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彡(゜)(゜)「ワイは菅野直。日本帝国海軍の撃墜王や」
402
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:55:37 ID:yqlhYnuk0
立派な隊長になれるよう努力はしてみたけど……
(´_ゝ`)「戦いは僕たちパイロットだけで出来るわけではない」
(´_ゝ`)「整備をしてくれる裏方の作業員の尽力が必要不可欠だ」
(´・ω・`)「ふむふむ……」
(´_ゝ`)「彼らは朝の三時、四時頃からもう点検作業に入っている」
(´_ゝ`)「僕は毎日それに付き合うようにしている」
(´_ゝ`)「君もよかったら参加してみないかい?」
(´・ω・`)「分かりました」
┃)(゚)チラリッ…
403
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:56:10 ID:yqlhYnuk0
オシブチくんに誘われ一日か二日は出てみた
けど……それ以降は眠くて仕方なかったので止めてしまった
ボクの性に合ってなかったんだ……
できないものはしょうがない
:(´ºωº`):「凍える……凍える……」
今日はなんて寒さだ……
こんな中で練習なんてやってられないよ
:(´ºωº`):「今日は休みにして……みんなで温泉にいこう……」
(;⌐●ω●)「え?いいんですか……」
:(´ºωº`):「バレなきゃいいよ……それともこんな中でも練習したいの?」
(;⌐●ω●)「……いえ……温泉にいきたいです」
:(´ºωº`):「なら、いこう…いこう……早く温まろう」
(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『はい!』
404
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:56:50 ID:yqlhYnuk0
彡(゚)(゚)「なんやかんや……うまくやっとるやんけ……」
(´_ゝ`)「そのようだね……」
(´_ゝ`)「これで君もちょくちょく隠れ見る必要がなくなったね」
彡;(゚)(゚)「な、なにを言っとるんや……ワイはずっと松山におったで」
(´_ゝ`)「フフフフ……名前と違って素直じゃないね君は……」
彡;(゚)(゚)「な!」
405
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:57:30 ID:yqlhYnuk0
十二月二十日
離陸した際、高度不足のため堤防に激突し
一人が殉死
ふしぎなものでこれまで事故なんておきてなかったのに
この一度を契機に事故が続くようになってしまった
それも……チョクの部隊で頻繁に……
406
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:57:54 ID:yqlhYnuk0
十二月二十七日
当日、雲が多く千五百メートル付近に厚い雲があり
条件としては良好とは言えなかった
そんな中で高度二千メートルで特殊飛行の練習に入った直後
背面錐揉み状態になってしまい墜落
一人が殉死
407
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:58:22 ID:yqlhYnuk0
十二月二十九日
着陸時、エンジンが不具合により停止したため滑空による不時着を決行
しかし、不具合により機体の片足が出ず、やや突っ込みぎみで
スピードを殺しきれず着地
接地と同時に大きくジャンプしてしまい、民家の二階に激突
その後、病院に運ばれたが二時間後に絶命
一人が殉死
408
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:58:45 ID:yqlhYnuk0
十二月三十日
着陸時、エンジンが不具合により停止
約百二十メートルの高度から浅い角度で海に向けて降下
海上に水煙を上げて突入
その後、必死の捜索にも関わらずパイロットを発見できず
死亡と認定
一人が殉死
409
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:59:10 ID:yqlhYnuk0
一月一日
チョクは部下を率い讃岐の金毘羅宮への空からの武運長久祈願を実施
朝から小雪まじりの悪天候
飛んでいるうちに雪は段々ひどくなって視界が悪化
それでも金毘羅宮を参拝し帰還
だが着陸時、一機が地上滑走に入るや滑って横転
搭乗員は頭が潰れ即死
事故原因は降雪で飛行場の地面が軟弱になっていたこと
紫電のブレーキ不良が重なったものと推量
一人が殉死
410
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 18:59:43 ID:yqlhYnuk0
彡;●_●)彡;●_●)彡;●_●)『こんなんでこれから先、大丈夫かよ……』
(;〃゚3゚〃)「隊長……」
彡(•)(•)「ワイらは……この試練を乗り越えていかんとアカン」
彡(•)(•)「決してくじけることなくやっていこうや」
(;〃゚3゚〃) 彡;●_●)彡;●_●)彡;●_●)『は、はい……』
彡;(-)(-)……
大分基地
彡(゚)(゚)「タケ…ちょっと……相談があってな……」
(´・ω・`)「うん、じゃあ温泉にいこうか……」
411
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:00:28 ID:yqlhYnuk0
温泉
彡(-)(-)……
(´-ω-`)……
彡(゚)(゚)「もう……耳にはいっとると思うが……」
(´・ω・`)「うん……不運が重なっちゃったね」
彡(゚)(゚)「不運と言うか……機体の不具合も原因やとは思う」
彡(゚)(゚)「けどな、タケもオシブチくんも事故を起こしとらんやろ……」
彡;(-)(-)「ってことはやっぱワイのやり方がアカンのかな……」
彡;(-)(-)「けど……手を抜いた訓練をしとったら実戦であいつらが死ぬ」
彡;(゚)(゚)「でもや!訓練で死なせとったら元も子もない」
(´・ω・`)……
彡;(-)(-)「どうしたらええんやろう……」
( ´-ω-` )「うーん……」
412
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:01:21 ID:yqlhYnuk0
(´・ω・`)!
(´・ω・`)「チョクのあの経験の話をしてみたらどうだい?」
彡(゚)(゚)「あの経験?」
(´・ω・`)「ボクたちがまだ飛行訓練生だった頃……」
(´・ω・`)「着陸禁止エリアに突っ込んでいったあの経験だよ」
(´・ω・`)「君はあんな誰もが死んだと思った状況から生還したじゃん」
彡(゚)(゚)「ひっくり返るぞと思った瞬間……」
彡(゚)(゚)「座席をめいっぱい下げて身体を縮めるアレか?」
(´・ω・`)「そうだよ!」
(´・ω・`)「それを改めて徹底させてみればいいんじゃないかな」
(´・ω・`)「っていうかボクの部下にもそのことを話してやってよ」
(´・ω・`)「誰もやろうとしなかった貴重な体験なんだからさ」
413
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:01:55 ID:yqlhYnuk0
「それはいいね」
風が吹き、湯けむりが薄れた
(´_ゝ`)「僕もお願いするよ」
彡;(゚)(゚)「ファッ!またこのパターンかい!」
(。゚ω゚)「オシブチくん……」
魅惑な南の夜空を仰いでの座談会が行われることになった
414
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:02:25 ID:yqlhYnuk0
彡(゚)(゚)「ひっくり返るぞと思った瞬間……」
彡(゚)(゚)「座席をめいっぱい下げて身体を縮めるんや!」
彡(゚)(゚)「このとき、頭をちゃんと守るのがポイントや!!」
(〃゚3゚〃)彡●_●)彡●_●)彡●_●)「ふむふむ……」
(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)「ふむふむ……」
(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) 「ふむふむ……」
でも、若いボクらにこんな勉強チックな話は永つづきしなかった
(⌐●ω●)「ところで隊長」
(´・ω・`)「うん、なんだい?」
(⌐●ω●)「この間、隊長と一緒に歩いていた綺麗な人は……」
(⌐●ω●)「隊長の……コレですかい?」
(;´・ω・` )「え、えっとあの人は……」
彡●_●)「そういえば……杉田さんも美人なひとを連れ添っていましたよね?」
(〃゚3゚〃)「あれは俺の恋人だ!!」
彡(゚)(゚)「なんや二人とも隅に置けんな」
415
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:03:08 ID:yqlhYnuk0
(;`・ω・´)「そういうチョクだって喜楽の琴子ちゃんといい雰囲気だったじゃないか」
彡;(゚)(゚)「ファッ!あの娘は既婚者やで……なに言っとんのや!!」
『わはははは』
(〃゚3゚〃)「あれが星でなく金平糖だったらいいのに……」
彡(゚)(゚)「ほんと杉田は花より団子やな」
(´・ω・`)「でも、金平糖なんて贅沢品……最近はもう食べられないね」
416
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:03:36 ID:yqlhYnuk0
(´_ゝ`)「金平糖の代用品にはウィスキーが最適だ」
(´_ゝ`)「っと言うことで、こっそり持ってきた」
『オオォオオ!!』
彡(゚)(゚)「なんや兵学校時代を思い出すな」
(´・ω・`)「あのときは君が持ち込んだんだよね」
(´_ゝ`)つ「みんなグラスは持ったかい」
『オオォオオ!!』
(´_ゝ`)つ「カンパーイ!!」
『カンパーイ!!!』
カツーン♪
彡(^)(^)つ”*∀∀*”⊂(´^ω^`)
417
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:04:05 ID:yqlhYnuk0
その後も事故は絶えなかったものの
死亡事故はピタリと収まった
418
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:04:34 ID:yqlhYnuk0
今回はここまで
419
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 19:17:17 ID:mMfllGvA0
乙
絆が深まるほどに別れが辛くなるわ…
420
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 21:19:51 ID:1CZ.eqQ20
乙です
421
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 21:29:30 ID:5MWhLaKo0
乙!
422
:
名無しさん
:2024/05/30(木) 22:05:52 ID:PvOoPNSo0
おつおつ
423
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:28:41 ID:oBeQqRWk0
料亭喜楽
彡(^)(^)「かあちゃん!今日もきたで!!」
(;´・ω・` )「年下の子をかあちゃんって呼ぶの毎回どうなの?」
J(„❛⌄❛„)「気にしないわよ」
J(„❛⌄❛„)「私は一児の母でもあるし」
彡(^)(^)「赤ちゃんにとっておきの子守唄、歌ったるで〜」
(;´・ω・` )「もう寝てるじゃん、起こしちゃダメだよ!」
J(„❛⌄❛„)「フフフ」
(´・ω・`) .。oO(彼女は……)
喜楽亭の女将、琴子ちゃんJ(„❛⌄❛„)
ボクたちより二つ年下
ボクたちはこの店の常連で、よく集まっては飲み明かしていた
424
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:29:26 ID:oBeQqRWk0
J(„❛⌄❛„)「はい、すき焼き、おはぎにお寿司……」
J(„❛ꇴ❛„)「そして、とっておきの酢の物よ」
彡(^)(^)「ひゃっほい!」
彡(^)(^)「ワイはかあちゃんが作る酢の物が大好きやねん」
(´・ω・`)「それにしても……」
(´・ω・`)「よくこのご時世にこんなにも食材があったね」
J(„❛ꇴ❛„)「闇市に行けばなんでもあるわよ」
(;´・ω・` )「危なくないのかい?」
J(„`ꇴ`„)「ぜんぜんへちゃらよ!」
(´・ω・`) .。oO(強い人だ……)
425
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:30:05 ID:oBeQqRWk0
(〃゚3゚〃)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)「おくれましたー」
彡(゚)(゚)「ちょうど料理がきたところやで」
彡(^)(^)「ほんじゃあ飲んで歌って騒ぐで!!」
(´・ω・`)(〃゚3゚〃)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)「おー」
一時間後
‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/›› ‹‹\( ´ω`)/››~♪「らららーらー♫」
彡(^)(^)「ええぞタケ!もっと踊れ!!」
(〃゚3゚〃)「杉田!どじょうすくいをします!!」
(〃゚3゚〃)「アッそっれ!アッそっれ!」
J(„`ꇴ`„)「よっ日本一!!」
『ぎゃはははっははは』
426
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:30:50 ID:oBeQqRWk0
「やかましい!静かにせんか!!」
(。゚ω゚) .。oO(うわ!怒られた)
どうやら隣の座敷でも宴会がおこなわれているみたいだ
彡(●)(●)「あん?」
彡(●)(●)「なにがやかましいじゃ!!」バン!
