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彡(゜)(゜)「ワイは菅野直。日本帝国海軍の撃墜王や」
303
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:14:18 ID:8rdzps2w0
彡(゚)(゚)「ふぅ……こんなもんか……ん?」
⊂(★_★-;)⊃三3
彡(゚)(゚)「まだおったか……」
彡(●)(●)「逃がさへんで!!」ブーン
カスカスカス
彡;(゚)(゚)「ファッ!弾切れや……」
⊂(★_★-;)⊃「ホッ……」
彡(●)(●)「安心するのはまだ早いで!!」ギューン
Σ(〃゚3゚〃)「はっ!隊長、なにをするつもりで!!」
彡(●)(●)「もぎるんや!!」
(〃゚3゚〃)「え?」
彡(●)(●)「ぶつかってでも敵の翼をもぎ取るんや!!!」ギューン
304
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:15:19 ID:8rdzps2w0
ドギャーン
⊂ / Σ(★_★-;)⊃三3
(〃゚3゚〃)「片翼を失った敵がバランスを崩して落ちていく……」
彡;●_●)彡;●_●)彡;●_●)「あ、でも!隊長も落ちていく!!!」
彡(×)(×)「うーん……」
彡;(゚)(゚)「はっ!衝撃で気絶してしまっとった」
彡;(゚)(゚)「このままやと墜落して死んでまう」
彡;(゚)(゚)「緊急着陸!緊急着陸!!」
305
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:16:03 ID:8rdzps2w0
(´・ω・`)「ということで十七機を撃墜、四十六機を無力化したみたい」
(; ゚∋゚)「いろいろとおかしいだろ」
( ゚∋゚)「まあ、これだけの戦果を出したんだ……」
( ゚∋゚)「憲兵隊も手だしはできなくなったろう」
( ゚∋゚)……
( ゚∋゚)「タケくん、お願いがある」
(´・ω・`)「なんです?」
( ゚∋゚)「これからもチョクのことを頼む」
( ゚∋゚)「友として、僕が傍にいてやれればいいんだが」
( ゚∋゚)「いかんせん、陸軍と海軍では隔たりが大きい」
306
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:16:50 ID:8rdzps2w0
(´・ω・`)……
( ゚∋゚)「チョクは強い男だが、繊細なこころの持ち主だ」
( ゚∋゚)「おそらく、いや確実に……この先、戦況は悪化していく……」
( ゚∋゚)「しかし、それでも彼はあらゆる苦難にも勇敢に向かっていくだろう」
( ゚∋゚)「そして誰もがチョクを頼りにするようになっていく……」
( ゚∋゚)「……チョクはその全てに応えようとするだろう」
(´・ω・`)「きっとそうでしょうね……」
(´・ω・`)「チョクはそういうやつですもん」
( ゚∋゚)「フッ……分かってるじゃないか……」
(´・ω・`)「ボクも彼とは長年の付き合いですから」
307
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:17:35 ID:8rdzps2w0
( ゚∋゚)……
( ゚∋゚)「誰からも頼りにされる……」
( ゚∋゚)「そんな重圧に一人で耐えられる人間などいない……」
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「ボクが彼の傍にいます」
(´・ω・`)「まあ、気休め程度ですけどね」
( ゚∋゚)「それで十分さ……」
( ゚∋゚)ゞ「頼んだぞ」
(´・ω・`)ゞ「はい!」
308
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:18:54 ID:8rdzps2w0
今回はここまで
309
:
名無しさん
:2024/05/27(月) 19:26:33 ID:AX1XWD0Y0
乙乙乙
310
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 00:27:55 ID:dL7DAnqs0
乙!
311
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:28:34 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)/「よしお前ら!今日も元気に出撃や!!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)彡●_●)『おー!!』
ブーン
彡(゚)(゚)「ん?」
彡;(゚)(゚)「おい大和!お前の機体から煙が出とるぞ!!」
彡●_●)「え?あ!本当だ……」
彡(゚)(゚)「明らかに機体不良やから、戻って今日は休んどれ」
彡●_●)……
彡●_●)「イヤです」
彡(゚)(゚)「は?」
彡●_●)「ボクは戦えます、連れていってください」
312
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:29:20 ID:lMD5ChYI0
彡;(゚)(゚)「いやいやいや、なに言っとんねん」
(´・ω・`) .。oO(チョクを動揺させるとは……将来が心配だ)
(〃゚3゚〃)「三時の方向から敵機!!」
彡(゚)(゚)「くっ……このまま戦うしかないか」
彡;●_●)「あれ?機体が上手く動かない……」
彡;●_●)「や、やられる!!」
彡;(゚)(゚)「だから言わんこっちゃない!!」
彡;(゚)(゚)「あーもう世話のかかるやつやで!」
(´・ω・`) .。oO(チョクに護衛をさせるとは……ますます将来が心配だ)
313
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:30:00 ID:lMD5ChYI0
なんとか戦闘には勝つことができた
でも、やはり機体不良から大和くんは途中にあった島に不時着した
すぐにでも助けたかったがボクたちの機体の燃料も底をつきかけており
ひとまず基地に帰ることした
基地
彡(゚)(゚)「タケ!後のことはまかせたわ」
彡(゚)(゚)「ワイは大和を迎えに行く」
(´・ω・`)「一人で行くきかい?」
(´・ω・`)「誰か連れて行ったら?」
彡(゚)(゚)「んー護衛がおると逆にそいつのことが気になってしまうからな」
彡(゚)(゚)ノ「一人で行くわ、ほな」
314
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:31:10 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)「たしか、この辺に降りたはずなんやけど……」
彡(゚)(゚)「お!おったわ」
彡(゚)(゚)「迎えにきたで」
彡;●_●)「隊長!わざわざすみません」
彡;●_●)「それに……スイマセンでした!!」
彡;●_●)「我がままいって付いて行ったのにあのザマなんて……」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「まあ、疲れたやろ」
彡(゚)(゚)「はよ、帰るで……乗りい」
彡;●_●)「……はい」
ブーン
315
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:31:51 ID:lMD5ChYI0
彡●_●)「地上のあちこちから煙が上がってますね」
彡(゚)(゚)「あれはゲリラの信号や」
彡(゚)(゚)「あんなところに着陸したら虐殺されるさかい……」
彡(゚)(゚)「絶対に降りたらアカンで」
彡;●_●)「……はい」
彡(゚)(゚)「あとな大和……今回のことやけど……」
彡;●_●)「……」
彡(゚)(゚)「勇気と無謀を履き違えたらアカンで……」
彡;●_●)「……はい」
彡(゚)(゚)「うん、ワイが言いたいことはそれだけや」
彡●_●)「はい」
316
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:32:50 ID:lMD5ChYI0
夜中
(´・ω・`)「お!やっと帰ってきた」
(;´・ω・` )「けど、夜間着陸は危険なんだよな……」
(;´・ω・` ) .。oO(チョクは前科もあるし……)
スーキキッ
(´・ω・`).。oO(おお!なんて綺麗な着地だ)
あのバカをやった経験がここで生きたのかな
317
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:33:21 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)「ただいまやでー」
彡;●_●)「ただいまです……」
(´・ω・`)「おかえり」
