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指輪は婚姻を依り代にするようです
1
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:11:29 ID:n.wZ/vww0
オレンジデー祭り参加作品です
2
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:12:39 ID:n.wZ/vww0
夜の風が凪いでいた。
オフィス街とも住宅街とも呼びがたい路地に男が歩いている。
( ,,^Д^) ん……
男は路上にちらりと見える光に誘われて、腰を屈めた。
足元に転がってくるそれは、華美な装飾など欠片もない
非常に単純な銀色の指輪だった。
男は指輪を拾い上げて立ち上がり、転がって来た方を伺った。
( ,,^Д^) あれぇ
人影を探しながら狭い路地に近づく。
薄い月明りが頼りにもならない程の暗闇から、汚れた細腕が飛び出して男の手を掴んだ。
(;,,^Д^)⊃∩(゚-;;゚#)
男は数秒ほど動きを止めた。
(#゚;;-゚) 返して
3
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:13:05 ID:n.wZ/vww0
(;,,^Д^) あ……この指輪 ですか……?
(#゚;;-゚)
女は質問には答えずに、ひったくるように摘ままれた指輪を奪い、
闇の中でも爛々と光る眼で指輪を凝視した。
_,
(#゚;;-゚)
そして男の身なりを素早く確かめてから、早足で暗闇の中に消えていった。
(;,,^Д^) ……
残された男は数分ほど女の入っていった道を覗いていたが、そのうち帰路に着いた。
4
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:13:34 ID:n.wZ/vww0
狭いオフィスにチャイムが鳴った。
( ・3・) じゃ 昼行こうか
( ,,^Д^) ……
( ・3・) ランチ ランチ行こ な
( ,,^Д^) はあ
男の上司は尻の引っ付いた様子の男を強引に追従させた。
夜は居酒屋になるであろう定食屋に入り、二人向き合って座る。
( ・3・) 俺 魚
( ,,^Д^) じゃあ 日替わりで
从゚_'゚) はぁい
5
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:13:57 ID:n.wZ/vww0
注文を待つ間、男は携帯を取り出すこともなく、じっと水のグラスを見つめていた。
( ・3・) なに? 今日なんかシリアスだね
( ,,^Д^) そうですか?
( ・3・) そうだよ〜
男は上司の頭頂部の髪の毛辺りを注視するように、少し目を細めた。
( ,,^Д^) ……ぼるじょあさんって この辺に詳しいんですか?
( ・3・) どうだろ まあ今の会社勤めて五年は経つけど
( ・3・) まあ〜 あんまり呑みにはいかないけど ランチは研究してるかな
( ,,^Д^)
男は店に並べられた品目を盗み見た。
このあたりの店の中では、比較的料金が安い。
6
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:15:32 ID:n.wZ/vww0
( ,,^Д^) 昨日 ボク 遅かったじゃないですか
( ・3・) あ うん お疲れ様
( ,,^Д^) 帰り道に何か 変な女の人 見たんですよね
( ・3・)
( ・3・) ダイジョブ? いま昼よ?
( ,,^Д^) いや別に下品な話じゃないんですけど
( ・3・) なんだ そうか
ぼるじょあの微かに残念そうな顔を見てから、男は成り行きに任せたように吐き出した。
( ,,^Д^) 何か体中 たぶん血とか土とか……
( ・3・) え〜 こわ
( ・3・) 幽霊?
( ,,^Д^) いや……そういうの信じてるんですか?
( ・3・) 目の前に居たらいるでしょ
( ,,^Д^) そういうもんですか
从゚_'゚) おまったせーしましたー
( ・3・) お じゃ お先に
( ,,^Д^) どうぞ
7
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:16:19 ID:n.wZ/vww0
その夜、男は昨日と同じ道を歩いていた。
女の消えた路地の向こうを眺めていると、
先ほどから男の耳にも聞こえてきた足音が近づき、男は振り向いた。
(‘_L’) おや こんばんは
( ,,^Д^) ……どうも
男は突然現れた人物の横をすり抜けながら、帰路に戻ろうとした。
(‘_L’) 昨日か一昨日に 何か見ませんでしたか?
呼び止められた男は、自らの動揺を確信するようにゆっくりと向き直った。
( ,,^Д^) ……何かって?
(‘_L’)
(‘_L’) 申し遅れました 私フィレンクトと言います
( ,,^Д^) はあ
(‘_L’) この辺りで起こった事件を捜査している探偵です
(‘_L’) 名刺は今 切らしていますがね
( ,,^Д^)
男の疑惑の視線を知ってか知らずか、フィレンクトは得意そうに続けた。
(‘_L’) 何でもいいので 気が付いたことを教えてください
(‘_L’) ここは帰り道ではありませんか?
8
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:17:10 ID:n.wZ/vww0
男は観念したように口を開いた。
( ,,^Д^) 昨日 指輪を拾いましたが
(‘_L’)
(‘_L’) 指輪ですか?
( ,,^Д^) まあ たぶん持ち主の 女の人に渡しましたよ
(‘_L’) どんな方でした?
( ,,^Д^) え? 暗かったので よく分かりません
(‘_L’)
(‘_L’) 指輪はどんなデザインでした?
( ,,^Д^)
男は面倒そうな表情を隠すのが難しくなっていた。
( ,,^Д^) 暗かったんで……
(‘_L’)
9
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:18:43 ID:n.wZ/vww0
(‘_L’) 女性はそのあとどこに?
( ,,^Д^) そっちの道に
(‘_L’) 案内してもらいましょうか?
フィレンクトは男が怪訝な顔を向けていることを意に介さず、片腕の裾をまくり上げた。
(;,,^Д^)
異常な風体の義手だった。
肘には球体による間接機構が付いているようだが、
まるで血液のように枝分かれし波打つ赤色の道が張り巡らされている。
フィレンクトはまさしく自分の手足のように義手を掲げた。
手首にあたる部分が変形し、手の平に隠されていたナイフがこちらに向かって突き出された。
(‘_L’) さぁ
フィレンクトは勢いで刺さっても構わないかのように、ぞんざいに得物を振っている。
男は冷や汗をかきながら、ゆっくりと路地に向かって歩き始めた。
10
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:19:42 ID:n.wZ/vww0
路地を進むと、人通りのない道に出た。
(;,,^Д^) あの昨日 追いかけた訳じゃなくて もうどこに行ったのか
(‘_L’) しっ
フィレンクトはナイフを突きつけたまま、あたりを伺っている。
(‘_L’) でぃさーん?
男はフィレンクトの様子を鑑みつつ、自身も辺りを見渡し始めた。
(‘_L’) 交換しましょうよ 指輪と
何も反応が帰ってこない。
(‘_L’)
男が身じろいだ時には既に刃渡りに血が沿っていた。
男の頬から垂れた血液はスーツを汚し、暗いアスファルトに更に黒を足した。
(;メ,,^Д^)
(‘_L’) 脅しじゃないですよー
(;メ,,^Д^) う……
11
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:20:48 ID:n.wZ/vww0
(‘_L’) ここじゃないのか? それとも見捨てられただけか……
男の目に女が映った。
(#゚;;-゚)
(メ,,^Д^) ……ダメだ!
駆け寄ろうとした男はフィレンクトに蹴り飛ばされ、
女を見上げながら再び吠えた。
(メ,,^Д^) 逃げなきゃ ヤバいんですって そいつ!
(‘_L’) いるじゃないですか
女は叫ぶ男に一瞥もくれずにフィレンクトを見据えている。
(#゚;;-゚) いくらなんでもルール違反でしょ
(#゚;;-゚) こういう町の……そういう人に手ぇ出すのは
(‘_L’) 誰も律義に守りはしないでしょう
12
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:22:09 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) ふぅ……
女は男を飛び越えた。
空中から簡素な槍を取り出して放り投げる。
(;‘_L’)
フィレンクトは大振りでナイフを使って槍を弾く。
女は間髪入れず突っ込んでいく。
(メ,,^Д^) ……?
パンチの要領で突き出された刃物に手を添えたかと思うと、
下半身が飛び上がりナイフを支えにして逆立ちした。
(;‘_L’) くっ!
義手でない右手を振り上げるも、
既に女の踵はフィレンクトの肩に突き刺さる直前だった。
(; _L ) がっ!