チョクは荒々しく仕切りのふすまを開けた
するとそこには……
ベタ金の襟章を付けた海軍少将や参謀肩章を吊った左官クラスの
お偉方ばかりがぞろりと並んでいた
(;´・ω・`)(;〃゚3゚〃)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)「やっべー……」
とボクたちは青くなった
427
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:31:55 ID:oBeQqRWk0
でも、チョクは違った
ひるむことなくドシドシ真っすぐ突き進み
テーブルに並べられていた料理を蹴とばしながら歩き続け
少将の前までいくと、そのままあぐらをかいて座り込んだ
そして……
彡(●)(●)「明日の命もわからん搭乗員に何を言うか!!」
と啖呵をきった
428
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:32:22 ID:oBeQqRWk0
まさに一触即発……
顔を真っ赤にした周囲の将官たちはチョクに詰め寄ろうとしていた
だが……
(◎灬◎)「やめい!」
と、この場で一番偉い海軍少将が周りの将官を制して
(◎灬◎)「もうよい、帰れよ」
と静かにチョクをなだめた
彡;(●)(●)「ぐっ……」
冷静な少将の言葉に、さすがのチョクも居心地が悪くなったのか
早々に引き揚げた
429
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:32:56 ID:oBeQqRWk0
翌日
ボクとチョクが廊下を歩いていると
前から源田のオヤジと昨日の少将が並んで歩いて来た
(◎灬◎) (◦灬•)「お前たち!」 彡(゚)(゚)(´・ω・`; ) .。oO(やっべー)
(◎灬◎) (◦灬^)「昨日は元気だったようじゃの」 彡(^)(^)(´-ω-`) .。oO(ほっ)
430
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:33:36 ID:oBeQqRWk0
そうこうしているうちに一日いちにちと時が過ぎて行った
そして……とうとう実戦のときが来た
(◦灬•)「諸君、偵察隊の報告から……」
(◦灬•)「近々、敵機動部隊の来襲は必至である!」
(◦灬•)「わが剣部隊は、この敵部隊を迎え撃って痛撃を与える考えである!」
(◦灬•)「一機でも多くの敵戦闘機を射落とすように心掛けよ!!」
『はい!!』
431
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:34:20 ID:oBeQqRWk0
(;´・ω・` ) .。oO(正直……言うと)
訓練にはあと……二、三か月ほど欲しかった
でも、戦争はこっちの都合を待ってはくれない
ボクたちにはもう後がなかった
アメリカの魔の手は日本本土に及ぼうとしていたのだから……
432
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:34:45 ID:oBeQqRWk0
(◦灬•)「もう一つ、皆に知らせることがある……」
(◦灬•)「隊長の三人は前に出てくるように」
彡(゚)(゚) (´_ゝ`)(´・ω・`)ザッ
(◦灬•)「これまでの訓練のデータを基に……」
(◦灬•)「隊長たちには特別な機体を用意した」
(◦灬•)「その名も……」
(◦灬•)「紫電改である!!」
彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)『スゲーかっけええ!!』
433
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:35:20 ID:oBeQqRWk0
(´・ω・`) .。oO(紫電改は……)
胴体の中ほどから主翼が出ている紫電と違い低翼でかなりスマートになっていた
乗り込んで座ってみると
前方の視界もよくなっていて、シートの座り心地も改善されていた
それだけじゃない
機銃は翼内に収めれられ、給弾方式もドラム式からベルト式になっていた
これで携行弾数も大幅に増加した
彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)「いいな、いいなー」
と、みんなが機体のまわりに集まった
そんな時だった……
434
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:36:02 ID:oBeQqRWk0
「敵襲!!敵襲!!」
「各員!飛ばれたし!!」
(;`・ω・´)「くっこんなタイミングで!」
<(・ω・´)>三三3「天誅組 笹林 武、紫電改!出ます!!」
<(´<_`)>三三3「維新隊 鴛淵 孝、紫電改!出る!!」
<(●_●ミ>三三3「新選組 近藤 勇、紫電改!いっきまーす!!」
ん?
彡;(゚)(゚)「おい!待てや!」
彡;(゚)(゚)「なんでお前がワイの紫電改に乗っていくねん!!」
(´・ω・`) .。oO(チョクの機体を強奪するとは……なかなかの強者だな)
435
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:36:26 ID:oBeQqRWk0
今回の警報は誤報だったようで
いささか拍子抜けだったが
本番前の予行演習ができて、若干の余裕なようなものが生まれた
436
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:36:51 ID:oBeQqRWk0
午前零時
仮眠もそこそこに整備員たちは受持機のもとへ向かった
真っ暗な中で、懐中電灯の光だけが頼りの整備は本当に大変だったと思う
午前五時
(◦灬•)「搭乗員整列!!」
の号令と共に
彡(゚)(゚) (〃゚3゚〃)彡●_●)彡●_●)彡●_●)
(´_ゝ`)(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)
(´・ω・`)(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)
ボクたちは並んだ
437
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:37:26 ID:oBeQqRWk0
午前五時四十五分
偵察部隊が南の空に向けて飛び立った
午前六時五十分
「敵機動部隊見ユ、室戸岬ノ南三十カイリ」
(;`・ω・´) .。oO(ついにきた……)
全機一斉にエンジン発動を開始
「敵ノ大編隊、四国南岸を北上中」
「敵トノ距離、約八十カイリ」
(◦灬•)「全機発進!!」
438
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:37:52 ID:oBeQqRWk0
彡(゚)(゚)「新選組、出るで!!」
(〃゚3゚〃)彡●_●)彡●_●)彡●_●)「おーう」ブーン
(´_ゝ`)「維新隊、出る!!」
(´_ゝ`)(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)「ラジャー」ブーン
(;`・ω・´)「天誅組、いくよ!!」
(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)「OK!!」ブーン
439
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:38:27 ID:oBeQqRWk0
午前七時十分
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
(⌐●ゝ●)「敵機三十機見ユ」
(´_ゝ`)「よし!一番槍は僕たちが貰う」
(´_ゝ`)「行くぞ!!」
(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)「よしゃああああああああ!!」
彡(゚)(゚)「ちっ、先を越されてしもうた」
(;`・ω・´)「さすがだオシブチくん」
前方では戦闘機が入り乱れて巴戦が展開している
群るような黒点が、中天で或いは近づき或いは離れ
或いは上り或いは下り、まんじ巴の激戦に入った
440
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:39:12 ID:oBeQqRWk0
戦闘開始後、三十秒も経ったかと思う頃
真っ先に引導を渡された一機がくるりくるりと錐揉み状になって落ちていった
続いて火を噴くもの、空中分解するもの、墜落する飛行機は増えていく
『ぐわあああああああああ』
<(★_★-;)>三3<(★_★-;)>三3<(★_★-;)>三3
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
(;⌐●ゝ●)「ぐっ……」
(((BOMB)))
(;`・ω・´) .。oO(どんなに精鋭揃いだといっても……)
無傷の勝利なんてありえない
絶対に仲間は死んでしまう……それが戦場だ
441
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:39:53 ID:oBeQqRWk0
彡●_●)「新手の敵だ!!」
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
彡(●)(●)「おっしゃ!次はワイらの番や!!」
彡(●)(●)「行くで!!」
(〃゚3゚〃)彡●_●)彡●_●)彡●_●)「おしゃあああああああああああ!!」
彡(●)(●)「カウルフラップ全開!」
彡(●)(●)「OPL点灯!!」
彡(●)(●)「空戦フラップ切り替え!!!」
彡(●)(●)「くらえやあああああああ!!!!!」ズダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
彡●_●)彡●_●)彡●_●)「す、すげえ……」
(〃゚3゚〃)「お前ら!離れるなついてこい!!」
彡●_●)彡●_●)彡●_●)「はい!」ブーーーーーーーーン
442
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:40:44 ID:oBeQqRWk0
(⌐●ω●)「隊長!ボクたちもいきましょう!!」
(;`・ω・´)「待って!!ボクたちはさらに上昇して敵の奇襲に備える!」
(;`・ω・´)「ついてきて!!」
(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)「おう!」
(;`・ω・´) .。oO(やっぱりチョクはすごい)
チョクは先頭を切って鬼神のごとく突っ込んでいき
恐怖したアメリカ軍は陣形を保つことができずに散らばっていく
あんな戦い方、ボクにはできない……
443
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:41:47 ID:oBeQqRWk0
(;`・ω・´) .。oO(でも、チョクだって万能なわけじゃない)
彼にだって死角になる場所はある
そんなところを襲われたら、いくらチョクだからといって無事ではすまない
でも……そこはボクが補う!!
(⌐●ω●)「雲の中に敵機!!」
(;`・ω・´)「ありがとう!よく見つけてくれた!!」
(;`・ω・´)「みんな!ボクに力を貸して!!」
(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)「がってんでい!」
(;`・ω・´)「いくよ!!」
(⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)「しゃあああああああああああ!!」
『な!見つかった!!』
<(★_★-;)>三3<(★_★-;)>三3<(★_★-;)>三3
(;`・ω・´)「一斉射撃!!」
ズダダダダダダダダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
444
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:42:19 ID:oBeQqRWk0
この戦いでボクたち剣部隊はアメリカ戦闘機
ヘルキャット、コルセア、ヘルダイバーの計五十七機を撃墜した
でも、十五人の戦友は空に散ってしまった
445
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:43:44 ID:oBeQqRWk0
剣部隊としての初陣を華々しい勝利で飾ったボクたち
その後も、何度も何度もアメリカ軍と戦った
パイロットの技量は絶対にボクたち日本人が優っていた
でも、アメリカ軍は倒しても倒しても
次から次に新たな部隊を投入してきた
その物量を前にボクたちは戦う度に機体も……
そして、搭乗員の命も消耗していくことになった
そんなある日、チョクが敵に撃墜され病院に運ばれたと報告が入った
┗(`・ω・´;)┓「チョクー!!!」三三3
446
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:44:18 ID:oBeQqRWk0
病院
(;´・ω・` )「あぁ……なんてことだ……」
あの……チョクが……
男前のチョクが……
包帯でぐるんぐるん巻きになってミイラ男になっていた
447
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:44:47 ID:oBeQqRWk0
彡;(-)(-)「痛てててて……」
(´・ω・`)「ケガの状態はどうあれ……」
(´・ω・`)「よく生きてたね」
彡;(゚)(゚)「いや……ホンマに死にかけたで……」
彡;(゚)(゚)「撃墜されてパラシュートで脱出したまではよかったんや」
彡;(゚)(゚)「でも、不時着したところで……」
彡;(゚)(゚)「危うく現地の日本人に殺されるとこやったわ」
(;´・ω・` )「そんなまさか……」
彡;(゚)(゚)「ホンマやって!!」
448
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:45:22 ID:oBeQqRWk0
彡;(゚)(゚)「ちゃんと説明したんやで」
彡;(゚)(゚)「ワイは日本人やって」
彡;(゚)(゚)「けど……ヤケドして顔は火ぶくれで髪も伸びとったから」
彡;(゚)(゚)「アメリカ兵やと勘違いされたんや」
(´・ω・`)「それでどうしたんだい?」
彡;(゚)(゚)「たまたま日の丸が入った腹巻をしとってな」
彡;(゚)(゚)「それを見せてようやっと信用してもらったんや」
彡;(゚)(゚)「竹やりを携えた婦人会のおばさま方は……」
彡;(゚)(゚)「そら恐ろしかったで」
449
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:46:01 ID:oBeQqRWk0
彡;(゚)(゚)「あれはほんまもんの鬼や」
(´・ω・`)「またまた……そんな……」
彡;(゚)(゚)「ホンマや!タケも結婚するときには気をつけや」
彡;(゚)(゚)「見てくれに騙されたらアカン!」
彡;(゚)(゚)「女は怖い生き物や……」
彡(×)(×)「あ痛たたたたた……」
(;´・ω・` )「ほらほら興奮しないで……安静にしなよ……」
まったく入院中ぐらい大人しくしてればいいのに
それにしても……
結婚か……
450
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:46:43 ID:oBeQqRWk0
ボクにはJ(„`ꇴ`„)の紹介で付き合うことになった恋人がいた
基地の隅
(´,,•ω•,,`)つ「これ……」
(´・ω・`)「これは……」
(´,,•ω•,,`)「マフラーを編んでみたの」
(´^ω^`)「ありがとう!!すごく嬉しいよ」くるくる
(`・ω・´)「どうだい!似合ってるかな?」
(´,,•ω•,,`)「うん」
451
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:47:24 ID:oBeQqRWk0
「敵襲!!敵襲!!」
(;`・ω・´)「くっこんなときに……」
(;`・ω・´)「彼女を非難させなきゃ……」
ε=ε= (´,,•ω•,,`)つ⊂(;`・ω・´)「こっちに!!」
(;`・ω・´)「この防空壕の中に隠れているんだ!」
(;`・ω・´)「絶対に出てきたらダメだよ!」
(´,,•ω•,,`)「う、うん……」
(;`・ω・´)「大丈夫さ!ボクたちは負けないから!」
(;`・ω・´)「じゃあいくね」
(´,,•ω•,,`)……
452
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:47:57 ID:oBeQqRWk0
(´・ω・`)……
(´,,-ω(-ω- `)「ぜったいに帰ってくるから」
・・・
(;´・ω・` )「ごめん!遅れた」
彡(゚)(゚)「遅いぞ!タケ!!」
彡(゚)(゚)「ん?そのマフラーは……」
(;´・ω・` )「あ、えっと……コレは……」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「カッコええやん……ほな、はよ、いくで」
453
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:48:37 ID:oBeQqRWk0
ブーーーン
(;`・ω・´)「当たれ!!」ズダダダダダダ
(((BOMB)))
(;`・ω・´)「よし!この調子で」
プスプスプス
(;´・ω・` )「あれ?エンジンの調子が……」
<(★_★-)>三3ブーーーーーーーーン
(。゚ω゚)!!
