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神秘
1
:
名無しさん
:2017/01/02(月) 02:59:53
「この世界は退屈だ。」
なんて、言葉にすると思わず笑いそうになる。
まるで自分に酔ってるだけの痛い中二病患者みたいだ、とか思ってるのも高二病っぽくて何かちょっと恥ずかしい。
けど、俺以外の人達は一体どう思ってるんだろう。
退屈だなんて思うのは俺が非リアだとか陰キャラだとかだとか呼ばれる類のカーストが低い人間だからであって、
人生を謳歌しているカーストの高い人間、所謂リア充と呼称される人種はそんなこと思いもしないのだろうか。
もしかしたら、そうかもしれない。
ただ、もし仮に。どうしようもなく無意味な仮定だけど、もし仮に。
俺がリア充だとしても、この世界は退屈だと思う筈だ。
だって、どんなに美女からモテたって、信頼できる愉快な友達がいたって、勉強や運動ができて周囲から愛されていたってきっと、考えしまう。
いくら現実が楽しくても結局、この世界には魔法や超能力といった異能の力もなければ、伝説の生物も存在しないんだよなって。
手品を見ればソレがどんなに凄い"マジック"でもタネがあると思うし、たまにTVで特集される幽霊やUMAの特番なんて今時誰も信じてない。
事件の特集とかで稀に出演する"FBUお抱えの超能力者"的な人たちもどこまでホントか分からない。
というより、言葉が悪いかも知れないけど本物だとしても正直ちょっと地味というか、あまり浪漫がないと言うか……。
いや、もちろん凄いし人を助けている様子は純粋に尊敬できるんだけど、もっと念力とか発火、発電能力みたいな創作によくある派手なヤツは結局ないんだよな…、みたいな?
閑話休題。
とどのつまり、この世界には解明されていない事柄は沢山あっても、人々を否応なく惹きつける程の魅力をもった神秘はきっと存在しない。
……多分、きっと、いや!もしかしたら、やっぱり……うん、でもどうせ、ない。
だから、この世界は退屈だ。
そんな事を考えていた。そう、この手紙が届くまでは。
2
:
名無しさん
:2017/01/02(月) 04:33:48
「何やってるんだろう、俺……。」
思わず口に出してしまった。いや勿論、自分が何をしているかはわかっている。
下校だ、まさに今、帰宅の為に校門を潜った。一人で。
そう、俺はボッチだ、糞ボッチだ、そこらのラノベ主人公みたいなファッションボッチじゃねえ、正真正銘の一人ボッチだ。
今年の4月に入学して「さぁ今日から花の高校生だ、絶対青春してやるゾイ!」と意気込んだのも束の間、一週間もたった頃には既に心は死んでいた。
俺は人見知りのコミュ障だけど、頑張ったんだ、頑張って何人かのクラスメイトに積極的に話しかけた。
だが何だろう、話しかける事はできても、会話を続けることはできなかった、もっと言えば上手く会話を盛り上げられなかった。
いや、それ以前の問題かもしれない、だって皆おれが話しかけると若干ひいていた。こっちの話を愛想笑いで軽く受け流しそうそうに会話を切り上げられた。
思えばきっと空回りしていたのだろう。何かキモヲタが頑張ってらぁ(笑)とでも思われてたんだろうか。走馬灯のように入学初日を思い返す。
--------------------
(1-5、1-5…っと、ここが俺のクラスか、もう結構人がいるな…ん?)
「ええと、1-5は…」
教室の前で立ち止まり中を確認していると、地味そうな男子学生がすぐ後ろにに近づいてきていた。
(こいつも1-5か…クラスメイトになるんだし話しかけようかな…地味そうだし…いく?いっちゃう…?いや、いかなきゃダメだ!)
(変わってやる、こういうのは最初が肝心、受身じゃダメなんだ、自分から動かなきゃ何も始まらねえ、この手で掴んでやろうじゃねえか、青春ってヤツをよぉッ…!)