女はそのままナイフを支えにして手で跳び上がり、男の傍に降り立った。
13
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:23:17 ID:n.wZ/vww0
(メ,,^Д^) な 何……
(#゚;;-゚) あなたにもう報酬は払ったんだ
(#゚;;-゚) もう一つの指輪を渡して さっさと帰って
(; _L ) ハハハ……
(#゚;;-゚)
(; _L ) 出てきた時点で私の勝ちだ……
(#゚;;-゚) ……
女は片手で腕をつかみ、軽々と男を立たせた。
(#゚;;-゚) 逃げるよ
(メ,,^Д^) は?
( _L ) 虎の子を出す
14
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:24:26 ID:n.wZ/vww0
フィレンクトの義手が鳴動した。
駆動音と共に義手が肩の位置で外れ、地面に落ちたが着地音が水音に近い。
(メ,,^Д^) ……
肘より根本は、義手というには生々しすぎた。
その部分は着地し、膨張し、増幅していく。
(#゚;;-゚) バカじゃないの……?
<|,゚ト゚、<) グムグム...
(‘_L’) 行け
<|,゚ト゚、<)
(‘_L’) ……どうした?
出来上がった赤黒い首長竜は主人の方を眺めてから、
悠然とはたき飛ばした。
( _L ) な”っ……!
<|,゚ト゚、<) ウ オオ……
女はしなやかな手で男の尻を叩いた。
(#゚;;O゚) 逃げるって言ったでしょ! 早くする!
男は火が付いたように走り出した。
近くの廃墟に逃げ込んだ女の尻を追いかけ、いつの間にやら道に面した部屋で座っていた。
15
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:25:18 ID:n.wZ/vww0
外からは巨体が道路を引きずる音が聞こえてくる。
(#゚;;-゚) 取引材料もないのに あんな使い魔が言う事を聞く訳ないじゃん……
(メ,,^Д^) なん……何なんです? これは
(メ,,^Д^) 何が起こってるんです? あなたは……
(#゚;;-゚) 私のことは良いでしょ
そう言われると男は口を噤むしかない。
(#゚;;-゚) 心配しなくても どうにかなるよ
(メ,,^Д^) いや……警察がどうにかできるんですか?
(#゚;;-゚) 出来る人も居る
(#゚;;-゚) あなたは来るまで待てばいい
16
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:26:12 ID:n.wZ/vww0
街路から劈くような悲鳴が上がった。
立ち上がった男を見て眉をひそめてから、女は首長竜の方を伺った。
(#゚;;-゚) 隠れてなよ
(メ,,^Д^) あなたならどうにか出来るんじゃないですか?
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 無理
(メ,,^Д^) 僕の事は助けてくれたじゃないですか
(#゚;;-゚) 戦う相手が違うよ
(メ,,^Д^) 僕は行きます
男は部屋を出て行った。
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) ……
17
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:27:22 ID:n.wZ/vww0
男は廃墟に体をぶつける首長竜を見やってから、悲鳴の方に足を進めた。
地面に投げ出されているフィレンクトの横で、誰かが慌てている。
( _L )
(;・3・) うわ うわ タカラ!?
(メ,,^Д^) ……ぼるじょあさん?
(;・3・) いや ヤバいって! とんでもない轢き逃げだよこれ!
(;・3・) 電波悪いから救急車呼べねえんだって!
(;・3・) ちょ ちょっと会社の近くまで行くから 見といてくれ な!
(メ,,^Д^) 何か絹を裂くような悲鳴 聞こえませんでした?
(;・3・) それ多分俺! 今そんな事どうでもいいだろ!
(;・3・) じゃ 頼むな!
ぼるじょあはバタバタと駆け出して行った。
男は言われた通りにフィレンクトに近づいたが、ポケットから零れかけた小箱を戻そうとして取り落としてしまう。
その箱から昨日見たのと同じ指輪が零れ出た。
巨体が擦れる音に振り向くと、
首長竜がこちらを見て漫然と佇んでいる。
18
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:29:11 ID:n.wZ/vww0
<|,゚ト゚、<)
(メ,,^Д^) ……
現実感がないのか、男もまた漫然と首長竜を見上げていた。
巨大なヒレが男を叩き潰そうと、高く掲げられた。
しかし重厚な衝撃と共に、ヒレは退けられた。
<|,゚ト゚、<) グ グウゥ...
(メ,,^Д^) あ
(#゚;;-゚) ……ま ルールは大事だから
<|,゚ト゚、<) ウゥ...
首長竜は唸りながら踵を返し、半壊した廃墟にまたぶつかっていく。
(#゚;;-゚) 逃げるなら今のうちだよ
(メ,,^Д^) 指輪 ありましたよ
(#゚;;-゚)
(メ,,^Д^) あなた達にどういう事情があるのか 分かりませんけど
(メ,,^Д^) これに免じて どうにかしてくれませんか
19
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:30:00 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) 野次馬まで守る義理は無いよ
(メ,,^Д^) これからここに戻る人は 僕の知り合いです
(#゚;;-゚) ……それがなに
(メ,,^Д^) 僕は動けません
(#゚;;-゚) あのね あなたを巻き込んだのは私だけど
(#゚;;-゚) 私にも私の事情があるの
<|,゚ト゚、<) ウゥ...
首長竜はまた、男たちの方を向いた。
(#゚;;-゚) いざとなったら見捨てて逃げるよ
(メ,,^Д^) ……この人を見ていてくれと 言われたんです
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) あなたを傷つけた人を……どうするの?
(メ,,^Д^) 救急車に乗せるんです
(メ,,^Д^) 助かるかどうかは分かりませんが
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) ふぅ
20
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:32:09 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) あなた 恋人は?
(メ,,^Д^) ……いませんが?
(#゚;;-゚) しょうがないか 別に元々 だれでも良かった訳だし
(メ,,^Д^)
(#゚;;-゚) その指輪 左手の薬指にはめて
(メ,,^Д^) 何を
<|,゚ト゚、<) ウゥ...
(#゚;;-゚) 早くしてよね
女は懐から取り出した指輪を、自身の左手の薬指にはめた。
男も、もたつきながら自身の左手の薬指にはめた。
直後、肉を切り裂く音が聞こえた。
男が指輪をはめた指から鮮血が滴り落ちた。
視線の先には、自らの薬指が落ちている地面がある。
21
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:33:10 ID:n.wZ/vww0
(;メ,,^Д^) あっ うわ…… えっ!
_,
(#゚;;-゚) っつー……
女は男の方に振り向いて、互いの指を切り落とした指輪を、血液を伴って擦り合わせた。
(#゚;;-゚) 私たちは 共に寄り添い お互いを守る事を誓う
(;メ,,^Д^) え? ……いっ……
(#゚;;-゚) いいよね?
<|,゚ト゚、<) アァ...
男から見て、女の後ろに首長竜が迫ってくる。
(;メ,,^Д^) い いいです いいと思います!
瞬間、膨れ上がった大気が圧縮され、空気が脈動した。
男の時間が緩やかになり、女はゆっくりと首長竜の方に向いた。
フィレンクトに投げたのと同じ槍が女の手に携えられた。
男にとって段々と緩慢になる世界は、女が首長竜に槍を投げつけた瞬間に爆発した。
女が返り血を振りまきながら男を見る。
その後ろで頭の半分を失った首長竜が、崩れ落ちた。
(#゚;;ー゚)
タカラはふらふらと立ち上がり、でぃの手を取った。
(;メ,,^Д^)
(;メ,,^Д^) 結婚してください
(#゚;;-゚) 今したけど?
22
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:33:38 ID:n.wZ/vww0
1.指の傷にかけて
23
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 01:35:08 ID:n.wZ/vww0
一話投下おわりました
続きは今日また投下する予定です
24
:
名無しさん
:2024/04/20(土) 01:43:26 ID:dusqCKps0
ワクテカ
25
:
名無しさん
:2024/04/20(土) 14:55:00 ID:VgEPtmqs0
乙
アングラ感がたまらん
26
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 21:43:15 ID:n.wZ/vww0
感想ありがとうございます!
二話目を投下します
27
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 21:43:46 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) じゃ 離婚しよっか
28
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 21:44:59 ID:n.wZ/vww0
2.誓ったその日に離縁宣告
29
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 21:48:59 ID:n.wZ/vww0
(メ,,^Д^) ……は?
(#゚;;-゚) もう事は終わったから
でぃは血の垂れた指輪を外し、服の裾で拭いてから懐にしまった。
(#゚;;-゚) 返して
向けられた手のひらにタカラが逡巡している。
(#゚;;-゚) つけた本人でないと外せないの
(メ,,^Д^) いや ちょっと待ってくださいよ まだお礼もしてないのに
(#゚;;-゚) いらない
(;・3・) おい!