(。゚ω゚) .。oO(やられる……)
454
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:49:10 ID:oBeQqRWk0
ズダダダダダダ
(((BOMB)))
(;´・ω・` )「……生きてる?」
(;⌐●ω●)「隊長!!」
(;´・ω・` )「ありがとう服部くん!!助かったよ」
(⌐●ω●)「どういたしまして」
(⌐●ω●)「でも、隊長の機体はもう戦えません」
(⌐●ω●)「隊はボクに任せて……」
(⌐●ω●)「隊長は戦線を離脱してください」
(;´・ω・` )「で、でも……」
(;⌐●ω●)「早く!!」
(;´・ω・` )「うん、ごめん!あとはお願い!」
455
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:49:44 ID:oBeQqRWk0
基地
ブ、ブーンキキッ
(;`・ω・´)「機体不良だ!代わりになる機体は他にないかい!?」
(;´Д`)「訓練用のゼロ戦なら」
(;`・ω・´)「もう型落ち感は否めないけど……」
(;`・ω・´)「この際だしょうがない」
(;`・ω・´)「ゼロ戦で再び出る。案内をお願い」
(;´Д`)「こっちです!」
ダッダッダッ
456
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:50:10 ID:oBeQqRWk0
(´・ω・`) .。oO(勢いで言ったものの……)
今さらボクが飛んだところで
いったい何になるというのだろう……
型落ちのゼロ戦じゃ戦力になれるかも怪しい
このまま戦場に向かっても死ににいくだけなんじゃないか?
このまま安全な基地に残っていてもいいんじゃないか?
機体不良が原因だったんだ
誰もボクを咎めようとはしないだろ
457
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:50:47 ID:oBeQqRWk0
そしたら……ボクは……生きて
彼女(´,,•ω•,,`)に会うことができる
確実に生き残って恋人と再会する選択をした方が賢いんじゃないか?
ブンブン
(-ω-`;≡;´-ω-)
そんなはずはない!
そんなのは賢くもなんともない!!
そんなのはただの卑怯なだけだ!!!
458
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:51:09 ID:oBeQqRWk0
(´・ω・`) .。oO(恋人より自分の矜持を優先させるなんて……)
ボクは自分が思う以上に軍人に染まっているみたい
でも、そっか……
ボクは明日の身さえ分からない軍人だったんだな
459
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:51:43 ID:oBeQqRWk0
(;´Д`)「準備完了!ゼロ戦、飛べます」
(;`・ω・´)「ありがとう!!」
ブーン
⊂(・ω・´)⊃三三3
(´・ω・`)「静かな空だな……」
でも、安心してはいられない……
この頃には日本の空はもう日本人のものではなく
アメリカ軍が日本の空域に網を張って待ち構えているなんて日常茶飯事だ
460
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:52:20 ID:oBeQqRWk0
(;`・ω・´)「ん?あれは……」
黒っぽいずんぐりとした機体……
味方か?敵か?どっちの機体だ?
遠目からじゃ日本機とアメリカ機の区別なんてほとんどつかない
(;`・ω・´) .。oO(あの動き……)
こっちに向かって急降下しようとしている
くっ敵だ!
上を取られた不利な体勢からの戦い……
こうなったら覚悟を決めるしかない
こっちは腐ってもゼロ戦だ
機動性を活かしてギリギリまで引きつけて後ろを取ってやる!!
461
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:52:59 ID:oBeQqRWk0
ギューン
どんどんと互いに近づいて行く
空戦は自分との戦いでもある
近づいてくる敵に恐れをなして早々に銃撃を始めてもまず当たらない
銃弾を当てるにはできるだけ敵を引き寄せる必要がある
そのためには恐怖心に打ち勝つ屈強な精神力が必要だ
(;`・ω・´) .。oO(敵もなかなかのものだ……)
並のパイロットならそろそろ撃ち始めてきてもおかしくないのに
真っ直ぐこちらに向かってくる
462
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:53:37 ID:oBeQqRWk0
(;`・ω・´) .。oO(八百……五百……三百……)
(;´・ω・` )「あれ?あの機体は……」
(。゚ω゚)「紫電改!!」
彡;(●)(●)「ゼロ戦!!」
(。゚ω゚)「チョク!」
彡;(●)(●)「タケ!」
ボクとチョクはお互いの顔が認識できるまで肉薄していた
このままじゃ正面衝突だ!
間に合え!!と慌てて回避行動をとった
463
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:54:00 ID:oBeQqRWk0
ビュン!
(。゚ω゚)「あぶねー」
すれすれのところでなんとか避けることができた
彡(●)(●)「タケ!!」
彡(●)(●)「なんでこんな所をボヤっと飛どるんじゃい!」
彡(●)(●)「危うく、攻撃するところやったろうが!!」
(ꐦ`•ω•´)「チョクこそなんだ!!」
(ꐦ`•ω•´)「何年もゼロ戦に乗ってきたのに気づかないとは何事だよ!」
(ꐦ`•ω•´)「それにこっちはわざわざ戻ってきてやったんだぞ!」
彡(●)(●)「なんやと!!」
(ꐦ`•ω•´)「なんだよ!!」
464
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:54:52 ID:oBeQqRWk0
彡(●)(●)「てか、一人さっさと戦線を離脱した臆病者は……」
彡(●)(●)「お前やったんかタケ!」
彡(●)(●)「戦闘機乗りは戦闘第一の気持ちが大事やろうが!」
彡(●)(●)「命を惜しむ者が一人でもおると戦いに勝てんやろうが!!」
(ꐦ`•ω•´)「機体不良だったんだからしょうがないだろ!!」
(ꐦ`•ω•´)「こっちは大事な恋人を待たせてまで来てやったんだ!!」
(ꐦ`•ω•´)「それなのに……戦闘が終わってるなら!ボクはもう帰る!!」
(ꐦ`•ω•´)「じゃあね!」ブーン
彡(●)(●)「待てや!恋人ってなんの話や!!」ブーン
465
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:55:38 ID:oBeQqRWk0
防空壕
(;´・ω・` )「待たせてごめん……もう大丈夫だよ」
(´,,•ω•,,`)「……無事でよかった」
(`・ω・´)「ちゃんと帰って来るって約束したからね」
(´,,•ω•,,`)……
(´・ω・`)……
(´,,-ω(-ω- `)
┃)(゚)チラリッ…
466
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:56:20 ID:oBeQqRWk0
喜楽亭
彡(゚)(゚)「ようもまあ、あんなにイチャイチャとできたもんやで」
J(„❛⌄❛„)「フフフ……二人の仲もだいぶ深まったみたいね」
『ヒューヒュー』
(;´・ω・` )「……そんなに茶化さないでよ」
J(„`ꇴ`„)「もう、結婚しちゃいなさいよ」
467
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:57:00 ID:oBeQqRWk0
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「ボクは軍人でいつ死ぬかわからないし……」
(´・ω・`)「お嫁さんはもらえないよ」
彡(゚)(゚)……
J(„❛⌄❛„)……
彡(゚)(゚) .。oO(はぁー本当に世話のかかるやつやで……)
彡(゚)(゚)「タケ……本当に貰わんのか?」
(´・ω・`)「うん……」
彡(゚)(゚)「そか……」
彡(^)(^)「ならワイが代わりに貰ったる」
彡(^)(^)「かあちゃん!その子を紹介してくれや」
J(„❛⌄❛„)「ええ、いいわよ」
468
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:57:53 ID:oBeQqRWk0
(;´・ω・` )「え……それはダメ……」
(;`・ω・´)「彼女はボクのものだ!!誰にも渡さないよ!」
彡(゚)(゚)「ほーん」
J(„❛⌄❛„)「ふーん」
(;´・ω・` )「あっ……」
469
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:58:31 ID:oBeQqRWk0
彡(゚)(゚)「お前ら!今のを聞いたな!!」
(´_ゝ`) (〃゚3゚〃)彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)「おー」
彡(゚)(゚)「そうと決まれば、さっそく結婚式や!!」
(´_ゝ`) (〃゚3゚〃)彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)「おー」
彡(゚)(゚)/「ワイらが総力を挙げて豪華な式にしたろや!!」
(´_ゝ`) (〃゚3゚〃)彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)「おしゃあああああああ!」
(;´・ω・` )「え……え……」
J(„❛⌄❛„)「男なら腹をくくりなさいな」
470
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 18:59:14 ID:oBeQqRWk0
彡(゚)(゚)「なにやっとるんやタケ!」
彡(゚)(゚)「さっさとプロポーズしてこいや」
(´・ω・` )……
(`・ω・´)「うん!いってくる!!」ダッ
彡(゚)(゚)「……まったく」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「ワイもお嫁さんが欲しいわ……」
J(„`ꇴ`„)「私がその内、いい子をお世話してあげるわよ」
彡(゚)(゚)「うん……いや、やっぱ遠慮しとくわ」
J(„❛⌄❛„)「どうして?」
彡(゚)(゚)「うーん……なんとなくや」
471
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 19:00:12 ID:oBeQqRWk0
彡(゚)(゚)「パッパカパーン♪」
(´_ゝ`) (〃゚3゚〃) J(„`ꇴ`„)『パッパパパーン♫』
彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)『パッパパパン♪パッパパパン♪』
(´,,•ω•,,`)……
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)「新郎タケ!汝はここにいる城北ちゃんを……」
彡(゚)(゚)「その命ある限り真心を尽くし愛すことを誓いますか?」
(´・ω・`)「はい!誓います」
彡(゚)(゚)「新婦 城北ちゃん!汝はここにいるタケを……」
彡(゚)(゚)「愛し 敬い 慰め合い 共に助け合うことを誓いますか?」
(´,,•ω•,,`)「はい、誓います」
472
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 19:01:18 ID:oBeQqRWk0
彡(゚)(゚)「では、誓いのくちづけを……」
(´,,•ω•,,`)……
(´・ω・`)……
(´,,-ω(-ω- `)
(´_ゝ`) (〃゚3゚〃) J(„`ꇴ`„)『おめでとおおおおおお!!』
彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)『お幸せにいいいいいいいいいい!!』
彡(゚)(゚)「おめっとさん」
彡(゚)(゚)「末永く幸せになるんやで……」
473
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 19:02:07 ID:oBeQqRWk0
J(„❛⌄❛„) .。oO(それから一か月ちょっと……)
戦争は激しくなるばかりで……
菅野さんは九州の鹿屋基地に移られ
二度と戻ってはこられなかった
何ものをも恐れない菅野隊長が
ゆっくりくつろげる家庭が欲しい
愛する者が欲しいと思われたこと
一方では未練を残す者がいてはならないと思われたことも事実で
ゆれ動く心のはざまにもう一歩踏み込んで
終止符を打ってさし上げられなかったことが……
悔やまれます
474
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 19:03:08 ID:oBeQqRWk0
今回はここまで
475
:
名無しさん
:2024/05/31(金) 23:07:02 ID:s93R0NTM0
おつ
476
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:51:19 ID:0Q8TUiro0
(;⌐●ゝ●)「ぐっ……」
彡;●_●)「う、うわ!」
(;⌐●ω●)「いやだ……」
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
( `_ゝ´)「坂本!!」
彡(●)(●)「近藤!!!!!!!!!」
(;´・ω・` )「服部くん!!!!」
( `_ゝ´)「くそったれ!!」ズダダダダダダ
彡(●)(●)「死ねやあああ!!」ズダダダダダダ
(;`・ω・´)「よくも!!」ズダダダダダダ
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
477
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:52:00 ID:0Q8TUiro0
ボクたちはいつになったら終わるのか……
まったく見当もつかない中で戦っていた
鹿屋基地では桜の花もすっかり散りはて、若葉が美しかった
でも、この頃になると日本の防衛線は完全に破綻していた
「敵襲!!敵襲!!」
「各員、防空壕に避難せよ!!」
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
ひゅーんドカーン!ひゅーんドカーン!