(´・ω・`)「大和くん、なんであんな無茶をしたんだい?」
彡;●_●)「えっと……」
彡(゚)(゚)「説教はワイがしたし、もう勘弁してやってくれや」
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「……夕飯、食べてきなよ」
(´・ω・`)「みんなも待ってるよ」
318
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:34:01 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)/「よしお前ら!今日も元気に出撃や!!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)彡●_●)『おー!!』
ブーン
⊂(★_★-)⊃三3⊂(★_★-)⊃三3⊂(★_★-)⊃三3
彡(゚)(゚)「敵機を確認!!」
彡(●)(●)「ほな行くで!!」
(;-★_★)「イエローファイターだ!」
(;-★_★)「逃げろー!!」
ε=ε=⊂(;-★_★)⊃ε=ε=⊂(;-★_★)⊃ε=ε=⊂(;-★_★)⊃
彡(●)(●)「は?どこいくねん!」
彡(●)(●)「正々堂々と戦えや!!」
319
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:34:55 ID:lMD5ChYI0
(´・ω・`) .。oO(そりゃあ、そうなるよ)
チョクはこれまでの戦いでアメリカ軍にも名が知れるようになった
機体に黄色いストライプ模様があったことから
イエローファイターと呼ばれ恐れられるようになっていた
アメリカ軍は不利だと分かればさっさと撤退していった
……どんな状況だろうが気合と根性で戦おうとする
ボクたち日本人とは大違いだ
320
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:35:27 ID:lMD5ChYI0
まあ、攻勢をかけてきているアメリカ軍と違って
日本側は守勢だから退くに引けないって理由はあるけどね
ボクたちが逃げたら、仲間や一般人が一方的に殺戮される
それだけはなんとしてでも阻止しなくちゃいけない
でも、ボクたちだけでアメリカ軍の猛攻を止められるはずはなかった
チョクがどれだけ奮闘しても形勢は変わらず
日本はどんどんと追い詰められていった
321
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:36:02 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)/「よしお前ら!今日も元気に出撃や!!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)彡●_●)『おー!!』
(〃゚3゚〃)「三時の方向から敵機!!」
彡(゚)(゚)「よし!今日は逃がさんで!!」
彡(゚)(゚)「ん?」
(´・ω・`)「あれは……」
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
322
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:36:50 ID:lMD5ChYI0
(´・ω・`) .。oO(今までの敵とは少し違う……)
B-24よりもひとまわり大きく、翼や胴体はすらりとしている
見るからに高性能……きっとアメリカ軍が投入した新型だ
(;´・ω・` )「どうするチョク……」
彡(゚)(゚)「ひとまず攻撃して様子見や……」
彡(●)(●)「行くでお前ら!!」ギューン
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)彡●_●)『応!!』ギューン
ズダダダダダダ
(;`・ω・´)「ぐっ……弾幕がいつもより濃い」
(;`・ω・´)「でも、これぐらいなんだ!!」
(;`・ω・´)「照準よし!距離もよし!当たれー!!」ズダダダダダダ
(;`・ω・´)「よし!当たった!!」
323
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:37:42 ID:lMD5ChYI0
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(;´・ω・` )「え?落ちない……どうして?」
(;´・ω・` )「翼にも胴体にも大きな穴があいているのに……」
彡;(●)(●)「ぐっ……」
(;〃゚3゚〃)「ダメだ……いくら当ててもビクともしない……」
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
彡;(●)(●)「もう一回や!!」ギューン
彡(●)(●)「お前ら!同じところに当ててもダメや!」
彡(●)(●)「もっと狙いを広範囲にするんや!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)彡●_●)『応!!』ギューン
324
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:38:16 ID:lMD5ChYI0
ズダダダダダダ
(((BOMB))) ⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(;`・ω・´)「やった!落ちた!!」
(;`・ω・´)「みんな!あそこだ。あそこが燃料タンクだ!!」
彡(●)(●)「ようやったタケ!!」ズダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB)))⊂(✪_✪-)⊃三3
彡●_●)「なるほど……あそこを狙うんだな」ギューン
(;´・ω・` )「あ!ダメだ大和くん!!」
(;´・ω・` )「狙いすぎで動きが単調になってる!!」
325
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:38:59 ID:lMD5ChYI0
ズダダダダダダ
彡;●_●)「う、うわー」
彡(●)(●)「大和!!!」
(;´・ω・` )「あぁぁ……被弾して空中火災が……このままじゃ……」
彡●_●)……
彡●_●)「どうせ死ぬなら!!」
火を纏ったゼロ戦が敵機に一直線にむかっていく
ε=ε=⊂彡●_●)⊃ ⊂(✪_✪-)⊃三3
(((BOMB))) (((BOMB)))
(;´・ω・` )「あぁぁ……」
(;〃゚3゚〃) 彡;●_●)彡;●_●)『そ、そんな……』
彡(●)(●)「大和!!!!!!!!」
彡(●)(●)「アアアアアアアアアアアアア!クソが!クソが!クソが!」
326
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:40:04 ID:lMD5ChYI0
基地
(;´・ω・` )「チョク……大丈夫かい?」
彡(゚)(゚)……
彡(-)(-)「……大和も軍人や」
彡(゚)(゚)「死ぬ覚悟はできとったやろ」
彡(゚)(゚)「それに……」
彡(゚)(゚)「果敢に敵に突撃していったあの最期……」
彡(-)(-)「実に立派やった……」
(´・ω・`)「うん、そうだね」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「でもな……」
彡(゚)(゚)「やっぱ……悲しいわ……」
(´・ω・`)「うん……」
327
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:41:11 ID:lMD5ChYI0
速報が届いた
それはボクとチョクにとって吉報であり悲報でもあった
ボクたちと同期で海軍兵学校第70期生の関くんが
新設された神風特別攻撃隊に編成され、出撃し
アメリカ軍の航空母艦を沈めたというものだった
戦闘機で空母を撃沈させるなんてとんでもない偉業であった
でも、この攻撃で関くんは死んでしまった
328
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:41:58 ID:lMD5ChYI0
神風特別攻撃隊、神風特攻隊とも略されるこの隊は
爆弾を積んだ戦闘機による体当たり攻撃を目的として結成された隊
こんな言いかたはしたくないけど……
パイロットの命を犠牲にすることを前提にした
自爆攻撃をするために結成された隊だ
関くんはこの特攻隊員として見事に目的を達成し
戦果をあげて散華した第一号の英雄として讃えられた
いわゆる名誉ある戦死というやつだ
329
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:42:59 ID:lMD5ChYI0
(´・ω・`) .。oO(ボクは軍人として…日本人として……)