(メ,,^Д^) あ……
すぐにでぃは、ぼるじょあの視界から消えた。
30
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 21:51:27 ID:n.wZ/vww0
(;・3・) なんかあったか!? ケガしてないかお前?
(メ,,^Д^) あ
とっさにタカラは左手を隠したが、少しして手をどけて目の前に掲げた。
(;・3・) 手ぇ血だらけじゃねえか
タカラの左手の薬指は幾分か綺麗なままで残っていた。指輪もない。
タカラは驚きを隠せなかったが、手を戻すと平静な声で言った。
(メ,,^Д^) いや そっちの動物の返り血ですよ
( ・3・) は?
(メ,,^Д^) 動物園から出てきたんですかね
( ・3・) は?
( ・3・) 動物? ぐちゃぐちゃじゃないか? よく見えねえけど
(メ,,^Д^) ああ 私もよく分からないですけど 何か爆発しました
( ・3・)
( ・3・) へえ……
(メ,,^Д^) すいません 気分悪いんで帰りますね
( ・3・) おう お疲れ様
31
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 21:57:41 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) ほら 返して
タカラがぼるじょあの前から去ると、でぃがすぐに近寄ってきた。
タカラの薬指であろう、血だらけのものを手のひらに乗せている。
でぃの薬指もまた、同じように元に戻っている。
(メ,,^Д^) 何なんですか? こっちは
(#゚;;-゚) 何でもいいでしょ
でぃは微かに声を荒げた。
_,
(#゚;;-゚) ねえ いいかげんにしてよ
_,
(#゚;;-゚) もうあんな目に遭いたくないでしょ
タカラは何やら決心した様子で、でぃを見つめている。
(メ,,^Д^) 返したら……
(#゚;;-゚)
(メ,,^Д^) あなたが狙われるのでは?
(#゚;;-゚) ……ずっとそうだよ
タカラは素早くでぃの手を取りかけ、避けられた。
32
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:00:36 ID:n.wZ/vww0
(メ,,^Д^) ……
(#゚;;-゚) なに?
(メ,,^Д^) 僕はあなたを助けたいんです
(#゚;;-゚) そういうのいいから
(メ,,^Д^)
でぃは無言で空いた手を差し出す。
(メ,,^Д^) いや……あの……
(#゚;;-゚) なに
(メ,,^Д^) せめて お礼をさせてくれませんか?
(#゚;;-゚)
でぃは観念したように項垂れた。
(#゚;;-゚) そうしたら返してくれるの?
(メ,,^Д^) ……返します
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 分かった お言葉に甘えます
でぃは持っていた薬指を空中に消した。
(#゚;;-゚) 早めに付け直した方が良いと思うけど
(メ,,^Д^) 捨てていいですよ
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 捨てないよ
33
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:02:16 ID:n.wZ/vww0
公園に水の音が響いていた。
タカラがビニール袋を引っ提げて公園に入り、
水飲み場で体を洗っているでぃの方へ向かう。
(メ,,^Д^) これでいいですか?
タカラはでぃに袋からタオルを取り出して渡す。
(#゚;;-゚) ……どうも
タカラは公園から出てタクシーの窓を叩いた。
水浸しになったでぃがタオルで体を拭きながら、後ろに並ぶ。
(メ,,^Д^) よろしくお願いします
運転手は顔をしかめたが、文句も言及もなかった。
(゚|/゚ ) どこまで?
タカラは自分の住所を伝えた。
車内にしばらく特に会話はなかった。
タカラはおもむろにでぃにジャケットを着せようとしたが、
でぃは無言でそれを押し返した。
34
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:04:22 ID:n.wZ/vww0
タカラはそのうち目を閉じて、窓の方にもたれかかった。
(メ,, Д )
汗の玉が浮かび、顔が赤らんでいる。
(#゚;;-゚)
でぃはタカラの左手に手を乗せて、薬指の根元を円を描くように優しく擦る。
しばらくすると今度はタカラの頬に手を当て、真新しい傷跡に同じような所作をした。
(゚|/゚ )
信号に止まった際に運転手は後部座席を少し見たが、
すぐに前を向き、少ししてから発進した。
35
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:05:49 ID:n.wZ/vww0
(゚|/゚ ) 着きましたよ
タカラが目を覚まし、けだるそうに体を起こした。
( ,,^Д^) ああ じゃ これで
タカラがカードをかざし、電子音が鳴った後に連れ添って車を出た。
( ,,^Д^) すみません 寝てました
(#゚;;-゚) 私を気遣わなくてもいいよ
( ,,^Д^) 命の恩人ですから
(#゚;;-゚) ……
でぃは前を歩くタカラには聞こえないように、何事かを呟いた。
36
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:09:02 ID:n.wZ/vww0
タカラの家のドアが開いた。
( ,,^Д^) どうぞ
(#゚;;-゚) ……おじゃまします
( ,,^Д^) 僕はおフロ朝ですけど どうしますか
タカラはジャケットをベッドに放ると、でぃに向き直った。
(#゚;;-゚) おフロを貸すのがお礼?
( ,,^Д^) いや その準備ですよ
( ,,^Д^) ご飯食べに行くのに 血だらけはまずいでしょう
でぃは居心地の悪そうな顔で、タカラの体越しにワンルームの奥を伺っている。
(#゚;;-゚) これから行くの?
( ,,^Д^) 起きたら行きましょう
(#゚;;-゚) ……
( ,,^Д^) ご飯はダメですか?
(#゚;;-゚) 別に そういうわけじゃないけど
37
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:11:50 ID:n.wZ/vww0
タカラは寝間着姿のまま自分の血の付いたワイシャツを洗面台で洗いながら、ため息をついていた。
でぃは浴室の扉を内側から開け、扉の近くのビニール袋から下着を取り出し、また扉を閉める。
その次は肌着を浴室に引き込み、すぐに扉から顔を出した。
(#゚;;-゚) トランクスはあなたの?
( ,,^Д^) いや 服がなかったんで 下着を隠すためのものです
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 私の服は?
( ,,^Д^) 血だらけですよ
(#゚;;-゚) それでいいよ
タカラは手を拭いて、でぃの方に体を向けて、すぐに洗面台に向き直った。
( ,,^Д^) ……えっと 寝具は持ってきてるんですか?
(#゚;;-゚) 床で寝る
でぃは浴室から出た。
38
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:16:28 ID:n.wZ/vww0
( ,,^Д^) お客を床で寝させられませんよ
(#゚;;-゚) じゃあ あなたはどうするの
( ,,^Д^) 寝袋があります
でぃは不服そうに髪の水気を拭き取りながらベッドの方に向かった。
タカラはそれを横目で見て、クローゼットを開いて寝袋を取り出す。
タカラが寝袋を持ち上げると、眉間にしわを寄せたでぃが近づいてきて寝袋を引ったくった。
_,
(#゚;;-゚) 私がこれで寝る それでいいでしょ
( ,,^Д^) しかし 寒くないですか?
(#゚;;-゚) 別に
でぃはバスタオルをタカラに渡して、早々に寝袋に入り込んでチャックを締めた。
タカラは洗面台のワイシャツを絞り上げ、バスタオルと一緒に洗濯機に放り込んでから電気を消し、自らもベッドに潜り込んだ。
39
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:18:05 ID:n.wZ/vww0
深夜タカラが唸りながら目を覚ますと、暗闇の中でギョロリと黄色い目が向けられた。
(;,,^Д^) あ すみません 起こしました?
(#゚;;-゚) ……
タカラはベッドに寝転んだまま、見下ろしてくるでぃの目を見つめていた。
(#゚;;-゚) 水飲んだ方が良いよ
でぃは電気をつけた。
(;,,^Д^) そうですね
タカラは洗面台に向かい、水道水をコップに入れ、すぐに飲み干した。
(#゚;;-゚) ごめんね
タカラは二杯目の水を半分ほど飲んでから、でぃの方を見た。
( ,,^Д^) なんで謝るんです?
(#゚;;-゚) 命の恩人じゃないよ 私
(#゚;;-゚) あなたは巻き込まれたんでしょ
40
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:19:51 ID:n.wZ/vww0
( ,,^Д^) ……
(#゚;;-゚) 喉が渇いたのはね
(#゚;;-゚) さっき車の中で あなたの生命力を活性化させたから
(#゚;;-゚) 私 治療には詳しくないけど 指は繋げにくくなった筈
( ,,^Д^) じゃあ恩が増えたって事ですね
(#゚;;-゚) あのさ
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) おかしいよ
タカラは表情を変えないまま、二杯目の水を飲み干した。
(#゚;;-゚) 死に目に会って 指を失って
(#゚;;-゚) 恋人がいるのに 何で行きずりの女に優しくするの?
