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川 ゚ -゚)オーライオーライのようです
14
:
名無しさん
:2025/08/24(日) 18:22:12 ID:FTVLCsf20
結婚式は都内のホテルで行われた。準備は当日まで続き、慌ただしい中でドレスを着て、メイクを施してもらっていた。
鏡の前の私、髪が綺麗に結われ、目、鼻、口と順に整いゆく様を、ただただ黙って見ている。
鏡の前で「お前は誰だ」と三回呟くと精神が崩壊する、という与太話にもならないような都市伝説を思い出す。
しかし、確かに鏡の前のこの女は誰なのだろう。お前ではない、と言われたら、納得してしまうかもしれない。
川 ゚ -゚)「私じゃないみたい」
控室、後ろでその時を待ち構えているモララーに、鏡越しに話しかける。
( ・∀・)「大丈夫、益々綺麗になっただけでいつものクーだよ」
モララーの返事は相変わらずだった。気障なのか、十二分の優しさの表れか。
鏡の前に、恐らく私。どこかから、声が聞こえる。
お前、そんなに粧し込んで、何者のつもりだ。お前が着ているドレス、よく見てみろ。思い出さないか。
あの頃あいつに無理矢理着せられたものと、よく似ているじゃないか。
何故だろうか、呼吸が次第に浅く、荒くなっていくのが自分でも分かった。
タイトなマーメイドのドレス、薄くきめ細かいレースの向こうに、暗く薄汚い木造アパートの一室、小刻みに息を震わせるミルナが見える。
どれだけ取り繕おうと、あの頃から今の今まで、私は地続きで繋がっている。
すみません、酸欠かな。少し頭が痛くって。外の空気だけ吸わせてください。
メイクアップの途中、強引に控室を出る。
マーメイドドレスにとらわれ、おぼつかない足取りで駆け込んだトイレの鏡に映る私を見て、言った。
大丈夫、貴方は幸せ。私は今、本当に幸せ。だから、貴方は大丈夫、貴方は大丈夫、貴方は大丈夫。
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