彼のこの死を誇りに思い、喜ばなければならないのだろう
でも、どうしても悲しみが先にきてしまう
それと……こんな作戦を決行しないといけないほど
日本はアメリカに追い詰められているのかと不安に思ってしまった
そんな暗い気持ちになっていたとき
横でボソッとチョクはつぶやいた
330
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:43:52 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)「ワイが関くんの代わりに突っ込んでいってもよかったんにな……」
彡(゚)(゚)「自分が情けない……」
(;`・ω・´)「バカいうなよ!」
(;`・ω・´)「死のうが生きようが、国に尽くす心は同じだよ」
(;`・ω・´)「どっちにも優劣なんてない」
(;`・ω・´)「それともなにか?チョクは特攻で死んで有名になりたいのか!?」
彡(•)(•)「そんなわけあるかい!」
彡(-)(-)「……でも、どうせなら……」
彡(-)(-)「一番にいきたっかたわ」
彡(-)(-)……
彡(゚)(゚)「……いや、ワイは生きる」
彡(゚)(゚)「絶対に生きて、とことん戦ったる!」
331
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:44:58 ID:lMD5ChYI0
チョクは本人の意志もそれ相応の心構えもなしに
いきなり特攻に指名するような、搭乗員の気持ちを全く無視するやり方を嫌った
だから、部下の中から特攻要員として誰かを指名するよう命令されても
彡(●)(●)「断固拒否する」
と答えた
上層部も、その抜群の腕を持つチョクを特攻に出したくなかったようで
彡(●)(●)「部下を出すくらいなら自分がいく」
というチョクの申し出を受けるわけにはいかず
諦めざるを得なかった
332
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:46:11 ID:lMD5ChYI0
「敵襲!!敵襲!!」
「敵上陸用舟艇多数見ゆ!!」
「各員戦闘配置につけ!!」
(;`・ω・´)「チョク!みんな集まったよ!!」
彡;(゚)(゚)「急な事態やが落ち着いていくで!!」
彡;(゚)(゚)「あと、戦闘機は離陸するときに隙が生じやすい」
彡;(゚)(゚)「気をつけるんやで!!」ギューン
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)『応!!』ギューン
333
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:46:50 ID:lMD5ChYI0
彡(゚)(゚)「よし……全員無事に飛べたな」
彡(゚)(゚)「で、敵はどこにおるんや?」
(;`・ω・´)「九時の方向、敵影ナシ!!」
(〃゚3゚〃)「三時の方向、敵影ナシ!!」
彡(゚)(゚)「どこにもおらんやんけ?」
(;´・ω・` )「もしかして誤報?」
彡(゚)(゚)「うーん……とりあえず一回りしてから基地にもどるで」
彡(゚)(゚)「敵がおると思って、油断するなや」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 彡●_●)彡●_●)『了解!!』
でもやはり、アメリカ軍はどこにもいなかった
空には周辺区域から来た援軍も多く見られた
そして皆が一様にセブ島基地に着陸するよう命令が下された
334
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:47:45 ID:lMD5ChYI0
セブ島基地
彡;(゚)(゚)「すごいゼロ戦の数やな」
(´・ω・`)「百機近くいるね」
彡;(゚)(゚)「こんな一ヶ所に集めて大丈夫かいな」
(´・ω・`)「仮に今、攻めてこられたら一網打尽だね」
彡(゚)(゚)「心配やし、ちょっくら上に言ってくるわ」
(´・ω・`)「うん、いってらっしゃい」
・・・
彡(゚)(゚)「アカンわ……順次帰投させるとしか言ってこん……」
(´・ω・`)「なにもなければいいけど……」
彡(゚)(゚)「まあ、そう願うしかないわな……」
335
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:48:32 ID:lMD5ChYI0
翌日
「敵襲!!敵襲!!」
「敵戦闘機多数見ゆ!!」
「各員戦闘配置につけ!!」
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
彡;(゚)(゚)「まったく!言わんこっちゃない!!」
ひゅーんドカーン!!
(;`・ω・´)「くっ間に合わなかった」
(;`・ω・´)「敵の攻撃の方が早い」
「出撃できる者から出撃していけ!!」
彡;(゚)(゚)「指揮系統もあったもんやないやんけ!!」
336
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:49:22 ID:lMD5ChYI0
ひゅーん
(;`・ω・´)「危ない!!チョク!」バッ
彡(×)(×)「ふぎゃ」
爆弾が落ちてきていたので咄嗟に飛び出し
チョクにタックルをした
ドカーン!!
彡;(゚)(゚)「危機一髪……助かったで、ありがとうなタケ」
(;´・ω・` )「どういたしまして……でも……」
(;´・ω・` )「ボクたちの機体はもうダメだ」
337
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:50:10 ID:lMD5ChYI0
(〃゚3゚〃)「隊長!!」
彡;(゚)(゚)「おお!杉田も無事やったか」
彡;(゚)(゚)「ん?瑞宝と翔鶴は?」
(;´・ω・` )「あ!今、まさに飛び立とうとしてる!!」
彡;(゚)(゚)「なんやと!!」
ε=ε=⊂彡●_●)⊃⊂彡●_●)⊃
彡;(゚)(゚)「瑞宝!翔鶴!」
ズダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB)))
338
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:50:44 ID:lMD5ChYI0
彡;(゚)(゚)「あ……あ……」
彡(●)(●)「クソがああああああああああああああ!!」
彡(●)(●)「どの機体でもええ、ワイによこせ!!」
彡(●)(●)「かたき討ちじゅあああああああああああ!!」
(;`・ω・´)「ダメだ!この辺の機体はもう全滅だ!!」
(;`・ω・´)「早く避難しなきゃ!!」
339
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:51:16 ID:lMD5ChYI0
彡(●)(●)「なに言っとんじゃ!!」
彡(●)(●)「瑞宝と翔鶴が目の前で殺られたんやぞ!!」
(;`・ω・´)「杉田くん、手を貸して!!」
(;`・ω・´)「チョクを力強くでも連れて行くんだ!!」
(;〃゚3゚〃)「は、はい!」
彡(●)(●)「なにするんじゃ!!」
彡(●)(●)「離せや!!」=◯)`ω゚)∵
(;〃゚3゚〃)「タケさん!!」
(#`・ω・´)「大丈夫……さあ、行こう」
彡(●)(●)「離せ!!離せや!!」
彡(●)(●)「うわあああああああああああああああああああ!!」
340
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:52:04 ID:lMD5ChYI0
今回の襲撃でボクたちは多くの勇敢なパイロットと
数多のゼロ戦を失うことになった
そして、この一戦を契機にアメリカ軍の猛攻が始まった
でも、ボクたちには空に飛び立つ機体はなく
悔しく歯がゆい思いで身を守るしかなかった
341
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:52:43 ID:lMD5ChYI0
(#・ω・`)「チョク……命令が出たよ」
(#・ω・`)「内地に行って、戦闘機を調達するようにだって……」
彡(•)(•)「なに言っとるや!もうじきここらで大戦闘が起こるに決まっとる」
彡(•)(•)「あいつらの仇を討つチャンスやろうが!!」
(#・ω・`)「そんなこと言ったって……」
(#・ω・`)「肝心の機体がないじゃないか……」
彡(•)(•)「ぐぬぬぬ……」
彡(•)(•)「だったら他のやつの機体をワイに回せ」
彡(•)(•)「絶対にそいつよりもええ働きをしたる!!」
342
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:53:31 ID:lMD5ChYI0
(#・ω・`)「そんなことしたら、その人が戦えなくなるよ……」