( ,,^Д^) 恋人は居ませんよ
でぃは既に自分が着てきた、血だらけの服を抱えていた。
(#゚;;-゚) 下着はありがと 指輪はあげる
(;,,^Д^) ちょ ちょっと
(#゚;;-゚) 布団ぐらい たまには洗いなよ
でぃはそのまま出て行った。
タカラはすぐに追いかけたが、
電灯に照らされた影は枝葉以外は目に着かず、静かな夜のしじまに足音一つも響かなかった。
41
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:21:51 ID:n.wZ/vww0
深夜のオフィスで、ぼるじょあがゆっくりと立ち上がった。
( ・3・) おい
( ,,^Д^) はい?
( ・3・) 残りすぎだ もうカギ閉めるぞ
( ,,^Д^) あ はあ すみません
( ・3・)
( ・3・) お前さあ 昼過ぎにカッター使ってたろ
( ,,^Д^) ゴソゴソ そっちに戻ってないですか?
( ・3・) いや……
( ・3・)
( ・3・) あるな あるある
( ,,^Д^) よかったです
( ,,^Д^) そういえば昨日の人が 何処の病院に行ったかって 知ってます?
( ・3・) さあなぁ
( ,,^Д^) そうですか じゃ お疲れ様です
( ・3・) ……お疲れ
42
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:23:29 ID:n.wZ/vww0
タカラはでぃと初めて会った狭い路地を通り抜けて、
立入禁止のテープと警備員の方を見て、帰路についた。
タカラは家に着いてから、左手の薬指の義指を外し、
血にまみれていた筈の指輪を眺めた。
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) ピッ...
それから携帯のディスプレイに顔を寄せ、
目の前を滑る近隣の廃墟リストと、地図を並べ見る。
( ,,^Д^)
タカラは身支度を整えて家を出て行った。
部屋の中には、バスタオルが二つ、ワイシャツが一つ、
そして布団カバーが部屋干しされている。
43
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:25:27 ID:n.wZ/vww0
マト#>Д<)メ
タカラが目を付けた四つ目の廃墟、
工場街郊外の建物には、先客がいくつかの発泡酒缶を置いて座っていた。
女は毒づきながら冊子型の端末を操っている。
( ,,^Д^) あの
マト#゚Д゚)メ
女がタカラの方に注意を向けた。
( ,,^Д^) 人探しをしてるんですが
女はすぐに興味を失って端末の操作に戻った。
マト#>Д<)メ わたし別に このビルの人じゃないんで
( ,,^Д^) 顔に痣のある女性です
マト#>―<)メ
女は端末をひっくり返し、タカラの方に向けた。
マト#>Д<)メ こう暗いとさ 痣なんて見えないけど
マト#>Д<)メ こういう人は居ましたよ
( ,,-Д^)
妙にまぶしいディスプレイには、画像が荒いが確かに女のような姿が映っている。
( ,,-Д^) でもこれは髪が長いですね
タカラの足元がディスプレイよりも、よっぽど強く光り輝いた。
タカラが薄目で魔法陣の一部を確認した瞬間、視界が明滅し、頭、体の前面の順に衝撃が走った。
( ,,-Д^) がっ!
女は仰向けに倒れたタカラの左腕を足で押さえつけ、薬指の義指を外した。
マト#>Д<)メ ビンゴ
44
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:29:21 ID:n.wZ/vww0
二話の投下おわりました
つづけて三話の投下をします
45
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:31:28 ID:n.wZ/vww0
タカラは呻きながら薄目を開けた。
端末のキーボードを叩く音が聞こえる。
タカラを縛り上げた女は、最初の場所で寸分違わぬ姿勢のまま、端末を操作している。
後ろには雲と青空が見えた。
マト#>Д<)メ 自己紹介できます?
(;,,^Д^) ……
タカラが何も言わずにいると、
女は苛立った調子で足元の空き缶を拾い上げ、乱暴にタカラの方へ投げつける。
タカラは頭に軽い衝撃を受け、体にはタバコの吸い殻の混じった液体がまぶされた。
マト#>Д<)メ 余裕あるんですねえ
(;,,^Д^) ……タカラといいます
マト#>Д<)メ 宗派は?
(;,,^Д^)
(;,,^Д^) 将来的には 仏教の墓に入ると思いますが
マト#>Д<)メ ……
マト#>Д<)メ どうやって お嬢様に取り入った?
(;,,^Д^) 誰の事でしょう
女はわざとらしい深呼吸を一つしてから、緩慢な動作で端末を脇に置き、立ち上がり、
タカラの近くまで歩いていって、肋骨の辺りを蹴り飛ばした。
(;,, Д ) ぐ……!
46
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:33:21 ID:n.wZ/vww0
マト#>Д<)メ あのさあ
女は一つ一つの言葉を区切りながら、タカラの体を踏みつけ、蹴り付けた。
マト#>Д<)メ 話のっ 流れでさあ! 分かるッ でしょうッ
マト#>Д<)メ が!!
止めとばかりに思いっきり尻を蹴り上げ、
荒い呼吸を整えつつ元の場所に戻って座り込んだ。
(;,, Д ) ……
マト#>Д<)メ はぁーあ
(;,, Д ) 本人から 名前は伺ってません
マト#>Д<)メ ……ふん?
(;,,^Д^) ある男から でぃと呼ばれてました
タカラの声は震えていた。
マト#>Д<)メ フィレンクトってヤツ?
(;,,^Д^) そう……名乗っていたと思います
マト#>Д<)メ ……
マト#>Д<)メ 自己紹介を続けて
(;,,^Д^) ……私は F市の会社員です
(;,,^Д^) でぃ……さんとは F市の……道で会いました
マト#>Д<)メ
47
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:35:04 ID:n.wZ/vww0
(;,,^Д^) 指輪を拾って 渡して
(;,,^Д^) 次の日にフィレンクトに会いました
(;,,^Д^) 刃物を突き付けられたので でぃさんをおびき出すための人質になって
マト#>Д<)メ
(;,,^Д^) それで でぃさんが出てきたら フィレンクトは化け物を出してきて
(;,,^Д^) 僕はそこで 指輪をはめました
(;,,^Д^) そうしたら でぃさんは化け物を倒して
マト#>Д<)メ
(;,,^Д^)
マト#>Д<)メ それで?
(;,,^Д^) その後は知りません どこかに行きました
タカラの声は震えたままだった。
マト#>Д<)メ
48
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:36:45 ID:n.wZ/vww0
マト#>Д<)メ それで何で 指輪を付けたままなの?
(;,,^Д^)
(;,,^Д^) 取れるものなんですか? これ
マト#>Д<)メ
マト#>∀<)メ ははは
(;,,^Д^)
マト#>Д<)メ 試せば分かるでしょ
( ,,^Д^) そういうもんですか
タカラの声は落ち着きを取り戻した。
女は素早く立ち上がって、端末を開いた。
マト#>Д<)メ お嬢様はどこ?
( ,,^Д^) さっきも言ったでしょう 僕も探してるんですよ
マト#>Д<)メ へえ
マト#>Д<)メ 渡さねえよ
49
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:39:25 ID:n.wZ/vww0
( ・3・) なあ
リi、゚ー ゚イ`!
( ・3・) なあ 大上
リi、゚ー ゚イ`! はーい?
( ・3・) タカラ来てないよな
リi、゚ー ゚イ`! 見……てない ですねー
( ・3・)
( ・3・) 無断欠勤だよな?
リi、゚ー ゚イ`! 連絡してみたらどうですか?
( ・3・) してるんだけどさあ
リi、゚ー ゚イ`! 転職活動中じゃ なかったでしたっけ
( ・3・)
( ・3・) へー……
( ・3・) 聞いてな……いん ですけど?
リi、゚ー ゚イ`! あーすみません 親戚の話でした
( ・3・)
( ・3・) あ うん
50
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:40:38 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚)
∪゚ェ゚∪ いらっしゃい お嬢さん
(#゚;;-゚) 一応聞くけど 私の情報は
でぃはコインをいくつか机の上に置いた。
∪゚ェ゚∪ まだ買われてねえよ
(#゚;;-゚) そう
でぃが振り向き、店の掲示板に目を向けた。
店の出口に向かっていた足は、情報が遷り変わるデジタル掲示板の方に向かっていく。
掲示には住所と部屋の情報が書かれている。
そしてタカラの写真が貼り付けてあった。
(#゚;;-゚) これは?
