と同じ「触れたものに強烈な磁気を帯びさせる」もの。但し、今回は当たればダメージがある】
【一粒弾である上、材質を変えていないので、回避することは容易だ】
【...但し、回避した後の弾丸がどこに当たるかを考えなければ】
【屋上の床かはたまたのたうち回っているケルベロスか、その何方かが強烈な磁気を帯び、少女と引きつけあえば、離れることは困難となるだろう】

194望月星奈:2015/03/16(月) 23:27:56 ID:8PPnCi/Y
>>193
【闇を駆けて空を昇る。少女の姿は近づくというのに、星月との距離はまったく変わらないような気がした】
【銃を相手に直進という愚行、しかし自暴自棄になったわけでは断じてない】
【星奈が選んだのは単なる賭けであり、ただその分がかなり悪いというだけだ】
【飛び道具を封じられてはほとんどの戦略が通用しない。長期戦を望まないのはこちらも同じなのだ】

「同感っ!」

【向けられる銃口。絞られる引き金】
【刻一刻と歩み寄る暴力の気配に、それでも星奈が止まることはない】
【ただ僅かに身を捩り、急所を避けるようにして凶弾を身に受けた】

「ぐぅっ………!」

【穿つ弾丸に眉を寄せる。闇に血が舞うがそれでも口元だけは不敵に吊り上げて見せた】
【もとよりこのつもりだったのだ。己が身を省みず、敵の懐へと潜り込む腹づもり】
【ここで下手に回避行動に移れば、またいつ接近が叶うとも分からない。もしかすれば近寄らせてすらくれないかもしれない】
【それでも弾種、またそこに付加された魔法によっては星奈自身の命も危うい】
【分かっていながらも受けた弾は、幸いながら星奈が受けてもなんの変化も及ぼさないもの】
【賭けの勝利を確信し踏み込む。また一歩、少女へと凄まじい速度で迫って行く】

「はぁっ!!」

【気合の一声。一層強く握り締める明星】
【一度負傷してしまえばもう勝ちの目は薄いだろう。分かっているからこそ、この一撃に全てを乗せる】
【少女への接近が叶えば勢いのまま、小刀による刺突を放つ】
【ばちり、明星を包む雷が音を立てて闇を奔った】

195津山 涼:2015/03/18(水) 22:43:01 ID:hO18G4v2
>>194

【必勝の確信を持って放たれた魔弾は、少女の身体を貫く】
【しかし、少女のスピードは緩まず、一直線に女へと突き進む】

っ......!?

【相手が魔法少女であっても此方の弾も魔弾。当たれば攻撃の手は止まるだろうと考えていたが、その考えは甘かったようだ】
【予想外の突撃に、対応が遅れる】
【その結果____電撃を纏った小刀が、左肩へ突き刺さった】

グアッ...............!!

【刺された痛みと、全身に拡がる鋭い刺激が、言葉を奪う】
【飛行魔術を維持できなくなり、雑居ビルの屋上へと力無く落ちていく】

ううぅっ......!

【身体の自由が効かない中、何とか落下先へ向け引き金を引く。先程魔弾を撃ち尽くさなかったのが幸いだった】
【射出された魔弾は、間も無く緑色の魔法陣へと変化した】
【魔法陣をその身体が通ると、徐々に先程の刺し傷が塞がっていく____回復魔術だ】

ハァッ...ハァッ...なかなかやって...くれるじゃないの...‼︎

【ある程度動けるだけの身体の自由を取り戻した女の、心底憎々しげな声】
【肩の傷は癒し切れておらず、未だ生々しい色を保っている】
【今すぐに少女を蜂の巣にし、首を剥製にしてやりたい...狂気がその心を灼く】

......覚えて置きなさい、次に会った時、貴女を狩って、私の大事なコレクションにしてあげるから......!