(#・ω・`)「大事な人を亡くしたのはボクたちだけじゃないんだよ」
彡;(•)(•)「ぐぬぬぬ……」
(#・ω・`)「それに……」
(#・ω・`)「これが最後の戦いってわけじゃない……」
(#・ω・`)「この先……嫌になるほど戦うことになるよ……きっと」
(#・ω・`)「だから……いい機会だと思ってさ」
(#・ω・`)「日本に戻って羽を休めようよ……」
彡;(-)(-)……
(#・ω・`)……
彡(゚)(゚)「…………わかった」
(#・ω・`)「うん」
こうしてボクたちは日本に帰国することになった
343
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 18:55:49 ID:lMD5ChYI0
今回はここまで
344
:
名無しさん
:2024/05/28(火) 19:55:33 ID:RGV2x1P60
乙乙
コミカルな分刺激が抑えられて読み進められるけれど、こんな思いをした人が沢山いるのかと思うと辛くなってしまうな
乙
345
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 00:08:12 ID:vvgCviZo0
乙乙
346
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:30:44 ID:nYSk8D6s0
ボクたちは新たに生産されたゼロ戦の動作テストしていた
でも、あまりに多くの不具合が発生した
原因は次のとおりだ
戦争が激化するにつれて資材の確保の難化
軍上層部からの過大な増産要求
不慣れな作業者の増員
不慣れな者が低品質の素材で無理をして生産する
日本はこの悪循環から抜け出せなくなっていた
347
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:31:20 ID:nYSk8D6s0
また、作業員のモラルの低下も見られた
我慢を強いられる日々、貧しくなっていく日常
そして軍部による息も詰まるような統制された状況
こんな中で作業者にモチベーションを保てと言う方が無理な話だ
とボクは思う
工場内の雰囲気は陰々滅々としていた
チョクはそんな中でもすべての機体を一機ずつ自分でテストし
不具合箇所を具体的に上げ、修理を依頼していた
でも思うように作業は捗らなかった
348
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:32:04 ID:nYSk8D6s0
遅々として作業は進まないにも関わらず
戦地では仲間たちが苦戦を強いられ死んでいく状況にチョクは焦り
上層部に戦地への帰還を何度も要請した
だが、上層部は「予定通り機体を整備空輸せよ」としか言ってこない
チョクのイライラは目に見えてわかった
ガス抜きのために遊びに誘っても断られ
家族に会いに行って気晴らしをするよう勧めても
そんなヒマなどないと相手にされなかった
そんな日が続いていたある日のことだった
349
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:32:28 ID:nYSk8D6s0
(;〃゚3゚〃)「タケさん!!大変です!」
(´・ω・`)「どうしたの?」
(;〃゚3゚〃)「隊長が民間人に暴力を!!」
(。゚ω゚)「なんだって!!」
ε=ε=┏(;`・ω・´)┛
なにやってんだよ、チョク……
軍人が民間人に手を出すなんて……あってはならない
こんなこと……君がなによりも知っているはずじゃないか……
350
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:33:11 ID:nYSk8D6s0
彡(●)(●)「お前ら!!なにをちんたらサボっとるんじゃ!!」
彡(●)(●)「戦地でどんな戦争が行われとるか知っとるんか!!」
彡(●)(●)「どいつもこいつも……」
彡(●)(●)「その根性を叩き直してやるわ!!」
(;´Д`);´Д`);´Д`)ヒイイイイイイ
(;`・ω・´)「なにやってんだよチョク!!」
(;`・ω・´)「正気にもどれ!!」=◯)゚)(゚)∵
彡(#゚)(゚)「ぐっ……」
彡(●)(●)「なにするんじゃゴラァ!!!」=◯)`ω゚)∵
351
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:33:51 ID:nYSk8D6s0
(#`・ω・´)……
彡(●)(●)「なんや!その目は!!」
彡(●)(●)「ワイが悪いって言うんか!?」
(#`・ω・´)「ああ!君が悪い!!!」
彡(●)(●)「なんでや?ワイは真面目に任務に励んどるだけや!!」
彡(●)(●)「それでもワイが悪いんか!?」
(#`・ω・´)「君が悪い!!!」
彡(●)(●)「なにがや!なにが悪いんや!!」
(#`・ω・´)「そんなの……」
(#`・ω・´)「当たり前のことだろ!!」=◯)゚)(゚)∵
352
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:34:28 ID:nYSk8D6s0
彡(#゚)(゚)……
(#`・ω・´)「君の気持は痛いほどわかるよ」
(#`・ω・´)「今、ここに並んでいる機体が使えたら」
(#`・ω・´)「どれだけ前線で戦っている人間にとって助けになる事か」
(#`・ω・´)「なのに不具合ばかりが出て送ることができない」
(#`・ω・´)「その間に、戦友たちがどんどん死んでいく……」
(#`・ω・´)「そんな中で苛立ちを覚えるのは当然だ!」
(#`・ω・´)「だからってその苛立ちを彼らに向けるのは違うだろ!」
353
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:35:13 ID:nYSk8D6s0
(#`・ω・´)「ボクたちは軍人だ」
(#`・ω・´)「軍人の役目は戦えない者を守ることだ」
(#`・ω・´)「チョク!君も軍人ならその役目をまっとうしろ」
彡(#゚)(゚)……
(#`・ω・´)……
(;〃゚3゚〃)「二人とも、とりあえず一旦落ち着こう……」
354
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:35:48 ID:nYSk8D6s0
夜
彡(#゚)(゚)「タケ……少しええか?」
(#・ω・`)「……うん」
彡(#゚)(゚)つ「……ほれ酒や」
(#・ω・`)つ「コレ……どうしたんだい?」
彡(#゚)(゚)「かっぱらってきた」
(#・ω・`)「まったく……またそんな無茶を……」
彡(#ˇ)(゚)「まあそういうな……」
彡(#゚)(゚)ゴクゴク
(#・ω・`)ゴクゴク
355
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:36:26 ID:nYSk8D6s0
彡(#゚)(゚)「ぷはー」
彡(#゚)(゚)……
彡(#゚)(゚)「ワイはな……兵隊が嫌いなんや」
(#・ω・`)……
彡(#゚)(゚)「本当は大学に行って……研究者にでもなって」
彡(#゚)(゚)「静かな生活を送りたかったわ」
彡(#゚)(゚)……
彡(#゚)(゚)「こんなワイでもな……無理しとるんやで」
356
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:36:59 ID:nYSk8D6s0
(#・ω・`)……
(#・ω・`)「ボクも軍人の役目とか言ってカッコつけたけどさ……」
(#・ω・`)「……ボクは軍人として失格なんだと思う」
(#・ω・`)「ボクは君より責任感がないから……」
(#・ω・`)「作業員がサボってようが怒る気にもならなかったし」
(#・ω・`)「それに……戦地を離れることができて実はホッとしてるんだ」
彡(#゚)(゚)……
(#・ω・`)「正直……お国のためなんかに死にたくないよ……」
彡(#゚)(゚)「……カッコ悪いな……」
彡(#゚)(゚)「ワイもやけど……」
357
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:37:50 ID:nYSk8D6s0
彡(#゚)(゚)……
(#・ω・`)……
彡(#゚)(゚)「はーあ、なんでやりたくもないことをやっとるんやろうな」
(#・ω・`)「そういう時代……そういう世の中としかいいようがないね」
彡(#゚)(゚)……
(#・ω・`)……
358
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:38:17 ID:nYSk8D6s0
彡(#゚)(゚)「ま!人生なんてそんなもんやで」
彡(#゚)(゚)「それに嫌なことばかりでもない……軍人になっていいこともあった」
彡(#゚)(゚)「心身ともに鍛えられたし、いろんな奴と友になれた……」
