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( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )

90 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:26:08 ID:nf6dnQx20

(´・_ゝ・`)「あれ……? そういえば鮫って食べて大丈夫なのかな?」

( ´_ゝ`)「……言われてみれば。どうなんだレモナ?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「レモナの反応が答えじゃないかい?」

(´<_` )「……まあ、禁忌であれば何かしら反応はありますか」

( ´_ゝ`)「あくまで見た目が似ているだけ、ってことだな」

<(' _'<人ノ「レモナさん。鮫を食べるのは問題ないんでしょうか?」

|゚ノ ^∀^)「問題……? ないです。あれが神様に似ていると言うのは」

<(' _'<人ノ「言うのは?」

|゚ノ ^∀^)「とても怒られます。罰、です」

(´<_` )「なるほど」

( ´_ゝ`)「自意識過剰かよ」

爪゚ー゚)「ま、そんなもんなんじゃないかい? 信者数たぶん世界一位の某4文字様も言ってるし?」

( ´_ゝ`)「それ以上いけない」

91 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:26:41 ID:nf6dnQx20
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92 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:27:15 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「さて、それじゃB地区潜入やってくぞー」

(´<_` )「それはいいが、どういう設定で行くんだ?」

( ´_ゝ`)「普通に視察という名の悪趣味な遊びに来た信徒様として。レモナの話じゃ結構いるらしいからな」

<(' _'<人ノ「作戦目的は?」

( ´_ゝ`)「正直、家畜の人たちの持ってる情報は必要とは思えん。
      信徒の誰かを捕らえて情報引き出したいとこだ」

爪゚ー゚)「メンバーはどうする? 君は確定として」

( ´_ゝ`)「俺と地流さんとレモナで」

(´<_` )「む。それは戦力的に大丈夫なのか?」

( ´_ゝ`)「念話とか探知が重要だから地流さんは確定。道案内としてレモナも確定。
      竜宮会の変装は3セットだから他三人は留守番」

爪゚ー゚)「あー……変装の選択ミスったかもね」

(´<_` )「ですね……まあこんなことになるとは思ってなかったですし」

(´・_ゝ・`)「二人いてくれるなら僕としては心強いけど」

<(' _'<人ノ「盛岡さんがいらっしゃれば私達で食料調達もしておけそうですね」

93 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:27:48 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「そうだな。深夜に戻るつもりだから、その時にメシにありつけると助かる」

(´<_` )「わかった、そのつもりで動こう」

<(' _'<人ノ「盛岡さん、よろしくお願いしますね」

(´・_ゝ・`)「どうかな、釣りだと結構運だから……」

(´<_` )「……農耕普及前の人類はさぞ大変だったろうなと実感する」

爪゚ー゚)「だねぇ。穀物は偉大だ」

( ´_ゝ`)「化学肥料もだな。あれはリアルチート」

(´<_` )「化学肥料がなきゃ俺らのうち何人が生まれられたことか。あれこそ人類の叡智そのものだ」

<(' _'<人ノ「世界の人口が5倍に増えたわけですからね……逆に言うと、」

爪゚ー゚)「ある日突然化学肥料がなくなれば、ざっと50億人くらいは死ぬわけだ」

( ´_ゝ`)「まあオーガニックとか意識高いブルジョアの贅沢品でしかないわな。群馬県民はみんな知ってる」

(´<_` )「科学の信奉者としてオーガニック教とは相容れない。宗教戦争になる」

爪゚ー゚)「おや、意外な一面だね。信奉とか一番しそうにないのに」

(´<_` )「人類の力そのものですからね、そりゃ信奉もしますよ。科学のない人類なんてとうに滅びていたでしょう」

94 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:28:22 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「その割にはオカルトとか好きじゃん」

(´<_` )「未知を解き明かしていくことこそが科学だからな。未知を嫌うものではない」

爪゚ー゚)「ふむ、一理ある。実に探偵らしい理由をありがとう」

(´・_ゝ・`)「探偵らしいのかな……?」

( ´_ゝ`)「話が盛大に脱線したが、そろそろ準備に取り掛からんと」

<(' _'<人ノ「行き帰りを考えるとそうですね」

爪゚ー゚)「まずは変装か。レモナ、こっちに来たまえ」

|゚ノ ^∀^)「? はい」

( ´_ゝ`)「パパッとやって出発すんぞ」

爪゚ー゚)「記憶ベースで手伝うよ」

( ´_ゝ`)「正直たすかる」



 ―――。

95 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:28:55 ID:nf6dnQx20
【B-1地区】
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// ̄二ニ=-/ :/.://.:./.://///::/.:/:/\/|/ ////|.:/.:/´ ̄`ニ=-//\.:\//!.::/:⌒ヽ:、:/.://|∨://.:/:/.://
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96 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:29:28 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「むぅ……ここがB-1地区か」

爪゚ー゚)「思ったより近かったね……」

( ´_ゝ`)「ああ。いなくなっても探されないってのも納得だ、山が近すぎる」

爪゚ー゚)「熊や狼に襲われるなんて普通にありそうだもんね」

レ ´∀`)「はい。たまにあります」

( ´_ゝ`)「何年もかけて育てといてそれは、と思うんだが」

爪゚ー゚)「まあ、それだけ大量生産大量消費ってことだろうね。
     サイクルが回ってればそれほどの損害ではない」

( ´_ゝ`)「ミイラ取り量産するより良い、ってとこか」

爪゚ー゚)「我々のように十何年もかかるならともかく、ね」

( ´_ゝ`)(このワガママボディが9歳とか真面目に考えたら頭おかしくなる……)

レ ´∀`)「?」

爪゚ー゚)「……ま、逆に言うと。この地区には熊や狼を狩って回れるだけの戦力はない」

( ´_ゝ`)「そこはプラス要素だな。まあ、わたつみの兵が山歩きに向かないってのは弟者も言ってたし」

爪゚ー゚)「信徒が山狩りして、ってほど労力割くほどのことじゃないってことだろうね」

97 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:30:01 ID:nf6dnQx20
【畜舎】
   _        _
   |   ̄ ̄''ー‐ー- !  ``'=t-、.__            ヽ、__| | | | |           ヽ. . . . .\ \
   |        |     `‐ 二`ー- .__         ``¬- .」            ヽ. . . . ヽ  ヽ
   |        |        T¬- ._"'''‐ー-、_                      ヽ. . . . .、 ヽ
   |        |        ,|: : : : : : :`''ー‐--、二`‐ー-、.__                  \. . . ヽ  ヽ
   |        |        ,|: : : : : : : : : : : : : : :`''ー‐--、二`ー- ._              ヽ. . . .ヽ  ヽ
   |        |        ,|: : : ______----一――l   ``¬--、二‐‐-、.__         \. . . . 、  ヽ
   |        |        f´"~ ̄: ::!: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : ``.┬-、二== 、____  ヽ. . . .\   ' 、
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|         |..__ヽ. . . . .ヽ、 ` 、
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        ├ー-二|. . . . . . ' 、 \
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        |   !. . . . . . . . ` 、 ┐
   l        ├ 、 _       !: : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        |   !. . . . . . . . . . .ヽ !
  |        ! ヽ ``‐- ._  !: : : : : : :!: : : : : : : : : : : : :,|---__: : : : : : : :| .|         |   !―~~ ̄~~~ ̄ ̄
  |        !  ',     丿|‐ー--- ┤ ̄ ''ー‐ --- _!.         ー --.| .|         |    .!
':'`'`',:'':'..,:'':'`'`',:'':'`',ゝ   ヽ   ,'  |     .|          .|  川Q_Q川    |  !.________|    .|
'`',:'':'`'.,:'':'`'`',:'':'`',.,:'':'`'`',:'':'`',.,.'   !     |         .|.  (    ),,..-‐-.|  ! \     / |    .|
.',:'':'`,:'':'`'`',:'':'`.,.,:'':'`'`',:'':'`','`',':'`:', |     |-------------|-.  ヽ   /.――‐!  |   \ ./.  |   .|
.'':' ,:'':'`'`',:'':'`.,.,:'':'`'`','':'`.,"'`',',,"'`.', | |二二二二|     |二二二二| 仆'''''''⌒ |  |     .X.    |   .|

98 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:30:35 ID:nf6dnQx20

(;´_ゝ`)"うわ……想像はしてたがすげー光景だ。マニア向けAVかよ"

爪゚ー゚)"……ちょっと興味あるなあ、家畜生活"

( ´_ゝ`)"あっ、そうですか……"

川Q_Q川「ン……?」

爪゚ー゚)9m「おい! そこの家畜、No.099!」

川;Q_Q川「は、はい!」

爪゚ー゚)「我らは所用にてC地区から参った信徒である。B-1地区の区長の下まで案内せよ」

川;Q_Q川「はい、信徒様!」

( ´_ゝ`)"まあ場所はわかってるんだが、俺らだけで向かうよりもカモフラージュになる"

爪゚ー゚)"だね。しかし区長か……まあ、いるよね。レモナの当初の説明にはなかったけど"

( ´_ゝ`)"管理する立場の人間がいないわけがないからな。まあ管理すらほぼ家畜任せのようだが"

爪゚ー゚)"各区の区長が唯一B地区に居住する信徒……一体どんなクソ野郎だろうね?"

( ´_ゝ`)"左遷職場っぽいからな、案外逆にマトモだったりするかもしれんぞ?"

爪゚ー゚)"いや、僕が言うのもなんだけどマトモだったら頭おかしくなるでしょこんな環境……"

99 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:31:08 ID:nf6dnQx20
【B-1区庁舎】
                                    ヽ /
                                  ||
                                    /ニ/ニi
                                    |  |  |
                                    | /ii\
                   ____________/ /^\\
              /                 / //. \ \\
              /                    / //.     \ \\
          /___________/ //.|.        |\ \\
            | ||               l三l/ || | ,-、   ,-、 | .| \/
            | ||                | || | |.|.|   |.|.| | .|
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       /                    / //  || |.    _  |.!  \\
     /                    / //    || |  ./ヾ\|.!    \\
i    l二二二二二二二二二二 / //      || |. /(゚ぴ)i | | .|     | |\\
      | ||.             l三l/| |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |  `´
      | ||               | | |     .|| | | i::i i:| | | .|     | |
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      | ||   |||    |||  | | |   || || | |.‐i::i‐.i:| | | .| │| | |
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      | ||               | | |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |

100 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:31:42 ID:nf6dnQx20

川;Q_Q川「ここです、信徒様!」

( ´_ゝ`)"石造り……というかコンクリ、か? これは"

爪゚ー゚)"見た感じコンクリっぽいね"

レ ´∀`)"コンクリ……?"

爪゚ー゚)「案内ご苦労。もう帰っていいぞ」

川;Q_Q川「で、では失礼します!」

( ´_ゝ`)"地流さん、中の様子は?"

爪゚ー゚)"ふむ……魔力高めなのが三人。それ以外は十人以上いるみたいだ"

( ´_ゝ`)"ふむ。三人中二人は護衛とかかな?"

爪゚ー゚)"レモナ、どうなんだい? 区長はいつも誰かを連れている?"