∪゚ェ゚∪ さっきと同じ値段
でぃがコインを叩きつけると、情報屋は一目みて言った。
∪゚ェ゚∪ 二割足りねえぞ
(#゚;;-゚) まけて
∪゚ェ゚∪
51
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:41:42 ID:n.wZ/vww0
∪゚ェ゚∪ ……おまえ 下着替えただろ
_,
(#゚;;-゚)
∪゚ェ゚∪ 前の奴をよこせば まけてやる
_,
(#゚;;-゚) へんたい?
∪゚ェ゚∪ 追っ手に売るんだよ
(#゚;;-゚) ああ そういう事
でぃは空中から下着を取り出して机に置き、
乗っていたコインを一つ残らず回収した。
∪゚ェ゚∪ 直接置けとは言ってねえし そこまでまけるとも
_,
(#゚;;-゚) ……
∪゚ェ゚∪ まあ いいか
∪゚ェ゚∪ 情報屋のネットワークに 広告代込みで張り出されてた
(#゚;;-゚)
∪゚ェ゚∪ さっきからサービスしすぎだが 伝えとくと
∪゚ェ゚∪ マトマトの文面だと思う 俺はな
(#゚;;-゚) ……
52
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:43:19 ID:n.wZ/vww0
(;,, Д )
タカラは薬指の付け根を微かに動かした。
マト#>Д<)メ 外したら?
(;,,^Д^) ちょっと聞きたいんですが
マト#>Д<)メ
(;,,^Д^) 僕を殺して外せばいいのでは?
マト#>Д<)メ
マト#>Д<)メ お嬢様に逃げられたんでしょ 指輪を外されて
(;,,^Д^)
マト#>Д<)メ その指輪は大層なもんなんだ
マト#>Д<)メ どこのチンピラか知らないけど
マト#>Д<)メ 本来なら万に一つも 手に入らない代物だよ
(;,,^Д^) それが……何です?
女はわざとらしく足を踏み鳴らした。
マト#>Д<)メ ムッカつくなあ
マト#>Д<)メ お嬢様はねぇ 貴重な片方より アンタの命を取ったんだよ
(;,,^Д^)
マト#>Д<)メ お嬢様がそうしたんだから 私もそうするの
(;,,^Д^) ……
53
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:44:53 ID:n.wZ/vww0
女が立ち上がった。
タカラは歯を食いしばるが、女はタカラには近づかず、
そのまま窓際まで歩いていき、外の様子を伺っている。
女は箱を持って近づいて、タカラの四方に並べた。
(;,,^Д^) 何をしてるんですか
マト#>Д<)メ
女は問いかけには応えないまま、部屋の入口の反対へ歩き、壁を背にして端末を掲げた。
女の周りに大小の光の玉が浮かび始める。
それを眺めていたタカラは、身じろいで反対の入口を流し見た。
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) ……でぃさん
でぃの左手には指輪が光っている。
マト#>Д<)メ お元気そうで何よりです
(#゚;;-゚) おかげさまで
54
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:46:17 ID:n.wZ/vww0
女の周りを漂っていた光の玉が、タカラの傍の箱に取り付き始めた。
マト#>Д<)メ その男 連れて行きますか?
(#゚;;-゚) ……帰るつもりはないよ
マト#>Д<)メ それじゃあ 要らないんですか?
(;,,^Д^)
(#゚;;-゚) 手を出さないでよ
(#゚;;-゚) その人は 私たちの世界の人じゃない
マト#>Д<)メ 指輪を付けてる以上 その言い訳は通りませんよ
(#゚;;-゚) ……それなら
(#゚;;-゚) 今の今まで無事でいるのは何故?
女は少し待ってから続けた。
マト#>Д<)メ ……人質です
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) ふぅ……
(;,,^Д^)
55
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:48:08 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) 昔 動物が飼いたいって言ったこと あったよね
マト#>Д<)メ
(#゚;;-゚) ダメだったけど
マト#>Д<)メ
マト#>Д<)メ でしたね
女の声には微かに震えが滲んだ。
(#゚;;-゚) 私は
(#゚;;-゚) もう戻れないよ
でぃはタカラに近づいていく。
タカラの周りの光球は動きを止め、でぃの道を空けていく。
(#゚;;-゚) ごめんね また巻き込んで
( ,,^Д^) ……いえ
でぃはタカラの縄をほどいた。
マト#>Д<)メ お嬢様
(#゚;;-゚)
マト#>Д<)メ あの時とは違いますよ
マト#>Д<)メ ご主人様の見えないところで過ごせば いいじゃないですか
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) だから それも
(# ;;- )
(# ;;- ) 昔 言ってくれたじゃん
マト#>―<)メ
56
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:49:28 ID:n.wZ/vww0
(#゚;;-゚) 行くよ
( ,,^Д^) は はい ありがとうございます
マト#>Д<)メ
数個の光球が高速で二人に向かって射出された。
でぃは振り向きざまに槍を創出し、光球を斬り潰した。
(#゚;;-゚) ……
マト#>Д<)メ お嬢様
(#゚;;-゚) うん
マト#>Д<)メ 帰って いただきます
(#゚;;-゚)
でぃは構えた。
57
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:50:56 ID:n.wZ/vww0
タカラはでぃに見もされずに、後ろに蹴り飛ばされた。
( ,,^Д^) う
次から次へと出てくる光球に踊らされながら、でぃは一気に女に距離を詰める。
マト#>Д<)メ はッ!
女の足元が煌めいた。
女は直立したまま跳ね上がり、でぃの斜め上を回転しながら飛んで、タカラが寝かされていた場所に降り立つ。
女はそのまま四方に置かれた箱の一つを蹴りだした。
でぃはそれを槍で貫き、かつ身を屈めた。
箱が閃光と共に爆発する。
(;,,^Д^)
煙が晴れると、でぃは黒ずんだ左腕を抱えて座り込み、その横に女が佇んでいた。
爆発の影響か、窓が崩れて大きな穴になっている。
マト#>Д<)メ さ 帰りましょう
(#゚;;-゚) どこに?
でぃは崩れた穴の方に跳んだ。
女は光球をでぃの速度よりもずっと早く撃ち出した。
58
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:52:51 ID:n.wZ/vww0
(;,,^Д^)
でぃは黒ずんだ腕を右手の補助付きで振り回し、光球をはたき落とす。
女は尚も追撃で光球を投げかけるが、でぃは針を生成して投げつけて応戦する。
そのうちの一つが、箱を貫いた。
マト#>Д<)メ !
女の光球が一瞬で防御に回った。
でぃすらも庇おうという意思が感じられる光球が、爆散によりすべて消し飛んだ。
タカラが煙の晴れた部屋に入ると、二人の姿はなかった。
爆風の影響で外に吐き出されている。
(# ;;- ) うぅ……
マト# Д )メ ぐ……
タカラが倒れている二人の姿を捕らえた時、
同時に彼女たちの真上の鉄骨に引っかかっている、三つ目の爆弾の箱が目に入った。
( ,,^Д^)
このままでは女にあたるだろう。もしかしたらでぃに当たるかもしれない。
タカラは一歩踏み出して動きを止め、しかし一秒も待たずに走り出した。
(;,,^Д^) うおおぉっ!
タカラは穴から飛び出した。
揺れた箱がタカラの目の前で落ち始める。
それを捕らえ、抱え、丸まって、タカラは地面に激突した。
59
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:54:06 ID:n.wZ/vww0
女は真っ先に立ち上がり、転がり落ちてきた男を見下ろした。
マト#>Д<)メ ……こいつ
(#゚;;-゚)
でぃもまた、ゆっくりと立ち上がり、タカラの方へ近づいた。
( ,,^Д^) いっだ……
タカラは箱を強く抱え込んだまま、二人の方へ向き直った。
マト#>Д<)メ
女が真上を見上げて、タカラを見つめ直した。
タカラは箱をゆっくりと地面に置き、這いながら後ずさりする。
マト#>Д<)メ
マト#>∀<)メ ……はははは……
(#゚;;-゚)
マト#>Д<)メ はぁーあ
女は箱を持って、廃墟に入っていった。
(#゚;;-゚) ……大丈夫?