「アッアッ、フヒッ、アノ、あ、おま、お前もゴッ5組?」「えっ?あっ、ああ、そうだけど…?」「アッ、おおおれ、ヨヨッよるみね、れぃ…。」「えっ何?よ…?」
(よし、とりあえず自己紹介は済んだ…あっ、クソしまったまずは挨拶か!チッねじ込めるか…?)
「あの〜…」「てて、てか!お、おはヨぅ!!!」「うわっ!?えっ!?あ、お、おはよう…」
(よし、パーフェクトだ…!こっから盛り上がる話題に繋げて親睦を深めたるぁ!)
「トトトッ、とこるですぁ!アア、ァニメとかスッすキ?」「えっ、は…?」
ご覧のとおり話に花が咲こうとしていた直前だった、俺と会話のキャッチボールをしていた地味目の男子の後ろから、教師らしきオッサンがヌッと現れたのは。
「おい、お前ら1-5の生徒か?今からミーティングだ、とりあえず教室入れ」
「アッフヒッ、イヤ、アッ、ハイ、スイマセン…」「あっ、はい、わかりました」
周囲では既にコミュニティ形成
3
:
名無しさん
:2017/01/02(月) 05:35:06
「何やってるんだろう、俺……。」
思わず言葉にしてしまい、溜息が漏れた。
「うわ、ヤバい、何か久々に声を発した気がする……。」
夏休みに入ってもう一週間は経つというのに未だ誰とも会話すらしていないうえ、一歩たりとも家の外に出ていない。
そもそも、それ以前に自分の部屋からすらほとんど出ていなかった。
高校生になって初めての夏休みだというのに、誰と遊ぶでもなくPCの画面を眺める毎日。
「あぁ〜懐かしい、中学の頃を思い出しすわ、そうそう、ボッチの夏休みって死ぬ程ヒマなんだった…はぁ、何を期待してたんだよ…。」
そう暇だ、何の約束も予定もない。しかしそのくせ宿題には一切手をつけず、やる事といえば世界で最も無為なローテーションを熟すだけ。
「なんつーか、飽きたな、もう……積んでゲームも溜まってた作品も消化したし、うん、やる事やった。」
思春期の夏休みという貴重な青春をネットorゲームorアニメor読書(漫画orラノベ)というゴミの様なローテで浪費するだけの無色透明…否、灰色の日々。
「あぁもう、早く帰ってこねえかなー…夏休みに突入してからカップ麺しか食ってねえし、飯にも飽きたわ。けど自炊も面倒くせえし……。」
今、家には俺にしかいない。夏休みにはいる直前に母親が世界一周旅行チケットに当選したのだが、行ける人数が家族の人数より一人少なかったので
家族内カースト最下位の俺が必然的に取り残される形になり現在に至る。一行は現金5万円と共に「食費に費え」という言葉を言い残した後、俺に対する
名残惜しさや罪悪感といった感情は一切見せず満面の笑みで去っていった。現金を賜った俺はその足で近所の店に赴き、大量のカップ麺を買い占めて以降金には手をつけていない。
外食は金が勿体無いしそもそも家から出たくない、かといって家事スキル皆無の俺が自炊に挑戦するのも危険というか正直面倒くせえという理由からの行動であった。
「しっかし何だろうコレ…なんにもしてねーってか、むしろずっと休んでるはずなのに……疲れた。」
どうしようもない位に退屈で、ある意味平穏な毎日、
4
:
名無しさん
:2017/04/15(土) 01:08:02
世界中で、とある都市伝説が流布していた。
真偽の程は定かでなく、その起源は不明らしい。
誰が語りだしたのか、いつ頃から何処で伝えられ始めたのかわからない。
しかし、似たような時期に似たような話が世界各国で口承されたのは確かだ。
ソレは国どころか地域によって名前が変わり、ネットやニュースでも呼び方は未だ統一されていない。