(;´・ω・` ) .。oO(飛ぶこともできず……)
敵の攻撃が終わるまでやり過ごすことも増えてきたな……
それに、みんなとコミュニケーションをとる機会も減った
一度の攻撃で全滅するのを防ぐために各隊は分散配置された
478
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:52:43 ID:0Q8TUiro0
前までは……
夕食なんかもみんなで食べていたのに
彡(゚)(゚) (´・ω・`) (〃゚3゚〃) (´_ゝ`)彡●_●) (⌐●ゝ●) (⌐●ω●)
(´・ω・`)(⌐●ω●) (⌐●ω●)
それすらもできなくなっていた……
さらにつけ加えるなら
源田のオヤジ(◦灬•)も自ら現場に出てくること回数も減った
安全のためとはいえ遠く離れた本部と連絡を取るため
電話での意思疎通が増えた
こういう状態ではなかなか思うような戦闘なんてできっこない……
479
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:53:21 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`) .。oO(今日は気が重い朝だな……)
(⌐●ω●)「隊長!!」
(⌐●ω●)「新選組が出撃しようとしています!」
(;´・ω・` )「え……そんなの聞いてないよ」
(;´・ω・` )「ボクは様子を見に行くから君たちは待機してて……」
(⌐●ω●)「分かりました。お気をつけて」
┗(‘・ω・`)┓三三3
480
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:53:54 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`)「あ!チョク」
(´・ω・`)「君は出撃したんじゃないのかい?」
彡;(゚)(゚)「それがワイもよう分からんのや」
(;´・ω・` )「え?どういうこと?」
「敵編隊、鹿屋に向かって北上中」
ブーン
(;´・ω・` )「誰かが出撃したみたいだ……」
彡;(゚)(゚)「あの機体は……」
彡;(゚)(゚)!!
ε=ε=<(〃゚3゚〃)>
彡;(゚)(゚)「杉田!!!」
481
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:54:27 ID:0Q8TUiro0
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
(;´・ω・` )「え?なんで敵がここに!?」
彡;(゚)(゚)「やめろおおおおおおおおおおお!!」
ズダダダダダダ
(((BOMB)))
彡;(゚)(゚)「あ……あ……」
彡(●)(●)「杉田アアアアアアアアアアアアア!!!!」
(。゚ω゚)「そんなぁ……杉田くんが……」
482
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:55:15 ID:0Q8TUiro0
杉田 庄一(スギタ ショウイチ)
ミッドウェー作戦を始め数多くの戦闘を生き抜いた
公認記録によると個人撃墜七十機、共同撃墜四十機
その勇猛果敢な戦闘ぶりは群を抜いていた
性格は豪放そのものであったが部下の面倒見はよく
菅野に心酔し、菅野も杉田と気心を通じ合わせ
その信頼関係は上官と部下の域を超えた
まるで仲の良い兄弟のようなところがあった
483
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:55:55 ID:0Q8TUiro0
(;◦灬•)「菅野大尉……私の発進中止命令が遅れたために……」
(;◦灬•)「杉田を殺してしまった……全くすまない」
彡;(-)(-)……
(;◦灬•)「君もさぞ力を落としたと思うが……私は天に誓って……」
(;◦灬•)「杉田に劣らないほどの操縦者を補充するから……」
(;◦灬•)「しばらく待ってくれ……」
(ꐦ`•ω•´)「ふざけるな!!!」
(;◦灬•)「なっ……」
彡;(゚)(゚)「タ、タケ?」
484
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:56:35 ID:0Q8TUiro0
(ꐦ`•ω•´)「代わりの者を補充するだって!?」
(ꐦ`•ω•´)「それが大切な人を亡くした人にかける言葉かよ!!」
(ꐦ`•ω•´)「あんたたちは一体……人の命をなんだと思ってるんだ!!」
ザワ…ザワ……
(; `෴´)「貴様……源田司令になんて無礼な!」
(; `෴´)「そいつを取り押さえろ!!」
(⌐●_●) (⌐●_●) (⌐●_●)「ハッ!」
(ꐦ`•ω•´)「なんだよ!!離せ!離せよ!!」
(;◦灬•)……
彡;(゚)(゚)……
485
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:57:15 ID:0Q8TUiro0
( `෴´)「兵隊が上官に逆らうとはあってはならぬことだ……」
(´・ω・`)……
( `෴´)「特攻をかけて死んで償え」
(´・ω・`)……
( `෴´)「黙っていないで“はい〟と言え!!」ドン!
( ´-ω-` )「は……」
「待てや!!」ドカン!!
(; `෴´)「な……」
(´・ω・`)「チョク……」
彡(●)(●)……
チョクがドアを蹴とばして入ってきた
486
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:57:46 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)「くだらん下衆の勘繰りをしおってからに……」ズカズカズカ
彡(●)(●)「タケを特攻に出すなら……」
彡(●)(●)「ワイも特攻で出る」
(; `෴´)!!
彡(●)(●)「源田のオヤジにもそう伝えておけ」
彡(●)(●)「言えるもんならな……」
(; `෴´)「ぐっ……」
彡(●)(●)「タケ……行くで……」ズカズカズカ
(´・ω・`)「……うん」スタスタスタ
(; `෴´)「待っっっ!」
バタン!!
487
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:58:15 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)……
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)「ふぅ……寿命が縮んだわ」
彡(゚)(゚)「ホンマにお前は……ワイ以上のアホやな」
(´・ω・`)「だって……」
彡(゚)(゚)「だってもヘチマもあるかい!」
彡(゚)(゚)「あそこは別に怒るとこちゃうやろ……」
彡(゚)(゚)「源田のオヤジの立場も考えろや」
(´・ω・`)「うん……ごめん」
彡(゚)(゚)「まあ、でも……なんや……」
彡(゚)(゚)「ありがとな……」
488
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 09:59:24 ID:0Q8TUiro0
源田のオヤジがチョクの護衛にと目を付けたのは
横浜基地所属の武藤 金義少尉(҂`ハ´)だった
彼は“空の宮本武蔵〟と称されるほどの男だった
だが、そのように優秀なパイロットを所属部隊が手離すわけがなく
交渉は難航していたようだった
489
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:00:01 ID:0Q8TUiro0
(;◦灬•)……
彡(゚)(゚)「オヤジ……ムリに武藤少尉を引き抜かんくてもええで……」
彡(゚)(゚)「ワイは一人でもやってけるさかい」
(;◦灬•)「そういう訳にはいかん!!」
(;◦灬•)「お前のような闘魂を持った飛行隊長をむざむざ殺したくはない……」
彡(゚)(゚)……
(´・ω・`) .。oO(源田のオヤジはチョクのことを大切に思っていた……)
むざむざ殺したくはない……これはオヤジの本心だろう
490
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:00:30 ID:0Q8TUiro0
チョクは一人でもやっていけると言ったが
そんなはずはない
杉田くんが抜けた代償は大きかった
チョクがどんなに勇猛果敢で超一流のパイロットであっても
十分に飛び回るためには……
彼の破天荒な動きにも付いていける優れた護衛の存在が必要不可欠であった
そういった意味でも……
チョクと杉田くんは離してはいけないベストパートナーであった
491
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:01:08 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`) .。oO(少しでもチョクの力になりたかったけど……)
ボクにはそのような技量はなく
また隊長として部下を率いる責任があった
言い訳だね……
どんなにでかい口を叩いても、行動が伴わない卑怯者……
これがボクの本性だ
醜い偽善な生き物……それがボクだ
本当に……自分のことがイヤになる……
492
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:01:35 ID:0Q8TUiro0
ザワ…ザワ……
(´・ω・`)……
(;⌐●_●)「近寄るな……むこうに行くぞ」
(;⌐●_●)「おう……」
源田のオヤジに暴言を吐いてから
ボクは基地内で煙たがられていた
493
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:02:04 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`) .。oO(それもそうだ……)
当然の反応だよ
身を挺してまで庇ってくれたチョクが変なのであって
普通、こんな厄介者に近づこうする物好きなんていないよ
(´・ω・`) .。oO(でも……)
ボクのせいで肩身を狭くしている部下たちには……
本当に申し訳ないことをしてしまった
どうしたらいいものか……
彡(゚)(゚)……
494
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:02:34 ID:0Q8TUiro0
翌日
「敵襲!!敵襲!!」
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(´・ω・`) .。oO(またか……早く避難しないと……)
でも、いっそ……死んでしまったほうが楽になるかも……
495
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:03:02 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「おい、タケ!」
(´・ω・`)「なんでチョクがこんなとこにいるんだい?」
彡(゚)(゚)「細かいことはええやん」
彡(゚)(゚)「ちょっと付き合えや」
(;´・ω・` )「なに言ってるんだよ……」
(;´・ω・` )「早く避難しなきゃ、ボクたち丸焼けになっちゃうよ」
彡(゚)(゚)「そんときはそんときや……はよ、こい」
(;´・ω・` )「え?えぇ……」
彡(゚)(゚)っ(;´・ω・`) 三三3
チョクに連れられ指揮所の椅子に座らされた
496
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:03:34 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「よっしゃ!今から根性試しや!!」
彡(゚)(゚)「お前の臆病なところを鍛え直したる」
(;´・ω・` )「なにを言い出すの……」
ひゅーんドカーン!!
近くの建物が爆撃で吹っ飛んだ
:(´ºωº`):「ひぃぃいいい……」
彡;(^)(^)「ビビりすぎやで……」
:(´ºωº`):「なに言ってるんだよ……君だって冷や汗をかいてるじゃないか」
彡;(^)(^)「はあ?そんなわけないやろ」
497
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:04:05 ID:0Q8TUiro0
ひゅーんドカーン!!
:(´ºωº`):「ダメだ!早く逃げよう!!」
彡;(^)(^)つ「逃がすわけないやろ」
:(´ºωº`):「離してよ!!」
彡;(^)(^)つ「大丈夫や!死ぬときは一緒に死んだるさかい」
:(´ºωº`):「全然、大丈夫じゃないよそれ!!」
ひゅーんドカーン!!
:(´ºωº`):「ぎゃああああああああああああああ」
498
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:04:28 ID:0Q8TUiro0
(◦灬⦿)「バッカモーーーーーーン!!!」
(◦灬⦿)「お前らはいったい何を考えておるか!!」
彡;(-)(-) ( ; ›ω‹ )『ごめんなさい!』
(;⌐●_●)「おい……あいつら只者でないぞ……」
(;⌐●_●)「ああ、なんて根性のあるやつらだ」
こんなアホでバカでどうしようもないことをやったのに
改めてボクはみんなに認めてもらえた
499
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:05:30 ID:0Q8TUiro0
今回はここまで
500
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:32:16 ID:r5aBzk6Q0
乙乙
一般人側の話は読む事多いけど軍人側はあまりないから新鮮というか、別角度からの平和を願う気持ちを持った。
あと、見せしめの特攻命令とか他にもあったのかなと思うと、色々と暗い気持ちになる。
501
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:52:08 ID:FXXezkU20
乙です
502
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 10:56:00 ID:ALw0JeJw0
無茶しやがって…乙!