レ ´∀`)"はい。見かけた時は、奴隷が一緒です"

( ´_ゝ`)"ちなみに地流さん、魔力はどんなもん?"

爪゚ー゚)"三人とも僕よりは多いかな? 君よりは少ない"

( ´_ゝ`)"うーむ……何とか不意を打ちたいとこだな。やはり外出を待つしかないか"

101 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:32:16 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)"それが無難だけど"

( ´_ゝ`)"しかし、隠れるのに丁度よさそうな場所がないな……"

爪゚ー゚)"付近の建物はどれも人が出入りしてそうだからね"

( ´_ゝ`)"もうちょい離れた場所で探すか? 入口を中心にパッシブ探知が許す範囲で"

爪゚ー゚)"ふむ……それほど距離は取れないけど、多少は選択肢が増えるか"

( ´_ゝ`)"まあ、奴隷しかいない建物であれば乗っ取りも可能そうではある"

爪゚ー゚)"ただ、後が面倒だね。一人なら夢の臨界でどうとでもなるけど"

( ´_ゝ`)"だから、できれば普段使わない倉庫的な建物がいい"

爪゚ー゚)"そんな都合のいい建物があるといいけど、ね"

( ´_ゝ`)"駄目で元々、探してみるとしよう。行くぞ、レモナ"

レ ´∀`)"はい"



 ―――。

102 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:32:49 ID:nf6dnQx20
【倉庫】
.: .:::.. ... :. .::.. ....: .: ... .. . .                 ll               .   .. .:...:... .. . .  ... ....:::::.
: .:::.. ... .:... .. . .                    , -┴- 、                    .... ...:.:.::::..... ...:::.
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\\::...                         (.   (  ,)   )                       .... ...:.::..
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..   \\::...                                                   /
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103 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:33:24 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「いや、マジで好都合にも倉庫的建物あるでやんの」

爪゚ー゚)「まったく運がいいね」

( ´_ゝ`)「町中の電線や頭上の電灯を見るに、なにげに電気はあるようだな」

爪゚ー゚)「意外っちゃ意外だね。発電はどうしてるんだろう?」

( ´_ゝ`)「奴隷が地下でグルグルしてても驚かんぞ」

爪゚ー゚)「確かに一番それらしいけど。そんなんじゃ安定供給は無理でしょ」

( ´_ゝ`)「地理的に水力は厳しいだろうから、火力か? しかしそれはそれで燃料の問題があるな」

爪゚ー゚)「近海に海底油田でもあるのかもね」

( ´_ゝ`)「風力や太陽光はベースロード電源ないと人力と同じ理由で役に立たんし、原子力はハイリスクすぎる」

爪゚ー゚)「潮力、波力、海洋温度差発電はワンチャンあるかな?」

( ´_ゝ`)「普通は無理だろうが、連中の属性を考えるにありえなくはない」

爪゚ー゚)「どうなんだい、レモナ? あれを光らせるための"電気"はどこで作られてるんだ?」

レ ´∀`)「ええと……E地区にハツデンショというものがあると聞いたことがあります」

( ´_ゝ`)「ほう……そっから送電してるとなると、島全体の文明レベルは思ったより高そうだ」

104 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:33:57 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「まあ、文明レベル低そうなのも見た目だけかもね。あくまでここ、牧場みたいなもんだし」

( ´_ゝ`)「C地区はビル群が立ち並んでる、なんてことはないのはここからでもわかるが、それだけで測れるもんでもないしな」

爪゚ー゚)「魔術を自重する必要もないし、分野によっては外を上回ってそうだ」

( ´_ゝ`)「それはあるな。倫理的な障壁もないし」

爪゚ー゚)「バイオテクノロジーとかは実際上を行ってそう。レモナの年齢と発育とか見る限り」

( ´_ゝ`)「ああ……」

レ ´∀`)「?」

爪゚ー゚)「ただまあ、建築とか重工業とかは実際大した事ないだろうね、大きいとはいえ島じゃ限界がある」

( ´_ゝ`)「だな。戦車の群れがコンニチハ、ってことはないだろう」

爪゚ー゚)「そもそも鉄鋼量が少なそうなのはこのへんの様子からも見て取れるね」

( ´_ゝ`)「電子技術も進んでないだろうな。あるとしても外から持ち込んだものだろう」

爪゚ー゚)「その辺りがカギかもしれないね。奴らの明確な弱点になりそうだ」

( ´_ゝ`)「うむ。下手にパソコンとかあればしめたもん、その瞬間に弟者無双が始まる」



 ―――。

105 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:34:31 ID:nf6dnQx20
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106 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:35:07 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「……結局、機を伺ってるうちに夜になっちゃったけど、どうする?」

( ´_ゝ`)「うーむ……今日のところは帰るか?」

爪゚ー゚)「それが無難ではあるだろうね」

( ´_ゝ`)「しかしせっかく来たしな、何の成果も得られませんでしたというのも」

爪゚ー゚)「それはさ、所謂ところの心の贅肉だね。ゾンビ獲りを右に」

( ´_ゝ`)「それを言うならインド人だしミイラ取りなんだが、しかも文脈とまるで関係ないし」

爪゚ー゚)「そうかい?」

( ´_ゝ`)「そうだ。まあそれはどうでもいい。確かにリスクを取るタイミングなのかは微妙」

爪゚ー゚)「だったら」

( ´_ゝ`)「まあ聞け。……本当にそうだと思うか?」

爪゚ー゚)「……気にしてるのは例の視線かい?」

( ´_ゝ`)「いや違う。時間の流れについてだ」

爪゚ー゚)「えっ……。……そういうこと?」

( ´_ゝ`)「そういうこと」

107 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:35:40 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「それは……確かにありえる、のか……?」

( ´_ゝ`)「少なくとも等価である保証はない。それに、星の位置について説明がついてしまう」

爪゚ー゚)「……外での2000年の間に、こちらは200年しか経っていない、とかかい」

( ´_ゝ`)「仮にその縮尺なら3日で再び道が開く可能性がある」

爪゚ー゚)「いや、それはどうかな。その場合、双方の満月が重なった時、ということになる気がするね」

( ´_ゝ`)「その仮定の場合、次まではかなり長期になるだろうな。俺ら生きのこっても浦島太郎になりそうだ」

爪゚ー゚)「ある意味未来旅行できると考えると、興味はあるね」

( ´_ゝ`)「ほんと好奇心旺盛だな。ワンチャン戻ったら世界滅亡してる可能性もあるぞ」

爪゚ー゚)「……いや、違うね、やっぱり間違っているよ」

( ´_ゝ`)「む?」

爪゚ー゚)「巫女さんの慣らし運転が必要なら、わざわざそんな"逆精神と時の部屋"に入れないでしょ」

( ´_ゝ`)「……一理ある」

爪゚ー゚)「だから僕は、時間は等価だと見る。月もいきなり半月になったりはしてなかったし」

( ´_ゝ`)「言われてみればそうか……」

108 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:36:13 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「でも、このまま戻らないってのは賛成」

( ´_ゝ`)「うん?」

爪゚ー゚)「君にしちゃ随分とお粗末な理屈だもん。理屈で説明できない"予感"みたいなものがあったんじゃないかい?」

( ´_ゝ`)「……なかなか鋭いな。その通り、ここは押すべきだという漠然とした予感がある」

爪゚ー゚)「なら、押してみるとしよう。なに、連中も人間。しかも完全にホームともなれば警戒も緩いはず」

( ´_ゝ`)「まあ、そうだな。少なくとも寝ずの番とかがいるとは思えん」

爪゚ー゚)「それに、大した結界も敷いてない。パッシブで探知できる範囲ではね」

( ´_ゝ`)「……やるか、夜襲」

爪゚ー゚)「いやあ、五月館を思い出すねぇ。ちょっと興奮して来たよ」

( ´_ゝ`)「興奮はしなくていいです」

爪゚ー゚)「そうかい?」

( ´_ゝ`)「そうだ」



 ―――。

109 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:36:47 ID:nf6dnQx20
【B-1区庁舎】
                                    ヽ /
                                  ||
                                    /ニ/ニi
                                    |  |  |
                                    | /ii\
                   ____________/ /^\\
              /                 / //. \ \\
              /                    / //.     \ \\
          /___________/ //.|.        |\ \\
            | ||               l三l/ || | ,-、   ,-、 | .| \/
            | ||                | || | |.|.|   |.|.| | .|
            | ||                | || | |T|   |T| | .|
            | ||                |_|| | |.|.|   |.|.| | .|
            | ||__________./ || |il二l  il二l | .|
          /| ||              / /|| |.        |.!\
         /                    / //|| |.____|.!\\
       /                    / //  || |.    _  |.!  \\
     /                    / //    || |  ./ヾ\|.!    \\
i    l二二二二二二二二二二 / //      || |. /(゚ぴ)i | | .|     | |\\
      | ||.             l三l/| |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |  `´
      | ||               | | |     .|| | | i::i i:| | | .|     | |
      | ||.    ´lヽ    ´lヽ   | | |.  ´lヽ {I} | | i::i i:| | | .|.´lヽ | |
      | ||   |┼|    |┼|  | | |   ┼| || | | i::i i:| | | .| ┼| | |
      | ||   |||    |||  | | |   || || | |.‐i::i‐.i:| | | .| │| | |
      | ||      ̄        ̄  .| | |   ̄ .|| | | i::i i:| | | .|  ̄  | |
      | ||               | | |     .|| | | i::i i:| | | .|     | |
      | ||               | | |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |

110 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:37:21 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「さて、結界は誤魔化せそうか?」

爪゚ー゚)「いけるいける、よゆーよゆー」

( ´_ゝ`)「ふっ、いかにも駄目そうな返答だがそこは地流さん。何も問題はないな」

爪゚ー゚)「何だいその謎の信頼感?」

( ´_ゝ`)「キメるとこはキメる。そこは信頼してる」

爪゚ー゚)「……誘ってるのかい?」

( ´_ゝ`)「そういうとこは蔑んでる」

爪゚ー゚)「ありがとう」

( ´_ゝ`)「あっ、そういうのいいんで仕事して」

爪゚ー゚)「それもまたご褒美さ」

( ´_ゝ`)「ぶち殺すぞ」

爪゚ー゚)「いいよ」

( ´_ゝ`)「……あの、本心から言わないで貰えますか?」

爪゚ー゚)「いやあ、いずれ誰かに殺されてみたいよね。今々はノーサンキューだけどさ」

111 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:37:56 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「……まあいい。潜入すっぞ」

爪゚ー゚)「オーケー。裏口からかな?」

( ´_ゝ`)「だな、窓は鍵しまってると厳しいし。正面は静かに行くのが厳しそう」

爪゚ー゚)「鍵開けは例によって任せるよ」

( ´_ゝ`)「ばっちこい。レモナを長時間一人にしとくのも不安だし、ササッと片付けよう」

爪゚ー゚)「だね、早いほど安全だし」

( ´_ゝ`)「んじゃ裏口へ」



 ―――。

112 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:38:29 ID:nf6dnQx20



.    , -- 、
    {   ト,
     \¨´ \------- 、
   /  \   \_,,.、丶´ \
  /     \   \   /  \
/        \   \/_/ ∨
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           ___|  \   \,  |
              \_>―=ミ、_|
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                     \ \
                           \

113 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:39:02 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「開いた」














  Case12「海色の声」
  Day6「B-1地区」

                          To be continued...

