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月夜の蟹のようです

13名無しさん:2023/10/05(木) 01:13:31 ID:Le8acQQY0

少し経ってから、祖父が言葉を紡ぎ始めた。

( ФωФ) 「ヒサはな、その面倒ができなかった。だから死んじまった」

( ^ν^) 「ん」

( ФωФ) 「自分でご飯を用意して食べるってことが出来なかったんだよな」

( ФωФ) 「おい、クソガキ」

( ФωФ) 「大卒先生だかなんだか知らんがよ、自分の飯用意して食べれるようになれよ」

( ^ν^) 「ん」

( ФωФ) 「ずーっと、死ぬまで食ってかなきゃいけねえんだ。面倒でもな」

出発前に手を洗いそびれて、蟹の匂いが残っている。車内にそぐわない磯の香りがこの行き場のない空気をすこしだけ緩和してくれる。
ヒサという親戚のことも、生活ぶりも、死因も、今の話だけではなにも分からない。でも、頷くしかないような話しぶりだった。

祖母が亡くなってから、きゅーちゃんとの関係はどうなっていたんだろうか。
ご飯を食べることができないって、なにがあったんだろう。
疑問はいくつか浮かんだけれど、祖父の険しい横顔に問いかけることは出来なかった。
俺はただ、手を嗅ぐ。磯の匂いが、そこにはある。
.


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