彡(#゚)(゚)「戦闘機のパイロットなんて普通に生きとったらなれんしな」
(#・ω・`)「そうだね……それに一度、空を飛ぶあの感覚を味わったら……」
(#・ω・`)「もう止められないよね」
彡(#゚)(゚)……
(#・ω・`)……
彡(#゚)(゚)「……スマンかった」
(#・ω・`)「ボクもごめん」
359
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:39:13 ID:nYSk8D6s0
ある日
彡 •⌄• )「チョク兄ィ!」
彡( 'ー`)「カズコ!はしゃがないの!!」
彡;(゚)(゚)「ファッ!なんでカズコとオフクロがここにおるねん!?」
彡 •⌄• )「チョク兄ィがここにいるって手紙がきたの!」
彡;(゚)(゚)「ワイはそんなの書いてないで……いったいどこのどいつが……」
(´• 3 •`)〜♪
彡;(゚)(゚)「タケ!お前か!!」
(´・ω・`)「さあ?なんのことだか」
彡;(゚)(゚)「とぼけおってからに……」
360
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:39:59 ID:nYSk8D6s0
彡 •⌄• )「そんなことより!」
彡 •⌄• )「せっかく来たんだからチョク兄ィが飛行機に乗ってるところを……」
彡 •⌄• )「見てみたいわ!」
彡;(゚)(゚)「そんな急に言われても……」
彡;(゚)(゚)「忙しくて……そんなヒマないわ……」
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「まあ、ここはボクがやっておくから……」
(´・ω・`)「チョクは家族を連れて施設見学でもして来ればいいよ」
彡 •⌄• )「えー!ワタシはチョク兄ィが飛んでるところが見たいの!!」
(´・ω・`)「食堂に牛乳とチョコレートがあったはずだよ」
361
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:40:42 ID:nYSk8D6s0
彡 •⌄• )!!
彡 •⌄• )「早くいくわよ!」ダッ
彡( 'ー`)「コラ!カズコ、待ちなさい!」ダッ
彡;(゚)(゚)「勝手に行くなや!」
彡;(゚)(゚)「スマン、タケ!後は任せた!」
(´・ω・`)「うん」
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「君たち、ちょっといいかな……」
(;´Д`);´Д`);´Д`)『は、はい』
(´・ω・`)「そんなに怯えないでよ……」
(´・ω・`)「お願いしたいことがあるんだ」
362
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:41:24 ID:nYSk8D6s0
次の日
電車の中
彡 •⌄• )「ちぇっ!結局、チョク兄ィが飛んでるとこをみれなかった」
彡( 'ー`)「はぁーあんたって子はいつまでたっても……」
彡( 'ー`)「直はあんなに立派になったのに……」
ブーーーーーーーーン!!
「なんだ?なんだ?なんの音だ?」
「戦闘機だ!」
「はぁ?なんで戦闘機がこんなところを飛んでんだよ!!」
「そんなもん俺が知るかよ!」
彡; •⌄• )「母さま……アレって……」
彡( 'ー`)「あれはウチの息子よ!」
363
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:42:03 ID:nYSk8D6s0
⊂(゚)(゚)ミ⊃三三3
彡 •⌄• ) .。oO(窓を開け外を見るとゼロ戦が一機……飛んでいた)
そしてワタシたちが見ていることに気がついたよう
宙返りといった色々なアクロバット飛行を始めた
電車の中は急に始まった曲芸に大盛り上がりになった
「次はなにを見せてくれるんだ?」
「お!近づいてきたぞ……」
「なあ……近づきすぎじゃないか……」
「ぶつかるぞ!!」
彡(ꐦ 'ー`)「ウチの息子がそんなヘマするわけないじゃない!!」
『すみません……』
364
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:42:49 ID:nYSk8D6s0
⊂(^)(^)ミ⊃三三3
チョク兄ィは顔がはっきり見えるほど近づき
手を振っていた
彡 •⌄• )ノ"「チョク兄ィ!!」バサバサ
ワタシたちも夢中で手を振った
すると、チョク兄ィも翼を上下に振ってくれ
少しずつ遠ざかっていった
彡( 'ー`)「もうこれで見納めだね」
と言って母さまは腰を下ろした
電車の中は興奮の余韻に包まれていた
365
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:43:40 ID:nYSk8D6s0
ブーンキキッ
彡(゚)(゚)「ふぅ……帰ったで……」
(´・ω・`)「おかえり、間に合ったかい?」
彡(゚)(゚)「ああ、喜こんどったわ」
(´・ω・`)「それはよかった」
彡(゚)(゚)「……いらん気をつかいおって……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「……ありがとな」
(´・ω・`)「お礼をいうならボクにじゃないよ」
(´・ω・`)「作業員の彼らが頑張ってくれたんだよ」
彡(゚)(゚)「ん?」チラッ
(;´Д`);´Д`);´Д`)ビクビク
366
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:44:21 ID:nYSk8D6s0
(´・ω・`)「彼らに事情を話してたら……」
(´・ω・`)「快く受けてくれたよ」
(´・ω・`)「機体の出来は最高だっただろ?」
彡(゚)(゚)「……ああ、完璧やった」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「……たくっ」
彡(゚)(゚)「できるなら……最初からしとけや」
(;´Д`);´Д`);´Д`)ヒイイイイイイ
367
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:44:56 ID:nYSk8D6s0
彡(-)(-)「いや……できる者を腐らせとったワイがアカンのやな……」
彡(-)(-)……
彡(゚)(゚)「お前ら!おおきに!!」
( ゚∀゚)゚∀゚)゚∀゚)ぱー
彡(゚)(゚)「……うん、今日は仕事はなしや」
彡(^)(^)「ワイの奢りや!今から飲みにいくで!!」
( ゜∀゜)o彡゜( ゜∀゜)o彡゜( ゜∀゜)o彡゜
368
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:45:57 ID:nYSk8D6s0
無事にゼロ戦を調達できたボクたちは前線に戻ることになった
⊂(゚)(゚)ミ⊃三三3⊂(〃゚ε゚〃)⊃三三3⊂(・ω・´)⊃三三3
彡(゚)(゚) .。oO(アカン……どの基地に降りればええか分らんくなった)
彡(゚)(゚)「まあ……適当に降りればええか……」
(´・ω・`)「なにか言ったかい?」
彡(゚)(゚)「なんでもない、ただの独り言や……」
彡(゚)(゚)「お!日本軍の基地や……」
彡(゚)(゚)「……降りたろ」
彡(゚)(゚)「お前ら!着陸準備!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃)「ヨーソロ」
369
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:46:42 ID:nYSk8D6s0
バンバン飛行場
ブーンキキッ
彡(゚)(゚) (´・ω・`)(〃゚3゚〃)『とうちゃーく』
( `෴´)「貴様らは誰だ!!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃)『え?二〇一空の者ですけど』
( `෴´)「バカモーン!!」
( `෴´)「自分の部隊の飛行場を間違えるとはなにごとか!!」
彡(゚)(゚)「……やっぱりアカンかったか……」
(;´・ω・` )「やっぱりってどういう……」
( `෴´)「まったく……貴様らのような気のたるんだ者がいるから」
( `෴´)「軟弱なアメリカ人ごときに負けることになるのだ!!」
彡(●)(●)「あん?」
370
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:47:19 ID:nYSk8D6s0
(;〃゚3゚〃)「タケさん……これって……」
(;´・ω・` )「うん……絶対になにかやるよ……」
彡(●)(●)「お前らワイの合図でエンジンを全開にしろや」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃)「え?」
彡(●)(●)「今や!!」三三三3ブーン!