503
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:24:33 ID:0Q8TUiro0
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(;◦灬•)「くっ……」
(;´_ゝ`)「どうやったらあの空浮く巨大要塞を落とせるのか……」
(;◦灬•)「誰でもいい!なにか案のある者はいないか!!」
彡(゚)(゚)/「はい!」バッ
(;◦灬•)「おお!菅野……どのような方策か!!」
彡(゚)(゚)「前上方背面垂直攻撃や!!」
(;◦灬•)「は?」
彡(゚)(゚)「タケ、説明を頼む」
(´・ω・`)「うん」
(´・ω・`)「前上方背面垂直攻撃とは……」
(´・ω・`)「前上方から背面になって垂直降下し、敵編隊の中を突き抜けるという……」
(´・ω・`)「非常に危険できわどい攻撃方法です」
彡(゚)(゚)「説明、ご苦労さんやで」
504
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:25:27 ID:0Q8TUiro0
(;◦灬•)「なんだ……その狂った攻撃方法は……」
(;´_ゝ`)「そんなやり方が本当に可能なのか?」
彡(゚)(゚)「できるよな?」
(´・ω・`)「まあ、何機か落としたことはあるけど……」
(◦灬•)「なぜ、そのような大切なことをこれまで黙っていたのだ?」
彡(゚)(゚)……
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)(´・ω・`)『聞かれなかったから……』
(◦灬⦿)「バッカモーーーーーーン!!!」
彡(-)(-) ( ; ›ω‹ )『ごめんなさい!』
505
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:25:54 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「タケ!こうなったらワイら二人であの⊂(✪_✪-)⊃を……」
彡(゚)(゚)「実際に落としに行くで!!」
(;´・ω・` )「えぇ……B-29はそんなに簡単に落とせるような機体じゃないよ」
彡(゚)(゚)「大丈夫や!あのときはゼロ戦やったが……」
彡(゚)(゚)「今のワイらには紫電改がある」
彡(゚)(゚)「きっとやれるはずや!」
(;´・ω・` )「そうかな……」
彡(゚)(゚)「ええから、はよいくぞ」
彡(゚)(゚)っ(;´・ω・`)「やっぱり、二人でなんて無茶だよ」三三3
506
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:26:28 ID:0Q8TUiro0
ブーン
彡(゚)(゚)「ほなら、まず一人一機ずつ落とすで!!」
(;´・ω・`)「できるかな……」
彡(゚)(゚)「できる、できないやない……」
彡(●)(●)「やるんや!!」ギューン
(´・ω・`) .。oO(チョクはまるで矢のように……)
B-29の編隊に一直線に突撃していった
次の瞬間、B-29の一機がまるでビデオでスローを見るかのよう
敵の主翼が吹っ飛び、ガクッと機首を下げて真っ逆さまに落ちていく
紫電改に装備された二十ミリ機銃の一撃がこれほどの威力があったのだと
改めてこの機体のすごさを痛感させられた
(;`・ω・´)「よし!ボクだって!!」ギューン
ズダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB)))⊂(✪_✪-;)⊃三3
507
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:27:04 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)「よっしゃ!あと一機や行くでタケ!!」ギューン
(;`・ω・´)「うん!!」ギューン
(´_ゝ`)「左右に交差しながら飛び交う……」
(´_ゝ`)「なんて……息のあった攻撃なんだ」
(◦灬•)「うむ……」
ズダダダダダダダダダダダダダ
(((BOMB)))
彡(^)(^)「よっしゃ!全機撃墜や!!」
(´^ω^`)「久しぶりの大戦果だね!」
後日、源田のオヤジはチョクの護衛にボクを指名した
ボクもそれを了承し、チョクとボクの隊は合流して一つの隊となった
508
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:27:40 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)/「よしお前ら!今日も元気に出撃や!!」
(´・ω・`)彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『おー!!』
彡●_●)「三時の方向から敵機!!」
<(★_★-)>三3⊂(✪_✪-)⊃三3<(★_★-)>三3
彡(●)(●)「よっしゃ!いくで!!」ギュン
(;`・ω・´)「ぐっ……」
(;`・ω・´)
ついていくだけでも精一杯
509
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:28:08 ID:0Q8TUiro0
(;`・ω・´) .。oO(やっぱり杉田くんはすごかったんだ……)
彼は護衛の任をこなしながら、部下にもしっかりと気を配っていた
でも、ボクにはそんなことはできない
なら!せめて護衛の任だけはしっかり努めるだけだ!
操縦桿、フットバーを細かく操作する
そのとき、チョクが最初の攻撃を終えて引き起こしにかかるのが
照準器の端に映った
すぐさま操縦桿を引き起こし、右足を踏んで右に上昇旋回
レバーを一杯にしてチョクの後ろについた
510
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:28:39 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)ズダダダダ
(((BOMB)))
(;`・ω・´)「敵一機撃破を確認!!」
彡(^)(^)「了解、了解。ほんじゃ次いくで!!」ギューン
(;`・ω・´)「OK!!」ギューン
ズダダダダダダダダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB)))
(;`・ω・´)「敵機全滅を確認!」
彡(^)(^)「よっしゃ!じゃあさっさと帰るで」
彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『あの二人……すげぇ』
511
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:29:18 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)/「よしお前ら!今日も元気に出撃や!!」
(´・ω・`)彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『おー!!』
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(;´・ω・` ) .。oO(あいつら……)
海面の近くまで高度を下げて飛んでる
このまま前上方背面垂直攻撃をしたら……
ボクたちが海面に突っ込んでしまう
彡;(●)(●)「ぐっ……」
彡(●)(●)「お前ら!ここは最後尾の一機を確実にしとめにいくで!!」
彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『よっしゃあああああ!!』ブーン
512
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:29:59 ID:0Q8TUiro0
(;`・ω・´) .。oO(ボクたちは……)
獲物を狙う狼の群れのように素早く攻撃した
⊂(✪_✪-;)⊃三3「このままでは……」
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3『仲間を見殺しにはしない!!』
⊂(✪_✪-;)⊃三3
彡;(●)(●)「な!!」
(;`・ω・´)「敵ながら天晴だ」
先行していた二機のB-29はスピードを落として
遅れていた被弾機に寄り添うように編隊を組み仲間を守った
でも、深手を負っていた敵は少しずつ高度を下げていき
数分後には太平洋上に墜落した
だが、そこでさらに驚くべき光景をボクたちは目の当たりにした
513
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:30:39 ID:0Q8TUiro0
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3『大丈夫か!!』
\(✪_✪-;)/
恐らく無線で連絡をしていたのだろう
救助部隊がすぐさまやってきて、危険を犯してまで着水し
仲間を救っていた
(;`・ω・´)「救助のためにここまでするなんて……」
もうそんな余裕はないにせよ
特攻をしかけ兵たちに死を命じる日本とはあまりに対照的だ
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『隊長!!』
彡;(゚)(゚)「一機は撃墜したんや……ここは退く」
514
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:31:18 ID:0Q8TUiro0
彡;(-)(-)「ああも海面の近くを飛ばれると……」
彡;(-)(-)「前上方背面垂直攻撃ができん」
彡;(-)(-)「どうしたものか……」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『う〜ん……』
(´・ω・`)!
(´・ω・`)「ボクたちも爆撃をしたらどうだろう」
彡(゚)(゚)「爆撃?」
(´・ω・`)「うん、特攻用の爆弾は腐るほどあるんだし」
(´・ω・`)「当たったら儲けもの、当たらなくても爆風で倒せると思うんだ」
彡(゚)(゚)「ほう……ええ案やな」
515
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:32:01 ID:0Q8TUiro0
彡;●_●)「ですが、爆弾を抱えて飛ぶなんて危険では?」
彡;●_●)「機動性は落ちます。それに弾丸がかすっただけでボカン!ですよ」
(;⌐●ω●)「でも……特攻隊員はその状況で飛んでるんだ」
(;⌐●ω●)「ボクたちだけが危険だからって逃げるのは……」
彡;●_●)「むぅ……たしかにそうだけど……」
彡(゚)(゚)……
彡(゚)(゚)「タケ……お前がやれ」
(;´・ω・` )「えぇ……いやだよ……」
彡(゚)(゚)「言い出しっぺやろうがい」
(;´・ω・` )「おもいつきで言っただけで……危険性にまでは……」
彡(゚)(゚)「日本男児の漢気をみせい!!」
516
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:32:44 ID:0Q8TUiro0
(;´・ω・` )……
彡(゚)(゚)「……嫌ならええ、無理強いする気はない」
彡(゚)(゚) /「ワイがやるわ」
彡●_●) /「隊長がやるというなら俺が代わりに!」
(⌐●ω●) /「いや、僕がやる!」
(;´・ω・` )「待って……」
( ;´-ω-` )「ボクがやるよ……」
彡(゚)(゚)つ彡●_●)つ(⌐●ω●)つ『どうぞ、どうぞ』
(;´・ω・` )「このやり取り卑怯じゃない?」
(;´・ω・` )「絶対に逃げられないじゃん!!」
彡(゚)(゚)「安心せい!ワイが護衛して絶対に守ったるさかい」
517
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:33:29 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)/「よしお前ら!今から元気に出撃や!!」
(;´・ω・` )彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『おー!!』
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(;`・ω・´)「敵機を確認!」
彡(゚)(゚)「よし!やったれタケ!!」
ポチ……
(;´・ω・` )「あれ?爆弾が落ちない……スイッチを間違えたのかな」
518
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:33:58 ID:0Q8TUiro0
ポチ……
(;´・ω・` )「ダメだ……やっぱり落ちない」
彡(゚)(゚) .。oO(なんや?留め具に問題でもあるんかな?)
彡(゚)(゚)「見にいったろ……」
(ꐦ`•ω•´)「ああ!もう!!!」
ポチポチポチポチポチぽろっ
(;`・ω・´)「よし!やっと落ちた」
彡;(゚)(゚)「ファッ!爆弾が降ってきよった!!」
彡;(゚)(゚)「緊急回避!緊急回避!」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『隊長!!』
(;´・ω・` )「えぇ……なんでチョクがそんなとこにいるの?」
(;´・ω・` )「それに爆弾もまったく見当違いな場所で爆発してるし……」
彡;(゚)(゚)「作戦は失敗や!基地に帰還する」
519
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:35:11 ID:0Q8TUiro0
基地
彡(●)(●)「おいタケ!お前、パイロットなんてやめちまえ!!」
(;`・ω・´)「そんなこと言ったって、動作不良なんだから仕方ないだろ!!」
彡(●)(●)「お前のことや!どうせ後方確認もせずにボタンを連打したんやろ!!」
(;´・ω・` )「あっ……」
(;`・ω・´)「でも、爆弾を下から覗き見ようなんて危険なことをしたのは君自身だろ!」
彡(●)(●)「なんやと!!」
(;`・ω・´)「なんだよ!!」
彡(●)(●)「お前は口だけは達者やな!!」
ムッ
(ꐦ`•ω•´)「分かったよ!!そこまで言うなら……」
(ꐦ`•ω•´)「明日、敵を撃墜できないようだったら。ボクはもう帰ってこないよ!」
520
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:35:46 ID:0Q8TUiro0
彡;(゚)(゚)「待てや……ワイはそんなつもりで言ったんとちゃう……」
彡;(゚)(゚)「運が悪くて墜ちないときは仕方ないやん……」
彡;(゚)(゚)「そんなに気負うことないやろ……」
(ꐦ`•ω•´)「いいや!それじゃあボクの気がすまない」
(ꐦ`•ω•´)「一機も落とせなければ絶対に帰ってこない」
彡(●)(●)「そんなに言うなら好きにしたらええわ!!」
彡(●)(●)「その代わり、ワイも敵を墜とせんかったら帰ってこんわ!!」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『二人とも……』
521
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:36:36 ID:0Q8TUiro0
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
(´・ω・`) .。oO(あんなにムキになるなんてボクらしくなかった……)
だけど、ボクにはこの攻撃を絶対に成功させないといけない理由がある……
整備員のみんなにお願いしたから、きっと動作不良は起きない
でも、ただ落としたんじゃダメだ
ただ落としたんじゃ……昨日みたいに変なところに落ちてしまう
確実に当てにいかなくちゃ
そして確実に当てるためには……この方法しかない……
522
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:37:04 ID:0Q8TUiro0
(;`・ω・´)「やってやる!!」ギュン
彡;(゚)(゚)「な!?どういうつもりや!!」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『あれは前上方背面垂直攻撃!!』
彡;(゚)(゚)「海面すれすれを飛んどる敵に……まさか!特攻!!!」
(;`・ω・´) .。oO(違うよ……)
特攻をする勇気なんてボクにはない
ボクは自分の命が大事なんだ
お国なんかのために命を散らすなんてまっぴらごめんだ
ボクは特攻が嫌いだ
日本がなぜこのやり方に固執するのか分からないけど
命を捨てさることを美化しようとする特攻精神なんてクソくらえだ!!
こんな手段しか思いつかない大本営の無能さには本当に腹が立つ
523
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:38:17 ID:0Q8TUiro0
でも、文句を垂れるだけじゃなにも変わらない
口先だけじゃダメなんだ
それに口だけの人間じゃ……チョク、君の横に立つ資格なんてない
ボクはこれからも君の傍にいたい
だから、君に口だけの男だなんて思われたくはない
(;`・ω・´)「いくぞ!」
(;`・ω・´)「前上方背面垂直急降下爆撃だ!!」ポチ
ひゅーん……ドカーン!!!