【しかし、その衝動に身を任せはしなかった】
【魔法薬の残量から考えれば、撃てる魔弾はあと数発。撃ち尽くせば変身維持もままならず死を待つのみとなる、あからさまに分が悪い賭けだ】
【傷を癒し、次の機会を待つべき___その結論に至った】

【撤退に向け、ステンレスボトルに残っている魔法薬を飲み干し、弾を込める】
【1発目を少女のいる方向へ放てば、放たれるのは催涙効果のある煙幕弾。先程のちょっとした意趣返しと言ったところか】
【そして、2発目は結界へ。一粒弾は結界へヒビを入れ、出来上がったのは人1人程度の大きさの穴】
【何事もなければ女はその穴から脱出し、少女の手元に残されるのは魔力供給が絶たれ間も無く消滅するであろうケルベロスと、餌に使った星のかけらのみとなるだろう】

//遅くなってすみません。この辺りで締めでどうでしょうか?
//磁力に関しては、解除していただいて結構です。

196望月星奈:2015/03/18(水) 23:45:47 ID:hoWq0.S2
>>195
「よっし……!」

【確かな手応え。肉を断つ感触は賭けの勝利と攻撃の成功を伝える】
【明星には雷を纏わせていた。当たりさえすれば直後の反撃はまずないはず】
【そう踏んでの捨て身の一撃は功を奏し、相手を宙空から落とす事に成功した】
【無論こちらもただではすまない。僅か遅れて重力に引かれるまま屋上に落ちる】

「いっ……たぁ!」

【背中を打ちつけ、しかしすぐさま身を起こして少女を睥睨】
【その口元は確かに笑みを浮かべているものの、傷の痛みによる脂汗は隠せない】
【それでも今ここで隙を見せてはいけないのだ。深手を追っているのは向こうだけではないのだから】

「おー怖い怖い。二度と顔を合わせない事を祈っておくよ」

【押さえつけられた衝動、その奥に見え隠れしている狂奔を垣間見て僅かに身震い】
【軽い口調ながらも語尾が微かに掠れたのは、身を蝕む痛みだけのせいではないのだろう】
【銃口を向けられながらも思うように体を動かせない自分に、人知れず歯噛みした】

「あっぶなぁ!?」
「ちょっ……嫌味かっ……!」

【放たれたのはごく普通の銃弾ではない。至近距離で巻き上がった白煙に咄嗟手で口鼻を覆う】
【ところがそれだけで催涙効果から逃れられるわけがない。涙を零し、けほけほと咳き込んで煙幕の向こうに目を凝らす】
【ようやく晴れた屋上に眦を拭って見回せば、既に残されていた人間は自分だけだった】

「……あー!疲れたっ!」

【他の人影がない事を確認するや否や、大の字になって屋上に寝転ぶ】
【銃創に手を当てて治癒を試みる。未だに残る鈍い痛みに眉を寄せた】
【傷が塞がるまででいい、もう少しだけここで休んでいきたかった】
【結界を解いて見上げた夜空はスモッグに覆われてぼんやりとしている】
【それでも変わらない朧月と星々をゆっくりと見たのは、なんだか久しぶりのような気がした】

//それではこれで〆にしますねっ
//長時間に渡る絡みありがとうございました!

197市役所の佐藤さん:2015/04/18(土) 22:19:38 ID:Z9uqPpTM
【瀬平戸に至る道@PM8:00ごろ】
【プレアデス星団のロゴをつけた乗用車が一台、県道を走行中】
【乗っているのはちょっとかわいい感じのお姉さん】
【さっくりまとめた髪型から見えるうなじがステキですが、基本的な雰囲気はロリ系です】

「うあー、意外と遅くなったー……」

【研修と言う名の出張帰り、というヤツです】
【愛車で日帰り強行軍。お花見生きたかったよう。タダ酒飲みたかったよう】
【かずかずの上司を返り討ちにしてきたワクっぷりを疲労したかったよう】
【ちょっと悲しくなって、脇道で一旦停止】