(´・ω・`)(〃゚3゚〃) 三三三3ブーン!
(; `෴´)「な、なにをする!」
(´・ω・`) .。oO(エンジンを全開にしたこことで……)
ゼロ戦のプロペラが勢いよく回り
その風圧で指揮所のテントが吹っ飛んでいった
371
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:47:59 ID:nYSk8D6s0
彡(^)(^)「ざまぁみい!」
(;´・ω・`)(;〃゚3゚〃)「えぇ……」
(; `෴´)「貴様ら……!!」
彡(゚)(゚)/「お前ら!さっさと逃げるで!!」ブーン!
(;´・ω・`)(;〃゚3゚〃)『お、応』ブーン!
(; `෴´)「待てえええええええええええええ!!」
⊂(゚)(゚)ミ⊃三三3⊂(〃゚ε゚〃)⊃三三3⊂(・ω・´)⊃三三3
この後、ボクたちは無事に?
二〇一空本部のマバラカット基地に着くことができた
仲間たちはボクたちの帰りを待ちわびていてくれたようで
歓声を上げ、笑顔で迎えてくれた
372
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 18:49:13 ID:nYSk8D6s0
今回はここまで
373
:
名無しさん
:2024/05/29(水) 23:42:12 ID:3h1ZADUc0
乙
息が詰まりそうな状況で辛いけど、頑張っている姿やふとした笑顔にジーンとくる
374
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:33:25 ID:yqlhYnuk0
この頃になると日本軍の戦い方は特攻攻撃が主流となっていた
特攻攻撃は特攻する部隊とそれを護衛する部隊に分かれる
ボクたち、自分で言うのもなんだけど……
腕のいいパイロットは後者の護衛部隊に配属された
特攻とは爆弾を積んだ戦闘機による体当たり攻撃のことだ
僅かな例外を除き、特攻に臨んだ者は……
攻撃が成功しようが失敗しようが死が待っている
どんな危険な任務であっても、僅かでも生還の可能性がある限り
ボクは飛ぶことができた
でも、彼らは違う……
彼らが任務を完遂するためには死ななければならない
375
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:34:13 ID:yqlhYnuk0
彼らがどのような気持ちで死に向かい合ったのか……
生きる望みのある者が推し量ろうとするのはあまりにも傲慢なことだ
と、ボクは思う
それでも……彼らのことを思うとボクは辛かった、悲しかった
そして、悩んだ……
どんな覚悟で彼らを見送ればいいのか分からなかった
だから、チョクに相談した
376
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:34:56 ID:yqlhYnuk0
彡(゚)(゚)「男の死ぬ場所、死ぬ時期は神様しか知らん……」
彡(゚)(゚)「でも……死に様は自分で決めることができる」
彡(-)(-)「そうは言っても……」
彡(゚)(゚)「死ぬ場所と死ぬ日を指定された場合は……勇気がいる」
彡(゚)(゚)「この心境は人間の究極のところであり」
彡(゚)(゚)「そんな生死の悟りの中にいる彼らにワイらができるのは……」
彡(゚)(゚)「淡々たる心境で特攻隊員を誘導していく……」
彡(゚)(゚)「不動盤石の姿勢が大切やと思う」
(´・ω・`)「そんなものなのかな?」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「そうとでも思わんとやっとられんで……」
377
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:35:45 ID:yqlhYnuk0
数日後
とある一室
ダーン!!