114 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:39:35 ID:nf6dnQx20
今回はここまで

115名無しさん:2024/02/04(日) 20:40:16 ID:GV5DBpNE0
乙です

116名無しさん:2024/02/05(月) 14:09:37 ID:pM.rFLug0

なんだかんだいいコンビよね、兄者と地流

117名無しさん:2024/02/05(月) 15:34:49 ID:jPNjZFyY0
オツ

118名無しさん:2024/02/06(火) 11:26:02 ID:rr5LBIpI0
乙!
鍵が開いたか...興奮してきたな

119名無しさん:2024/02/18(日) 00:17:26 ID:mfGPfQeo0
乙乙
鮫って美味しいんだ…
潜入もだけど兄者と地流さんがどんどん息ピッタリになってくのもなんかハラハラするね

120名無しさん:2024/03/11(月) 08:13:49 ID:peQ1psYg0
まだかな〜

121 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/11(月) 20:40:25 ID:nq04NWTU0
リ゚▽゚ リ<l「進捗60%くらいやな」

122 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/16(土) 23:17:44 ID:NmS9PiSw0
リ゚▽゚ リ<l「進捗90%くらい。明日投下予定!」

123名無しさん:2024/03/17(日) 15:55:53 ID:xz8QlW5U0
まってるぜい!

124 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:49:52 ID:U9hligrQ0
>>115,117
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>116
( ´_ゝ`)「解せぬ」

>>118
(´・_ゝ・`)「えぇ……?」

>>119
(´<_` )「エイもだが凄い勢いでアンモニア発生するから鮮度が大事とのことだ」

>>120,123
リ゚▽゚ リ<l「またせたな」

125 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:50:26 ID:U9hligrQ0
前回のあらすじ
・……見られてたってのは間違いないのか?
・さて、それじゃB地区潜入やってくぞー
・……やるか、夜襲


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

126 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:51:00 ID:U9hligrQ0
Case12-Day7A
,.:,; ' ''.. .,;.'..:⌒`;,: .  ..;;.,                              ` 、  '
 ,,.;. ; :.,   .. .''... .. '   ..;,):.,,                         ‐―  ○ - ‐
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127 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:51:33 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「さて、区長からぶっこ抜いた情報で色々とわかってきた」

(´<_` )「概要は昨晩聞いたが、改めて説明を頼む」

爪゚ー゚)「この島の常識系の話は一旦置いておこう。まずは、千手の巫女の情報について」

( ´_ゝ`)「どうやら増田さん改め武田さんは、予想に違わずA地区入りしているようだ」

爪゚ー゚)「そこで連中の言うところの悪魔、千手様支配のための準備を進めている、と信徒には伝えられているらしい」

( ´_ゝ`)「A地区は浮鮫やわたつみの兵の巣窟。到底太刀打ちできるものではないし、潜入もまず不可能だろう」

<(' _'<人ノ「一部反乱組織のようなものもあるようですが、彼らにも難しいだろうというお話でしたね」

爪゚ー゚)「ここで我々が取り得る動きはいくつかあるけど、わかるかい?」

(´<_` )「一つは、ターゲットがA地区から出るのを待つ」

( ´_ゝ`)「うむ。この方針はそもそも"その時"までに出てくるのか未知数なのが問題だ」

<(' _'<人ノ「……もう一つは、封鎖、でしょうか?」

爪゚ー゚)「そうだね。この地に封じてしまえば、日本に影響はない」

( ´_ゝ`)「この方針の問題は行き来を封じる方法がわからないことだ」

(´・_ゝ・`)「まだもう一つあるのかい?」

(´<_` )「むう。……ひょっとして、何もしないこと、か?」

128 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:52:06 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「そうだ。ただ脱出して、中の状況を伝える」

爪゚ー゚)「当初の予定通りの行動と言えるね」

<(' _'<人ノ「問題は……脱出のタイミングがエックスデーである可能性がある、ということですか」

( ´_ゝ`)「それなんだよな。あくまで慣らし運転、どれだけかかるのかは」

爪゚ー゚)「個人差激しいだろうし、読めないよね」

(´<_` )「……どの方針もクソデカ課題あり、ってことか」

(´・_ゝ・`)「素人意見だけど」

( ´_ゝ`)「む?」

(´・_ゝ・`)「何か、早めに脱出する方法はないのかい?」

爪゚ー゚)「それさえあればなぁ……というのが所感だよ」

(´<_` )「いずれの課題にしても、更なる情報収集が必要ということか」

( ´_ゝ`)「その認識であってる。現状の手札じゃどうにもならん」

爪゚ー゚)「そこで、C地区に偵察に行きたい。島の中心だし、情報収集には最適。あわよくば件の反乱組織と渡りを着けられれば僥倖」

<(' _'<人ノ「A地区は無理でしょうから、そうなりますか」

129 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:52:40 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「メンバーは正直考え中なんだが、無難なのは引き続き俺と地流さんかな」

爪゚ー゚)「君か美和のどちらかはいないとイザという時どうにもならないからね。で、美和じゃ君ほど臨機応変な対応はできないだろうし」

<(' _'<人ノ「そう、ですね……申し訳ないですが」

(´<_` )「地流さんの役割は俺じゃ代われないしな……」

(´・_ゝ・`)「僕が着いて行っても役に立てるとは思えないし……」

( ´_ゝ`)「まあ、そうなるよな」

爪゚ー゚)「レモナ、君はどう思う?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「僕らとC地区に行くか、ここに残るか」

|゚ノ ^∀^)「えと……」

(´<_` )「……あまり連れて行くメリットがあるとは思えませんが」

( ´_ゝ`)「そうとは言い切れん。実際にこの島を知っているのはレモナだけだ」

<(' _'<人ノ「それはそうですが……大丈夫ですか?」

爪゚ー゚)「いやー駄目な展開とか普通に全滅コースだと思うから誤差じゃないかい?」

130 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:53:13 ID:U9hligrQ0

(´<_` )「……まあ、非戦闘員が分かれてた方がいざという時守りやすいか」

( ´_ゝ`)「それもある。二人守り切るのは美和ちゃんでもきついでしょ」

<(' _'<人ノ「む、そうですね」

爪゚ー゚)「ま、そんな感じで、」

( ´_ゝ`)「また3人パーティだな」

|゚ノ ^∀^)「よろしくお願いします」

(´・_ゝ・`)「じゃあ僕らはまた漁かな」

(´<_` )「ですね」

<(' _'<人ノ「頼りにしてます」

( ´_ゝ`)「よっし、んじゃ出発すっぞ」

爪゚ー゚)「アイアイサー」

|゚ノ ^∀^)「あいあい……?」



 ―――。

131 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:53:46 ID:U9hligrQ0
【C地区】
  \l :| :|  l :|  |`|: : : \| ̄ ̄ |``|:: |         /:|¨|:|  |/|¨:|  /| |  |‐|´|_,|-|´| | |
   \| :|  l :|  |`| \: : :|     | ニ|:: |          |/|-|:|___| |_|/  | |  |‐|´|_,|-|´| | |
、、     |_l :|_ト:!:\|\|─-- | ニ|:: |          |/| | |~:|//|    | |  |‐|´|_,|-|´| | | _、‐''゛
 l丶、   :|   |:.::\|\: \|     | ニ|:: |          |/| | |__|~~| :|    | |  |‐|´|_,|-|´| | |'´|   |
 | |~'i |   | ̄|: |\[\:|     | ニ|:: | _ ─┐ .「|/| |_」 :| :|    | |  |‐|´|_,|-|´| | | |   |
=- _|  | |   |  |: | : : \l|=== |,、_|:: | ̄| |  :|  |¨|/| ̄|/|::::| :|  /| |  |‐|´|_,|-|´| | | |   |
'⌒\´'┘ |   |  |: |: : : : : |二ア´;';';'|:: |: : | |  :|  |_,|/|  |  |::::|-''|/  | |  |‐|´| :| :|_,| | |_ -  ̄
___ | ̄``''i_|_|: |┐: : : |xX;';';';';';';|:: |: : | | ̄:::| ̄|_,|/| ̄|  l__,| :|    | |  |-‐  ̄  |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
  _|.:|‐--...」  |] :::|┤ :| ̄|ミ;';';';';';';';|:: |: : | |  :|: : | :|/|_|/匚} :|  /| |  |       |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
 ̄| | |¨|: | ̄ ̄ ̄`|┤`|_|ミ;';';';';';';';|:: |: : | | ̄| |: : | :|/||/ / | :|/  |/ ̄ ̄ ̄ ゙̄\| ̄|\.:.:.:.:.:
::: : | | |: |: |゙ ̄ ̄´|: |┘ :|¨゙| ⌒ii⌒ |:: |: : | |  | |: : |´|/|||| | ̄| |    || ̄:| ̄ ̄| ̄| |  |  |.:.:.:.:
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132 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:54:20 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"……こりゃまた、打って変わって現代的だな"

爪゚ー゚)"町並みは、ね"

( ´_ゝ`)"道行く人は……うん。色々アレだな"

爪゚ー゚)"魚顔が多い"

( ´_ゝ`)"普通の顔してるのは大体若いな。概ね混血ってとこか"

爪゚ー゚)"……マスター達のことを思うとある意味理想的なのかもね"

( ´_ゝ`)"混血達の行く末として、か? 異界の中で慎ましくしてるってんなら、そうかもな"

爪゚ー゚)"まあそうは行かないよね。加えて家畜や奴隷にされてる人たちもいるわけだし"

( ´_ゝ`)"家畜や奴隷っぽい人たち、みんな若いからどっちなのかわからんな"

爪゚ー゚)"混血具合かい? 恐らくだけど、あんまり混血はいなそうだ"

( ´_ゝ`)"……B地区で量産してんのかな?"

爪゚ー゚)"ってことだと思うよ。いや、大した技術力だね"

( ´_ゝ`)"俺ら人間からすりゃ悍ましい話だ"

133 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:54:53 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"で、飲み屋で情報収集って話だったけど"

( ´_ゝ`)"まずは昼からやってる飲み屋探すとこからだな"

爪゚ー゚)"僕ら、怪しまれないかな?"

( ´_ゝ`)"普段から擬態使ってる奴も珍しくはないってことだったし、大丈夫っしょ"

爪゚ー゚)"うーん……まあ、そうか"

( ´_ゝ`)"大名の方と違ってそこまで鼻は利かなそうだしな"

爪゚ー゚)"……ちなみに、君は嗅ぎ分けられるのかい?"

( ´_ゝ`)"まあ、10代なのか20代なのかくらいはな"

爪゚ー゚)"改めて聞いても大したもんだねぇ……"

( ´_ゝ`)"だから、興奮されるとあれなんでやめて欲しい"

爪゚ー゚)"善処しよう"

( ´_ゝ`)"……臭いって言われてちょっと興奮したな?"