「こんなに星がきれいなのに、あたしは一人で何やってんだろうなぁ」

【愛用のライターでタバコに点火。車内ではなるべく吸いたくないのです】
【ゆるく立ち上る煙と、ついでにお姉さんの嘆きは天の川に流してしまいましょう】

198珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/18(土) 22:22:45 ID:GviXzYr2
【これまでのあらすじ】
【『貧民』と『魔法少女』という二つの秘密を抱えて黒百合女学院に通う高校生、樹心院珠輝】
【彼女は商店街のソフトクリーム屋で偶然にも生徒会書記長・如月千寄子と出会い、生徒会への印象を問い詰められてしまう】
【一年間切り続けた「しら」に限界を感じた珠輝は】
【自らの正体を明らかにした上で、『生徒会長と一対一の話し合いをしたい』という意向を飲ませ、時間稼ぎに走った】
【だが、稚気じみた野望を実現するだけの力を持った生徒会と渡り合う方法は、恭順以外にあり得るのだろうか?】
【監視下での仲間集めに窮しながらも、今日も珠輝は空を往く――!】


――――瀬平戸市、上空。

月の光をその身に纏ったコスチュームのすね当てや篭手に反射させながら、樹心院珠輝は地上から20mほどのところを飛行していた。
とは言っても、ここは本物の瀬平戸ではない。魔力によって展開した結界に覆われた、架空の空だ。
接触を拒むように強固に折り重ねた結界の効能で、彼女は孤独な――されど、穏やかな空中散歩に興じていた。

もちろん、今日は月尾神社の花見に行くという選択肢もあった。だが彼女は、その運営元にどこかきな臭いものを感じていた。
この街の名士というのは、辿っていけば必ずと言っていいほど黒百合とのつながりがある。
約束を取り付けさせたとはいえ、生徒会を信用したわけではない。
うっかり飛び込んで袋叩きにされないように――いや、むしろ彼女らが祝宴にかまけている内に、星のかけら集積という戦支度を済ますべし。
ここにいる理由は、ひとえにそういった判断ゆえだった。

重力を振り切る身体の軽さ。それは心地よいものであったが、同時に不安も覚えさせた。
長時間に渡ってどこにも足をつけることができない、という普通なら味わいようもない感覚。
それは、学校にも、魔法少女の世界にも、確かな居場所を持たない樹心院の心境に近い。
だからこそ、彼女は自分の境遇を確かめるように――もちろん、星のかけらを探査するためにも――夜を飛ぶ。

……気がつけば、だいぶ遠くに来てしまっていた。
今まで街の外で星のかけらを発見したという話を聞いたことはない。早く戻らねb

「あっ――!?」

いきなり、重力を感じた。突然のことに呼吸が途絶しかける。急速に落ちていく感覚。
辛うじて首をもたげながら眼下を確かめれば、そこには市境の標識があった。
――そして樹心院は、〝向こう側〟にいる。

歪んでいく結界の中で、樹心院は頭の中が「死」の一文字で埋め尽くされるのを感じた。
最後の力を振り絞ってなんとか標識の手前側には引き返したが、もはや「飛ぶ」というより、「落ちる方向を調整する」程度のことにしかならない。
ああ、重心に従って首が下に向いていく。私はスイカのように砕け散るのか。――父よ、母よ、妹よ!

……この時、彼女が自らの存在を秘匿するために塗り固めた結界は、一気に瓦解しようとしていた。
もし周囲に別の魔法少女がいれば、その存在に気付くこともできるかもしれない、が。

199市役所の佐藤さん:2015/04/18(土) 22:31:57 ID:Z9uqPpTM
>>198
【おう、なんか天の川方面から落下してくるのがおる!?】
【珠輝ちゃんの視界の下のほう、闇夜の中でみえる小さな赤い点が空中に陣を描きます】
【現れたのは縦に積み重なった三枚の魔法陣】
【さらに、緩んだ結界に上書きされる、無駄に広域な結界】

「おーう、久々に飛び出しそうなの見つけたなぁ」

【3枚の魔法陣は互いに干渉することでふんわりクッションのように衝撃を殺す】
【もともとはシールドか何かなのだろうが、本人曰くちょっとした応用ってやつ】

「上から探すなら、その4倍は高度がほしいな、お嬢ちゃん?」

【見覚えがあるかどうかは、自分で市役所の手続をするかどうかで変わる】
【人好きのする笑みは、いわゆる営業スマイルなのだが、今回は同時に後輩への労りも込み】

「とりあえず、ケガはないかい?」

200珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/18(土) 22:52:40 ID:GviXzYr2
>>199

終わりが近づいて来る。最悪星のかけらを一枚切ればいい? いや、かけらはうんともすんとも言ってくれない。
魔力で織られた衣装が書き消えていく。再集中の余地などない。万策尽きた!

