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( ^ω^)ブーン系オレンジデー祭り2024 本スレ

238 ◆p8n3pUfLyw:2024/04/29(月) 12:28:56 ID:fYphpxf20

( ^ν^)「へえ、書けんじゃん美芹先生」

馬鹿にしたように鼻で笑う新さんのことは無視して、デレちゃんにペンとメモを返す。

ζ(゚ー゚*ζ「美芹さんはなんでも教えてくれる」

先ほどとは打って変わって、この言葉は明らかに反論の意が伝わる言葉の強さだった。私は驚いてデレちゃんを見るが、彼女は新さんをまっすぐ見つめていて、こちらの視線には気づかない。

( ^ν^)「でもこいつちょっと馬鹿だよ。確信犯も誤用だし」

それは否定できない。そもそも先生と呼ばれるほど教えてない。私たちはただの同僚で、デレちゃんはベトナム人だから私より日本語はできないけど、でもめちゃくちゃ頭がいい、私よりずっと。異国で仕事して実家に仕送りして、コロナのせいで何年も家族と会えずにいても、こうやって前向きに勉強して仕事もこなして、そして美容も怠らず美しい。一人暮らしで家事もちゃんとしてる。そんなとびきりすごいデレちゃんに教えられるほど賢くないのは自分が一番よく分かってる。
でもデレちゃんはいま私のために怒っている。もう三年一緒にいるからさすがに分かる。

ζ(゚ー゚*ζ「美芹さんは馬鹿じゃないです」

新さんはデレちゃんが怒っているのに気付いているのだろうか。普段と変わらぬ不敵な笑みでデレちゃんを見つめる。

( ^ν^)「ほんとうに?」

問われ、デレちゃんの視線が初めて揺らいだ。言葉を失い、私の顔を見て、そして目を閉じる。それからもう一度目を開き、眉根を下げて、デレちゃんは笑った。さっきみたいな、悪い顔で。

ζ(゚ー゚*ζ「馬鹿じゃなく、はないかもしれないです」

ミセ*゚ー゚)リ「なんでだよ!」

思っていたより大きな声で突っ込んでしまった。カフェテラスにいた何人かがこちらを振り返る。すみません、と頭をさげると迷惑そうな顔をされる。私が一人ペコペコしている様を見ながら、デレちゃんと新さんはなにやらこそこそと囁きあい、笑いあっていた。
なんだか楽しそうじゃん。置いてけぼりにされた私は、イヤホンを付けて動画を見始める。
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