爪゚ー゚)

爪゚ー゚)"そんなことは、ないよ?"

134 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:55:27 ID:U9hligrQ0
【居酒屋 昼兵衛】
    ‐- ..,,_       ‐- ..,,_
        ~゛'' ‐- ..,,_   ~゛'' ‐- ..,,_
  ~゛'l ‐- ...,,_        ~゛'l::.‐- ..,,_   ~゛'' ‐- ..,,_
`゛¨ '' ‐-i ..,, _  ~゛'l ‐- ...,,_ .|:::|: : : : : : :.~゛''....‐- ..,, - ´||
: : : : : :L」.. . . . .`゛¨ l' ‐- ...,, |_|:::|: : : : : : : : : : : : :l |::||   ||   _,. ''"[.}
: : : : : : : : : : : : : : :L」: : : : : : :| |`゛¨ '' ‐- ...,, _: : :/ |::||.  _」|,. ''" _,. ''"
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : └ : : : : : : L|: : : : : :「|¨ '' ‐= ュ., _''"hュ__
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : || : : : : :└ : : : : : L|:_: -‐」三三三}、
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : :「 //. . __. . \
: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : :|/. ./.. .. .|‐┬┘. . .ム
: : : : : : : : : : : : : : :<ヌ.:.: : : : : : : : : : : : : :||: : : : : : : : : : : : : :{ . .{ . . . .|‐┼‐ . . . }.}
: : : : : : : : : : : : : : : |l:. : : : : : : : : : : : : : :<ヌ : : : : : : : : : : : : { . .{ . . .丿匚] .. .. ...}.}
: : : : : l::..: : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : : : ||: : : : : : : : : : : : : :{ . .{ . .- ┬┬.. .. ..}.}
: : : : : |::::: : : : : : : : ||: : : : : : : :l:.. : : : : : :||: : : : : : : : : : : : : :{ . .{ . .-|丁匚|. .. ..}.}
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 ̄   冖¬==―--   : : :__.|::: : : : : : :||:: : : : : : :|::: : : : : :{ . .{ . . . .|. 工、 . .. ..}.}
 ̄   冖¬==―--    __[「丁: : :! 冖¬==―--  : :_;_マ. .マ . .丿 ┼ . . . .〃
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||\.マ . .  ̄ ̄ . /
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||  `L三三三}´
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     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||      _____
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     || ̄ ̄ ̄||| ̄||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||朝|昼|||居||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||.も|も.|||  ||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||夕|夜|||酒||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||.も|も.|||  ||

135 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:56:01 ID:U9hligrQ0

<o,o>「らっしゃーせー!」



「そりゃ本当か!?」
「おっ、見ない顔が来たぞ」
「はあ、どうしたら……」
「天ぷら盛り合わせ一つ!」
「ん? 今何て言った?」
「乾杯!」



( ´_ゝ`)"すげー賑わってるな"

爪゚ー゚)"意外っちゃ意外だね。飲食店自体少なそうだから飲兵衛が集まってるのかな?"

<o,o>「三人? 今片付けるからちょっと待って」

( ´_ゝ`)「よかろう」

爪゚ー゚)「早くしてくれたまえ、我が主は酒を求めている」

<o,o>「は? へ、ヘイ!」

レ ´∀`)「?」

136 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:56:39 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"ふっ、我ながら見事なロールプレイだと感心が鬼なる"

( ´_ゝ`)"言外に伝わる俺のふてぶてしい態度もなかなかのものだと思うぞ"

爪゚ー゚)"周りの客たちもめんどくさいものを見るような顔をし出したね"

( ´_ゝ`)"お忍び祭司様ロールプレイ成功ってとこか"

爪゚ー゚)"お忍びと言いつつ何一つ忍んでないとこがミソだね"

( ´_ゝ`)"祭司連中はここじゃ基本的に横柄らしいからな"

爪゚ー゚)"まあ外じゃそうはいかないだろうしね、ホームに帰ればタガが外れるってわけだ"

( ´_ゝ`)"典型的な小物ムーヴ。清浦さんの爪の垢を配給した方がいいな"

爪゚ー゚)"噂に聞く祭司長サマの人となりを思うにそうなのかな?"

( ´_ゝ`)"少なくとも目下相手に無駄にイキリ散らかすようなダサい真似はしない"

爪゚ー゚)"……敵なのに地味に評価高いよね。もしかして乳がでかい?"

( ´_ゝ`)"そのような事実はないが"

爪゚ー゚)"そうかい?"

( ´_ゝ`)"そうだ"

137 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:57:13 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「お待たせしました!」

爪゚ー゚)「まったく、我が主を待たせるなど」

( ´_ゝ`)「所詮は一般信徒向けの店だ、仕方あるまい」

爪゚ー゚)「しかし」

( ´_ゝ`)「この私に意見するというのか? あとで折檻だな」

爪*゚ー゚)「……はっ、謹んでお受けします」

( ´_ゝ`)「フン。おい店主」(何で興奮してんだこいつ……)

<;o,o>「へ、ヘイ!」

( ´_ゝ`)9m「そこの男が飲んでいるのは何だ?」

<;o,o>「わたつみのロックです!」

( ´_ゝ`)9m「ではそれを二つ。それから……あそこの女が食っているのは?」

<;o,o>「アナゴの天ぷらです!」

( ´_ゝ`)「そちらは三人分。あとはそうだな、わたつみに合う前菜はあるか?」

<;o,o>「茹蛸なんかどうですかい?」

( ´_ゝ`)「ほう、ではそれも三人分だ」

<;o,o>「ヘイ!」

138 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:57:46 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「ときに店主。最近変わったことはないか?」

<;o,o>「は、変わったことですかい?」

( ´_ゝ`)「予てより狙っていた千手の巫女を迎え、いよいよという時期だ。よからぬ動きをしている輩はいないか?」

<;o,o>「まさかそんな! 神に盾突くような頭のおかしい輩は――」

爪゚ー゚)「本当だろうな? 嘘をつけばタダではすまんぞ」

( ´_ゝ`)「頭のおかしい輩はいつでもいるものだ。甚だ理解に苦しむがな」

<;o,o>「へ、ヘイ。確かにキチガイはしょっちゅうしょっ引かれてますが」

( ´_ゝ`)「多くは有象無象でしかないが、知っているだろう?」

<;o,o>「……浦島隊」

爪゚ー゚)「そうだ。所詮は頭のおかしいクズどもだが、キチガイだけあってどう動くか読めない。読みにくい」

( ´_ゝ`)「些細な情報でも見逃すわけにはいかん、何かあれば話せ」

<;o,o>「は、はぁ……。そう言われてもこれと言って……」

( ´_ゝ`)「そうか」

レ ´∀`)"あっ"

139 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:58:20 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"ん? どうした?"

爪゚ー゚)「フン、やはりこのようなチンケな店ではな」

レ ´∀`)"嘘、です"

( ´_ゝ`)"ほう? どうしてそう思った?"

レ ´∀`)"……? わかりません"

爪゚ー゚)"僕には嘘とは思えなかったけど、プロの見解は?"

( ´_ゝ`)"確かに、何か知ってそうな感じはしたが……"

爪゚ー゚)"君でそのレベルなのに断言できるっていうのは……何かしらの異能かな?"

( ´_ゝ`)"可能性はあるな……前世が魔術師という仮定があっているなら、何か無意識に発動した可能性もあるが"

爪゚ー゚)"いずれにせよ、そうだと助かるね。君の人心観察とクロスファイアすればリアルマンチ展開になりそう"

( ´_ゝ`)"確かに。レモナ、今後も何か気づいたら教えてくれ"

レ ´∀`)"はい"

爪゚ー゚)"……で、隠してるってことならどういう理由でだろうね?"

( ´_ゝ`)"関係者、って感じではないな。単に面倒ごとを恐れているだけか?"

140 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:58:53 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「店主」

<;o,o>「ヘイ」

( ´_ゝ`)「本当に知らんのか? 忘れているだけということはないか?」

<;o,o>「ええと……」

( ´_ゝ`)「忘れていただけなら咎めん。だが隠しだてしているとなれば――」

爪゚ー゚)「奴らの仲間であることは確定的に明らか、ただちに処刑ですね」

( ´_ゝ`)「その通り。どうなのだ、店主よ?」

<;o,o>「……ああー! たった今思い出しました!」

爪゚ー゚)「フン。それで?」

<;o,o>「この間、市場でたまたま聞いちまったんですよ。神を侮辱する言葉を」

( ´_ゝ`)「ほう? お前はそれを放置した、と?」

<;o,o>「いや、すぐ通報しやしたよもちろん! でも逃げられちまって……」

爪゚ー゚)「惰弱な。それだからこんなチンケな店しかできんのだ」

( ´_ゝ`)「その輩は捕まったのか?」

141 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:59:26 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「いや、捕まったって話は聞きやせんね」

( ´_ゝ`)「嘆かわしいことだ。管理局の怠慢ではないか?」

爪゚ー゚)「これは支部長に苦言が必要ですね」

<;o,o>「……」

( ´_ゝ`)"ビビってるビビってる"

爪゚ー゚)"しかし何だね、ちょっと暴言吐いただけで通報か"

( ´_ゝ`)"ノリで暴言を吐くようなことはないってことだな。俺らの感覚じゃ大したことなくても、マジで反乱組織の人間かも"

爪゚ー゚)"じつに幸先がいい。まあ簡単に見つけられる気もしないけど"

( ´_ゝ`)"それはそう。管理局とやらが本気で探してるとも思えんが"

爪゚ー゚)"ま、そこまで暇じゃないだろうね。こっちの警察に置き換えると不審者とかの扱いだろうし"

( ´_ゝ`)"不審者なら結局人前に出てくるから捕まえられるが、地下に潜られちゃ、ってとこだな"

レ ´∀`)グゥ...

( ´_ゝ`)「ときに店主、料理はまだか?」

爪゚ー゚)「早くしろ」

<;o,o>「は? へ、ヘイ、ただいま!」

142 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:00:00 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……」

(*゚ー゚)「……」

( ´_ゝ`)"ふむ? あそこのカップルの男の方、ちらちらこっち見てくるな?"

爪゚ー゚)"ん? それは他の客も同じじゃない?"

( ´_ゝ`)"いや、ちょっとばかり目線のやり方が特徴的だ"

爪゚ー゚)"そうなのかい? 君がそう言うなら気にしてみるけど"

( ´_ゝ`)"他の客と比べて『自然すぎる』"

爪゚ー゚)"……なるほど?"

( ´_ゝ`)"これは、思わぬ勢いで獲物が掛かったかもわからんね"

爪゚ー゚)"そうだとして、印象最悪だろうなぁ……"

( ´_ゝ`)"どれ、ちょっとカマかけしてみるか"

爪゚ー゚)"マジ?"

( ´_ゝ`)9m「そこの男」

(;,,゚Д゚)「!?」

143 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:00:33 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「服装から察するに市場関係者ではないか?」

(,,゚Д゚)「はい、そうですが……」

( ´_ゝ`)「今しがたの話について、何か知っていることはないか?」

(,,゚Д゚)「いえ、特には……」

レ ´∀`)"嘘、です"

爪゚ー゚)"だ、そうだけど?"