呼称だけでなく内容自体も細部は国や地域によって違うが、話の核、要点は同じだ。
曰くソレは、世界中のあらゆる所に存在する。
曰くソレは、異なる世界に繋がっている。
曰くソレは、鍵がかかって開かない。
俺が初めてソレを知ったのは、確か半年ほど前だったか。
記憶が確かなら、SNSで話題になったのが三か月ほど前でメディアが報道し始めたのが先月辺りからなので、かなり早い段階からソレについて認識していた事になる。
5
:
名無しさん
:2017/04/18(火) 01:37:00
ある日見た夢を、忘れられない。
いつもは夢の記憶なんて、起きて数刻もしない内に霧散している。
余程強烈な夢であっても、霞がかった断片的な記憶が微かに残るだけだ。
でも、あの日見た夢だけは違った。
最初から最後まで、不気味なほど明瞭に覚えている。
そう、あの夢で俺は気が付くと黒い世界に浮いていて、白い扉に向かい合っていた。
黒い世界は真っ暗だった。いや、真っ黒だったと言うべきか。
見渡す限り果てしない漆黒、もし宇宙から全ての星を取っ払ったらこんな景色になるのかもしれない、そんな虚無。
しかし不思議な事に、光源は見当たらないのに自分の体と白い扉だけはハッキリと視認できた。
目の前の見上げる程大きな扉は観音開きで、取っ手には錠がかけられている。
これまた不思議な事に、扉はそれのみでしかない。まるで某猫型ロボットの秘密道具よろしく、扉だけがポツンと存在していた。
しかし最も不思議なのは、そんな摩訶不思議な状況に何の疑問もたず、それどころ何らかの確信をもって扉を開こうとする自分自身だ。
まるで火に入る羽虫の如く扉に近づくと、どこからともなく一本の鍵が降ってくる。
そして迷う事なく鍵を手に取り、躊躇なく錠に差し込む。
そう、何故か訳もなく確信していた。この扉は開く。そして越えれば、世界が変わる。
何の取り柄もない自分を。代わり映えしない退屈な日常を。この世界を、変えられる。
そんな子供じみた妄想に取り憑かれ、錠に差し込んだ鍵を回す。
すると扉を覆う透明な何かがビキビキと軋み始め、一瞬のうちにバラバラと砕け落ちた。
開いた。カチャリとあっけなく。驚きはしなかった。当然だと言わんばかりに鍵を引き抜き、扉に手をかける。
期待と不安、恐怖と歓喜、それらが混じり合ったどこか猟奇的にも見える笑みを浮かべながら、扉を開く。
すると中から強烈な光が差し込み、思わず顔をしかめ目を閉じる。
数秒して目を開くと、世界は真っ白に染められていた。見渡す限りの純白。
それだけじゃない、文字通り地に足がついている。
かなり硬い。土やコンクリというよりは大理石に近い感覚。
そして最も違うのは、目の前で黒い十字架に縛り付けられた白い少女がいる事だった。
6
:
名無しさん
:2017/04/18(火) 01:57:37
ある日見た夢を、忘れられない。
いつもは夢の記憶なんて、起きて数刻もしない内に霧散している。
余程強烈な夢であっても、霞がかった断片的な記憶が微かに残るだけだ。
でも、あの日見た夢だけは違う。
最初から最後まで、不気味なほど明瞭に覚えている。
そう、あの夢で俺は気が付くと黒い世界に浮いていて、白い扉に向かい合っていた。
黒い世界は真っ暗だ。いや、真っ黒だと言うべきか。
見渡す限り果てしない漆黒、もし宇宙から全ての星を取っ払ったらこんな景色になるのかもしれない、そんな虚無。
不思議にも、光源も見当たらないのに自分の体と白い扉だけはハッキリと視認できた。
そして目の前にある、見上げる程大きな扉。見たところ観音開きで取っ手には錠がかけられている。