( ,,^Д^) あ はい 平気です
60
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:55:14 ID:n.wZ/vww0
女はでぃ達の近くに戻ってきた。
でぃはタカラをかばうように前に出る。
(#゚;;-゚) ……
マト#>Д<)メ よっと
持ってきた二つの箱を脇に置いてから端末を操作し、満足げに鼻を鳴らした。
マト#>Д<)メ お嬢様
(#゚;;-゚)
マト#>Д<)メ 私 意地になっていました
(#゚;;-゚) ……
マト#>Д<)メ もう手を引きます
61
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:56:41 ID:n.wZ/vww0
( ,,^Д^) え?
マト#>Д<)メ 男の写真の広告は取り消しました
マト#>Д<)メ どうせ三日も経てば 全部剝がされるでしょうけど
(#゚;;-゚) ……急に なんで?
マト#>Д<)メ 急に……
マト#>Д<)メ
マト#>Д<)メ 昔 お嬢様が人懐っこい野良猫を拾おうとしたとき ありましたよね
(#゚;;-゚) ……うん
マト#>Д<)メ その ちょっと前に 私も ペットを飼う事を賛成しました
(#゚;;-゚) うん
マト#>Д<)メ でも 野良猫を拾うのは反対しました
マト#>Д<)メ 前に反対した家族に 大切にされるとは限らないから
(#゚;;-゚)
マト#>Д<)メ 私も あの家には……もう戻りません
マト#>Д<)メ あと わざと言わなかったんですけど
(#゚;;-゚) ……なに
マト#>Д<)メ あの猫 私の知り合いが飼ってくれてました
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) ……そう なんだ
マト#>Д<)メ じゃあ また会いましょう 機会があれば
(#゚;;-゚) ん
女は去っていった。
62
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:57:41 ID:n.wZ/vww0
( ,,^Д^) あの
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) 僕の薬指 出してくれますか?
(#゚;;-゚) ……はい
でぃは空中から薬指を取り出した。
タカラはそれを掴み、明後日の方向へ投げた。
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) 今日……じゃなくて昨日 ですが
( ,,^Д^) 布団干して カバー洗って シーツ洗って……
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) 泊まって いきませんか?
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) ……うん
63
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 22:59:02 ID:n.wZ/vww0
3.きっと明日になったら
64
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/20(土) 23:02:05 ID:n.wZ/vww0
三話の投下おわりました
続きは明日投下する予定です
65
:
名無しさん
:2024/04/20(土) 23:22:30 ID:WMHG.wWE0
乙です!
66
:
名無しさん
:2024/04/21(日) 10:41:42 ID:efAoDuXk0
乙
67
:
名無しさん
:2024/04/21(日) 12:40:13 ID:e5OCri3Y0
乙乙
祭りで連載形式が読めるのとても贅沢だー
でぃの生い立ちが気になる
68
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:23:06 ID:LsIKYsNU0
四話投下開始します
69
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:25:08 ID:LsIKYsNU0
フィレンクトは工房のドアを開けた。
(‘_L’)
(‘_L’) ……
(‘_L’) くっさ
フィレンクトは残っていたラーメンの汁を排水溝に捨て、窓を開けた。
70
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:26:07 ID:LsIKYsNU0
4.愛で買える金
71
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:28:52 ID:LsIKYsNU0
でぃは部屋に上がり込み、部屋に干してある布団カバーをちらりと見て、ベッドに座り込んだ。
(#゚;;-゚)
タカラはノートパソコンが置いてある机の前の、ゲーミング用チェアに座った。
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) 何でさ 私に良くしてくれるの?
( ,,^Д^) 命の恩人ですから
(#゚;;-゚) 昨日も言ったけど 原因はそもそも私なんだよ
(#゚;;-゚) 私や指輪に関わるのは危険だって 流石に分かったでしょ
(#゚;;-゚) どうして?
( ,,^Д^)
タカラは考えるそぶりも見せず、でぃの目を見た。
( ,,^Д^) あなたに惚れたんです
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 私って 愛の告白を受けるの初めてなんだけど
でぃは動揺せずに、かといって嫌悪を滲ませることもなかった。
( ,,^Д^) 光栄です
72
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:30:54 ID:LsIKYsNU0
(#゚;;-゚) ……
(#゚;;-゚) そうやって さらりと言うものなの?
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) ムードのいい店を知ってますよ
(#゚;;-゚) 信用できないって言ってるの
でぃの声が上ずる。
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) ……助けてもらったのは 私も だから
(#゚;;-゚) こんな言い方はしたくないけど
( ,,^Д^)
でぃは逡巡したように口を開いたり閉じたりした。
少し眼も泳いでいる。
(#゚;;-゚) 胡散臭いの あなた
( ,,^Д^)
73
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:33:01 ID:LsIKYsNU0
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) ごめん自分で思うより 嫌な言い方に なった
( ,,^Д^) いや そうではなく……
タカラは少し俯いた。
( ,,^Д^) 僕は助けた覚えがないんですが
(#゚;;-゚) ……爆弾から 守ってくれたでしょ
( ,,^Д^) あぁ……
( ,,^Д^) いま思うと あなた方なら自力で何とか出来たかと
(#゚;;-゚) ……そうかもね
(#゚;;-゚) それと マトマトを退かせてくれたから
でぃは耳に掛かった髪をかき上げた。
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) さっきの 女の人ね
( ,,^Д^) ……それも なぜか急にやめてくれたっていう 感じかと
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 私だけじゃ どうしようもなかったから
( ,,^Д^) ……はあ
74
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:34:52 ID:LsIKYsNU0
両者の間に会話が途切れた。
でぃはもう壁の方に顔を向けている。
( ,,^Д^) お茶でも淹れますか?
(#゚;;-゚) あの……さっき言ったこと まだ結論が出てないと思うんだけど
( ,,^Д^) 何です?
(#゚;;-゚) 私はまだ あなたを信用してないの
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) しかし 泊まっていただけるのでは?
(#゚;;-゚) ……泊まりはするけど
( ,,^Д^) お食事もご一緒してくれると
(#゚;;-゚) それも 前 そう言ったけど
75
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:36:22 ID:LsIKYsNU0
(#゚;;-゚) あのさ……あなたって どういう人なの?
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) 会社員です デジンレオ株式会社の
(#゚;;-゚) ……何をしてる会社?
( ,,^Д^) まあ ソフトウェアとかを 作ってるとこです
(#゚;;-゚) へぇ……
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 名刺ある?
( ,,^Д^) ありますけど
タカラがカバンから名刺入れを取り出し、名刺を両手でつまんで、でぃに向かって頭を下げた。
( ,,^Д^) よろしくお願いいたします
(#゚;;-゚) はい
でぃは座ったままで名刺を受け取った。
( ,,^Д^) どうするんです?
(#゚;;-゚) 調べてもらうの 情報屋に
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) どういう方です?
(#゚;;-゚) さあ 着ぐるみ着て 声も変えてるから
76
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:38:26 ID:LsIKYsNU0
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) でぃさんはどういう方なんです?
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 私は伊藤でぃ
(#゚;;ー゚) ふ
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) ごめん 自己紹介もまだだったんだね
( ,,^Д^) ああ 僕は砂尾タカラです
(#゚;;-゚) うん
でぃは名刺をひらひら振った。
( ,,^Д^) あ
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) 無断欠勤になってる 今日
(#゚;;-゚) あぁ
( ,,^Д^) 電話していいですか?
(#゚;;-゚) どうぞ
77
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:40:20 ID:LsIKYsNU0
(‘_L’) カタカタ
(‘_L’) っかしーな
从リ ゚д゚ノリ ガラガラ
从リ ゚д゚ノリ 邪魔する ぞい
(‘_L’)
(‘_L’) 何か?
从リ ゚д゚ノリ いや お師匠さんはどした?
(‘_L’) こっちには来てませんよ
从リ ゚д゚ノリ お見舞いに来ただけか?
(‘_L’) まあ
从リ ゚д゚ノリ あぁ〜
从リ ゚д゚ノリ んじゃ また
(‘_L’) 何しに来たんです?
从リ ゚д゚ノリ いや 凄い人なんだろ お師匠さん
从リ ゚д゚ノリ 何か 儲け話でも出来んかなと思って
78
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:42:18 ID:LsIKYsNU0
(‘_L’)
(‘_L’) ありますよ 儲け話
从リ ゚д゚ノリ
从リ ゚д゚ノリ お前さんが?
