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(´・_ゝ・`)白天、氷華を希うようです('、`*川

59名無しさん:2024/01/19(金) 00:29:37 ID:KKTQDt7.0

(´・_ゝ・`)「他に誰がいる。そうでなければ、お前にわざわざ見せるはずないだろ」

(´・_ゝ・`)「…それじゃ、読んで文句なければ、サインと印鑑押してから持ってきてくれ。おかしな所があればその都度教えろ。どんな些細なことでもいい、遠慮するな」

放課後に公園で遊ぶ約束をした小学生みたいな声色で、とんでもないことを言う社長。
そして、その発言に理解が追いつかず、呆然としたままの私。
あれだけ零れそうだった涙はいつの間にか、一滴残らず引っ込んでいる。

(´・_ゝ・`)「…というか、あと10分足らずで新幹線出るぞ。急げよー」

間延びした声が鼓膜に届くと共に助手席の窓が閉まり、静かなエンジン音と共に発進する車。
瞬く間にスピードを上げ、駅から遠ざかっていく赤い光沢を、私は呆としたまま見つめ続ける。

('、`;川「…………え?」

左手にある書類の重さを感じながら、空いている方の右手で頬をつねる。同時に、鋭い痛みが頬の神経を伝って響く。
“痛い”と思うと同時に、コートのポケットに入れていたスマホが鳴る。
液晶画面を見てみれば、そこには今から乗る予定の新幹線の時刻のリマインドが表示されている。

11月の夕方特有の、少し肌寒い風が頬を撫でる。
“婚姻”と”婚約”という二つの熟語で茹った顔の熱がさっと冷えていく。



……少なくともここは、夢の中ではないようだった。


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