「菅野!貴様!!銃を撃つとはどういうつもりだ!?」
「たまたま暴発しただけや!!たかだが銃弾一発にそんなビビんなや!」
「特攻隊員は激しい対空砲火の中に突っ込んでいって死んだんやぞ!」
「それも司令官のお前の命令でな!!」
「なのに目標が沈んだかどうかの戦果にしか関心がないとはどういう了見じゃ!!」
「あいつらがどんな覚悟で散っていったと思っとるんじゃボケェ!!」
(◦灬•)「ん?なにやら威勢のいいのがおるな……」
378
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:36:45 ID:yqlhYnuk0
輸送機の中
(´・ω・`)「あーあ、チョクが上官に暴言を吐くから左遷されたじゃないか」
彡;(-)(-)「す、すまん……」
(´・ω・`)「なんてね」
(´・ω・`)「よくぞ言ってくれたよ」
(〃゚3゚〃)「そうですよ」
(〃゚3゚〃)「特攻隊員の中には一度目の攻撃に失敗した後……」
(〃゚3゚〃)「自らやり直して再び突撃して散った勇士がいたほどです」
(〃゚3゚〃)「そんな彼らを蔑ろにしていいわけがない」
彡(゚)(゚)「お前ら……」
379
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:37:26 ID:yqlhYnuk0
(;⌐●_●)「うわー大変だ!!」
彡(゚)(゚)「なんやねん……せっかく感動的な場面やったのに……」
(;⌐●_●)「敵に見つかりました!!」
(;⌐●_●)「僕たちはもうダメです!皆さん、さようなら!」
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
彡;(゚)(゚)「はぁ?諦めるの早すぎやろ!」
彡(●)(●)「どけぇ!ワイが操縦する」
(;´・ω・` )「君は輸送機を操縦したことはあるのかい?」
彡(●)(●)「ないわ!!」
彡(●)(●)「飛行機なんてどれも一緒や!!」
(;´・ω・` )「えぇ……」
380
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:38:21 ID:yqlhYnuk0
ズダダダダダダ
彡(●)(●)「ふん!」ギューン
紙一重で敵の銃弾を避けたチョクは高度を下げ
海面すれすれを這うように飛行した
(。゚ω゚)「あわわわわ」
(;〃゚3゚〃)「し、死ぬ……」
(。゚ω゚) .。oO(輸送機で戦闘機まがいの飛行をするなんて無茶苦茶だ)
敵も呆れかえっているよ……
「正気か?」 「アホか」 「狂ってる……」
<(★_★-;)>三3<(★_★-;)>三3<(★_★-;)>三3
381
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:39:01 ID:yqlhYnuk0
彡(●)(●)「お!島が見えたぞ。あそまで行けば逃げ切れる!!」
彡(●)(●)「お前ら!いつでも飛び出せるようにしとけ!」
(。゚ω゚) (;〃゚3゚〃) (;⌐●_●)「お、おう……」
ズサァアアアアアア
輸送機は滑り込むように海岸の砂浜に胴体着陸した
彡(●)(●)「今や!」ぴょーん
(。゚ω゚) (;〃゚3゚〃) (;⌐●_●)ぴょーん
ズダダダダダダ
飛び出した瞬間に敵が銃撃をしてきて輸送機は炎上して大破した
ボクたちは近くにあったジャングルに逃げ込んで難を逃れることが出来た
382
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:40:00 ID:yqlhYnuk0
彡;(゚)(゚)「ふぅ……危機一髪……」
(。゚ω゚)「チョクーーーーーーーーー!」
彡;(゚)(゚)「あん?次はなんやねん!!」
(-ω-)/(-ω-)/(-ω-)/「ルバ!ルバ!ルバング!」
彡;(゚)(゚)「こいつらは……原住民!!」
彡;(゚)(゚) .。oO(アカン……このままやと虐殺される……どうする……)
(-ω-)/(-ω-)/(-ω-)/「ルバ!ルバ!ルバング!」
彡;(゚)(゚)「ワイは……」
彡(●)(●)「日本の王カンノや!!」
(;´・ω・` )「チョク……頭、大丈夫かい……」
(;〃゚3゚〃)「不敬罪だ……」
383
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:40:43 ID:yqlhYnuk0
彡;(゚)(゚)「アホか!張ったりでもかまして……」
彡;(゚)(゚)「なんとか乗り切ろうとしとるんやろうがい」
(;´・ω・` )「そんな……自分で王を名乗る怪しいやつの言うことを……」
(;´・ω・` )「誰が信じるんだい……」
(-ω-)/(-ω-)/(-ω-)/「王!王!日本の王!」
(-ω-)/(-ω-)/(-ω-)/「ソ・ノ・ナ・モ……カンノ!!」
(。゚ω゚)「えぇ……信じちゃうの……」
その後、救助がくるまで
ボクたちは王様のようにもてなされた
384
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:41:33 ID:yqlhYnuk0
大分基地
(◦灬•)「諸君……よくぞ集まってくれた」
(◦灬•)「航空作戦主務参謀の源田実である」
なんと!
ボクたちが集められたのは左遷されたからではなく
日本の制空権奪回を目的として設立された精鋭部隊
通称、剣部隊の一員としてのようだ
385
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:42:15 ID:yqlhYnuk0
各地から激戦を生き抜いて来た猛者たちが一同に会する光景は圧巻だった
年齢層としては二十歳前後の若者がほとんどだ
翼が生えるか生えないかの姿で戦場に投入され
闘志と若さで戦場を乗り切り
戦運に恵まれて銃火の洗礼の中で育ってきた若者たちだ
386
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:43:00 ID:yqlhYnuk0
(◦灬•)「これより、この部隊の肝となる三人の隊長を指名する」
(◦灬•)「呼ばれた者は元気よく前にでるように!」
(◦灬•)「一人目……菅野直くん!」
彡(゚)(゚)「はい!」
(´・ω・`) .。oO(さすがチョクだ……)
一番最初に名を呼ばれるなんて、よほど期待されているんだろうな
(◦灬•)「二人目……鴛淵孝くん!」
(´_ゝ`)「はい!」
(´・ω・`) .。oO(あの人は二年上の先輩だったオシブチくんだ……)
あの頃からリーダーの風格があったけど
実戦を経験してさらに磨きがかかったようだ
387
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:43:48 ID:yqlhYnuk0
(◦灬•)「三人目……笹林武くん!」
(´・ω・`)……
彡;(゚)(゚)「おいタケ!お前のことやぞ」
(;´・ω・` )「え?あ!はい!」
(;´・ω・` ) .。oO(呼ばれるはずがないと思って油断してた……)
え?てか、ボクが隊長だって?
冗談というか……なにかの間違いだろ
(◦灬•)「……うむ。各員、精進するように」
こうしてチョク、オシブチ、ボクの三人が隊長に任命された
388
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:44:30 ID:yqlhYnuk0
チョクが率いる三〇一飛行隊、別命“新選組〟
彡(゚)(゚) (〃゚3゚〃)彡●_●)彡●_●)彡●_●)
オシブチくんが率いる七〇一飛行隊、別命“維新隊〟
(´_ゝ`) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)
ボクが率いる四〇七飛行隊、別命“天誅組〟
(´・ω・`)(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)
(´・ω・`) .。oO(新選組、維新隊、天誅組……)
なんてかっこいい!ココロオドル素晴らしい隊名なんだろう
命名者である皇族の久邇宮殿下は絶対に中二病の心の持ち主に違いない
389
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:45:08 ID:yqlhYnuk0
(◦灬•)「選ばれし君たちにはゼロ戦に代わる新たな機体を用意した……」
(◦灬•)「その名も紫電である」
(´・ω・`) .。oO(うわーすごい……かっこいい)
ずんぐりとした中翼、脚は二段引込式
四枚羽根プロペラエンジンがいやに大きく
二十ミリの銃身が四本も突き出ている
見るからに強そうだ
390
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:45:43 ID:yqlhYnuk0
(´・ω・`) .。oO(ん?)
