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川 ゚ -゚)オーライオーライのようです

4名無しさん:2025/08/24(日) 18:10:47 ID:FTVLCsf20

( ・∀・)「クーはどう思う?」

川 ゚ -゚)「どうって言われても、まあ」

モララーが好きな方にするよ、と私は言った。
強いて言えば、身体のラインが強調されるマーメイドはやや気恥ずかしい。
気恥ずかしいし、何よりミルナの顔が脳裏をちらついてしまうことが、この上無く屈辱だった。



どこからかミルナが買ってきた、金のラメが所々に散りばめられた安いナイロン製の子供用マーメイドドレス。
ろくな灯りも点いていない部屋でそれを着せられると、執拗に腰回りをまさぐられた。
まさぐりながら、彼はしみと無精髭にまみれた顔をくしゃくしゃに顰めてすすり泣いていた。その理由は今でも分からない。
泣いている人間には優しくしてあげよう、原始的な道徳をもとにミルナの頭を二、三度撫でると彼は殊更に大きな声を上げて泣き始め
その勢いのままに私の腰を掴んで強引にフローリングに叩き付け、その後のことは、あまり思い出さないようにしている。

あの頃にミルナが私にしでかしたことが、私の人生の尊厳をも容易く脅かすような惨い辱めだったことに「気付いてしまった」のは
彼が捕まって、私が解放されて、それから少し後のことだった。

今でも、その夢を見て深夜に飛び起きることがある。
男の顔はミルナだったこともあったし、見知らぬ誰かだったこともあったが
薄暗い団地の一室で、ドレスを着たあの頃の私が埃だらけの床に押し付けられて、引き裂かれるような痛みに息もできない、という内容で概ね共通していた。
大概、酷い寝汗でシャツが濡れている。
まだ目新しくスプリングも強いダブルベッドの上、私の荒く不規則な息遣いに気付いたモララーは
白く細くやや頼りない腕で私を抱き締め、もう大丈夫、もう大丈夫と呟く。少しばかり、気が楽になる。

ああ、そうだ。全ては夢だ。私は大丈夫だ、いよいよ大丈夫になりつつあるのだ。
モララーが隣にいる限り、これからの生活の中で私を脅かすものは、恐らくもう二度と現れないのだ。
モララーの手が私の頬を撫でる。温かい。血の気が引き、すっかり冷たくなった私の手を重ねると、幸せとは、これかと思う。
幸せ。優しい配偶者。柔らかい毛布。私を脅かすものが何一つとして存在しない空間。ようやく辿り着いた。これ以上望むものも無いはずなのだ。


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