(‘_L’) ちょうど その算段を付けてるとこでね
从リ ゚д゚ノリ いやあ 遠慮しとくよ
フィレンクトは微かに目を見開いた。
(‘_L’) 何故だ?
从リ ゚д゚ノリ もう忘れたか? こないだ押し付けてきたヤツ 天然じゃなかったじゃんか
(‘_L’) あれは 私も騙されたんだ
从リ ゚д゚ノリ そもそも現物は?
(‘_L’) これからだ
从リ ゚д゚ノリ いや〜 手に入れてからだな 話は
(‘_L’)
(‘_L’) それでいい
从リ ゚д゚ノリ じゃ
(‘_L’) ……
79
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:43:31 ID:LsIKYsNU0
( ・3・) お おお 無理しないでいい 無理しないで
( ・3・) おお じゃあ 休み明けに有給 依頼 忘れんなよ
( ・3・) うん じゃあ はい お疲れ様
( ・3・) ピッ
( ・3・)
( ・3・) ……
80
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:45:07 ID:LsIKYsNU0
(#゚;;-゚) いいの? 休んじゃって
( ,,^Д^) とても心苦しいです
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) そうなんだ ごめんね
( ,,^Д^) 冗談です
(#゚;;-゚) ……
(#゚;;-゚) で……どうするの? 今日は
( ,,^Д^) ご一緒してもよいですか?
(#゚;;-゚) 良いけど
( ,,^Д^) ランチも行きましょうか
(#゚;;-゚) 私は別にいいんだけど
(#゚;;-゚) よく食欲あるね
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) でぃさんが一緒なので
(#゚;;-゚) ……
81
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:46:16 ID:LsIKYsNU0
∪゚ェ゚∪ いらっしゃい
(‘_L’)
(‘_L’) 何か 広告出てたんですって?
∪゚ェ゚∪
∪゚ェ゚∪ 何の?
(‘_L’) 指輪の
∪゚ェ゚∪ 150
(‘_L’)
(‘_L’) 広告の情報に金出すのか?
(‘_L’) 広告の意味わかるか?
∪゚ェ゚∪ 不要な時に広まらないのも広告の役目だ
(‘_L’)
∪゚ェ゚∪ どうする?
フィレンクトはコインを机に乱暴に置いた。
情報屋は端末をひっくり返してフィレンクトに見せる。
82
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:47:13 ID:LsIKYsNU0
(‘_L’)
フィレンクトはそれをまじまじと見て、写真を指さした。
(‘_L’) この男は?
∪゚ェ゚∪ 30
(‘_L’)
(‘_L’) 調査中だな?
∪゚ェ゚∪ ノーコメント
(‘_L’) ……じゃあ 伊藤でぃの情報
∪゚ェ゚∪
∪゚ェ゚∪ 1470
(‘_L’) また来る
情報屋が答えるか答えないかの前にフィレンクトは踵を返していた。
∪゚ェ゚∪ ……
83
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:48:45 ID:LsIKYsNU0
フィレンクトの鼻先に人影が現れた。
(#゚;;-゚) お……
(‘_L’) ……
フィレンクトは素知らぬ顔で横をすり抜けた。
( ,,^Д^)
フィレンクトはタカラの背中をにらみ、去っていった。
∪゚ェ゚∪ いらっしゃい
(#゚;;-゚) ……この会社の情報 ある?
∪゚ェ゚∪ ……んー?
情報屋は手渡された名刺を見ながら端末を弄った。
∪゚ェ゚∪ 15
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) 何です?
(#゚;;-゚) 何も情報がないっていう事だと思う
( ,,^Д^) ……なるほど
( ,,^Д^) 十五万ですか?
でぃは懐から硬貨を取り出した。
(#゚;;-゚) これが十五枚
(#゚;;-゚) 現金との換算レートは 日によってまちまち
(#゚;;-゚) 大体最近は100倍で 1500かな
( ,,^Д^) へえ お安い
84
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:50:47 ID:LsIKYsNU0
∪゚ェ゚∪
∪゚ェ゚∪ タダで喋ってやろうか?
_,
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) 何故です?
∪゚ェ゚∪ 交換条件ってやつだ
∪゚ェ゚∪ あんたが 自分の事を話す
∪゚ェ゚∪ 指輪付きでな
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) でぃさん
_,
(#゚;;-゚) ……
∪゚ェ゚∪ 営業がてらサービスしてやる
∪゚ェ゚∪ さっき機神の曾孫弟子が アンタの情報を買いに来た
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) この義指の作者 フィレンクト
( ,,^Д^) ああ
∪゚ェ゚∪ どうするね?
( ,,^Д^) そう言われても 話すことなんてないですが
(#゚;;-゚) ちょっと待って
(#゚;;-゚) そもそも この人を知らないって事ね
∪゚ェ゚∪
(#゚;;-゚) 今日はそれを聞きに来ただけだから
(#゚;;-゚) じゃ
( ,,^Д^) では
∪゚ェ゚∪
∪゚ェ゚∪ ……
85
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:53:22 ID:LsIKYsNU0
タカラは道で立ち止まった。
( ,,^Д^) あの
(#゚;;-゚) 何? ご飯に行くんじゃないの
( ,,^Д^) いや さっき気になって触ってみたんですけど
( ,,^Д^) 薬指が 取れなくなってるんですよ
(#゚;;-゚)
でぃは自分の義指を取り外し、嵌め直した。
(#゚;;-゚) 別に 私のは変わらないけど
( ,,^Д^) 血でひっついたんですかね
86
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:54:13 ID:LsIKYsNU0
タカラは取り外そうとして力を込めた。
(#゚;;-゚) ちょっと あんまり無理に
( ,,^Д^) キュポ
義指には指輪が引っ掛かっていた。
( ,,^Д^) あれ
タカラの手から義指と指輪がすっぽ抜けた。
でぃが俊敏な動きで受け止めようとすると、義指から煙が噴射した。
(#゚;;-゚) わ
義指はそのまま空高く昇って行った。
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^)
_.
(#゚;;-゚) ……やられた
( ,,^Д^) すいません
(#゚;;-゚) いや こんな手を使うなんて思わなかった
( ,,^Д^) フィレンクトさんの仕掛けですかね
( ,,^Д^) 前と同じ状況ですか?
_,
(#゚;;-゚) んー……
(#゚;;-゚) とりあえずフィレンクトの工房に行くよ
(#゚;;-゚) 指輪については 歩きながら説明する
87
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:55:22 ID:LsIKYsNU0
从リ ゚д゚ノリ ……
(‘_L’) どうです 本物でしょう
从リ ゚д゚ノリ いや それは確かだと思うけど
从リ ゚д゚ノリ 片方だけじゃ値はつかんよ
女が拡大鏡から目を離して、指輪を机に置いた。
(‘_L’) やはり
从リ ゚д゚ノリ じゃ また来い
(‘_L’) 協力してほしいんです
从リ ゚д゚ノリ
从リ ゚д゚ノリ 何で?
(‘_L’) 向こうは二人いるので
从リ ゚д゚ノリ じゃあ やめときなさいな
(‘_L’) 半額でどうです
女はフィレンクトの目をじっと見つめた。
88
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 20:57:15 ID:LsIKYsNU0
从リ ゚д゚ノリ 一応聞いとくけど どういう奴らが持ってた?
(‘_L’) 女の方は顔に痣 伊藤でぃ
从リ ゚д゚ノリ 伊藤……
(‘_L’) 男の方は 軟派そうなニヤけ面で
(‘_L’) 三日前までは 魔に関わっていない 一般人 かと
女の表情が緩んだ。
从リ ゚д゚ノリ 伊藤ペニサスの事は 知っとる?
(‘_L’)
(‘_L’) 知りません
从リ ゚д゚ノリ G県の元 名家 その党首
(‘_L’) そっち関係の?
从リ ゚д゚ノリ ま そやね
从リ ゚д゚ノリ この比翼の指輪の 持ち主と思われてる
(‘_L’)
从リ ゚д゚ノリ 昔見た品目帳ではな そうなっとった
(‘_L’) はあ……まあ どうでもいいです
(‘_L’) やらないんですか?