「はうっ!?」

――なんて思っていたもんだから、柔らかい感触に身体を抱きとめられた時、樹心院は素っ頓狂な声をあげた。
黒百合の面々に見られたら、総スカン確定の情けない光景である。

「あ、あの……大丈夫、みたいです。ありがとうございます」

息を整えながら魔法陣の上に突っ伏す。蒸発したはずの魔力が、身体の芯からまた溢れてきた。
混乱した頭に区切りをつける意図もあって、とりあえず無傷であることを報告しつつ、樹心院は声の主に視線を向ける。
見覚えのある柔和な笑顔。
確か、奨学金を申請するために住民票の写しを取りに行った時みたような――。

「……えっ、佐藤さん……市役所の?」

これは驚いた。少女ならざる魔法少女の実在は知っていたが、まさか彼女がそうだとは。
思わず、目を丸くする。自分の感情を取り繕うスキルは命の危機の中で退行してしまって、樹心院の反応は余りにも素直だった。
小学生のように思ったことを口にする姿は、いつもの彼女の折り目正しさからは想像し難いと思われた。

尤も、一番佐藤さんを困らせてしまうファクターは。
いきなりすべての魔法を解かれた樹心院が、元の服を位相の異なる空間から取り出すのを忘れ、全裸になってしまったのに気づいていないことのような気がするが。

201市役所の佐藤さん:2015/04/18(土) 22:59:27 ID:Z9uqPpTM
>>200
【魔法陣の上に少女の裸体を載せた図はどうみても悪役です】
【しかしながら佐藤さんは変身のたびに脱衣というか、バンクを挟む世代の人】
【大丈夫、何があったか理解してる!】

「ほれ、とりあえず服を着なさい」

【指に挟んで保持されていたタバコから生まれる炎のたま】
【これで光源には困りません】
【魔法少女は結構な割合で暗視もちですが、珠輝ちゃんがそうとは限りませんから】

「詳しい話は服を着て、それから車の中でいいかな?」

【用意だけした本人はさっさと運転席へ】
【帰りは送ってくれる、とさ】

202珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/18(土) 23:20:16 ID:GviXzYr2
>>201

服を着なさい、と言われた樹心院の頭の上に、大きな疑問符がひとつ浮かぶ。
人心地ついて感じるようになった肌寒さと自分の醜態に気付くのは、それから一拍挟んでからのこと。

「ひゃんっ、見ないでくださいっ!」

灯された光を、自分の裸を明るみにするためのものだと勘違いしたのだろう。手をまえに突き出し、クッションの上でざっと仰け反った。
茹で蟹のように頬を赤らめ、下から見える大事なところを膝で隠しながらも、小さな魔法陣で自らを覆い
それが樹心院の身体を包み込んで消滅すれば、そこには黒百合女学院のブレザーをきっちりと着こなした少女がいた。
牢獄のような制服の存在に、今回ばかりは感謝せざるを得なかった。

「そう、ですね。他の魔法少女に勘付かれるかも分かりませんし、お願いします」

相手は市役所の職員。樹心院がド貧乏で、大した地位もない家の娘なのがバレている相手だ。
だからいつもより飾り気のない丁寧語を使って、提案に応じた。

黒百合と魔法少女と家庭の三重生活で猜疑心に苛まれている樹心院は、内心少しだけ佐藤のことを疑っている。
だが彼女は「久々に」と言っていた。これまでも、似たような事があったのだろう。
思えば――魔法少女がなぜこの街にしか存在しないのかは、誰も話題にしない。
何かが失われるのを恐れているかのように。そして、街の外で魔法を使えるか試したという話も聞かない。