( ´_ゝ`)"……正直わからんかった。が、これもまた『自然すぎる』"

爪゚ー゚)"クロっぽいなぁこれは"

( ´_ゝ`)"念話送ってみて"

爪゚ー゚)"おっほ。攻めるねぇ"

( ´_ゝ`)"興奮してねーで早くやれ"

爪゚ー゚)"はいはい"

爪゚ー゚)"やあ、聴こえるかな?"

(;,,゚Д゚)「ッ!?」

144 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:01:06 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"僕ら、外から来てね。この島とは縁も所縁もない、というか祭司長サマとバチバチに命のやりとりしてるくらいの関係なんだけど"

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)"君、浦島隊とやらなんじゃないかい? Yesならこっちを見てくれ"

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)"ふっ、用心深いね。まあそれなら勝手に話すけど、僕らの目的は千手の巫女の救出"

(,,゚Д゚)「……!」

(*゚ー゚)「? どうしたの?」

爪゚ー゚)"君らの目的が何なのかは知らないけど、お互いに協力し合える部分があると思わないかい?"

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)"もしよければ後で少し話せないかな? 場所はそっちが指定していい。……ああ、この魔術は双方向だから念じればこっちに通じるよ"

(,,゚Д゚)"……2時間後、市場の8番倉庫で"

爪゚ー゚)"オーケー、わかったよ。……ってことだから"

( ´_ゝ`)"おけ、把握"

(,,゚Д゚)「ッ!」

( ´_ゝ`)"おいおい、殺気漏れてんよ。安心しろよ、祭司サマとかじゃねーから"

145 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:01:40 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「大っ変お待たせしやした! わたつみと茹蛸です!」

( ´_ゝ`)「ご苦労」

爪゚ー゚)「遅い!」

<;o,o>「す、すんません!」

( ´_ゝ`)「この程度のことで怒鳴るな。どれ、早速頂くとしよう」

爪゚ー゚)「……はい」

( ´_ゝ`)ゴク...

( ´_ゝ`)「やはりわたつみは良い物だな」

( ´_ゝ`)"これ、海藻の焼酎か。ほのかな海の香りいいな"

爪゚ー゚)"タコと合いそうだね"

( ´_ゝ`)「どれ……うむ、適度な歯ごたえに確かな旨味、そしてワサビ醤油の香り」

爪゚ー゚)「これはなかなかですね。茹で具合が丁度いい」

( ´_ゝ`)「旨いぞ、店主」

<;o,o>「ありがとうございやす」

レ ´∀`)モグモグ...

146 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:02:13 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……出るぞ」

(*゚ー゚)「えっ?」

爪゚ー゚)"お邪魔してしまってすまなかったね、また二時間後に"

(,,゚Д゚)「用事を思い出した」

(*゚ー゚)「ふーん……?」

(,,゚Д゚)「すまんが会計を頼む」

<;o,o>「はいよー! サカタくん、2番さんお会計!」

( ´_ゝ`)"念話ぐう有能"

爪゚ー゚)"だねぇ。ちなみに二人とも結構な魔術師っぽいよ、女の方の魔力は君以上だし」

( ´_ゝ`)"ほう、なるほどな。男の方は武術もかなり使いそうだ、前衛後衛ってとこか?"

爪゚ー゚)"反乱組織じゃなきゃ密偵かもね"

( ´_ゝ`)"……密偵だったら詰むなあ"

爪゚ー゚)"まあもし密偵なら、ものの十数分でここに管理局員が殺到するだろうさ"

( ´_ゝ`)"ここなら裏路地だし、探知が遅れなきゃ逃げ切れる"

爪゚ー゚)"だといいけどねぇ……"

147 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:02:47 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「お待たせしやした! アナゴの天ぷらです!」

( ´_ゝ`)「うむ」

爪゚ー゚)「ほう……」

レ ´∀`)サクッ...

( ´_ゝ`)「……うまい。しっかりと脂が乗っているな」

爪゚ー゚)「はい、まさかこのような店でこれほどの……衣が羽のように軽い」

( ´_ゝ`)「旨味と香りの余韻が素晴らしい。わたつみとの組み合わせがまたたまらんな」

爪゚ー゚)「店主、素晴らしい腕だ」

<;o,o>「あ、ありがとうございやす!」

レ ´∀`)モグモグ...

( ´_ゝ`)"いやマジでうまいなこれ。近所にあれば通うレベル"

爪゚ー゚)"衣が素晴らしいね。サックサクだし香りもいい"

( ´_ゝ`)"……なんか、フクザツだなぁ"

爪゚ー゚)"……それには同意するよ"

148 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:03:20 ID:U9hligrQ0
【C-3地区市場】
 \   |    \ |\                }| 」「二二二二二二二7三三三三三三三三三三三三三三三=-
`ヽ、 \|  _.   | \ |            }| 」「二二二二二二三三三三三三三三三三三三三三=‐ |
   `ヽ\ |_|┌|  \           」| 」「二二二二二7三三三三三三Y^Y三三三三=-      |
     `ヽ、└| 「:| |          ハ__」「二二ニ=‐   ̄ ̄   _/人ノ_ -  ̄    _ -‐  ̄
=‐      `ヽ、└' |_        了 ̄_,,....  --─…宀jT二三三ア | | ̄  _  ‐┐   | |
‐=ニニ=‐     `ヽ、|_|ュ___     | ̄ xヘ_ -ー  ̄ /| |   /-‐:| |ー  ̄___ ー|   | |-‐  ̄
_   ̄丁ニ=- _  `丶、_|_|     ___,二ニ|.:.:.:.| ===ァ'~___| |-‐/   :| |T丁[| |_|..┘   | |
|И丁|i||丁 ̄ ー ニ≧o。 `Y..|\┐ |i‐‐‐‐/|.:.:.:.|/||'⌒>、|| ̄ :| |/瓧瓧瓧リ |冖¨ ̄: : |    | |
しリИリ||/ ̄||i〕iト 〕丁〕iトミ≧s。 |┐|i√/|二二|^||┬'゙ ||   :| |二二LLLL|_|: : : : : : : |    | |  ./ ̄ /
_匚]___,||    ||¶‡♭||ルリ川i|| ̄||ニ≧z|iИ⊥OO[][]z====z :| |二|=|LLLL| ======┤ ( ̄)( ̄)/:::::::/
|\」二|ト ̄`弌==zz==┬:┬冖丁_ ‐  ̄i|| |_|ニニl _|i|∝∝∝|_| |宀宀LLLL| ccc   |( ̄)( ̄)( ̄)(⌒)(
三二ニ=─_二Lニ─丁 |_ ⊥‐ ¨     L|_|ニニjく_/|∽∽∽|。oSSx==L_ ̄丁(_)(__)' ̄ ̄/のの(⌒)(⌒
¨~~ ̄|二二|- 丁_ -二 ̄           へ|k-く‰‰‰‰77⌒ヽ==彡(_)(_),/ ̄/ア¨アののく /
    | _⊥‐ニ三三‐ ‐      ‐ ‐     \| |\\rr竺竺竺>=彡'()「|─_ /─/ ∠,。oぅううぅs。ノ
  _ └三三三- -              _、-冖'\\|i:i:。0℃℃℃℃℃。   ̄ ─二__,。oぅうううう必ううう
_-三三‐‐ ‐            ‐‐     {iシシシシシ_\\℃℃℃℃℃℃℃℃  i< ̄>,、--.、,、‐‐.、ノううう
二三-            - - -      {i7アシシシシ \\℃℃℃Ω.<´ ̄`Y´`Y´ `'|`¨¨´|`¨¨´|`'<う
三- -                      |iシシシシ<辷ヘ\℃Y´-- ミ`¨¨´|`¨´ト`¨´|'´ ̄Y´ ゙̄Y゙ ̄`
三三-- - - - -                 Lシ^辷辷辷7 へ\_|`¨¨¨´|ニ´<´ ̄`>\`¨¨´|`¨¨´|`¨¨´
Ξ- 二 - - -                  「辷辷辷ン^V⌒\|\ |i´   )`¨( ̄ ̄) \'´ ̄`'Y´ ̄
- 二二 - -                    |辷ン<( ノ⌒7⌒|\\```ア´ ̄`ヽ¨¨´|\|`````|`¨¨´
二二ニ──                   --〈⌒ ハ^'<⌒Yシ⌒Vヘ\|\ ゝ    ノ|く´ ̄ ̄`>'^7⊂二
ニニ── ─                 ─∧(⌒V^ヽ)⌒i  ノ^7^ヽ\|\````__|\`¨ア⌒7⊂二二
二── ─  ‐              ‐二二∧v'⌒Y⌒>-─<ノ⌒>'⌒:、\`i二|\`'<二二⊂ニ二二二

149 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:03:53 ID:U9hligrQ0

(´∀` 三 ´∀`)キョロキョロ...

( ´_ゝ`)「なかなかの賑わいだな」

爪゚ー゚)「時間帯的に意外っちゃ意外だね」

( ´_ゝ`)「それだけ娯楽が少ないってことじゃないか?」

爪゚ー゚)「ああ、なるほど」

( ´_ゝ`)「そういう意味じゃ昼兵衛が昼間から大繁盛なのもわかるな」

レ ´∀`)「おいしかったです」

爪゚ー゚)「良い店だったね。ここがアレとは思えないくらい」

( ´_ゝ`)「ああ。ほんっっとフクザツだよ」

爪゚ー゚)「……だね」

( ´_ゝ`)「……まあ、とっとと倉庫に向かうか」

爪゚ー゚)「ちょっと長居しすぎたからね、急がないと」

( ´_ゝ`)「下手に迷子になったらすっぽかしちまう」

爪゚ー゚)「せっかくのコネをフイにしたくはないしね、急ごうか」



 ―――。

150 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:04:27 ID:U9hligrQ0
【8番倉庫】
{__].:| | | | | l\\\:|\||/||\\\\\\\/ | :| :|//\\\\\\.| |\\  | | |  //| |
{__].:| | | | | | | |\\|\||/||\\\\\\/:| :| :|//\\\\\\\ | |  \\| | |//  | |
{__].:| | | | | | | | 「|\|\||/||\\\\\/  :| :|//\\\\\\\\、| |    \| | |/    | |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\\\/| :| :|//\\\\\\\\_、- | |_─ ̄| | | ̄─_| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\\/  | :|// \\\\\\\ _、<ニ=:| |_‐‐ ̄| | | ̄‐‐_| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|l\\/ :| :|// \ \\\\\ ,、<ニ=- .::| |\\  | | |  //| |
{__].:| | | | | | | | | | | |\||/|| l:/  | :|// \\\\\\.,、<ニー   : : :| |  \\| | |//  | |
{__].:| | | | | | | | | | | |/||\l/ :| :|//\\\\\\ _、<ニ=-     _ =:| |    \| | |/    | |
{__].:| | | | | | | | | | | |\|l / | :|//\\\\\\,、<ニ=ー      _ = ̄ | |--¬¨¨| | |¨¨¬--| |
込ヘ,| | | | | | | | | | | |i::/ | :|//.::| | | \\\ ,、<ニ=-    _ = ̄___   | |--¬¨¨| | |¨¨¬--| |
(し' .) | | | | | | | | | | |/| |  |//| | | | | | | | \/ニ=-' ̄|l  _ = ̄_ ‐' ̄ |   | |\\  | | |  //| |
≧≦ニニニニニニニニニ::|/| l_//ニニニニニニニニニニ:|=-「  __,|l= ̄   |     |   | |  \\| | |//  | |
  \  ||  /  :.:.::|/|//|: : : | |: : /: :\: : |: :||_ =  ̄||    .:|   _ ┘ー| |    \| | |/    | |
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151 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:05:01 ID:U9hligrQ0

(´∀` 三 ´∀`)キョロキョロ...