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『三機を一度に!!』
彡(゚)(゚)「タケ……やるやんけ……」
(。゚ω゚)「うわあああああああああああああ」
(。゚ω゚)「爆風ってこんなにスゴイの!!」
(。゚ω゚)「寸でで離脱したと思ったのに機体の制御が効かない……」
(。゚ω゚)「た、助けてええええええ!!」
524
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:38:49 ID:0Q8TUiro0
彡;(-)(-)「はぁ……締まらんな……」
彡(゚)(゚)「ホンマに世話がかかる奴やで……」
彡(゚)(゚)「はよパラシュートで脱出を……ん?」
⊂(✪_✪-;)⊃三3「よくも仲間を!!」
彡;(゚)(゚)「なっ!一機、生き残っとったやと!!」
(。゚ω゚)「え?前にB-29が……」
ε=ε=<(。゚ω゚)> ⊂(✪_✪-)⊃三3
525
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:39:33 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)「タケエエエエエエエエエエエエエエ!!」ビューン
(;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『隊長!!』ビューン
彡;(●)(●)「ぐっ……間に合わん!」
(。゚ω゚)「ボク……死ぬんだ……」
彡;(●)(●)「諦めるなボケェ!!」
⊂(✪_✪-;)⊃三3「死ねええええ!!」
彡;(●)(●)「あああああああああ!!なんでもええ!誰でもええ!」
彡;(●)(●)「タケを助けてくれええええええええええ!!」
526
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:40:16 ID:0Q8TUiro0
☆彡キラリーン
ε=ε=<(。゚ω゚)> ☆彡 ⊂(✪_✪-)⊃三3
ε=ε=<(。゚ω゚)> 彡(゚)(゚) ⊂(✪_✪-)⊃三3
(。゚ω゚)「え?チョク?」
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
彡;(●)(●)「タケエエエエエエエエエエエエエエ!!」
527
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:47:52 ID:0Q8TUiro0
……
……
……
「あぁ……なんであんなこと言ってしまったんやろ……」
……ん?
チョクの声だ
あれ?ボクはどうなってるんだろう
動けない
身体が火照ってとても熱い
528
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:48:26 ID:0Q8TUiro0
「なぁ……目を覚ませや……頼むわ……」
どうしたんだろう……
チョクがこんなにもか弱い声を出すなんて
……
そうだ……
ボクはあのときB-29と衝突したんだ
直前にチョクが間に入ってきた気がしたけどあれは何だったんだろう?
幻覚でも見たのかな?
ん?てか、ボク生きてるの?
あの状況から?マジで?
まあ、でもそうだよね、生きてるからこうやって色々と考えているんだ
529
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:48:55 ID:0Q8TUiro0
そっか……生き残れたんだ
それならそうと……
早くチョクを安心させてあげないと……
( ;´-ω-` )「ん……ん……」
ダメだ、まぶたがとても重い
「タケ!!!気づいたんか!!」
「先生!!!先生!!!!タケが生き返った!!」
( ;´-ω-` ) .。oO(動揺するなんて君らしくもない……)
それに生き返ったってなんだよ……
まあ、それだけ心配をかけたってことだよね……
早く起きないと
530
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:49:33 ID:0Q8TUiro0
(;´・ω・` )「ん……」
(。゚ω゚)!!
彡(;)(;)「目が開いた!!!生きとる……ホンマによかった」
(。゚ω゚) .。oO(そんな……あのチョクが泣くなんて……)
(;´・ω・` )「ごめん……心配かけたみたいだね」
( ;´-ω-` )「あ痛てててて……」
彡;(゚)(゚)「アカン!!そんな無理したらアカンで!!!」
彡;(゚)(゚)「重症なんやさかい、大人しくしとらんと!」
531
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:50:15 ID:0Q8TUiro0
(;´・ω・` )「そんな……大袈裟だよ……」
(;´・ω・` )「意識もハッキリしてるし……え?」
右足がない
彡;(゚)(゚)……
ボクの右足がない
(。゚ω゚)「エエエエエエエエエエエエエエ」
532
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:50:51 ID:0Q8TUiro0
数日後
(◦灬•)「笹林 武くん、君は今日をもって海軍を除隊することになった」
(◦灬•)「君のような勇士がいなくなること……とても残念だ」
(;´・ω・` )「そんな……ボクが勇士だなんて……」
彡(゚)(゚)……
(◦灬•)「君の後任になる者を紹介したい……」
(◦灬•)「武藤 金義少尉だ」
(҂`ハ´)ゞビシッ
(´・ω・`)ゞ「あなたがアノ……空の宮本武蔵と呼ばれている……」
533
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:51:41 ID:0Q8TUiro0
(҂`ハ´)「私が参りました以上、菅野大尉を殺させるようなことは致しません」
(´・ω・`)「なんて頼もしい……チョクのことよろしくお願いします」
(҂`ハ´)ゞ「ハッ!」
(´・ω・`)ゞ
彡(゚)(゚)……
(´・ω・`)「チョク……こんな形で抜けることになってごめんね」
彡(゚)(゚)「足がなくなったんやし……しゃーないやろ」
534
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:52:39 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)……
(◦灬•)「我々はこれより大村基地に向かう」
(◦灬•)「これが今生の別れになるかもしれん」
(´・ω・`)「そんなことないよね、チョクが死ぬなんて想像もできないもん」
彡(゚)(゚)「当たり前や!ワイを誰やと思っとるねん」
(´・ω・`)「うん……だから、またね」
彡(゚)(゚)「うん……」
(´・ω・`)「約束だよ」
彡(゚)(゚)「ああ、男と男の約束や」
それから時の流れは早かった
535
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:54:04 ID:0Q8TUiro0
春は一年中で一番楽しいときであると思い
大村基地
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『痛てててて……』
彡(゚)(゚)「どうしたんや?」
彡;●_●)「ここに来る途中、燃料補給のために出水基地によったんですが……」
(;⌐●ω●)「味方識別をしなかったとその基地の責任者に殴られて……」
彡(●)(●)「なんやと!!」
彡(●)(●)「よっしゃ!今からワイがそいつをぶん殴りに行ってきたる!!」
彡;●_●)彡;●_●)『隊長!気持ちは嬉しいですが……』
(;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『それはやりすぎです!!
536
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:54:53 ID:0Q8TUiro0
夏は一年中で一番愉快であると考え
( ⁎ˆᴗˆ⁎ )( ⁎ˆᴗˆ⁎ )( ⁎ˆᴗˆ⁎ )( ⁎ˆᴗˆ⁎ )
彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『女の子がこっちをみてる///』
彡(゚)(゚)「ヨーシ、手のすいている者はみんな立って一列にそこに並べ!」
彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●)『ハッ!』
彡●_●)彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ω●).。oO(カッコいいところを見せてやる!!)
537
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:55:19 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「そこで小便をしろ!」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『えぇ……』
彡(゚)(゚)「なんや!ワイの命令が聞けんのか!!」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)『は、はい……』
(;⌐●ω●) .。oO(後ろ向きだし、距離もある……見られることはない)
( ⁎ˆᴗˆ⁎ )( ⁎ˆᴗˆ⁎ )( ⁎ˆᴗˆ⁎ )( ⁎ˆᴗˆ⁎ )「なにか始めたわよ」
カッコ悪いと思いながらも隊員たちはモソモソとズボンの前を開いて
オチンチンを取り出した
すると……
538
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:55:44 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)「全員、回れ右!!」
彡;●_●)彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ω●)「え、え、え……」
彡;●_●) (;⌐●ω●) .。oO(しまった!いつものくせで体が勝手に……)
大小とりどりの砲列が並び立った
(⁎˃ᴗ˂⁎)(⁎˃ᴗ˂⁎)(⁎˃ᴗ˂⁎)(⁎˃ᴗ˂⁎)『キャッ!』
と、乙女たちは逃げていった
539
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:56:09 ID:0Q8TUiro0
秋は一年中で一番悩む時とし
540
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:56:30 ID:0Q8TUiro0
(;◦灬•)「報告が入った……」
(;◦灬•)「敵が数百機の大軍勢で日本に空爆をしかけようとしていると……」
(;´_ゝ`)「そんな……我々の戦力は全盛期の半分以下の二十一機です」
(;´_ゝ`)「あまりに無謀です」
彡(゚)(゚)「でも、戦わん訳にはいかんやろ」
(;◦灬•)「その通りだ……」
(;◦灬•)「我々は敵を奇襲した後、援軍が来る前に素早く引き上げる」
(;◦灬•)「各員戦闘準備!!」
彡(゚)(゚)(҂`ハ´)彡●_●) (⌐●ω●) 『了解!』
(´_ゝ`) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)『ハッ!』
541
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:56:56 ID:0Q8TUiro0
ブーン
<(★_★-)>三3⊂(✪_✪-)⊃三3三3⊂(✪_✪-)⊃三3<(★_★-)>
<(★_★-)>三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3<(★_★-)>
<(★_★-)>三3⊂(✪_✪-)⊃三3三3⊂(✪_✪-)⊃三3<(★_★-)>三3
(´_ゝ`)「これまでにないすごい数だ……」
(҂`ハ´)「短時間のうちに戦闘を済ませ、素早く離脱しましょう」
彡(●)(●)「よし……いくで!お前ら!!」ギューン
(҂`ハ´)彡●_●) (⌐●ω●)『おっしゃ!』ギューン
( `_ゝ´)「いくぞ……」ギューン
(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)『イエッサー』ギューン
542
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:57:20 ID:0Q8TUiro0
<(★_★-)>「上空より日本軍……あれは剣部隊だ!」
⊂(✪_✪-)⊃「守りを固めよ!!決して油断するな!!」
(-★_★)(-✪_✪)(-★_★)『OK!!』
( `_ゝ´)「ぐっ……数に奢ることなく警戒していたか……」
(҂`ハ´)「勢いそのまま突っ込むしか道はなし!!」
彡(●)(●)「お前ら!!行くぞ!!!」
彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ゝ●)『おっしゃあああああああああ!!』
543
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:57:46 ID:0Q8TUiro0
壮絶な空中戦が展開された
空では敵味方の戦闘機が旋回、上昇、下降と入り乱れる混戦となった
( `_ゝ´)「な!エンジンに被弾だと!!」
( `_ゝ´)「クソおおおおおおおおおおおおおお!!!」
(((BOMB)))
(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)『隊長!!!!』
(⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)『よくも!!!』ビューン
彡(●)(●)「アカン!あいつら突っ込みすぎや」
彡(●)(●)「新選組!!ワイの後に続け!!!」ギューン
(҂`ハ´)彡●_●) (⌐●ω●)『おっしゃ!』ギューン
544
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:58:10 ID:0Q8TUiro0
(;⌐●ゝ●) (;⌐●ゝ●) (⌐●ゝ●)『ぐっ……』
(((BOMB))) (((BOMB))) (;⌐●ゝ●)「ぐぬぬぬ……」
(-★_★)(-✪_✪)(-★_★)『墜とせ!!』
彡(●)(●)「させるか!!」ズダダダダダダ
(҂`ハ´)彡●_●) (⌐●ω●)ズダダダダダダダダダダダダダ
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
545
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:58:40 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)「お前ら!!あいつを連れて逃げい!!」
彡●_●)「隊長は!?」
彡(●)(●)「ワイは残って時間を稼ぐ」
(;⌐●ω●)「そんな無茶な!!」
彡(●)(●)「ワイの心配をする暇があるならさっさと逃げい!!」
彡(●)(●)「これは命令や!!!」
彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ゝ●)「……はい」ビューン
(-★_★)(-✪_✪)(-★_★)『逃がすな!!』
彡(●)(●)「させるか!!」ズダダダダダダ
<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3<(★_★-)>三3
(((BOMB))) (((BOMB)))<(★_★-)>三3
546
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:59:04 ID:0Q8TUiro0
彡(●)(●)「くっ……一機外してもうた」
<(★_★-)>三3「死ねえええええ!イエローファイター!!」
(҂`ハ´)「ふん!」ズダダダダダ
<(★_★-;)>三3「な!」
(((BOMB)))
彡(●)(●)「武藤!!助かった!ありがとやで!!!」
(҂`ハ´)「お礼は無事に帰ってから頂きます」
彡(●)(●)「せやな……ワイらも逃げるで!」ギューン
(҂`ハ´)「ハッ!」ギューン
547
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 16:59:43 ID:0Q8TUiro0
(-✪_✪)『アメリカ空軍の意地を見せろ!!なんとしてもやつらを墜とせ!!』
ズダダダダダアアアアアアアアアアアアアアア
ズダダダダダダダダダダダダダダアアアアア
ズダダダダダダダダダダダダダダダダアアア
彡(●)(●)「どけや!!」ズダダダダダダダダダダダダダ
(((BOMB))) (((BOMB))) (((BOMB)))
(((BOMB))) (((BOMB)))
548
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:00:08 ID:0Q8TUiro0
大村基地
彡;(-)(-)「はぁ……はぁ……はぁ……」
彡;●_●)「隊長!!よくぞ無事に!」
彡;(-)(-)「おぉ……よかった……お前らも無事やったんやな……」
彡●_●) (⌐●ω●) (⌐●ゝ●)「はい」
彡;(゚)(゚)「そや……武藤は?」
彡;(-)(-)「必死で……どこではぐれたのかも分からんのや……」
(◦灬•)「武藤少尉はまだ帰還していない……」
彡;(-)(-)「……そか、なら……迎えに……行って……やら……」
バタン!!
彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ゝ●)『隊長!!』
(;◦灬•)「疲労が限界に達したのだろう……早く医務室へ」
549
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:00:57 ID:0Q8TUiro0
彡;●_●) (;⌐●ω●) (;⌐●ゝ●)『はい!!』
彡;(-)(-)「…………むとう……今、いくで……」
でもその後、武藤少尉(҂`ハ´)が帰ってくることはなかった
彡;(-)(-)………
550
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:02:06 ID:0Q8TUiro0
冬は一年中で一番反省するに適している
(´_ゝ`)(〃゚3゚〃) (҂`ハ´)を始め
剣部隊は結成時から八十名近い戦死者を出していた
(◦灬•)の要請によって搭乗員の補充が行なわれた
だが、新しい搭乗員が戦闘になれて戦力を発揮するようになるには時間がかかる
しかも、空襲や資材不足で工場の生産性はガタ落ち
機材の消耗に補充が追いつかない状況となり
搭乗員が補充されても乗る機体がなく
さらに、燃料不足で訓練はおろか出撃すら難しい状況となっていた
このような状況から大本営は本土決戦に備えた極力温存策を決めた
551
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:02:39 ID:0Q8TUiro0
⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3⊂(✪_✪-)⊃三3
ひゅーんドカーン ひゅーんドカーン ひゅーんドカーン
空襲警報が発令されると
整備員、その他の基地要員は基地内の防空壕に避難した
それなのに戦闘機のパイロットは特別待遇で
トラックに乗り付近の山に隠れることになっていた
大勢の戦友を残して自分たちだけ安全な山中に逃げること
また、逃げ惑う一般人の傍らを砂塵をまきあげて追い抜いていくことに
戦闘機乗りは申し訳ない思いでまともに目を合わせることができなかった
552
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:03:06 ID:0Q8TUiro0
「あれだけの敵がわれわれ国民を苦しめているのに……」
「なぜ航空隊は迎撃に飛び上がらないのか……臆病者どもめ」
「食糧、酒、衣類など優遇されているくせに……」
「一体、なにをしているのか……卑怯者どもめ」
彡;(-)(-)………
553
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:03:54 ID:0Q8TUiro0
神よ人間は苦し
( ゚∋゚)「はぁ……今日もまた無駄な会議か……」
( ゚∋゚)「この期に及んで陸軍と海軍が協力しようなどと……」
( ゚∋゚)「そんなこと……この国が滅んでも起きるはずがないだろに」
( ゚∋゚)「体裁をとりつくろうだけ会議のなんて本当にくだらない」
会議中
( ゚∋゚) .。oO(それにしても……最近は若い戦隊長が増えた)
喜ばしいことに見えるが……それだけ若者が酷使されてるというだけだ
Σ( ゚∋゚)「ん?」
( ゚∋゚)「あそこにいるのは……チョク!!」
彡(•)(•)!
554
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:04:15 ID:0Q8TUiro0
( ゚∋゚) .。oO(向こうもこちらに気づいたようだ)
会議が終わったら話しかけよう
「では、本日の会議はこれで終わりとする」
( ゚∋゚)「おいチョク、久しぶり」
彡(•)(•)「なんだ?こんなところで」
( ゚∋゚) .。oO(??……なにか雰囲気が変わったような……)
彡(•)(•)「せっかく会ったんや飲みにいこうや!」
( ゚∋゚)「お、おう……」
555
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:04:57 ID:0Q8TUiro0
飲み屋
彡(•)(•)「姉ちゃん、酒のおかわりや!」
(; ゚∋゚)「何杯目だ、大丈夫か?」
彡(•)(•)「飲まんとやっとられんわ!!」
彡(•)(•)「どうせワイの命ももう長くはないんやからな!!」
(; ゚∋゚) .。oO(これがあのチョクだと?)
飲みっぷりといい、粗野な態度といい、まるで与太者だ
556
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:05:35 ID:0Q8TUiro0
(; ゚∋゚)「なあチョク?」
彡(•)(•)「なんや?」
(; ゚∋゚)「いや……そうだ!タケくんはどうしたんだ?」
彡(•)(•)「タケやと!!また懐かしい名前を出してきたな」
彡(•)(•)「あいつは戦いで右足が吹っ飛んで軍人を辞めたわ」
(; ゚∋゚)「なんだと……」
彡(•)(•)「まあ、あいつは生きることに対してものすごい執着があったから本望やろ」
彡(•)(•)「怪我の功名ってやつやな」
彡(•)(•)「いくら軍でも、足のない障害者を引っ張ってくることはない」
彡(•)(•)「もともと、あいつは軍人に向いてなかったしな……」
(; ゚∋゚)「そんな言い方はないだろ!」
彡(•)(•)……
557
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:06:23 ID:0Q8TUiro0
彡;(-)(-)「そ、そうやな……すまん」
彡(゚)(゚)「そうや、思い出した!!タケの戦い方がまたすごくてな」
( ゚∋゚)……
いつものチョクに戻ったか?
( ゚∋゚)「なあチョク?」
彡(゚)(゚)「なんや?」
( ゚∋゚)「君の所属……剣部隊といったかな……居心地はどうだ?」
彡(゚)(゚)「ん?ええ所やで……」
彡(-)(-)「まあ……いろんな奴が死んでいって……」
彡(゚)(゚)「隊長がワイ一人になってしもうたけど……」
彡(゚)(゚)「部下はワイを慕ってくれとるし……」
彡(゚)(゚)「源田のオヤジもワイを頼りにしてくれとる」
彡(゚)(゚)「まあ、なんとかやれとるわ」
( ゚∋゚)「そうか」
558
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:06:49 ID:0Q8TUiro0
( ゚∋゚)(誰からも頼りにされる……)
( ゚∋゚)(そんな重圧に一人で耐えられる人間などいない……)
(´・ω・`)……
(´・ω・`)(ボクが彼の傍にいます)
(´・ω・`)(まあ、気休め程度ですけどね)
( ゚∋゚)(それで十分さ……)
( ゚∋゚)ゞ(頼んだぞ)
(´・ω・`)ゞ(はい!)
559
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:07:21 ID:0Q8TUiro0
(; ゚∋゚) .。oO(くそ……僕が陸軍でなく海軍にいれば……)
なんて歯がゆさだ!
このまま何もできず……静観するしかないのか
彡(゚)(゚)「どうしたんや?」
(; ゚∋゚)「いや……なんでもない」
彡(゚)(゚)……
560
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:08:50 ID:0Q8TUiro0
されど神よ、人間はよろこびを持っている。生きるすべを知っている
病院
(´・ω・`)……
(´,,•ω•,,`)「どうしたの?」
(´・ω・`)「うん……ちょっとね……」
(´,,•ω•,,`)「菅野さんのこと?」
(´・ω・`)「……うん、チョクは今、どうしてるんだろうって」
(´・ω・`)「無理をしてなきゃいいけど……」
(´,,•ω•,,`)「大丈夫よ、あの方は強い人ですもの」
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「……ねえ」
(´,,•ω•,,`)「なに?」
(´・ω・`)「お願いがあるんだ」
561
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:12:27 ID:0Q8TUiro0
神はすべてに宿る。醜き人にも美しき花にも之は宿る
1945年8月1日
(◦灬•)「占領された沖縄基地からB-24が三十機……」
(◦灬•)「出撃したとの報告があった」
(◦灬•)「そして我らが迎撃にあたることになった」
彡●_●)「久々の出撃だな……」
(⌐●ω●)「大丈夫さ、隊長がいる限り僕たちは負けないさ」
彡(•)(•)……
(◦灬•)「……飛び立つ前に一人……紹介したい者がいる」
(◦灬•)「さあ、出てきたまえ」
562
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:13:11 ID:0Q8TUiro0
スタスタスタ
ザワ……ザワ……
彡(•)(•)「え……」
彡●_●)「まさか……」
(⌐●ω●)「本当に……」
(◦灬•)「皆もすでに存じているだろうが、改めて紹介する」
(◦灬•)「本日付けで剣部隊に復帰することになった……」
(◦灬•)「笹林 武くんだ!!」
(´・ω・`)「えっと……その……」
(´・ω・`)「皆、久しぶり。元気だった?」
563
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:13:56 ID:0Q8TUiro0
彡(•)(•)「タ、タ、タケ……」
(´・ω・`)「ん?そうだよ。ボクだよ」
彡(•)(•)「どうしてや?」
(´・ω・`)「義足を作って貰ったんだ。ほら、よくできてるでしょ」
彡(•)(•)「なんでや?なんで戻ってきたんや?」
(´・ω・`)「良くも悪くも今の日本は飛べる人間は誰でも飛ばす国だからね」
(´・ω・`)「だからこうやって戻ってこれたのさ」
彡(•)(•)「ちゃう……ワイの聞きたいことはそんなことじゃない」
彡(•)(•)「なんで……臆病で腑抜けで生きることに固執するお前が……」
彡(•)(•)「わざわざ戦場に戻ってきたんや?」
564
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:14:42 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「そんなの決まってるじゃないか……」
(´・ω・`)「君のことが心配だからだよ」
彡(゚)(゚)……
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)「そうか……」
彡(゚)(゚)「よう戻ってきた!戻ってきてくれた!!」
彡(゚)(゚)「さすがワイの親友や……」
彡(゚)(゚)「見直したで……タケ」
(´・ω・`)「面と向かって言われるとむずがゆいね」
565
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:15:18 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`)……
彡(゚)(゚)……
(´・ω・`)「遅れてごめん」
彡(゚)(゚)「ええんやで」
566
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:16:04 ID:OfvsgNYU0
>>432
567
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:16:08 ID:0Q8TUiro0
ボクたちは九州西岸に沿って高度をとりながら南下を続けた
視界は良好で、地図そのままの薩摩、大隈両半島をはるか下に望み
東シナ海に出て高度六千メートルで屋久島達した
島の西方、高度五千メートル辺りにB-24が
編隊を組んでゆっくり旋回していた
⊂(★_★-)⊃三3⊂(★_★-)⊃三3⊂(★_★-)⊃三3
彡(゚)(゚)「なんで三機しかおらんのや?」
(´・ω・`)「きっとこの辺りを集合場所にしてるんだよ」
彡(゚)(゚)「油断しすぎやろ。もう勝った気でおるで」
(´・ω・`)「まあ、日本の負けはもう確定してるけどね」
彡;●_●)「えぇ……」
(;⌐●ω●)「思ってても誰もが口を閉ざしてるのに……」
568
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:17:34 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「言うようになったやんけタケ」
(´・ω・`)「もとからボクは正直な男さ」
(´・ω・`)「君と違ってね」
彡(゚)(゚)「なにを言うとんのやワイは直やぞ」
彡(゚)(゚)「ワイはこれまで正直に真っ直ぐ生きてきたつもりや」
(´・ω・`)「よく言うよ、軍人なんて物騒な生き方……」
(´・ω・`)「本当は嫌なくせに」
(´・ω・`)「もっと素直になれよ……“直〟なだけにさ」
彡(゚)(゚)「ホンマに言うようになったわ……」
彡●_●)(⌐●ω●)(⌐●ゝ●)「隊長……」
彡(゚)(゚)「まあ、今は戦争中や。そんなことは後で考える」
569
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:18:19 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)/「よっしゃ!ほな、いこうや!!」
(´・ω・`)彡●_●)(⌐●ω●)(⌐●ゝ●)「おー」
ボクたちは進路を約五十度南寄りに変え、敵編隊の前方に位置するよう
降下気味に進んだ。
左斜め前方約千メートルにつくと、チョクはチラッと後ろ上方を見たあと
機首を下げ、敵と反抗態勢で攻撃に入った
敵も応戦してきた
ズダダダダダダダダダ
シューッ、シューッと赤い炎が行き交じる
(;`・ω・´)「なにを!!」ズダダダダダダダダダ
と急降下しながら反撃する
570
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:18:47 ID:0Q8TUiro0
⊂(★_★-)⊃三3⊂(★_★-)⊃三3⊂(★_★-)⊃三3
だが、B-24はこれまでのB-24ではなかった
強力な防弾鋼板のほか、外周を厚い防弾用のゴムでおおわれた燃料タンク
を装備していた
タンクに命中してもゴムが溶けてすぐに破孔を防ぎ
失火しても消火装置が働いて火がすぐに消えるように改良されていた
571
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:19:15 ID:0Q8TUiro0
(;`・ω・´)「くっ……もう一回だ!!」
『ワレ機銃管内爆発ス、ワイ菅野一番』
(;´・ω・` )「え?チョクの声?」
彡●_●)(⌐●ω●)(⌐●ゝ●)『うおおおおおおおおおお!!』ギューン
(;´・ω・` )「あれ?みんなには聞こえてないの?」
(;´・ω・` )「ボクの聞き間違え?」
『ワレ機銃管内爆発ス、ワイ菅野一番』
(;´・ω・` )「やっぱり聞こえる……チョクはどこに……」
戦闘を離脱し、機を引き起こしながらチョクを探した
どこにもいない……
機を水平に戻して、四周を見まわしたがやはり見えない
翼を傾けて、右下方を覗く……
572
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:19:47 ID:0Q8TUiro0
(。゚ω゚)「いた!!」
チョクはずっと下を水平に飛んでいた
すぐに降下して接近した
チョクの紫電改の左翼に穴が空いているのが見えた
少し高度を高めて近寄り、上から覗き込む
翼の中央、日の丸マークの少し右に大きな破孔がある
すると、チョクと目が合った
573
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:20:18 ID:0Q8TUiro0
彡;(゚)(゚)
チョクは「しまった」と言いたそうな表情だ
(´・ω・`) .。oO(自分で危機を知らせておいて……)
なんだよ、その顔は……
(´・ω・`)「コチラ笹林三番、菅野一番応答セヨ」
ザーザー
(;´・ω・` ) .。oO(アレ?無線の調子がおかしい……)
さっきまであんなにはっきりとしていたのに……
どうしてだろう
(;´・ω・` )「コチラ笹林三番、菅野一番応答セヨ」
ザーザー
(;´・ω・` )「ダメだ……使い物にならない」
まあいい……
チョクの異変に気づけたんだ
このまま護衛してチョクを守ろう
574
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:20:51 ID:0Q8TUiro0
彡;(゚)(゚)/
チョクは指先でB-24の方向を指示した
(´・ω・`) .。oO(ワイに構わず敵と戦えと言っているのかな?)