いったい、何故。監視の網から逃れつつ魔法少女を続ける中で、忘れかけた好奇心が決め手となって。
樹心院はふわりと足場から飛び降り、車の助手席に座るのだった。

「……外では、魔法はおろか星のかけらも使えないんですね。
 佐藤さんがいなければ、今頃変死体になっているところでした」

シートベルトを締めながら、窓の外を見る。物理的には何の違いも無いように思える市の境。
だがそこには、霊的で厳然たるボーダーが横たわっているらしかった。

203市役所の佐藤さん:2015/04/18(土) 23:33:08 ID:Z9uqPpTM
>>202
【乗ったのを確認したら、エンジン回します】
【普通の車とはちょっち違う振動ですが、具体的な違いは割愛】
【ちゃっちゃと結界を解除して、一般道へ】

「厳密には使えないってわけじゃなくて、すごく使いにくいの方が近いんだけど
 慣らしゼロで出たらあんなものかなぁ。
 まー、最近はやりのパワースポットの真上だからすごく楽って覚えておけばオッケー」

【微妙な訂正が入ります】
【瀬平戸への帰途は意外と安全運転。結構速そうな車なのに】
【なお、予告通り車内では喫煙はしません】
【そのかわり、ちょいちょいっと収納スペースを指さします】
【中に入ってるポッキー出してほしいそうで】

「まぁねぇ。いろいろ歪んでるの、いろいろ。
 知ってる範囲でならいろいろ答えてあげられる。
 知らないことは予想くらいしかあげれないけど、運転ついでの雑談なら付き合わえるかな。
 というか、今結構眠くて危ないから、話振って」

【最後に聞き捨てならんことを言いましたが平常運行です】
【こうして近くで見れば、化粧でごまかしてるけどベースはまだ新卒に視えるレベルですね】

204珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/18(土) 23:56:23 ID:GviXzYr2
>>203

佐藤さんの説明には腑に落ちないところがあった。樹心院が知る限りにおいて、この街は昭和の大合併の産物だ。
「瀬平戸」としての歴史は短く、大きめの神社こそあるが、それ以上に霊験あらたかな話を耳にする場所ではない。
そんな場所でワン・ガール・アーミーと言うべき魔法少女を生み出すほどの力のうねりが発生するなんて。
事実起きているのだから仕方ないが、首を傾げざるを得ない。

「はい。喉につまらせないでくださいね」

ダッシュボードからポッキーを取り出し、袋を裂いて中の一本を佐藤さんの口に近づける。
――こういうご奉仕には慣れたものだ。火の車の家計を支えるために、この街では珍しいタイプの「カフェ」で働いていたことがある。
むろん黒に限りなく近いグレーなので、間違っても公務員の彼女の前では――いや、他の誰にも話さないが。

「……霊場、というものですか?
 でもそれが魔法少女の条件なら、もっと大それた舞台がありそうなものですよね。
 しかも私たちが今より大まじめに神様や不思議な力を信じていた頃じゃなくて、20世紀も半ばを過ぎてから……」

それから身の安全の確保も兼ねて、樹心院は魔法少女の謎に話題を戻した。

「そもそも、魔法少女ってみんなが言っているこれ……本当に、〝魔法少女〟なんでしょうか。
 卵が先か鶏が先か、私にはわかりません」

205市役所の佐藤さん:2015/04/19(日) 00:08:29 ID:GVkIcBF6
>>204
「昔やりあった相手に言わせればね。
 名前ってのはいろんなものを縛るらしいよ。
 名前を握って言うこと聞かせるのは、言霊の一種っていってたっけか。
 ほれ、ちょっと前の神かくし映画でもそんなシーンあったっしょ」

【もらったポッキー咥えながら夜道を運転】
【ときどき対向車のライトで横顔がふっと浮かぶ感じ】
【視えるのは、その相手にあんまりいい思い出はなさそうってこと】

「あたしらだって、さんざん奇跡に縋ってるんだし、
 そういう昔からの何かの中に、いくつか本物があったって今更驚かないよ。
 それがこの街ではあたしたちが使えるくらい濃い目なんだろう、ってくらいで
 ソレ以上は深く知らなくても困らないもの」

【徐々に魔法の力が戻ってくる。もうこの辺からなら十分に飛べるはず】

「それなぁ。あたしのコスみたら多分腹かかえて笑うことになるからなぁ。
 どっちが先かはわからないけど、経験で語らせてもらうなら
 結構そのころの流行にのってる子、多いかな。めっちゃでっかいロボットみたいな魔法の鎧とかね。
 あ、家どっち? 一応送るつもりだけど」

206珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/19(日) 00:30:52 ID:XyJA2LTc
>>205

「瀬平戸、せひらと、セヒラト……ああ」

佐藤の言わんとするところを察して、樹心院は深い溜息をついた。
神の作りし園に根を張る木。その果実を喰らったものは、永遠の生命を享受するという。
ふと、運転席に腰掛ける女性の瑞々しい頬が恐ろしく見えた。
彼女もまた、禁断の果実を味わった一人なのだろうか。

「でも、本当にそれだけだったら、作ろうと思えばいくらでも〝魔法少女の街〟が生まれてしまいそうですよ。
 と言うか、私がわるい魔法少女だったら、手を尽くしてそうすると思います」

「……深く知らなくても困らない、確かにそうかもしれない。でも私はそう思いません。
 あっ、もちろん好奇心もありますよ。だけれど私には、何とかしないといけないことがある気がするんです。
 自分自身と、みんなの平穏のために」

さっと、制服の校章のあたりを指でなぞって見せる。
脳裏に過るのは、黒百合生徒会。魔法少女の力を管理し、絶対の支配力を得ることを目的とする集団。
やむを得ず街の内側に収まっているその勢力が、もしも拡大の機会を得たとしたら?

「へえ、なるほど。最近はなんか……猛々しい武器を持っている子が多いですよね。
 全力全開、血だまりスケッチ、って感じの――まあ、私もそうなんですけど」

家はこの辺りです、とカーナビの地図を指さす時、樹心院は一抹の寂しさを感じた。
学校という世界から遠く離れた佐藤さんと話している間、彼女は不思議な安心感と、頼りがいを覚えていたのだ。
シワひとつない――だけれど少しばかり陰のある横顔に注ぐ視線は、ちょっとばかし熱い。

207市役所の佐藤さん:2015/04/19(日) 00:40:22 ID:GVkIcBF6
>>206
「つまりたぶん、“それだけ”じゃないんだろうね。
 でも残念、その何かはあたしは知らないんだ。
 知ってたらとりあえず殴るか蹴るかしにいってるね。
 願いを叶えるのはいいけど、もうちょい加減しろって」

【間違いなく、禁断の果実を喰った側】
【しかも結構不本意な形で答えが返ってきた側】

「あたしら、どうやっても表側に出れないから、記録とかはほとんど残せないし
 残しても個人のものが限界だろうしねぇ。
 あー、このまま行くとあたしは物知り長老枠になるのか、こわっ」

【信号待ちからアクセル踏み直し。気がつけば、周りの風景はすっかり街中。
 外周部に多い大型店舗と太い道】
【長老自身も全部知っているわけではないそうです】
【最近の魔具のはやりに対して「あたしのなんかこんなんだもん」と具現化して手渡されたのは
 ピンクと星と羽のめちゃファンシーなステッキでした】
【これが、時代か……】

「ほい、位置了解。さっさと帰ろう」

208珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/19(日) 01:05:31 ID:XyJA2LTc
>>207

不思議な力で夢と笑いをふりまく女の子は、時間をかけて鉄の羽根纏った戦乙女へと変わった。
ゆずれない願いは、いつの間にか欲深い憧れにすげかわった。

「……卑下しないでください。私は、こういうの好きですよ。
 杖をぎゅっと握りしめて、大切な友達と一緒に星空へ身体を預けられたら――きっと、楽しいんでしょうね」

幼き日の佐藤が抱いた魔法少女の原風景に眼を輝かせながら、樹心院は想いを巡らせる。
魔法少女の姿形、その在り方は、力を振るう者の心のあり方が決める。
血腥い欠片の奪い合いに身を投じるつもりがなかった自分でさえ、無意識に『武器』を手にすることを望んだ。
鮮やかなときめきだけを胸に空を舞うなんてことは、この街ではもう叶わないのだろうか。

「私のなんて、この車のトランクに入らないような剣です。切っ先が開けば弾丸まで撃っちゃって。
 魔法少女って聞いただけで、反射的に、身を守らないとって思ってたみたい」