( ´_ゝ`)「来たぞー」

爪゚ー゚)「ふむ、やはり着いた途端管理局員が大歓迎状態、というわけではないようだね」

( ´_ゝ`)「そらそうだろ、店の方2時間近く何もなかったんだし」

爪゚ー゚)「しかし、さっきのお似合いカポーはどこかな? まだまだ罠の可能性も微粒子レベルで」

( ´_ゝ`)「その韜晦は流石になしだろ、お互い探知し合っておいて」

爪゚ー゚)「いやいや、僕の探知を欺く使い手の可能性も」

( ´_ゝ`)「そうだったら即死じゃん」

爪゚ー゚)「そうだよ?」

( ´_ゝ`)「ま、それはないとは思うが……そうだよな?」



(,,゚Д゚)「……」

(*゚ー゚)「……」



.

152 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:05:35 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……あんたら、ナニモンだ?」

( ´_ゝ`)「探偵、流石真理男」

爪゚ー゚)「群馬県警、地流椎菜」

(,,゚Д゚)「探偵だと……?」

(*゚ー゚)「群馬県警……? 群馬っていうと」

(,,゚Д゚)「千手烏賊のある岩手からはかなり離れた、内陸の県……だったはずだ」

(*゚ー゚)「そんなところの警察がこっちに来るの? 日本の警察は縄張り意識が強いって聞いたけど」

爪゚ー゚)「僕は別に仕事で来たわけじゃないからね。彼の仕事の付き合いさ」

(,,゚Д゚)「探偵って言ったな。つまり――」

( ´_ゝ`)「千手の巫女の夫の依頼でな。彼女を連れ戻すのが仕事ってわけだ」

(*゚ー゚)「千手の巫女の、夫……」

(,,゚Д゚)「……なるほどな、筋は通ってる」

爪゚ー゚)「だけど信用ならない。そう言いたげだね?」

(,,゚Д゚)「そう簡単に信用するわけにはいかん。そこで、だ」

153 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:06:08 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「踏み絵、かな?」

(,,゚Д゚)「ああ。この会話は録音されている。その前提で神を冒涜するようなことを言って欲しい」

爪゚ー゚)「浮鮫のフカヒレっておいしいのかな?」

( ´_ゝ`)「刺身もうまいんじゃないか? 所詮鮫だし」

(,,゚Д゚)「えっ」

爪゚ー゚)「そうだね、所詮鮫だし。魚類乙〜」

( ´_ゝ`)「ウス族気取ってみても無駄だぜ、外じゃゴキブリのようにコソコソしてるくせに」

(*゚ー゚)「……」

爪゚ー゚)「ほんとだよね、まあ大手振って歩いてたら駆除されちゃうから仕方ないかな」

( ´_ゝ`)「神とか自称してるくせに雑魚すぎる」

(,,゚Д゚)「……」

爪゚ー゚)「鮫と似てるねって言われただけでおこになっちゃう器の小ささ」

( ´_ゝ`)「どう見ても鮫やろがい」

(*゚ー゚)「……」

154 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:06:41 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)「ね。カマボコにしようか」

( ´_ゝ`)「A地区に工場を建てよう、とても効率的だ」

(;,,゚Д゚)「……あのー」

爪゚ー゚)「ん? 何だい?」

(;*゚ー゚)「え、そこまで言います?」

( ´_ゝ`)「なんだ、本当のことしか言ってないぞ?」

(,,゚Д゚)「いや、それは……ははは、これはマジで外の人っぽいな……?」

(*゚ー゚)「そうだね。私達でもそこまで言えないよ……」

爪゚ー゚)「え? それじゃあ、逆にどこまでなら言えるんだい?」

(,,゚Д゚)「……クソ野郎どもがー、とか」

(*゚ー゚)「……絶対許さない、とか」

( ´_ゝ`)「あー。まあ実際に脅威に抑圧されている身ではお気軽に馬鹿にはできんか」

(,,゚Д゚)「そういうこと、みたいだな」

(*゚ー゚)「自覚はなかったけど……」

155 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:07:15 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「で、信用して貰えたってことでいいのか?」

(,,゚Д゚)「とりあえずは、な。しぃも同じだろ?」

(*゚ー゚)「うん。……ところで、そっちの子は? さっきは名乗ってなかったけど」

レ ^∀^)「私は……レモナです」

( ´_ゝ`)「元家畜の子」

(;,,゚Д゚)「はぁ!?」

(;*゚ー゚)「え、本当なの?」

レ ^∀^)「はい」

爪゚ー゚)「成り行きでね。ああ、もう家畜ではないから勘違いしないように」

(;,,゚Д゚)「いや、いやいやいや、もう家畜ではないってどういうことだ?」

(;*゚ー゚)「そんなこと、あるものなの……?」

( ´_ゝ`)「重要なことか? そうでないなら説明は後回しにしたいんだが」

(,,゚Д゚)「ん……いや、重要かと言われると……」

(*゚ー゚)「……もしかしたら重要かも……?」

156 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:07:48 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)「どういうことかな?」

(,,゚Д゚)「……俺達としてもどうにかして家畜を引き込めないか試したことがあった、だが」

(*゚ー゚)「全っ然駄目。そもそも価値観が違いすぎて話が噛み合わない」

( ´_ゝ`)「まあ、そうだろうな……洗脳解除だけじゃ無理、ゼロから教育しなおすくらいの根気が必要」

(,,゚Д゚)「流石にそれは無理だからな、諦めてたんだが」

(*゚ー゚)「一体どうやって?」

爪゚ー゚)「運だね。僕らは何もしてないし」

( ´_ゝ`)「当人曰く、前世の記憶が蘇った、らしい」

(,,゚Д゚)「は?」

(*゚ー゚)「それは一体?」

爪゚ー゚)「よくわからないんだよね、これが。だから運」

( ´_ゝ`)「まあ、その道の専門家も見たことないって話だからな。期待したなら悪いが」

(*゚ー゚)「むぅ……」

レ ^∀^)「?」

157 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:08:26 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「……まあいい。本題に入るか」

爪゚ー゚)「その前に自己紹介をお願いしたいんだけど?」

(*゚ー゚)「あっ」

(,,゚Д゚)「おっと、これはうっかりしてたな。俺はギコ、こっちはしぃ」

(*゚ー゚)「しぃです」

( ´_ゝ`)「んで、今度はこっちが聞くが。何者なんだ、あんたら」

(,,゚Д゚)「俺たちは、浦島隊。この社会が理不尽だと感じる奴らの集まりだ」

爪゚ー゚)「ん、まあどっからどう見ても理不尽だけど」

( ´_ゝ`)「それを感じる者が少ない、と。予想通りではあるが」

(*゚ー゚)「私たちは気付けたのか、気付いてしまったのか……」

(,,゚Д゚)「気付かない方が幸せだったんだろうが、気付いちまったもんはしょうがない。
     俺たちは戦う、自由を手に入れるために」

爪゚ー゚)「なるほどね」

( ´_ゝ`)「実にわかりやすい集まりだということは理解した」

158 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:08:59 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「俺たちの最終目的は外に出ること」

(*゚ー゚)「一部の目に余る動きを止めたりもしてるけどね」

( ´_ゝ`)「外に出るってそんなに難しいのか?」

爪゚ー゚)「僕ら結構ふつーに入ってきたけどね」

(,,゚Д゚)「そう簡単なことじゃない。船は厳重に管理されている」

(*゚ー゚)「船があるのはE地区だけ。それもわたつみの兵が厳重に警備してるの」

( ´_ゝ`)「ん、気を悪くしたらすまんが。あんたら混血じゃないのか?」

爪゚ー゚)「ね。それなら泳ぎは得意そうなものだけど」

(,,゚Д゚)「……いや、混血だが。外との道が開く時の天候を知ってるか?」

( ´_ゝ`)「時化だな」

(*゚ー゚)「私たちは殆ど人間だから。荒れた海を泳ぐとか無理」

爪゚ー゚)「ふむ、血が薄いということかな?」

(,,゚Д゚)「そういうわけでもないと思うんだが、表面化してない奴らばかり集まってる」

( ´_ゝ`)「なるほどな、何となく納得いく話ではある」

159 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:09:32 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)「組織の規模はどれくらいなのかな?」

(,,゚Д゚)「数百人ってとこだ。全員C地区に集まってる」

( ´_ゝ`)「あー……人数多すぎて逆にやり辛そうだな」

爪゚ー゚)「ん? 僕は思ったより少ないと感じたけど」

( ´_ゝ`)「そうじゃなくて。その人数全員脱出しようと思ったら、E地区襲撃でもしないとならんってこと」

爪゚ー゚)「あー……少人数なら密航って手段もあるって話? どうなんだいその辺?」

(;*゚ー゚)ノシ「無理無理。試そうとしたことはあるけど」

(,,゚Д゚)「船の周囲は結界が張り巡らされてる。それに、仮に乗り込めたとしても海上でやられるのがオチだ」

(*゚ー゚)「だよね、海の上じゃ絶対勝てないもん……」

爪゚ー゚)「だ、そうだけど?」

( ´_ゝ`)「思った以上に厳重だな……多少逃げ出されたところでどうということはなさそうに思うんだが」

爪゚ー゚)「む? ……言われてみればそうかもしれないね。確かにちょっと違和感がある」

(,,゚Д゚)「……そうなのか?」

( ´_ゝ`)「ん?」

160 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:10:05 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「外では人間社会の方が繁栄してるんだろ? ここの情報が知れれば攻めてくるとばかり思ってたんだが」

( ´_ゝ`)「……どうだろうな。薩摩ならやりかねんが」

爪゚ー゚)「大規模な攻勢に出られる戦力があるのかがまず問題だね。当面はスパイを潜り込ませる程度になりそうだ」

(*゚ー゚)「えっ?」

( ´_ゝ`)「外では人間が繁栄してるったって、色んなバランスの上に成り立ってる話だからな。
      この島を余裕で潰せるような力があると考えているならそれは違うぞ」

(,,゚Д゚)「むぅ……そうなのか」

(*゚ー゚)「うーん……」

爪゚ー゚)「もしかして、僕たちと接触した目的はそれだったり?」

(,,゚Д゚)「……ああ。外からの襲撃のどさくさに紛れてE地区を攻められないかってな」

( ´_ゝ`)「まあ仮に襲撃あったとして、襲撃側にあんたらの想定通りの戦力があったなら無理だろうな。
      どう考えてもついでに殲滅されるぞ」

(*゚ー゚)「あー……そっか、そうかも」

(,,゚Д゚)「それは……」

爪゚ー゚)(情け容赦なく突きつけるなあ)

161 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:10:45 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"ちなみにレモナ、今のところ嘘はないか?"