そんな……君を放っておくなんてできないよ
二、三度、軽くうなずいて見せたが、彼の傍を離れなかった
575
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:21:23 ID:0Q8TUiro0
彡;(•)(•)/
すると今度は左手で何度も敵の方向を指しながら、睨んできた
(´・ω・`) .。oO(やっぱり攻撃しろって言ってるんだ)
でも、そんなことはできない
とりあえず左手を上げてチョクの意図は分かったと示し
子供をあやすように「よし、よし」と
大きく二、三度うなずいて見せた
ふと、前を見た
彡;●_●)(;⌐●ω●)(;⌐●ゝ●)『ぐっ……』
(;´・ω・` ) .。oO(改良型B-24に苦戦してる)
それに……チョクがいないのが分かったのか
みんな浮足立ってる……
でも……今はチョクを優先させなきゃ……
576
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:22:01 ID:0Q8TUiro0
チョクに視線を戻す
(。゚ω゚)!!
彡(●)(●)
チョクはものすごい形相でボクを睨みつけていた
完全に怒りの形相だ……
『ワイの代わりにお前があいつらを守らんでどうするんや!!!』
(;´・ω・` ) .。oO(え?無線が復活した?)
ザーザー
ダメだ、やっぱり調子がおかしい
577
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:22:39 ID:0Q8TUiro0
(;´・ω・` ) .。oO(それじゃあ今の声は……)
心とは裏腹に……身体が自然と動き
紫電改は高度を上げていく
(;´・ω・` ) .。oO(え?なんで?)
待ってよ、ボクはチョクを助けたいんだ
戻らなきゃ
ふと振り向く
するとチョクの顔がはっきりと見えた
彡(^)(^)
さっきまでの怒った顔がまるでウソのよう
やわらいだチョクの顔は微笑みで一杯だった
(´・ω・`) .。oO(……うん)
ボクは戦場に戻るため……再び空に舞い上がった
578
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:23:20 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「ったく……どこまでも世話のかかる奴やで……」
彡(゚)(゚)「まあ、ワイの親友なだけあって……」
彡(゚)(゚)「あいつはやる時はやる奴や」
彡(゚)(゚)「タケならきっとなんとかしてくれるはずや」
彡(゚)(゚)「後は……頼んだで……」
579
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:23:48 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚)「それにしても……いい天気や」
あの雲なんてめっちゃいい形しとるやんけ
啄木は地上からでも、雲の良さを見抜いたっていうのに……
空を飛び回っとったワイは雲を見る余裕すらなかったんやな
人間、必死になると目先のもんも見えなくなる
大事なもんも、大切なものも見えんくなる
極限状態にあればこそ見える境地もあるんやろうけど
そんなええもんじゃないで
碌なもんじゃないわ
特攻隊員に死を命じ続けた上官たちのように
人の命を軽んじるようになったら終わりや
もののあわれを忘れてしまったら終わりやで
580
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:24:41 ID:0Q8TUiro0
せや、もののあわれを忘れたらアカン
人としての心……悲しみを解する心を忘れたらアカンのや
もののあわれさえ持っとれば
どんだけ人間が醜く偽善の生き物でもあっても
きっと歯止めになる
最期の一歩を踏みとどまることができるはずや
581
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:25:09 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚) .。oO(ん?)
ワイはアホか!なに感傷に浸っとるねん!!
ここは戦場やぞ
友と部下だけを戦わせておいて
なに高みの見物を決めこんどるねん
ワイはいつからそんな最低な人間になったんや!!
彡;(゚)(゚).。oO(けど、どないしよう……)
今のワイが行っても足手まといになるだけやしな
うーん
582
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:25:43 ID:0Q8TUiro0
彡(゚)(゚) .。oO(ん?)
なんや!簡単なことやんけ
仕切り直しや!やり直せばええだけやん
せや、なんせワイは菅野直や!!
名前の通り、いくらでもやり直せるわ!
『空戦ヤメ!集マレ!!』
583
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:26:13 ID:0Q8TUiro0
チョクの言葉を受けボクたちは急いで戻った
でも……
(;´・ω・` )「どこにもいない……」
チョク!チョク!と何度も無線で呼びかけた
(;´・ω・` )「反応がない……」
(;´・ω・` )「もしかしたら不時着したのかも」
上空から翼を傾けて海岸を念入りに見て回った
(;´・ω・` )「機体らしいものはない……」
(;´・ω・` )「基地に帰ったのかな?」
584
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:26:55 ID:0Q8TUiro0
大村基地
(;´・ω・` )「オヤジ!チョクは帰ってきた?」
(◦灬•)「いいや、帰ってきてはいないが」
(;´・ω・` )「チョクの機体が管内爆発を起こし、行方不明です」
(;◦灬•)「なにッ!」
(;´・ω・` )「時間をかけて探したけど、ついに発見できませんでした」
(;◦灬•)「もしかたしたら他の基地に不時着したのかもしれん」
(;◦灬•)「急ぎ確認する!!」
585
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:27:19 ID:0Q8TUiro0
ボクはそれからもチョクも帰還を待った
望遠鏡で空を覗いたり、電話に聞き耳をたてた
でも……
(´・ω・`)「どれもむなしい期待に終わった」
586
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:27:51 ID:0Q8TUiro0
チョクがいなくなってもボクたちは戦わなければならなかった
戦闘機も搭乗員の数も少なく、補充もなかった
(´・ω・`)「それでも……」
士気については、それこそ一分の衰えもなかった
(´・ω・`)「よし!行こうか」
彡●_●)(⌐●ω●)(⌐●ゝ●)『おー』
587
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:28:16 ID:0Q8TUiro0
ブーン
空を飛んでいると、突然、頬に暖かさを覚える巨大な閃光が目に入った
やや間をおいて大音響とともに巨大なキノコ雲がムクムクと上昇していた
そのさらに上空には白く光ったB29が一機、東南の方向に去っていった
1945年8月15日
日本降伏
588
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:28:53 ID:0Q8TUiro0
一九四五年九月二十日 二階級特進海軍中佐 菅野直
源田のオヤジの具申をもってチョクは正式に戦死したと認定された
589
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:29:23 ID:0Q8TUiro0
彡(ꐦ 'ー`)「直が帰ってきても、絶対にあんた達には渡さないんだから!!」
(★_★-;)(★_★-;)三3「ひぃ……」
(´・ω・`) .。oO(さすがチョクのお母さんだ……)
ボクたちが追い払えなったアメリカ兵をああも簡単に追い返してしまった
ボクはチョクの名残を求めて
彼の故郷をしばらく歩いて回っていた
すると……
590
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:29:47 ID:0Q8TUiro0
( ゚∋゚)「やあ、タケくん……」
(´・ω・`)「あなたは……」
( ゚∋゚)「久しぶり」
(´・ω・`)「幸雄くん……」
( ゚∋゚)「どうだろう、一緒に歩かないか?」
(´・ω・`)「うん……」
591
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:30:17 ID:0Q8TUiro0
トボトボトボ
( ゚∋゚)「君はチョクが本当に死んだと思うかい?」
(´・ω・`)「どういうことです?」
( ゚∋゚)「チョクは戦死したことになっているが……」
( ゚∋゚)「それは状況判断でしかない」
( ゚∋゚)「行方知れずのチョクは今もどこかで生きてるんじゃないか……」
( ゚∋゚)「と、僕は思いたいんだ」
592
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:30:46 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「ボクは……」
(´・ω・`)「チョクは死んだんだと思います」
( ゚∋゚)「……理由を聞いてもいいかな」
(´・ω・`)「だって、チョクが生きていたら……」
(´・ω・`)「彼の破天荒な行動は目立つはずだから」
(´・ω・`)「それに……」
(´・ω・`)「チョクは雲隠れして家族や仲間を悲しませるような男では決してない」
( ゚∋゚)……
それから少し、無言の時間が過ぎた
593
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:31:35 ID:0Q8TUiro0
( ゚∋゚)「君はこの後、どうするつもりだい?」
( ゚∋゚)「軍に残るのかい……」
(´・ω・`)「……源田のオヤジにも誘われましたけど」
(´・ω・`)「断りました」
(´・ω・`)「ボクは普通に生きるつもりです」
( ゚∋゚)「普通?」
(´・ω・`)「はい、嫁さんと子どもと一緒に暖かい家庭を築いていきたいです」
(´・ω・`)「そしてできるだけ長生きをして死にたいです」
( ゚∋゚)「ありきたりな人生だな……」
594
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:32:03 ID:0Q8TUiro0
(´・ω・`)「ありきたりじゃないですよ」
(´・ω・`)「ボクたちの世代は普通な生き方さえ出来なかった人が大勢いる」
(´・ω・`)「チョクだって……その一人です」
( ゚∋゚)……
(´・ω・`)「チョクのようなカッコいい生き方はボクにはできません」
(´・ω・`)「だからボクは……」
(´・ω・`)「チョクが出来なかった生き方をしたいと思います」
( ゚∋゚)「そうか……」
こうしてボクたちは別れた
595
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:32:48 ID:0Q8TUiro0
……ねえ、チョク
君がもし生き残っていたら、どう生きたんだい?
使命のために命燃やす生き方?
家族を大事にする生き方?
それとも……
気の向くまま風の向くまま……雲のような自由な生き方?
……
596
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:33:31 ID:0Q8TUiro0
まあ、なんにせよ
最期にこれだけは言わせて欲しい
君はもうなにも背負う必要はない
無理をする必要はないんだよ
だから、こころ優しい素直な君のまま
どうか安らかに眠ってね……チョク
597
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:34:16 ID:0Q8TUiro0
おしまい
598
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 17:34:51 ID:0Q8TUiro0
長い間読んで頂きありがとうございます
599
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 19:44:04 ID:r5aBzk6Q0
乙乙乙!
毎日本当に心待ちにしてました
語らずとも感情を読ませるのがとても上手で、一喜一憂しっぱなしでした
新作沢山読みたいので、どうかここにしばらく居着いてはいただけないでしょうか
今作で参考にした書籍なども教えてほしいです
600
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 19:57:08 ID:0Q8TUiro0
>599
ありがとうございます
感想とても嬉しいです
今作で参考にしたのは
碇義郎著 最後の撃墜王です
これからもよろしくお願いします
601
:
名無しさん
:2024/06/01(土) 23:12:08 ID:RGQNLVas0
とても良かった
乙
602
:
名無しさん
:2024/06/02(日) 05:39:57 ID:sM2NPaW.0
>>601
ありがとうございます
603
:
名無しさん
:2024/06/02(日) 12:02:03 ID:OYCjraoM0
乙!!
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