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(´・_ゝ・`)白天、氷華を希うようです('、`*川

234名無しさん:2025/05/08(木) 01:38:46 ID:/V6cX1oM0

――あぁ。きっと、最後まで僕はこれだ。

どれだけ努力しようと、頭を捻ろうと、計画を企てようと、ちょっとした触れ合い一つで盤面を一気にひっくり返される。
何度も彼女に挑んだ。一度でも勝てることが出来たのなら、きっとその時、彼女に認めてもらえると。褒めてもらえるのではないかと思ったから。
試験でも、小テストでも、口喧嘩でも、ちょっとした知恵比べでも、その全てを僕から挑んで、今の今まで負け続けてきた。
きっと、この関係はこのまま変わらないのだろう。

クラスメイトから友人になった。
友人から同僚になった。
同僚からようやく、恋人になった。

季節が巡る度に道端で咲いている花の色が変わるように、コロコロと変わっていく関係性。もしかしたら今の関係だって、遥か未来にはまた変わっているのかもしれない。
当然だ。ずっと変わらないものなんてない。生きている限り、この世界に存在している限り、不変なんてものはありえない。ずっとそのままなんて、映画や小説の中にしか存在しない。

それでも、例外というものはある。その最たるものが、きっとこれだ。
僕はずっと彼女に勝てない。どれだけ高いビルを建てようが、どれだけ恵まれようが、何年経とうがきっと、僕は彼女に負け続ける。

そして、そんな日々に悪態をつきながら、僕はずっとこれからも、君の隣で笑うのだろう。

月に住むウサギみたいに、跳ねるように先を歩き出した彼女の後を追う。
フラフラと揺れていた彼女の左手に月光が差し込み、街を覆う純白の雪みたいな光が一瞬だけキラリと光る。

僕は駆け足気味に彼女に近寄り、その右手をぎゅっと握った。


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