レ ^∀^)"ないです"

爪゚ー゚)「君たちの目論見は崩れちゃったみたいだけど、どうする?」

(,,゚Д゚)「……それならそれで、何か協力し合えることがあれば協力したいところだ」

( ´_ゝ`)「こっちとしては、色々情報を貰えると助かるんだけど」

爪゚ー゚)「生憎あんまり返せるものがないかもなあ……」

(*゚ー゚)「でもあなたたち、千手の巫女にちょっかいかけるんでしょ?
     そうなれば、こっちとしても動きやすい状況ができるかも」

( ´_ゝ`)「かも、で良いならな。A地区で暴れるとかはするつもりないし」

爪゚ー゚)「どう考えても下手打った時なんだよねぇ、その状況……」

(,,゚Д゚)「なら、さっきの魔術を教えて貰えないか」

( ´_ゝ`)「念話か? そういえば慣れない感じだったな」

(,,゚Д゚)「ああ、あんなもんがあるとはな。あれがあれば、活動が格段にやりやすくなる」

(*゚ー゚)「あ、さっき言ってたやつ? 確かにそうだね」

爪゚ー゚)「ここは魔術先進国だと思ってたから意外っちゃ意外だね。他にもあれば教えるよ」

162 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:11:26 ID:U9hligrQ0

(,,゚Д゚)「祭司でもない一般信徒が使える魔術なんて限られたもんだ」

(*゚ー゚)「A地区にいるような人たちは違うんだろうけどね。
     C地区でも魔術の専門家みたいな人はいるけど」

(,,゚Д゚)「普通はせいぜい生活や自分の仕事で使う魔術くらいだな」

( ´_ゝ`)「まあそんなとこだろうな。特に戦闘向けの魔術は広まっていないと見た」

(*゚ー゚)「その通り。私たちはある程度使えるけどね」

爪゚ー゚)「それはちょっと羨ましいな。僕はそっち方面はあまり適性がなくてね」

( ´_ゝ`)「俺も。っていうか俺まともな魔術殆ど使えない……」

(*゚ー゚)「えっ?」

(,,゚Д゚)「それだけの魔力があってか? 冗談だろ?」

( ´_ゝ`)「まともなのは強化くらい。他は到底まともと言えるものではない」

爪゚ー゚)「水のやつはサバイバルではお役立ちじゃないかい?」

( ´_ゝ`)「そうだけども」

(,,゚Д゚)「ああ……あんた程の達人なら強化一本でも十分驚異的かもな」

( ´_ゝ`)「今ならわたつみくらいは正面から殺れる……はず」

163 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:11:59 ID:U9hligrQ0

(*゚ー゚)「あ、ギコくんと同じこと言ってる」

(,,゚Д゚)「正面からとか絶対やらんけどな、その状況になってる時点でもう終わりだ」

( ´_ゝ`)「まあ、あんたらの状況だとそうだろうな。そうでなくても正面からはやらんが」

爪゚ー゚)「僕は見たことないんだけど、結構な化け物らしいしね」

( ´_ゝ`)「新田さんと同格くらいだ」

爪゚ー゚)「あれと同格は普通にヤバい。……って、追いついちゃった君も大概だよ?」

( ´_ゝ`)「それほどでもない。歩兵一個中隊いれば普通に制圧されるだろうし」

爪゚ー゚)「……そう考えると軍隊ヤバいなあ。さっきはああ言ったけど人類も大概じゃないかい?」

( ´_ゝ`)「正面切って撃ち合いするならその通りだと思うぞ。チート戦力もチートミサイルで何とかなるようだし」

爪゚ー゚)「そうでもなきゃ今頃絶滅してるか」

( ´_ゝ`)「そのへん、技術が発達していない頃は天成とかが守ったりしてたんかね?」

爪゚ー゚)「どうだろう? 昔は昔で魔術師が凄かったってのはありそう」

( ´_ゝ`)「なるほど、一理ある」

(*゚ー゚)「あのー……?」

164 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:12:43 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「おっとすまん、つい脇道に逸れた」

爪゚ー゚)「お互いに出すものは決まったし、あとは連絡方法でも決めておくかい?」

(,,゚Д゚)「この倉庫は俺の管理下だ。普段は奴隷を立たせてるから、そいつに伝えてくれればいい」

( ´_ゝ`)「ん、君らも奴隷は使うのか」

(*゚ー゚)「そうしないと運営上おかしく見えちゃうから。別に不必要に虐げたりはしてないしね」

(,,゚Д゚)「自由を求める俺らとしちゃ思うところはあるがな」

爪゚ー゚)「これだけ仲良く話しといて、実は盛大に価値観が違うとかじゃなくてよかったよ」

( ´_ゝ`)「ああ。さっき家畜の話もしたからわかってた話ではあ――」



lコ"兄者! 聴こえるか!?"



(;´_ゝ`)「!?」

165 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:13:16 ID:U9hligrQ0

(´<_`;)「まずいことになった……!」














  Case12「海色の声」
  Day7A「浦島隊」

                          To be continued...

166 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:13:49 ID:U9hligrQ0
今回はここまで

167 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 22:15:13 ID:U9hligrQ0
リ゚▽゚ リ<l「ペースを あげたい 所存」

168名無しさん:2024/03/18(月) 00:16:37 ID:.HY1x3iU0
乙!

169名無しさん:2024/03/19(火) 12:28:03 ID:Yyb5uYCs0
おつおつ
引くくらい冒涜するとこすき

170名無しさん:2024/03/20(水) 03:35:35 ID:aXwhdUGI0
週1ペースはマジキチだと思った
無理なくやってくれてええで!

171名無しさん:2024/03/20(水) 12:01:22 ID:BbzILSpM0
>爪゚ー゚)「そうだね、所詮鮫だし。魚類乙〜」

ここ、めっちゃ可愛いかった。
もっと冒涜してくれてええんやで^^

172名無しさん:2024/03/24(日) 20:18:06 ID:gfA7y0/M0
乙乙
リアルでも曰く付きな団体が出してる食べ物が美味しかったり物の品質が良かったりすると複雑な気持ちになる…

173名無しさん:2024/03/27(水) 22:12:10 ID:mR3Rt/lE0
乙乙
穴子の天ぷらはサクッとフワッの食感が楽しいよね

174名無しさん:2024/04/01(月) 01:52:22 ID:DoJuUqEI0
全部読み返して来た。各勢力の関係性とかが分かって読むとより一層面白かった。
是非頑張ってくれ。日向ながら応援してる。

175 ◆KDJGUfbY2o:2024/04/14(日) 23:08:54 ID:iPJbg3Mg0
>>168
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>169
(,,゚Д゚)「ぶっちゃけ引いた」

>>170
( ´_ゝ`)「今となってはどうやってたのかわからない」

>>171
爪゚ー゚)「なるほど?」

>>172
(´<_` )「ほんとそれな……」

>>173
|゚ノ ^∀^)「おいしいです」

>>174
(´・ω・`)「その言葉が聞きたかった。ジオンはあと10年は戦える」

176 ◆KDJGUfbY2o:2024/04/14(日) 23:09:28 ID:iPJbg3Mg0
リ゚▽゚ リ<l「進捗70%」

177 ◆KDJGUfbY2o:2024/04/30(火) 23:46:55 ID:fdE6EctI0
リ゚▽゚ リ<l「明日くらい投下するで」

178 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:26:52 ID:.JYb6wSU0
前回のあらすじ
・……なんか、フクザツだなぁ
・そうだね、所詮鮫だし。魚類乙〜
・まずいことになった……!


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

179 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:27:25 ID:.JYb6wSU0
Case12-Day7B
;;;彡ソ;;;ゝ);;));ヾ;;) ノ::;;ヽ;;;;ゞヽゝ'´ゞvゝ、7-ー<ヾ:'(゙'〆、,,;">-、7-ー<
ヾミ;ソ(;;;;;;フノハ:;:;ミ;;(;;;ゝヾミゞ(〆、,,;">>、;ヽ、:;;:y':/;:.バ:.:.:.:.:.:.`‐ヾミ;ソ
〃;;;彡;;i!;:i!|/〃;;;彡;"'ハ,,;)ヾ.:.:バ:.:.:.:.:.`‐ヽ:::;:;:::/:;;/ヾミ;ソ(;;;;;;フノハ:;)'.:
::':.,|:;;:i!;;i!;:i!|`ヽ\|;;レ;/;;'';;.:.:.:.:.:.゙:.~^:.:>ー.,!i!;;:;:;y'彡^.ゝミノノ:;ミ;;;'':.:.:.:.:
ヽ.:;};;:i!;;i!;:i!|;:;:;:;:);;;;;;/''ヽV/.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:l;;:;;;:;:|:.:.:.:.:);ソ.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
;:;:Y;;:i!::i!:;;:i!|v,l|V::从X、ノメ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;;i:;:;;:l;:;:;://v、;;、八ゞ;:;:;:;:;:;
;:;:;:|;;:i!::i!;;:i!:|、lW:八ヘ{V::从ivヾ;;) :;:;:;;;;;:;:;:;v|;;::;!i!;|:;:;{;;{wX、从,!|lilXx,,、
;:;:;:|;;:i!;:i!;;i!;:|XゞV:从XゞViv:l;,ゝ);)'"  _从(i!;:;:;;:;|::;:;ゞヽiv,l|V::从X八
八ゞivXx::イ八X、 γ从Wwv~ '   __)ゞハ/;:;;:;;:;;:l;ミx;;,イiv:l;,イイ、八ゞv
iソゞiv,l|V::从|lililレ/X、w,,'~"  . ' ィイ、X|;::i!;::;;リ'ヾゞゞ, ;ミx、:l;,イイ、八
_、八ゞiv,l|iv:l;,イイ、八イ,,~=-  ,、   .,イivV|;;:i!;;:;;:|`:;;;;;ゝ);;));ヾ;;) iv,l|V
V从;、lW:八ヘ{V::从Xゞ       (:;ハ、;vvヾヘwゝ);;));ヾ;;) ノ 从X
ハ、;vvヾヘwゞ,,;;''~"       ー'^ゞ,イiv:l;,イイ、八ゞiv:l;,ゝ);;)川 ゚ -゚)

180 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:27:59 ID:.JYb6wSU0

lコ"何があった?"

(´<_`;)「岩場で釣りをしてたらわたつみの兵と出くわしてな」

<(' _'<人ノ「釣りをしている二人に気を取られていたので不意打ちで倒しましたが、
       付近の海中に仲間が……海中では追いかけるのも難しく、取り逃がしました」

lコ"むぅ……一応確認だが、今は移動中か?"

(´<_`;)「うむ。先程差し掛かった丘からC地区らしき街は確認している」

lコ"魔術で補強してるとはいえ、それくらい近くないと通信通らないよね、。とりあえず一度合流するかい?"