これまた不思議な事に、扉はそれのみでしかない。まるで某猫型ロボットの秘密道具よろしく、扉だけがポツンと存在していた。
しかし最も不思議なのは、そんな摩訶不思議な状況に何の疑問もたず、それどころ何らかの確信をもって扉を開こうとする夢の中の自分自身だ。
まるで火に入る羽虫の如く扉に近づくと、どこからともなく一本の鍵が降ってくる。
そして迷う事なく鍵を手に取り、躊躇なく錠に差し込む。
そう、何故か訳もなく確信していた。この扉は開く。そして越えれば、世界が変わる。
何の取り柄もない自分を。代わり映えしない退屈な日常を。この世界を、変えられる。
そんなどこからか湧いてきたかも分からない子供じみた妄想に取り憑かれ、錠に差し込んだ鍵を回す。
すると扉を覆う透明な何かがビキビキと軋み始め、亀裂が生じたと思った次の瞬間にはバラバラと砕け落ちた。
そして開いた。カチャリとあっけなく。驚きはしなかった。当然だと言わんばかりに鍵を引き抜き、取っ手を握る。
期待と不安、恐怖と歓喜、それらが混じり合ったどこか猟奇的にも見える笑みを浮かべながら、扉を開く。
すると中から強烈な光が差し込み、思わず顔をしかめ目を閉じる。
眼裏の残光を振り払うように首を振り目を開くと、文字通り世界は色を変えていた。辺り一面が真っ白に染められている。見渡す限りの純白。
それだけじゃない、文字通り地に足がついている。硬く平滑な地面。土やコンクリというよりは大理石に近い感覚。
それ以外は黒の世界と何も変わらない。
そう。
目前に。
黒い十字架に縛り付けられた、白い少女がいる事を除けば。
7
:
名無しさん
:2017/04/18(火) 02:48:01
「ん……?」
気が付くと黒い世界に立っていて、目の間には錠の掛かった白い扉が佇んでいた。
見渡すかぎり真っ暗、というよりは真っ黒と言った方がいいかもしれない。
光源もないのに何故か自分の体と白い扉だけはハッキリと視認できた。
体はまるで水中にいるような感覚で、動き辛いが特に不快感はない。
「扉、だよな……。」
不思議な事に、扉はそれのみしかない。まるで某猫型ロボットの秘密道具よろしく、扉だけがポツンと存在していた。
まぁもっと不思議なのは、こんな摩訶不思議な状況に何の疑問や焦りも抱かず、アホ面引っさげて扉へ近づく夢の中の俺だけど……。
ともかく扉へ近づくと、どこからか一本の鍵が降ってきた。
「鍵……開けるっきゃねえよな、コレ。」
思い返せば、そんな事はない気がするが……夢の中の俺は不用心にも鍵を手に取り、好奇心から錠に鍵を差し込んで、回してみた。
するとカチッと。拍子抜けする音が鳴った次の瞬間だった。ビキビキと軋みながら扉に亀裂が……いや、扉じゃない。
先程までは見えなかったが扉を透明な何かが覆っており、それに亀裂が生じている。
「えっ!?なっ、何だっ!?もしかしてヤバい事しちゃった!?」
ガラスを踏み砕いていくような音と共に亀裂の数と大きさが増していく。たじろぐように下がろうとしたその時だった。
一際大きな、壺か何かを叩き割ったような音と共に透明な何かが崩れ落ち、それと同時に鍵を差した時より大きな開錠音がガチャリと鳴り響いた。
「お、収まった……?つーか今の音、開いた、のか……?」
8
:
名無しさん
:2017/08/16(水) 19:02:13
「ん……。」
「あっ」
「大丈夫…ですか?」
「……あ、うん。大丈夫……だと、思う。」
「よかったっ……あ、よかった、です!」
「ええと……君は?」
「あ、失礼しましたっ、
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