したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

(´・_ゝ・`)白天、氷華を希うようです('、`*川

19名無しさん:2024/01/01(月) 00:30:42 ID:yFlHhZ5Y0

幼い頃から自覚していた、唯一の長所。
だが私は、昔からずっと、この才能が嫌いだった。

『こんなことも出来ないのか』

『伊藤家の恥だな全く。0点だ。辛気臭い顔をしおって』

『何度言えば分かる、いいからお前は大人しく隅で座っておけばいいんだ』

『余計な口を挟むなと言わなかったか。黙ってニコニコすることも出来んのか、女としても使えん奴だな』

覚えていられるということは、つまり、忘れられないということ。
言われた嫌なことも、痛いことも、辛いことも全て、風化しないということ。

そもそも女の私がテストで多少良い結果を残したところで、うちの人間は誰も良い顔をしない。
それどころか、『女の癖に生意気だ』だの、父や兄に小言を言われる始末。
母にすら『男を立てろ』と言われるだけのあの家では、私の才能は“祝い”ではなく、“呪い”だった。

それが、初めて役に立った。初めて認められた。
中学でも“気味が悪い”だの“がり勉”だのと揶揄されるだけだった日々が、急に色づいて見えた。

憎まれ口ではあるものの、正面から認めてくれたのは盛岡くんが初めてだった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板