樹心院は、意外とテレビを見る方だ。何せ一度買ってしまえば一番金のかからない娯楽である。
でもって夜更かししながら勉強するタチだったから、そういうたぐいのアニメはよく楽しんでいた。
――もちろん21世紀だから、人は死ぬし、どでかいビームは撃つし、ステゴロだってやるような手合いだが。

「最初っから考えが間違ってたのかしら、私……」

結局は自分も、黒百合の殺気立った空気と近年の魔法少女の風潮に当てられた一人だったわけか。
自嘲気味な独り言を零しながら、窓の外を見る。
そこはもういつもの路地で、住み慣れたボロ屋はもう数百米先にあった。

209市役所の佐藤さん:2015/04/19(日) 01:18:14 ID:GVkIcBF6
>>208
「もうすぐ30なのにそれ振るの辛いんだよね、絵的に。
 タバコもお酒も嗜むのにコレよ」

【どうやら気に入ってないわけではなかったようです】
【年齢的なイタさは確かにあるのかもしれない】
【変身すると髪の色まで変わるとかはさすがに言えねっす】

「ほい、そろそろつくよー。
 迷えるお嬢ちゃんの悩みくらいなら、疲れてなけりゃ聞いてやるから
 今夜はもうゆっくり休みなさいな。ほら名刺」

【住宅街に入って手頃な距離になったところで車止めます】

「割とまじめな話、今の生活がアレなら廃業するか他のとこいったほうがいいさ。
 無理してお嬢様やる必要はないし、無理して魔法少女やる必要もない。
 一般人の記憶操作くらいならしてやっから、間違ってたと思うならやりなおしな。
 あんたの若さはまだ本物なんだろうしね」

【年上のお姉さんからのアドバイス】
【志半ばで倒れた後輩をたくさん見てきたゆえの発言である】
【さ、早くかえりたまへ】

//
そろそろおわりませう

210珠輝 ◆ITqPX258yc:2015/04/19(日) 01:38:26 ID:XyJA2LTc
>>209

受け取った名刺を素早く胸ポケットに忍ばせて、樹心院は深々と頭を下げた。
ある意味では当然のことなのだが、魔法『少女』の事情を相談できる成人女性なんていうのはそうそう居ない。
だからこそ、この出会いは得難いものだと言えた。

そんな佐藤さんが真剣なトーンで街からの退去を提案すると、樹心院はきゅ、と目を閉じて考えたが。
やがてひとつひとつ言葉を選ぶようにして、ゆっくり瞼と唇を開く。

「……自分のことだけなら、無理なんてしないですよ。
 だけれど私には、お母さんと、妹と――どうしても、本当の気持ちを知りたい子がいるんです」

「それに佐藤さんだって、魔法少女であることからも、この街からも逃げてないじゃないですか。
 そんな人に楽な道を勧められたところで、おいそれと首を縦に振れませんよね」

貴人の端くれとして整えた微笑ではなく、歳相応の悪戯っぽい笑みで、口の端が釣り上がる。
街の秘密を知った以上は、運命共同体。もしかしたら樹心院はそういう風に思っているのかもしれなかった。

「今日はありがとうございました。市役所の、佐藤さん」

やがて車が自宅のほど近くで止まると、樹心院はそう言い残して、車の外に出ようとするだろう。
街の裏側でまで市民の安全に気をやる大人。佐藤の有り様に対する心からの敬意を、その言葉に込めて。

211市役所の佐藤さん:2015/04/19(日) 01:54:50 ID:GVkIcBF6
>>210
【やっべぇ、やらかした。この子、思った以上に“若い”ぞ!?】

「いんやぁ、街だけじゃなくて市内の同じ学校って手も一応あるよ?
 ……あと褒めるな。そんなに立派なもんじゃない。
 このまま「だれでもないいないはずの誰か」になるよりマシってだけね」

【願いが不老不死系の魔法少女がいたら止めてあげてください】
【いずれ全部に置いて行かれることになりますから!】

「んじゃまぁ、がんばり」

【走り去るメシエ天体M45のマーク】
【数分後、車の中からこそばゆいいいという絶叫があがったのはヒミツよ】


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