<(' _'<人ノ「はい。ですが私たちの恰好でC地区に入っても大丈夫でしょうか?」

lコ"うーん、弟者はともかく美和ちゃんは怪しいな。暗くなるまで待った方が無難か?"

lコ"その方がよさそうだね。僕らは今C-3地区市場にいる。市場の場所は街に入ればすぐわかると思う"

lコ"B地区最寄りの市場だからな。……なあ、ここに仲間呼んでも大丈夫か?"

<(' _'<人ノ「どなたかご一緒なんですか?」

lコ"例の組織の人だよ"

181 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:28:32 ID:.JYb6wSU0

(´<_`;)「えっ、マジですか? 随分あっさり接触できましたね」

lコ"実に都合よく接触できたよ。何かの罠じゃないかって不安になるくらいには"

<(' _'<人ノ「それは、その……大丈夫なんでしょうか?」

lコ"総合的に見て問題ないという判断になった。十中八九大丈夫さ"

lコ"おし、オーケー貰ったぞ。日が完全に落ちたら市場の8番倉庫まで来てくれ"

(´<_`;)「……それなんだが、できれば迎えに来て貰えないか?」

lコ"ん? どういうことだ?"

<(' _'<人ノ「累次くんが呼んだ式神に荷物を載せてるんです。流石にこのままC地区に入るのは……」

lコ"えっ、荷物持ってきてるのかい?"

lコ"マジか。あった方が助かるのは事実だが……どうしてそういう判断になった?"

(´<_`;)「山だからな、追手が掛かるにも猶予があると判断した」

<(' _'<人ノ「流石に何もないと、取れる選択肢が減ってしまいますから」

182 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:29:05 ID:.JYb6wSU0

lコ"ふむ、なるほどな。そういうことなら迎えに行くわ"

lコ"どうせなら台車借りて行こうか。さっき貴族ゴッコしてた君が荷運びしちゃ見咎める人がいるかもしれないし"

<(' _'<人ノ「貴族ゴッコ……?」

lコ"ま、情報収集の一環でな。そういうことなんだが、台車借りられるか? ……二つ返事とはありがてぇ"

lコ"ってこれ築地カートじゃないか。ここでも普及してるんだねぇ"

lコ"数は少ないが自動車も走ってたし妥当なとこだろ。外でも昭和30年代には普及してたって話だしな、築地カート"

(´<_` )「悪い、無駄話はその辺にして貰えるか。人気のない林道だからさほどリスクは高くないが……」

lコ"おっとすまん。それで、迎えに行くのは良いが……問題はどこで合流するかだな"

lコ"悩ましいところだね。林道抜けちゃうと流石に見咎められそうだ"

<(' _'<人ノ「かといって何も目印がないと……」

lコ"俺らと同じルートを歩いてるなら、林から抜ける手前に作業小屋があるはずだ。そこで合流しよう」

(´<_` )「わかった。他になければ交信終わるぞ」

lコ"おk"

183 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:29:39 ID:.JYb6wSU0

(´・_ゝ・`)「いやあ、通信繋がってよかったね」

(´<_` )「はい、ようやく一息つけた感じです」

<(' _'<人ノ「合流の目途も立ちましたし、なんとかなりそうですね」

(´・_ゝ・`)「正直な話、さっきまで生きた心地がしなかったよ」

(´<_` )「いや、まだ気を抜かないでください。いきなり敵と出くわす可能性はなくなってません」

<(' _'<人ノ「私が警戒していますので、大丈夫ですよ?」

(´<_` )「美和ちゃん、本職基準で考えちゃ駄目だ。気を抜いてたら逃げることすらできなくなるのが普通だからな」

(´・_ゝ・`)「それは……否定はできないかな」

<(' _'<人ノ「む……なるほど、一理ありますね」

(´<_` )「ゴールが見えて気が抜けた瞬間が一番危ない。月並みですが」

(´・_ゝ・`)「違いない。漁でもそういうことはあるからね」

<(' _'<人ノ「万事に通じますね」

184 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:30:12 ID:.JYb6wSU0
         r-.、                      _ ,  ‐- 、_,_,,,-..ヘ
        ノ゙'::,ノ                 , -.. ''" ..:' .::' ,.:'.. ゙';: .`'.!
    ,..‐'"';__;.ノ                ,/ ,:'' ::, ゙':. ': .:' /.:' ,.: ,.... :' ;\
   ,r´゙':,r'´        _,, -―,, '',::'.:' '  ゙':   ゙':ヾ ::. '::, ::, ,._ 、 i,,.〉
  /_,., ′     _ - ´ ,:' .:' .:;' ;::'   ,.::::;,  ゙:.   ';, ゙':...゙ `'' _ .. `!
  ,l゙''"|    ,, -";: ゙;,  ::;' .; ':, .';:   '  ゙':,   ':.   '':;,、:, r' ヽ  ヘ
  .|':;,:'、  / .! :, ':,    ゙ ; ,;'  .゙  ゙' ,'   .,   :   ,r `i ':,_  ノー '
  ' , . ,:'`´,::'_,イ':.,   '; ,.:' ,;'  :;   ψ     ':  ゙.:.゙  ,:' i  ゝ-'
   `ー '"  |., `  ゙':,i:; ゙;, ,::'  :, . |:::::;,_    .::.' .,:' ,.:キ
            |゙'::..,   '、,_; .,゙ :,  ':;..|  ゙' ::..._ /,r-、'   キ
         |    ,:| ‐- _ '::,  '::゙|::.._  ,.:'.`ヽ キ   ゙''::゙i,
            |゙':, `''ー'キ.:.:.:.r ` ― ^、....::'   ' ゙",`i、.゙i ,.,._., 'i,
            ヘ .,,._ ,;キ.:丿      ゙i、_   ,.:'  `''ー -、゙':'i,
             l\゙'' ''゙ノ/                ̄ `' ‐ 、._、';  \\
             | ., , T:ノ                  ベ   ,) ;'ヽ._
           ゝ'_,ノ                    ゝ、_ノ \   )゙.´`;
                                         `ー-、ノ

185 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:30:45 ID:.JYb6wSU0

(´・_ゝ・`)「いやしかし、式神ってのは便利なものだね」

(´<_` )「自動車ほどではないですけどね」

<(' _'<人ノ「それは……確かに」

(´<_` )「自動車に勝るのは小回りくらいか? 他は戦闘力も含めて一切勝てない」

(´・_ゝ・`)「あぁ……だから廃れちゃったのかな?」

<(' _'<人ノ「……否定はできませんね。自動車に勝るのは魔の者を相手にする時くらいでしょうか」

(´<_` )「こいつが自動車のぶちかましより強いとでも?」

<(' _'<人ノ「物理的な破壊力だけが強さではないということです。例えば、実体のない怨霊相手なら自動車は何もできません」

(´<_` )「……なるほど(怨霊とかもいるのか……)」

<(' _'<人ノ「私も、自動車を正面から受け止めることはできませんが。自動車に負けることもありません」

(´<_` )「まあ、操縦者狙うなりタイヤ狙うなりやりようはあるもんな」

<(' _'<人ノ「直線的な動きなら避けるのは簡単ですからね。窓くらいなら障害にはなりませんし」

(;´・_ゝ・`)「えぇ……ヤバ……」

186 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:31:19 ID:.JYb6wSU0

(´<_` )「まあ、こいつには美和ちゃんと同じことはできんだろうがな。側面から飛び掛かったところで吹っ飛ばされるのがオチだ」

<(' _'<人ノ「術には、術者の気質が色濃く出ます。……累次くんは、優しいですから」

(´<_` )「あー……式神の攻撃力がしょっぱいのは俺がヘタレだからか……」

(´・_ゝ・`)「いいじゃない、適材適所ってやつでしょ」

<(' _'<人ノ「まさに。この白虎は持久力に優れていますし、気配も読み難いです」

(´<_` )「なるほどな。確かにツルさんから聞いていたより維持の負担は軽い」

(´・_ゝ・`)「足音も静かだね」

<(' _'<人ノ「今の状況では高い攻撃力よりも余程助かります」

(´<_` )「まあ、そうだな」

(´・_ゝ・`)「戦闘になったら不安があるのも事実だけど」

<(' _'<人ノ「私がいますので。切り捨てるためのサポートをして貰えれば十分です」

(´<_` )「ああ、それくらいはな」

(´・_ゝ・`)(おしとやかな見た目や仕草によらずゴリゴリの力押し脳筋志向だよねぇこの娘……)

187 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:31:52 ID:.JYb6wSU0
【作業小屋】
. ; ';/ /;': :: .. . .., . :,  ,;':.'、" 、 ".;': :. . .   ;: ,; ::. :.. . :;;   ;;   "
:;  ;:  ''''';:',,:,.''il''''''  .;: . . .;,   ,;':: : .. .: .   ;  ''''''ll!;!l''''  "   " ,
; ;  ;:、:. ..;'.. ゙;.,'_  .;.:::..  _ . ;:' :: . . :.    ;;,   l!l;,l  "" ''  、
;; : . ;.  :;': ;. ';'l」 |___| lェ|_____  ;、;;. :; "'' "  "  ,
: . .  ':、;:' : ; ,. ';、/ / / / / / / / / / / / /ヽ'''゙..   "  ::'':;,,  "
;: :. :  '、 :: : ;.  ;, / / / / / / / / / / / /三ヽ;::,、";   ;;  :;,    "
: ; ; . . .:;, : :... ...   ;,/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/l三.ヨヽ .;;、:: ; : ;; .:;,'''::: ..;;';、
"゙''::;'':;,,'  ;; :: : . . ;ニ∠ニニム三三三三|; l l;|:: .. .;;、: .. . :: :;., . ;. . ;,
; :. , : ; .."':,,;,,..;; ''' .;,三|田田| l三三三三;|; l l;|、 , . ;;、 :..::: .. ..:;, .;':: . .;,
; ; : ., .,  :.  :._  ';三|田田|_l三三三三;|エエエィ ,,,;;;;:::'''':::;;;;  ;, ,; : :. . .;,
;; :. .. .". ..  ゙ ,, " ;.;ェェェェェェェェェェェ,,,;;::::'''::;;'''::ll|;,;;;::.';.:: .  '':;; ,; :: . : . ;,
; ;:. .゙ ;: : : . .   . '';' ''::::;;;、、l;;'''"; . .:::; ..  "''::;'''": : ..: :   ゙;; ::: .. .  ;,
; ;; ;:.. ,,  "  ''  ;   :  ::::;;  :  ;;  "  ;; ::: : .. .  ;; :::: .   ;,

188 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:32:26 ID:.JYb6wSU0

<(' _'<人ノ「……まずいですね、中に人の気配が」

(´・_ゝ・`)「えっ」

(´<_` )「む」

<(' _'<人ノ「一旦そこの茂みへ。暫く様子を見ましょう」

(´<_` )「わかった」

(´・_ゝ・`)(気配とかわかるの凄いなあ……)



 ―――。

189 ◆KDJGUfbY2o:2024/05/01(水) 21:32:59 ID:.JYb6wSU0
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