从リ ゚д゚ノリ
从リ ゚д゚ノリ ま やろか
89
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:00:30 ID:LsIKYsNU0
四話目の投下おわりました
続けて五話目の投下を始めます
90
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:03:29 ID:LsIKYsNU0
(#゚;;-゚) あの指輪は家を出る時に貰ったの
(#゚;;-゚) たぶん 手切れ金がわりにね
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) あまり辛い話なら 言わなくてもいいですが
(#゚;;-゚) ……えっと
(#゚;;-゚) あの指輪は 比翼の指輪とも呼ばれてて
(#゚;;-゚) 二人の装着者が精神的な繋がりのもと
(#゚;;-゚) 様々な強化や恩恵に預かれる っていうものなの
タカラは早足のでぃに着いていくのに、若干息が上がりつつある。
( ,,^Д^) 比翼の鳥ですか? それにしては簡単に外れますね
(#゚;;-゚) 離婚 契約破棄は楽だけど たいてい薬指はそのままなんだよ
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) 心は最初の人のものになるって事 永遠に
( ,,^Д^) ……
(#゚;;ー゚) 狂った契約でしょ
( ,,^Д^)
( ,,^Д^) 嬉しいです
(#゚;;-゚) そう
91
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:05:02 ID:LsIKYsNU0
( ,,^Д^) いや ちょっと待ってください
でぃは立ち止まった。
(#゚;;-゚) ……疲れた?
( ,,^Д^) 休みたいのはそうですが
( ,,^Д^) 急がないと 不倫されるのでは?
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) 私が付けてる間は あなた以外に付けられない
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) 裏を返せば 私から奪って揃えないと 価値がない
( ,,^Д^) ……じゃあ 彼の住処に行くのはまずいのでは?
(#゚;;-゚) 交渉で片を付けるの
(#゚;;-゚) 面を付き合わせないと 成功したことないから
( ,,^Д^) ……交渉
( ,,^Д^) 指輪の価値次第という気がします
(#゚;;-゚) 1500ぐらいかな
( ,,^Д^) 僕が出しますよ
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) その話は後でね
92
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:07:21 ID:LsIKYsNU0
从リ ゚д゚ノリ にじゅうさんまん
(‘_L’)
从リ ゚д゚ノリ 現金に直すと二千万か
(‘_L’) 工房を立て替えても お釣りが来る
从リ ゚д゚ノリ
从リ ゚д゚ノリ 山分けだぞ
(‘_L’)
从リ ゚д゚ノリ 私の手間賃も含めてないから もうちょっと減るぞ
(‘_L’) ……
从リ ゚д゚ノリ 嫌なら今からでも降りるから 査定代出せ
(‘_L’)
(‘_L’) いや やる
93
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:09:21 ID:LsIKYsNU0
でぃは工房のドアを開けた。
(#゚;;-゚) ……
(#゚;;-゚) おじゃまします
( ,,^Д^) おじゃまします
でぃは工房の中を見渡した。
(#゚;;-゚) ……
( ,,^Д^) 独特の匂いがしますね
(#゚;;-゚) 待たせてもらおうか
94
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:11:18 ID:LsIKYsNU0
( ,,^Д^) ……戦闘になるんですかね
(#゚;;-゚)
_,
(#゚;;-゚) ごめん そうか 連れてくるべきじゃなかった
( ,,^Д^) 喧嘩の方は からきしでして
( ,,^Д^) 教えていただけませんか
(#゚;;-゚) ……
(#゚;;-゚) 私は 格納 展開 凝固の術を使ってる
( ,,^Д^) はあ
(#゚;;-゚) 指を格納したのは 服にしまってる密閉した袋の中に 滑り込ませたの
(#゚;;-゚) 展開はその逆 俗にいう転送魔法の一種
(#゚;;-゚) 私は自分の体の近くにしか干渉できないし
(#゚;;-゚) 生物的なものは 自分の一部以外は抵抗が強すぎたりするから
(#゚;;-゚) 攻撃手段は自分の血を凝固させて使ってるの
( ,,^Д^)
(#゚;;-゚) 槍は まあ師匠が居るから それで戦い方を教わった
95
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:12:41 ID:LsIKYsNU0
( ,,^Д^) 魔法って すぐ覚えられます?
(#゚;;-゚)
_,
(#゚;;-゚) いや……うーん
(#゚;;-゚) 転送魔法は なぜか得手不得手があるんだよ
( ,,^Д^) はあ
(#゚;;-゚) いま 右手から空気を入れて 左手から空気を出してる
(#゚;;-゚) 触ってみて
タカラはでぃの左手を触った。
(#゚;;-゚)
( ,,^Д^) たしかに そよ風が
(#゚;;-゚) もう止めたから離して
タカラはでぃの左手を離した。
(#゚;;-゚) 何か つながってるような感じ した?
( ,,^Д^) 特には
(#゚;;-゚) じゃ 多分ダメだね
( ,,^Д^) うーん……
96
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:13:55 ID:LsIKYsNU0
(‘_L’)
从リ ゚д゚ノリ おるんか?
(‘_L’) いちゃついてるな
从リ ゚д゚ノリ おお 他人様の家で
(‘_L’) とにかく
(‘_L’) 俺が引き付ける 裏口から入って 奇襲を仕掛けろ
从リ ゚д゚ノリ 指輪を奪えばいいんだろ
(‘_L’) 血糊は拭きたくない
(‘_L’) 出来れば指だけで済ませてくれ
(‘_L’) じゃ 行ってくる
从リ ゚д゚ノリ ほい
97
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:15:32 ID:LsIKYsNU0
フィレンクトは工房に入った。
(‘_L’)
(#゚;;-゚) 来た
( ,,^Д^)
(‘_L’) いらっしゃい
(‘_L’) この間は どうもご迷惑を
(#゚;;-゚) 指輪は?
(‘_L’)
(‘_L’) ああ 義指が飛んできましたよ
(‘_L’) すみませんね 魔が差した時の仕掛けが残ってたみたいで
(#゚;;-゚) 出して
タカラはでぃをじっと見つめている。
(‘_L’) いやあ 自分で組んでおいてなんですが
(‘_L’) 指輪と義指が取り外せなくなりまして
(‘_L’) いま同業者に 信頼できる同業者にですね 相談に持って行って
フィレンクトはタカラを見やった。
(‘_L’) 手元にないんですよ 申し訳ないです
(#゚;;-゚) ……
98
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:17:11 ID:LsIKYsNU0
タカラの後ろから女が躍り出た。
(;,,^Д^) ッ! でぃさん!
(#゚;;-゚) !
でぃは振り返りざまに指輪の根本を爪で切り付けられた。
(#゚;;-゚) ……!
从リ ゚д゚ノリ
女は勢いでそのまま飛びのき、入口を背にして構えた。
(#゚;;-゚)
(;,,^Д^)
タカラはでぃの様子を伺いながら、女からも目を離さない。
(#゚;;-゚) 指輪は取られてない
从リ ゚д゚ノリ ……
(‘_L’) おや 盗人ですね
(‘_L’) 店の外でやって欲しいものですが
(#゚;;-゚) グルなんじゃないの?
(‘_L’)
(‘_L’) 心外な
99
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:18:09 ID:LsIKYsNU0
从リ ゚д゚ノリ ……いや アカン 指輪と内臓がつながってる
从リ ゚д゚ノリ 術具と体が紐づいてるパターンだわ
从リ ゚д゚ノリ 殺さないと取れない
フィレンクトは真顔で閉口した。
(#゚;;-゚) 誰に喋ってんの?
从リ ゚д゚ノリ フィレンクト お前に言ってんのじゃ
(‘_L’)
(‘_L’) 勘弁してくれよ
从リ ゚д゚ノリ お前だけ逃げ道用意すんのは ナシやろ
でぃはタカラの腕を引いて壁際に寄った。
(‘_L’) わかった 分かった
フィレンクトは机の上の銃を拾い、義手にコードを繋げた。
100
:
◆O7/3vokCH2
:2024/04/21(日) 21:22:03 ID:LsIKYsNU0
(#゚;;-゚) 逃げれそうなら逃げて
(;,,^Д^)
でぃは槍を生成してタカラの前で立ちはだかった。
(‘_L’) 実質二対一だ
(‘_L’) 殺されたくなかったら さっさと指輪を渡せ
(#゚;;-゚)
(#゚;;-゚) いやだ
从リ ゚д゚ノリ
女がでぃに迫る。
でぃは槍を振るが、女は跳び上がって回避する。
女は落下中に、でぃを足で蹴り飛ばした。
(#‵;;-゚) い……
床に置かれた品々を砕きながら床に転がる。
(;,,^Д^) でぃさん!
フィレンクトは目の前に転がってきたでぃに向かって、銃を連射した。
でぃは逆方向に転がり、飛んで避ける。
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