胴体がかなりオイルで汚れているぞ……
ハハァこれは油圧系統に問題があるな
それにしてもこの形……
(´・ω・`)「それとなく虻に似ていて……」
(´・ω・`)「チョクそっくりだね」
彡(゚)(゚)「は?どういうことやねん!」
『わははははは』
彡;(゚)(゚)「皆して笑うことちゃうやろ……」
391
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:46:24 ID:yqlhYnuk0
剣部隊に配属されてからしばらく
ボクたちは紫電のテスト飛行を繰り返していた
ゼロ戦と比べて機動性は多少落ちていたけど
パワーは桁違いでひこうき雲を引くくらいスピードがでた
その分、重力のかかり具合も半端なく
目の前が真っ暗になってもうろうすることもあった
そんなときは「まだまだ」と気合で乗り切った
そして基礎訓練が終わると
ボクたちはそれぞれの隊に分かれて空戦訓練に励んだ
392
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:47:18 ID:yqlhYnuk0
でも、ここにきて問題が生じた
チョクもオシブチくんも、これまで隊長として戦ってきた
でもボクは違った
ボクはチョクの陰に隠れるように、彼の後ろに付いてきただけだ
だからどのように隊員たちを引っ張っていけばよいか分からなかった
(´・ω・`) .。oO(チョクに相談しよう……)
あれ?いないな……
それにチョクの機体もない
393
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:48:05 ID:yqlhYnuk0
(´・ω・`)「杉田くん、チョクの居場所を知らないかい?」
(〃゚3゚〃)「隊長なら松山基地に行くと飛んでいきました」
(´・ω・`)「え?なんでまた……」
(〃゚3゚〃)「ここの基地は狭く、規律も厳しいんで……」
(〃゚3゚〃)「こんなとこ性に合わん、別の基地に行くって言って聞かなく」
(;´・ω・` )「いつものことだけど好き放題やってるな」
ブーン
(〃゚3゚〃)「あ!帰ってきましたよ」
(´・ω・`)「ほんとうだ」
スーキキッ
彡(゚)(゚)/「おい!松山に決めたぞ」
彡(゚)(゚)「なんやタケもおるやんけ、どうしたんや?」
394
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:48:51 ID:yqlhYnuk0
(´・ω・`)「実はちょっと……相談したいことがあって……」
彡(゚)(゚)「別に構わへんけど……」
彡(゚)(゚)「どうせなら少し抜け出して温泉にいこうや」
彡(゚)(゚)「汗をかいたからひとっ風呂浴びたい気分やねん」
(;´・ω・` )「えぇ……バレたら大変なことになるよ」
彡(゚)(゚)「バレへんってホンマに心配性やなタケは」
彡(゚)(゚)「杉田!みんなと引っ越し準備しといてくれや」
(〃゚3゚〃)ゞ「了解です」
彡(゚)(゚)ノ「ほな、いこか」
395
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:49:45 ID:yqlhYnuk0
温泉
ボクたちは一杯やって湯船に入った
湯気がもうもうと立ち込めていて、人影もまばらだった
彡(-)(-)「ふぅ……ええ湯や」
(´-ω-`)「そうだね」
彡(-)(-)……
(´-ω-`)……
彡(゚)(゚)「で?相談ってなんや?」
(´・ω・`)「実は……」
・・・
彡(゚)(゚)「ほーん、どうやって隊を率いればいいか分からんとな……」
彡(゚)(゚)「んなもん、コレだ!なんて解があるわけないやろ」
396
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:50:26 ID:yqlhYnuk0
(´・ω・`)「でも、君は隊長としてうまくやっているじゃないか」
彡(゚)(゚)「うーん……特になにか意識しとるわけでもないしな」
彡(゚)(゚)「ワイはワイで好きにやっとるんやし……」
彡(゚)(゚)「タケはタケで好きにやればええんやないか」
(;´・ω・` )「そんなこと言われても……」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「じゃあ、あいさつ代わりに部下を殴って従えさせればええんちゃうか?」
彡(゚)(゚)「恐怖で隊をまとめとる隊長なんて、これまでに散々見て来たやろ」
(;`・ω・´)「そんなことボクにはできないよ!」
彡(゚)(゚)「……分かっとるやんけ」
397
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:51:25 ID:yqlhYnuk0
(;´・ω・` )「え?」
彡(゚)(゚)「人にはそれぞれ個性がある、好き嫌い、向き不向きがある」
彡(゚)(゚)「ワイが『動』なら、タケは『静』な人間や」
彡(゚)(゚)「アドバイスが欲しいなら同じ静なタイプの(´_ゝ`)に聞いたほうがええ」
彡(゚)(゚)「オシブチくんなら相談にも真剣に応えてくれるやろうし」
彡(゚)(゚)「ワイよりもいいアドバイスをくれるやろ」
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)「まあ、お前は相手を思いやることができる優しい人間や」
彡(゚)(゚)「その気持ちを忘れん限り……きっと大丈夫やとワイは思うで」
(´・ω・`)「チョク……」
彡(^)(^)「心配性で臆病で腑抜けな所は玉にきずやけどな!」
(`・ω・´)「なんだよ、それ!」
398
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:52:28 ID:yqlhYnuk0
「うむ、うむ。よきかな、よきかな」
(;´・ω・` )「あれ?この声って……」
風が吹き、湯けむりが薄れた
(◦灬•)……
彡;(゚)(゚)「ファッ!」
(。゚ω゚)「源田司令官……」
(。゚ω゚) .。oO(ヤ、ヤバイ!)
多少、大目に見て貰っているところはあるとはいえ
勝手な外出は軍規違反だ
それもよりによって最高責任者の源田司令と鉢合わせするなんて……
なんて運が悪い……絶対に怒られる……
399
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:53:03 ID:yqlhYnuk0
彡;(゚)(゚)……
(。゚ω゚)……
(◦灬^)「温泉はいいのう。気をつけて帰れよ」
(。゚ω゚)「え?は、はい……」
彡(゚)(゚)「さすがやな」
400
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:54:15 ID:yqlhYnuk0
ボクはボクなりに隊長として頑張ってみた
オシブチくんにも助言を貰いにいったりもした
(´・ω・`)「すみません……」
(´_ゝ`)「ん?どうしたんだい」
┃)(゚)チラリッ…
401
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:54:50 ID:yqlhYnuk0
それでも分からないことだらけで、確信なんか持てず
手探り状態だった
だから、部下にもたくさん苦労をかけたと思う
部下の中には明らかにボクよりも
経験もあり、腕も立つ人がいた
ボクはまず、そのことを素直に認めようと思った
(⌐●ω●)「先頭の隊長が急に動かれると……」
(⌐●ω●)「後ろのボクたちは振り回されて大変です」
(´・ω・`)……
(⌐●ω●)「さっきの訓練ではついていきにくかった」
(⌐●ω●)「今度からはもう少し遠回りにしてください」
(´・ω・`)「分かったよ、次からは気をつけるね」
┃)(゚)チラリッ…
402
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:55:37 ID:yqlhYnuk0
立派な隊長になれるよう努力はしてみたけど……
(´_ゝ`)「戦いは僕たちパイロットだけで出来るわけではない」
(´_ゝ`)「整備をしてくれる裏方の作業員の尽力が必要不可欠だ」
(´・ω・`)「ふむふむ……」
(´_ゝ`)「彼らは朝の三時、四時頃からもう点検作業に入っている」
(´_ゝ`)「僕は毎日それに付き合うようにしている」
(´_ゝ`)「君もよかったら参加してみないかい?」
(´・ω・`)「分かりました」
┃)(゚)チラリッ…
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